舞台は19世紀末のヨーロッパ。
14歳のレッドは小柄で年齢より幼く見られる。
フランス・ベルギーと近い小国、ヴィルヘル国の第一王子ヨアキム・フェルディナンドだった彼には未来の一場面が『絵』として見える「予言」の力があった。
初恋のエレーナ姫の願いを叶え予言を成就させるため、彼の家庭教師を勤める16歳のリリーベルとともに、「家出」してフランスはドーバー沿いの港町アーブルへ向かった。
こう書くとレッド主体のお話のようですが、実際はリリーベルを中心に展開していきます。
レッドの「予言」は前後の脈絡なくただその場面が見える、というもの。また彼自身は(頭は良いようですが)伝える言葉も、世情にも疎い。
レッドが語る『絵』をどうやったら実現できるのか?を考えるのは、彼の唯一の理解者であるリリーベルの役目なのです。
アーブルの街で、素性を隠して奔走するリリーベル。彼らと知り合った無精ひげの似合う労働者階級のイギリス人青年アレックスもこの奇妙な予言に巻き込まれて行き――。
ストーリーは、レッドの見た『絵』を確定させることが、エレーナ姫の見失っていたものを取り戻し本当に欲しかったものを与えて彼女を幸福にする、というどんでん返し的謎解きを軸に、レッドとリリーベル、アレックスや彼の友人でもある市長令嬢でロマンス小説家のマリー、その兄にしてパリ議会の美貌の政治家テオドール、船会社御曹司ビクトルらブルジョワの人達、これからこの街で関わってくるであろう人々が顔を揃えていきます。
なぜかわからないうちに二人の側にたってしまったアレックス、見かけただけで?リリーベルを気に入ってしまってるらしいテオドール…、レッドとリリーベルの姉弟のような関係や、彼らの過去など主要人物に関する謎はまだチラ見せされているだけです。
話の作りは「霧の街のミルカ」シリーズに似ています。メインのエピソードに主役の抱えているものは直接絡んでこないような。
心配なのは同シリーズのように、やっと三巻いよいよ主役の謎が明かされて、これからどう動くのか?ってところで完結してしまわないか。彼らが癒され幸せになっていくのか?、最後までちゃんと読みたいです。
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ミスティーレッド はざまの街と恋する予言者 (ミスティーレッドシリーズ) (コバルト文庫) 文庫 – 2010/10/1
19世紀末フランスの港町で恋と冒険が開幕!
植民地景気に沸く19世紀末フランスの港町。ドーバー海峡に面した港町で、美少女リリーベルの激動の運命が動き出す!! 不思議な能力を持つ家出王子レッドと旅するリリーに、様々な事件が!?
植民地景気に沸く19世紀末フランスの港町。ドーバー海峡に面した港町で、美少女リリーベルの激動の運命が動き出す!! 不思議な能力を持つ家出王子レッドと旅するリリーに、様々な事件が!?
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2010/10/1
- ISBN-104086014564
- ISBN-13978-4086014564
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2010/10/1)
- 発売日 : 2010/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4086014564
- ISBN-13 : 978-4086014564
- カスタマーレビュー:
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