確実な「嵐の襲来」が予告されてる本編を前に、書き下ろし二編を含む、雑誌既出の短編&コミックを時系列に並べてまとめてくれた、待望の一冊です。やっぱりまとまってると盛り上がります。
幕開きの書き下ろしは、王孫子様がいかに偉大なる魔法使いを起こしたか。
アレクセルのいい所、かわいい所、彼ってほんと曲がらず「彼」ですね〜。
次はアレクセルやゼルイークがエルレインの元にやって来てたお妃教育真っ最中の頃。教育指導中の様子がわかるコミック「青殻宮の人々」と、お仕置きで石像になったアレクセルとエルレインの葛藤の短編「汝、愛を疑うことなかれ」。聖シエザ祭絡みの緑色の冒険とその顛末のコミック「聖者の祭典」。
それからエルレインとゼルイークが恋人同士になってからの「恵みの環記念日」。ドタキャンゼル師より、恋人の方が一枚上手でしたね(笑)。
そしてまたコミックの『エルレイン杯争奪』のカエルレースです。オーデットからはシラル初めリオの一、三の兄上が参加しています。
締めは書き下ろしの「夢で逢えたら」。これはつい直近の、前巻後のつかの間の平和な時間。
ゼルの魔力で支える、望みが叶う世界に小旅行した一行の、それぞれの願望とは…?。表紙の三匹の緑色については、ここで納得。そして「イケメン・リオ」のズバリな挿絵がないのは誠に残念です〜。
書き下ろしには、前出の短編やコミックのエピソードが伏線のように入って来て一冊としてまとまり感がありました。ゼルイークの曲げたもの、逢いたいと思ったあの方に、彼の幸せを願わずにはいられません。
それと、二人のいちゃラブは…。いまさら「あんなことやこんなこと」って表記だけでニヤける自分もどうかと思いますが(笑)、代金取り立てのゼル先生にますますニヤリ。
あとがきでは次は冬「魔王の遺産」。そしてあと二巻で完結、とのこと。
二人が現世で幸せになれますよう切に希望します。
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