本の題の通り
カラスの行動が遊びと生きるためのものであることが再認識できました。
カラスの見方が変わった一冊です。
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カラス なぜ遊ぶ (集英社新書) 新書 – 2004/3/17
杉田 昭栄
(著)
ゴミ漁りや人への悪質なイタズラなど、目の敵にされがちなカラスだが、それも賢さゆえ。脳の大きさから体内構造、そして行動まで、あらゆる角度からカラスを研究し尽くした「カラス学」の決定版。
- ISBN-104087202348
- ISBN-13978-4087202342
- 出版社集英社
- 発売日2004/3/17
- 言語日本語
- 本の長さ240ページ
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2004/3/17)
- 発売日 : 2004/3/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4087202348
- ISBN-13 : 978-4087202342
- Amazon 売れ筋ランキング: - 851,563位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年6月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の特徴はカラスの賢さに繋がる脳の解剖学的・生理学的特徴を明らかにしていることです.箇条書きすると次のごとし.
1. 脳重と体重から算出する脳化指数がトリにしては大きい.ちなみにヒトは0.89,イルカ0.64,チンパンジー0.30.これらに次いでカラス0.16,イヌ0.14,ネコ0.12となる.この指数が頭の良さを示すなら,イヌよりカラスの方が賢い.
2. 終脳/全脳比はトリ中カラスが最大.終脳はヒトでは大脳を指す.当然,カラスはスズメやハト,ニワトリなどより賢い.
3. 脳内伝達物質ドーパミンの含有量はカラスはニワトリの17倍,アヒルの2倍,スズメの6倍と高い.つまり脳の神経細胞間の情報処理はカラスが他のトリたちより早くなる.
結局のところ,脳が異様に発達しているから賢くなった.当たり前のことですが,学術的に証明するとなると厄介です.頭がよければ,その分,生活の知恵も生まれるでしょうし,余暇をつくって遊ぶこともできます.ひょっとしたら彼らは遊びながら笑っているかもしれません.最後に字解きを紹介します.カラスは漢字で烏と書くし,鴉とも書ける.先ず烏です.鳥という字は’自’を含みます.カラスは全身これ真っ黒で眼の所在が分かりにくい.だから自から横線を一本抜いて烏とした.次いで鴉.鴉は牙の鳥を指す.牙がガと音読します.もう分かりますね.ガア ガアと鳴く鳥だから鴉なのだと,私はこの本で教わりました.私は臍曲がりで,上記の学術よりこの字解きの方に興味を覚えました.カラスと片仮名で書ける.’からす’ と平仮名でも書ける.更に漢字では烏もあるし,鴉もあって,それぞれ語感が大いに異なる.鴉の赤ちゃんは鳴きません.カラスの赤ちゃんが鳴くのです.選択の幅がある日本語は楽しいではないですか.英語では 'crow' のほかに何かありますか.もしcrowしかなかったら英語圏は殺風景です.そういえば,crow の craw,すなわちcrow の喉袋(ノドブクロ)は大きくて食べ物を詰め込むことができます.一挙に沢山食べられるから,他の鳥みたいに年中食べもの捜しに苦労しない.衣食足りて礼節を知るのはヒトです.衣に関心のないカラスは食足りて遊びを知る,こう書いてきて本書の名前,<カラス なぜ遊ぶ> --- の答えが分かりました.ヤツラは暇をもてあまして遊んでいるのです.
で,採点です. Crow 解剖の苦労を評価して星5にしたいのですが,書き手のペンが走りすぎて,しばしば脱線し,読み手の興を削ぎます.なので1点減点しました.
1. 脳重と体重から算出する脳化指数がトリにしては大きい.ちなみにヒトは0.89,イルカ0.64,チンパンジー0.30.これらに次いでカラス0.16,イヌ0.14,ネコ0.12となる.この指数が頭の良さを示すなら,イヌよりカラスの方が賢い.
2. 終脳/全脳比はトリ中カラスが最大.終脳はヒトでは大脳を指す.当然,カラスはスズメやハト,ニワトリなどより賢い.
3. 脳内伝達物質ドーパミンの含有量はカラスはニワトリの17倍,アヒルの2倍,スズメの6倍と高い.つまり脳の神経細胞間の情報処理はカラスが他のトリたちより早くなる.
結局のところ,脳が異様に発達しているから賢くなった.当たり前のことですが,学術的に証明するとなると厄介です.頭がよければ,その分,生活の知恵も生まれるでしょうし,余暇をつくって遊ぶこともできます.ひょっとしたら彼らは遊びながら笑っているかもしれません.最後に字解きを紹介します.カラスは漢字で烏と書くし,鴉とも書ける.先ず烏です.鳥という字は’自’を含みます.カラスは全身これ真っ黒で眼の所在が分かりにくい.だから自から横線を一本抜いて烏とした.次いで鴉.鴉は牙の鳥を指す.牙がガと音読します.もう分かりますね.ガア ガアと鳴く鳥だから鴉なのだと,私はこの本で教わりました.私は臍曲がりで,上記の学術よりこの字解きの方に興味を覚えました.カラスと片仮名で書ける.’からす’ と平仮名でも書ける.更に漢字では烏もあるし,鴉もあって,それぞれ語感が大いに異なる.鴉の赤ちゃんは鳴きません.カラスの赤ちゃんが鳴くのです.選択の幅がある日本語は楽しいではないですか.英語では 'crow' のほかに何かありますか.もしcrowしかなかったら英語圏は殺風景です.そういえば,crow の craw,すなわちcrow の喉袋(ノドブクロ)は大きくて食べ物を詰め込むことができます.一挙に沢山食べられるから,他の鳥みたいに年中食べもの捜しに苦労しない.衣食足りて礼節を知るのはヒトです.衣に関心のないカラスは食足りて遊びを知る,こう書いてきて本書の名前,<カラス なぜ遊ぶ> --- の答えが分かりました.ヤツラは暇をもてあまして遊んでいるのです.
で,採点です. Crow 解剖の苦労を評価して星5にしたいのですが,書き手のペンが走りすぎて,しばしば脱線し,読み手の興を削ぎます.なので1点減点しました.
2013年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
農学博士であると同時に、医学博士でもある杉田先生はカラスの脳、目の構造や特徴といった専門的な視点からカラスの賢さを解説されており、カラスを非常に興味ある動物と思えるようになりました。
2007年8月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本のタイトルは,有名な童謡の一節をもじったものである。カラス研究の成果を通して,その「なぜ」のヒントを示している。
捕鯨禁止を謳っている国は多いが,頭の良さだけで判断するなら,カラスも捕まえるなという話になり兼ねないのではないか。人に害を与えることがある以上,実際にそんなことは無いと思うが,そういう想像をしてしまうぐらい頭のいい鳥だと思った。
いったい何が引き金になって,鳥類の中でも優れた脳を持つように進化したのか。「たかが鳥」が,そんないい頭を持つ必要があったのだろうか。いい頭を持っているのなら,糞を所構わず落とさずに,せめてトイレで用を足してほしいと思うのは,人間の勝手だろう。
見た目が良くないので悪者扱いされがちなカラスだが,その魅力的な一面を知ることができる。
捕鯨禁止を謳っている国は多いが,頭の良さだけで判断するなら,カラスも捕まえるなという話になり兼ねないのではないか。人に害を与えることがある以上,実際にそんなことは無いと思うが,そういう想像をしてしまうぐらい頭のいい鳥だと思った。
いったい何が引き金になって,鳥類の中でも優れた脳を持つように進化したのか。「たかが鳥」が,そんないい頭を持つ必要があったのだろうか。いい頭を持っているのなら,糞を所構わず落とさずに,せめてトイレで用を足してほしいと思うのは,人間の勝手だろう。
見た目が良くないので悪者扱いされがちなカラスだが,その魅力的な一面を知ることができる。
2013年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
説明書きよりも、ほとんど汚れがなく綺麗でした。また、新品よりも安価で入手でき、満足度は高かったです。
2005年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私の家には一羽のハシボソガラスを飼育しているため もっとカラスのことが知りたく購入した一冊です。カラスは嫌われ者で不気味な存在のように世間一般では思われていますが この本を読んだ方はきっと好き?とまではいかなくてもカラスが利口で頭の良い鳥であることが理解できるはずです。カラスの面白い遊びの行動や習性など興味に尽きない内容です。カラスでお困りの方も多いので「カラスなぜ遊ぶ」を読んでいただくと何かの役にたつ一冊ではないかと思います。是非カラスの好き方?嫌いな方にも一読していただきたい一冊です。
2008年9月7日に日本でレビュー済み
著者は動物形態学、神経解剖学の専門家。
一方で、カラスの生態に興味を持ち、大学で飼育したり解剖したりして、その智恵に迫っている。
前半はカラス雑話。カラスの智恵の実際が紹介される。記号や人物を見分ける実験、カラスの遊び、食物を取るための工夫、撃退グッズの失敗例などが雑多に取り上げられる。
後半はカラスの脳の解剖から。どのような仕組みで出来ているのか、どうして賢いのか。まだまだ研究としては手探り状態のようだが、アイデアや示唆に満ちており、面白かった。
著者の人柄に魅力。ユーモアがある。
一方で、カラスの生態に興味を持ち、大学で飼育したり解剖したりして、その智恵に迫っている。
前半はカラス雑話。カラスの智恵の実際が紹介される。記号や人物を見分ける実験、カラスの遊び、食物を取るための工夫、撃退グッズの失敗例などが雑多に取り上げられる。
後半はカラスの脳の解剖から。どのような仕組みで出来ているのか、どうして賢いのか。まだまだ研究としては手探り状態のようだが、アイデアや示唆に満ちており、面白かった。
著者の人柄に魅力。ユーモアがある。
2012年5月5日に日本でレビュー済み
この本を読むと確実にカラスへの見方が変わる。
カラスは遊ぶ、カラスはキレイ好き。カラス撃退グッズは効果がない。カラスは人間が見えない色も見える。……
哺乳類の頂点が人間だとすると、鳥類の頂点はカラスだということが自然とわかる。
カラスが頭がいいということは誰でも知っているけど、それは脳の大きさ、構造からも裏付けられる。
図形や数を区別し、概念思考すらできることが根気の要る実験で明らかになる。
しかし、著者の杉田昭栄は単純に頭の良し悪しで動物や鳥を評価しない。人間のものさしを当てはめること自体がカラスを見損なうことになると考えているのだろう。
鳥が空を飛ぶのは当たり前だが、そのために独自の身体と脳を持っていて、独自の感覚を持っている。
空を飛べない人間が鳥のことがわかるわけがない。
進化の過程で、なぜ空を飛ぶ鳥類が現れ、飛ぶことをやめた哺乳類が現れたのか。
ぼくはカラスが何かを語りかけてきているような気がすることが時々ある。
視線が合って、「どうした?」とか「おまえもいろいろ大変だな」とか。
それは勝手な思い込みで、あんまり見ていると襲われそうになったりするけど。
でも、考えてみれば都市に住んでいて、人間を襲う動物なんていない。
犬も猫も他の鳥もそんな元気のあるのはいない。
人間の都合でいいようにされてかわいそうな感じだ。
カラスは都市や人間を自分の都合に合わせて利用している。
だから、ゴミをあさったりして嫌われるんだろうけど、「おまえたちが自然を大切にしないからさ」とでも思っているのかもしれない。
いろんなことを考えさせてくれるこの本で唯一残念なのが、なぜカラスがあんなに真っ黒なのかという疑問への答えがないことだ。
夜行性でもないから保護色とは思えない。ただでさえ大きな身体がよけい目立つ。
だから、何か意味があるように考えてしまうのだが。
カラスは遊ぶ、カラスはキレイ好き。カラス撃退グッズは効果がない。カラスは人間が見えない色も見える。……
哺乳類の頂点が人間だとすると、鳥類の頂点はカラスだということが自然とわかる。
カラスが頭がいいということは誰でも知っているけど、それは脳の大きさ、構造からも裏付けられる。
図形や数を区別し、概念思考すらできることが根気の要る実験で明らかになる。
しかし、著者の杉田昭栄は単純に頭の良し悪しで動物や鳥を評価しない。人間のものさしを当てはめること自体がカラスを見損なうことになると考えているのだろう。
鳥が空を飛ぶのは当たり前だが、そのために独自の身体と脳を持っていて、独自の感覚を持っている。
空を飛べない人間が鳥のことがわかるわけがない。
進化の過程で、なぜ空を飛ぶ鳥類が現れ、飛ぶことをやめた哺乳類が現れたのか。
ぼくはカラスが何かを語りかけてきているような気がすることが時々ある。
視線が合って、「どうした?」とか「おまえもいろいろ大変だな」とか。
それは勝手な思い込みで、あんまり見ていると襲われそうになったりするけど。
でも、考えてみれば都市に住んでいて、人間を襲う動物なんていない。
犬も猫も他の鳥もそんな元気のあるのはいない。
人間の都合でいいようにされてかわいそうな感じだ。
カラスは都市や人間を自分の都合に合わせて利用している。
だから、ゴミをあさったりして嫌われるんだろうけど、「おまえたちが自然を大切にしないからさ」とでも思っているのかもしれない。
いろんなことを考えさせてくれるこの本で唯一残念なのが、なぜカラスがあんなに真っ黒なのかという疑問への答えがないことだ。
夜行性でもないから保護色とは思えない。ただでさえ大きな身体がよけい目立つ。
だから、何か意味があるように考えてしまうのだが。