著者は憲法学の第一人者である。特に「立憲主義」に明るい著者が、一般者向けに説いた書である。少し古いが、内容はさらに重要なものになってきている。それを逆回転させようとする動きが顕著になってきているから。
近代憲法の根底にある、中世の教会権力・王権力からの解放、人民主権・民主主義・立憲主義の確立へと、紆余曲折しながら長い年月をかけて時代は進んでいった。政教を分離し、絶対王制を廃止し、国民が主権者である国民国家を作った。そして、民主主義の議会において法律を作り、政府はその法に基づき行政を行う。
しかし、その民主的な選挙で選ばれたナチス党が合法的に政権を握ったとたん、憲法を踏みにじり、敵対政党を非合法とし、独裁の上、他国への侵略や虐殺と言うとんでもない事態を招いた。
したがって、国家権力であろうとやってはいけないことを、国民が国家に命じ、個人の権利や人権を守る国家に命じたものがず憲法であり、これを「立憲主義」(憲法・コンスティチュショナリズムと言う考え方)と言い、その重要性が認識され、今日、強固で基本的な法思想である。
この個人と国家の関係、つまり立憲主義を身近な例を多く使いながら、歴史的・比較憲法的にも説明していく。如何なる譲れないコアとなる価値観が築き上げられて来たか、日本においては、それをまた元に戻す動きもあり、しっかり「立憲主義」を守ることの大切さを説いてくれている。
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個人と国家 ―今なぜ立憲主義か (集英社新書) 新書 – 2000/11/17
樋口 陽一
(著)
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国家が国民を見捨てるとき「個人の尊厳」をいかに守っていくのか?
個人、国家、自由、民主、人権、政教分離、そして憲法。自明のこととして普段なに気なく使っているこれらの言葉の持つ本来の意味を考えながら、個人にとって国家とは何か、憲法とは何かを考えていく。あらゆる政治体制が「民主」という名において説明される現代において、「民主主義」という言葉は何も語っておらず、個人が個人として尊重される社会を確立するためには、国家の権力をも制限する立憲主義を再認識して、「憲法」を本気で議論すべきであると著者は説く。
[著者情報]
樋口陽一 (ひぐち よういち)
一九三四年仙台市生まれ。現在早稲田大学法学部教授。東北大学法学部卒業。東北大学名誉教授、パリ大学名誉博士、東京大学名誉教授。『近代立憲主義と現代国家』(勁草書房)で日本学士院賞受賞。『比較のなかの日本国憲法』『自由と国家-いま「憲法」のもつ意味-』(以上岩波新書)、『比較憲法』(青林書院)、『先人たちの「憲法」観-“個人”と“国体”の間-』(岩波ブックレット)など著書多数。
個人、国家、自由、民主、人権、政教分離、そして憲法。自明のこととして普段なに気なく使っているこれらの言葉の持つ本来の意味を考えながら、個人にとって国家とは何か、憲法とは何かを考えていく。あらゆる政治体制が「民主」という名において説明される現代において、「民主主義」という言葉は何も語っておらず、個人が個人として尊重される社会を確立するためには、国家の権力をも制限する立憲主義を再認識して、「憲法」を本気で議論すべきであると著者は説く。
[著者情報]
樋口陽一 (ひぐち よういち)
一九三四年仙台市生まれ。現在早稲田大学法学部教授。東北大学法学部卒業。東北大学名誉教授、パリ大学名誉博士、東京大学名誉教授。『近代立憲主義と現代国家』(勁草書房)で日本学士院賞受賞。『比較のなかの日本国憲法』『自由と国家-いま「憲法」のもつ意味-』(以上岩波新書)、『比較憲法』(青林書院)、『先人たちの「憲法」観-“個人”と“国体”の間-』(岩波ブックレット)など著書多数。
- ISBN-104087200671
- ISBN-13978-4087200676
- 出版社集英社
- 発売日2000/11/17
- 言語日本語
- 本の長さ232ページ
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
憲法の意義と民主主義と立憲政治の関係が平易な文章で書かれている国民の必読の書と思う。
2016年6月13日に日本でレビュー済み
さすが樋口陽一氏の説明は、正確であり、広がりがあり、分かりやすい。
まず、「『四つの89年』とは」(87頁)のところである。1689年は、イギリスの「権利章典」、1789年は「フランス革命と人権宣言」、1889年は、後発近代国家の「ほかならぬ大日本帝国憲法発布の年」であり、その後、1997年は「ソ連・東欧での一党支配体制の崩壊という大変化」となっている。「これはフランス革命と人権宣言の200周年を記念する大がかりな国際学界(1989年7月、パリ)のとき私が提唱した」ものだそうだ。こんな風に、世界史を俯瞰できる人は、さすがだと思う。
そういう視点に立って、64、65頁の「『個人』について」のところでは、「ところがここでも、『これからは個人責任で行かなければいけないんだよ』ということを、現に強い立場にいる人が説くという現象が起こっています。これではあべこべじゃないか。もともと強い人はそんなことを言う必要はないのです。弱いからこそ、個人の尊厳ということを言う必要がある。ここでもねじれを解きほぐしていく必要があるのではなかろうかということです」と書いてある。なんと素晴らしい、分かりやすい記述だろうか。
第九条は、正義のための戦争はありえないという哲学を前提にしているが、しかし、サンフランシスコ講和条約を結んだ時に「連合国との間の戦争は正義の戦争だった」ということを、認めている。この間のねじれをねじれとしてきちんと受け止めた上で――21世紀に向けての、日本社会が進んでいくべき積極的な道を手探りしていくとういうことが私たちに突きつけられた中心テーマだ(202頁)と樋口氏は問題提起しています。こんな鋭い問題提起に、はじめて出会った気分だ。これからも何回も読まなければいけない本だと思う。
まず、「『四つの89年』とは」(87頁)のところである。1689年は、イギリスの「権利章典」、1789年は「フランス革命と人権宣言」、1889年は、後発近代国家の「ほかならぬ大日本帝国憲法発布の年」であり、その後、1997年は「ソ連・東欧での一党支配体制の崩壊という大変化」となっている。「これはフランス革命と人権宣言の200周年を記念する大がかりな国際学界(1989年7月、パリ)のとき私が提唱した」ものだそうだ。こんな風に、世界史を俯瞰できる人は、さすがだと思う。
そういう視点に立って、64、65頁の「『個人』について」のところでは、「ところがここでも、『これからは個人責任で行かなければいけないんだよ』ということを、現に強い立場にいる人が説くという現象が起こっています。これではあべこべじゃないか。もともと強い人はそんなことを言う必要はないのです。弱いからこそ、個人の尊厳ということを言う必要がある。ここでもねじれを解きほぐしていく必要があるのではなかろうかということです」と書いてある。なんと素晴らしい、分かりやすい記述だろうか。
第九条は、正義のための戦争はありえないという哲学を前提にしているが、しかし、サンフランシスコ講和条約を結んだ時に「連合国との間の戦争は正義の戦争だった」ということを、認めている。この間のねじれをねじれとしてきちんと受け止めた上で――21世紀に向けての、日本社会が進んでいくべき積極的な道を手探りしていくとういうことが私たちに突きつけられた中心テーマだ(202頁)と樋口氏は問題提起しています。こんな鋭い問題提起に、はじめて出会った気分だ。これからも何回も読まなければいけない本だと思う。
2013年1月24日に日本でレビュー済み
★ポイント
・自民党の出した憲法改正草案の内容に不安を感じ、そも憲法とは何なのかを調べるために読んだ。
日本の立憲主義の立ち位置についての基礎的理解ができた。
・明治憲法との比較が面白い。明治憲法が一概に悪者であったわけではなく、国家間の関係により民意が変化し、運用方法が変わる。
★事実
・とにかく読みやすいのは口述筆記のため初学者にはよい。
★コメント
・自民党の憲法改正草案に対する批判が騒がしい。曰く「主権在民を事実上骨抜きにする」「表現の自由に制約ができる」「人体が拘束される可能性がある(徴兵)」「立憲主義に反する時代錯誤」などなど。私は平凡な会社員であり、イデオロギーに凝り固まっているわけではない。しかしながら、現在日本がおかれている状況は承知しており、将来に対する不安がある。
・立憲主義とは、「国民の自由を守るために国家の権力に制約をかけること」であり、国民に義務を課したり思想を強制するようなことではないことは、西側諸国ではおおよそ共通の認識である。しかしその場合、隣国に立憲主義ではない強国がいた場合、自分達の財産を守れない可能性がある。だからこそ、隣国に対して牽制するためにも、国家の強化のため、憲法を立憲主義的なものを排除しよう、、、というのが自民党の方々の考えであろうと推測する。
・「立憲主義でない改正案はナンセンス」と唱える反対論は、結局自己撞着ともいえる。尖閣竹島アルジェリアなどで起きていることを思いを寄せれば、今の状況が我が国の意思に関係なく悪くなっていることは明白。自分で自分の身を守れないのは国家ではない。ではどうするか?
・明治維新時とことなり、現代における日本にはロールモデルとなる国家がない。しからば自分たちで自分の道を切り開いていくしかない。突然サンデル教授がもてはやされたりするのは、東西冷戦時のように善悪でものごとを判断する時代から、ギリギリでも、協調的に国家関係をつくる時代に切り替わったことと無関係ではあるまい。その意味で、自民党が憲法草案を出たのを機に、大いに憲法論を議論しあうことが必要であろう。まず初歩的なり理解として立憲主義を歴史と真髄を本書でなぞってみるのがよい。
・自民党の出した憲法改正草案の内容に不安を感じ、そも憲法とは何なのかを調べるために読んだ。
日本の立憲主義の立ち位置についての基礎的理解ができた。
・明治憲法との比較が面白い。明治憲法が一概に悪者であったわけではなく、国家間の関係により民意が変化し、運用方法が変わる。
★事実
・とにかく読みやすいのは口述筆記のため初学者にはよい。
★コメント
・自民党の憲法改正草案に対する批判が騒がしい。曰く「主権在民を事実上骨抜きにする」「表現の自由に制約ができる」「人体が拘束される可能性がある(徴兵)」「立憲主義に反する時代錯誤」などなど。私は平凡な会社員であり、イデオロギーに凝り固まっているわけではない。しかしながら、現在日本がおかれている状況は承知しており、将来に対する不安がある。
・立憲主義とは、「国民の自由を守るために国家の権力に制約をかけること」であり、国民に義務を課したり思想を強制するようなことではないことは、西側諸国ではおおよそ共通の認識である。しかしその場合、隣国に立憲主義ではない強国がいた場合、自分達の財産を守れない可能性がある。だからこそ、隣国に対して牽制するためにも、国家の強化のため、憲法を立憲主義的なものを排除しよう、、、というのが自民党の方々の考えであろうと推測する。
・「立憲主義でない改正案はナンセンス」と唱える反対論は、結局自己撞着ともいえる。尖閣竹島アルジェリアなどで起きていることを思いを寄せれば、今の状況が我が国の意思に関係なく悪くなっていることは明白。自分で自分の身を守れないのは国家ではない。ではどうするか?
・明治維新時とことなり、現代における日本にはロールモデルとなる国家がない。しからば自分たちで自分の道を切り開いていくしかない。突然サンデル教授がもてはやされたりするのは、東西冷戦時のように善悪でものごとを判断する時代から、ギリギリでも、協調的に国家関係をつくる時代に切り替わったことと無関係ではあるまい。その意味で、自民党が憲法草案を出たのを機に、大いに憲法論を議論しあうことが必要であろう。まず初歩的なり理解として立憲主義を歴史と真髄を本書でなぞってみるのがよい。
2013年6月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
改憲問題が世間を騒がせている中、基本に立ち返って勉強できる良書です。
2004年6月19日に日本でレビュー済み
国家を作ったのは人である。人なしには国家は成り立たない。それでは全て個人の責任によって行動すればいいのかといえばそうもいえない。かといって国家がすべて対応してくれるのかといえばそうでもない。
それでは国家という想定をいかにして意識すればよいのか。筆者は立憲主義を柱として国家をあぶりだしていく。
現在の時事問題とはいかなるものなのか。そしてそれらにおける個人と国家はどのような関係を持っているのか。そこにある立憲主義とはなんなのか。日本人と国家の歴史を踏まえて筆が進む。
民主主義と立憲主義の違い、そしてそもそもそれらの間に共通する概念の人権とはなんなのか。全ては当然としてあるものではなく、作り出された概念である。それならばそれを一度は疑わなければその価値は確かめられない。民主主義なら良いのではない、そこに憲法があれば良いのではない、そのような絶対的なものがあるわけではない。立憲主義とはなんなのかを理解して初めて個人と国家の問題に向き合える。そんな一冊。
それでは国家という想定をいかにして意識すればよいのか。筆者は立憲主義を柱として国家をあぶりだしていく。
現在の時事問題とはいかなるものなのか。そしてそれらにおける個人と国家はどのような関係を持っているのか。そこにある立憲主義とはなんなのか。日本人と国家の歴史を踏まえて筆が進む。
民主主義と立憲主義の違い、そしてそもそもそれらの間に共通する概念の人権とはなんなのか。全ては当然としてあるものではなく、作り出された概念である。それならばそれを一度は疑わなければその価値は確かめられない。民主主義なら良いのではない、そこに憲法があれば良いのではない、そのような絶対的なものがあるわけではない。立憲主義とはなんなのかを理解して初めて個人と国家の問題に向き合える。そんな一冊。
2014年3月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
非常にレビューの難しい本だと考えます。
この本を読む際には、まず作者の政治的・個人的思想が非常に多く混じっていることを承知しておかねばなりません。
同時に、西洋史や近代史の前提知識を持って、記述を批判的に読むことが必要だと感じます。
さて肝心の内容ですが、作者の知識や法学の考え方、本の目的はおおよそ理解できました。
前半は戦後の西洋的価値観に非常に強い信仰を持っていることがありありとわかる文面でしたが1,2章は西洋発展史から見た用語や権利の再定義を含み、参考になりました。
しかし後半になるにつれて、作者の主張を述べ、根拠となる学術内容の一解釈を書いていくという主張ありきのスタイルを採っています。
個人的には学者が取るべきスタイルではないと思いますが、作者の主張や学術的側面の中に西洋の法律的事例や憲法理念などの知識が豊富に含まれており、一概に切り捨てるべきでないようにも感じます。
法律家の観点から海外の憲法の事例を垣間見る、という意味では参考になりました。
個人的には、他人に薦めたい本ではありません。読むとしても1,2章だけで十分でしょう。
作者が政治的に偏った見方をしていることも要因ですが、何よりも読みにくいことが原因です。
この本を読む際には、まず作者の政治的・個人的思想が非常に多く混じっていることを承知しておかねばなりません。
同時に、西洋史や近代史の前提知識を持って、記述を批判的に読むことが必要だと感じます。
さて肝心の内容ですが、作者の知識や法学の考え方、本の目的はおおよそ理解できました。
前半は戦後の西洋的価値観に非常に強い信仰を持っていることがありありとわかる文面でしたが1,2章は西洋発展史から見た用語や権利の再定義を含み、参考になりました。
しかし後半になるにつれて、作者の主張を述べ、根拠となる学術内容の一解釈を書いていくという主張ありきのスタイルを採っています。
個人的には学者が取るべきスタイルではないと思いますが、作者の主張や学術的側面の中に西洋の法律的事例や憲法理念などの知識が豊富に含まれており、一概に切り捨てるべきでないようにも感じます。
法律家の観点から海外の憲法の事例を垣間見る、という意味では参考になりました。
個人的には、他人に薦めたい本ではありません。読むとしても1,2章だけで十分でしょう。
作者が政治的に偏った見方をしていることも要因ですが、何よりも読みにくいことが原因です。
2015年5月22日に日本でレビュー済み
「個人と国家」の関係に焦点を当て、国家のあり方について述べている。
そもそも誤りなのは、考え方が個人のための国家という視点で、国家の役割りを作り上げようとしているため、考え方が内向きで、国家安全保障や国際関係論、国際経済学的な視点に全く欠けていることである。国家は国家として戦略を立て、わが国はどういう方針で安全と繁栄を図っていくのか、国際的な立ち位置はどうしていくのか、国民生活はどのレベルを目指すのかを決めるのが先決のはずである。ある意味、リーダーがトップダウンで決めるべきものであり、国民レベルの社会的不具合を数多く取り上げて国家像を論じること自体がナンセンスである。各々が生存と繁栄を考える世界の多数の国々の中の一国であることがわかっていないのではないか。歴史認識にも誤りがあり、狭視眼的国家論としか言いようがない。
そもそも誤りなのは、考え方が個人のための国家という視点で、国家の役割りを作り上げようとしているため、考え方が内向きで、国家安全保障や国際関係論、国際経済学的な視点に全く欠けていることである。国家は国家として戦略を立て、わが国はどういう方針で安全と繁栄を図っていくのか、国際的な立ち位置はどうしていくのか、国民生活はどのレベルを目指すのかを決めるのが先決のはずである。ある意味、リーダーがトップダウンで決めるべきものであり、国民レベルの社会的不具合を数多く取り上げて国家像を論じること自体がナンセンスである。各々が生存と繁栄を考える世界の多数の国々の中の一国であることがわかっていないのではないか。歴史認識にも誤りがあり、狭視眼的国家論としか言いようがない。