両親の愛情に恵まれずに育った資産家の息子、主人公、夏希（なつき）と、
一方、貧乏で苦労人だが家族愛に恵まれた男、達也。
高校時代に付き合っていたが、ある事情で別れ、六年後再会する。
再会の舞台は、あの玲さん率いる劇団アリス。
夏希は劇団アリスのスポンサー兼雑用係という矛盾した立場。
そこで、大手運送会社の営業マンとして現れた達也と偶然再会する。
どこかで聞いたようなお話。
あさぎり夕先生も作中で玲さんに二人のことをしゃべらせているので、
これはわざとでしょう。
達也は性格は正反対だが、やってることは久住とまったく同じ。
ただ、久住ファンの私的には、彼は物足りないですね。
それより、夏希の自虐趣味で楽しめました。
難を言えば、玲さんが今回はキューピッド役に徹していたところが残念でした。
もっと引っ掻き回すのが、彼女の本分だと思います。
今回は毒気があまり無く、すっきりと読める一冊でした。
あっ、あさぎり夕先生の作品にしては、ですよ。
主人公は自虐趣味でぐるぐるしてます。
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