呪いのため魔法使いの助けがないと王宮の外へ出ることも、異性と触れ合うことも叶わなかった鳥籠の王女エルレインと、彼女にベタ惚れの隣国エリアルダの王孫子アレクセル、そしてアレクセルの友人であり、王女の教育係兼魔法使いであるゼルイーク。
前巻では、エルレインをつけ狙う魔王が登場し、エルレインとゼルイークはついに惹かれあっている気持ちを確認したのに、お互いがアレクセルを大事に思うあまり、魔法でエルレインの「ゼルイークを好き」だという記憶を封印してしまいました。
しかし「その事実」に気付いてしまった王孫子が、今巻はしょっぱなから飛ばします。
初巻登場時から、明るくいい性格（まじめに、良い意味で）の彼の、悩みながらもこういう行動を起こせるところが大好きです。片膝立てた横顔のイラスト込みで、株を上げてます。
この巻では、エルレインとアレクセルの、また彼女とゼルイークのやりとりが丁寧に描かれていて、読みながらずっとバクバク・ドキドキしていました。もちろんエルレインの護衛であり親友のオルフェリアも、こっ恥ずかしがりながらも、エルレインを心配してこのねじれた状態を正そうと頑張っていた。個人的には、国王の養女にして･･･部分に希望を妄想してます。
このシリーズは主要四人の心情が自然に納得できるものであるので、読んでいても誰にも幸せになってもらいたいと素直に思えるところがとても好きです。
新に登場したエリアルダ王家の方々、この父にしてこの息子ありの、カエル化しても髭は残るんだ〜な王太子殿下や、ちょっとだけ触れられているアレクセルがゼルを起こした場面など、そこかしこの笑いのツボも好き。
王女と教育係兼魔法使い、王孫子の後押しで固まった二人の気持ち。これからあの「魔王」に立ち向かう前段階が整ったと思ってよいのでしょうか。ゼル師の呪いを考えるとこのまま一筋縄では行かない不安も大だけれど。他の「魔王」も絡んでくるのか。ダナーク魔法村の、あの人物は今回限りのサービス出演なのか？。アレクセルやオルフェリアの行く末は･･･？。
次回は冬、だそうなのですが、待ち遠しいです。
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