この著者の作品は『ピクテシェンカの不思議な森』シリーズから読んでいます。
もともとイラストに惹かれて購入しましたが、前シリーズにハマっていたのと、引き続き同じイラストレーターの池上さんでしたので、中身は確認せずに購入しました。
前シリーズは全体的に”ほのぼの”といった感じの西洋風（？）ファンタジーでしたが、今回は和風ファンタジーとのことで。
舞台になるのは『五慈（ごじ）大陸』という、和風の文化が根付いている架空の土地。
『栢尾河（ひゃくびがわ）』という大きな河が大陸を分断しており、その栢尾河の底には神が棲まうという。
神々は願いを叶える代わりに、その願いを叶えた人間の肉体を代償に得ては、人とのあいだに子供をもうけることもあった。そうして生まれた子供は『水守（みずもり）』と呼ばれ、親である神の瞳の色と水を操る不思議な力を得るが、なんの力も持たない人間たちからは受け入れられていなかった。
主人公の”朽葉（くちは）”は『水守』であるにもかかわらず、水を操る力を持っていなかった。そんな自分にコンプレックスを感じていたが、それでも前向きに生きようとする生真面目な娘だった。
ある日、幼なじみの”阿木（あぎ）”になかば強引に家から連れ出され、その先で出会った美青年、”碧絡（へきらく）”になんども助けられることになる。
家出先で、神に見初められて「願いを叶えてやる代わりに身体を差し出せ」と言われた”芽依（めい）”という少女を助けて欲しいと頼まれ、その騒動がきっかけで朽葉は己の秘密について知ることになる…。
あらすじはこんな感じで、メインとなる登場人物は主人公の【朽葉】と、血のつながりはないが家族として一緒に暮らしている兄【水禅（すいぜん）】に、姉妹の【香乃子（かのこ）】と【穂乃香（ほのか）】。幼なじみの青年【阿木】。シリーズのキーマン（？）【碧絡】。その他の何人かです。
今回は香乃子姉さんはあんまり出番がなく、水禅も朽葉の秘密（？）などに深く関わっていそうなんですが今回は不憫な役まわり。たぶん恋愛に絡んでくるのは碧絡と阿木かなぁと思うんですが…。
購入前は朽葉と碧絡以外の登場人物をまったく知らなかったのですが、阿木のビジュアルを見て「正当派ヤンチャ系（？）青年きた！？」と期待していたんですが、どうも”アホの子系”っぽくて、「これは当て馬的立ち位置かなぁ…」とちょっとガッカリしてしまいました。今後どうなるのか、格好良く成長していくのかは作者次第なんでしょうか。
碧絡は碧絡で特殊な立場な方なので、果たして恋愛という概念があるのかどうかすら怪しい…。
ともあれ、今後碧絡は朽葉につきまとう宣言をしたので、朽葉をとりまく人間関係がどうなっていくのか楽しみではあります。
個人的には冒頭で出てきた”柚木（ゆのき）”という人物が気になります。きっと生きているだろうから、これからどのように物語に関わってくるのか、またそのビジュアルがどうなるのか…きっとイケメンに違いない。と思って期待しているのですが。
お話し全体としては、まあシリーズの導入部分なんだなという印象です。作者の作風なのか、派手は起承転結は無かったと思います。
二巻目以降が楽しみな作品でした。
今後の展開の方が面白くなりそうなので、最初は辛めに☆３つです。
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