"多くの先輩方の意見、さらにはショートショートの現状を踏まえた上で、私はショートショートをあえて『約二十枚以下のアイデア・ストーリー』と定義したいと考えました。"2005年発刊の本書はショートショートを愛する著者による歴史紹介や書き方指南がコンパクトにまとめられています。
個人的には星新一の作品でショートショートを読む機会はありましたが、あらためて【ショートショートとは?】と疑問に思ったこと、また、そもそも【星新一の作品以外のショートショートを知らない】ことから手にとったのですが。入門書を意識して書かれた本書は、数多くの作家の作品を紹介しつつ、定義はもとよりショートショートがアメリカの雑誌『コスモポリタン』の【雑誌の構成に合わせて小説を書いてもらおう】と1920年代にサマセット・モームに執筆依頼した事に始まった事なども紹介してくれていて、雑学的にも勉強になりました。
また後半は著者による【ショートショートの執筆指南】として【不条理なことを夢オチやロボットオチ】といった結末はタブーである。など具体的、丁寧に書かれていて、こちらはこちらで著者によるワークショップを受けている様な実践的な学びを得ることができました。
ショートショート好き、あるいはショートショートに実際に取り組んでみたい作家志望の誰かにオススメ。
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ショートショートの世界 (集英社新書) 新書 – 2005/9/16
高井 信
(著)
甦れ! 奇想天外なアイデア・ストーリーたち。
70年代から80年代にかけて、内外の多くの作家たちが愛し、書きまくった独特なフィクションの形式――ショートショート。本書は、自身も実作者である著者の手による、恐らく世界初の入門書です。
70年代から80年代にかけて、内外の多くの作家たちが愛し、書きまくった独特なフィクションの形式――ショートショート。本書は、自身も実作者である著者の手による、恐らく世界初の入門書です。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2005/9/16
- ISBN-104087203085
- ISBN-13978-4087203080
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2005/9/16)
- 発売日 : 2005/9/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4087203085
- ISBN-13 : 978-4087203080
- Amazon 売れ筋ランキング: - 865,680位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,175位文学理論
- - 1,470位集英社新書
- - 128,324位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年5月29日に日本でレビュー済み
2006年4月2日に日本でレビュー済み
一見あれもこれもショートショートであったかと思わせるようだが、
例えば川端康成「掌の小説」や稲垣足穂「一千一秒物語」などとは
一線を画す定義を準備している。ショートショートと言えばフレド
リック・ブラウン、星新一だが、戦前の知らない作家も紹介されて
資料としても読書案内としても楽しい。下手にネタばらしもしてい
ない。ショートショートの書き方まであって、SF、ミステリの
ファンにはたまらない。
例えば川端康成「掌の小説」や稲垣足穂「一千一秒物語」などとは
一線を画す定義を準備している。ショートショートと言えばフレド
リック・ブラウン、星新一だが、戦前の知らない作家も紹介されて
資料としても読書案内としても楽しい。下手にネタばらしもしてい
ない。ショートショートの書き方まであって、SF、ミステリの
ファンにはたまらない。
2010年3月30日に日本でレビュー済み
ショートショート概論的な内容だった
ショートショートの作品集や著者を経時的に追う
ショートショートにおける著名人の発言・意見も紹介されている
非常に客観的に書かれている
ショートショートの書き手でもあった著者
その著者の個人的な見解も、もっと入れて欲しかった
ショートショートの作品集や著者を経時的に追う
ショートショートにおける著名人の発言・意見も紹介されている
非常に客観的に書かれている
ショートショートの書き手でもあった著者
その著者の個人的な見解も、もっと入れて欲しかった
2005年9月16日に日本でレビュー済み
嘗て隆盛を極めたショートショートであるが、’80年代あたりから陰りが見え、’97に星新一先生が亡くなってからは、没落の一途を辿っている。
まるで、ショートショートを育てた星先生が、墓まで持って行ってしまったような状況だ。
そんな中にあって、ショートショートの歴史から作法までまとめた、『ショートショートの世界』が出版されたことは、作者及び出版社に拍手を送りたい。
それにしても、本書を書き出しが、『本書を手にしながら、「え? ショートショート? 何それ?」と首を傾げている方もいらっしゃるかも知れませんね』と始まることだ。
いつの間にか、ショートショートも星先生も知らない世代も増えたのだそうだ。
これも時代の流れではあるが、若き日、夢中になった『ショートショート』が消えて行くのは、何としても寂しい。
昨今は、ネットのHPでショートショートを掲げるHPも、たくさんあることはあるが、ほとんどは今一だ。
その理由は、ショートショートの歴史と作法について、無知であることから始まるのではないか。
本書は、ショートショートの歴史から作法までを簡潔にまとめた、ショートショート入門書としても最適である。
『ショートショート』に興味がある方、創作してみたい方は、是非、本書の一読をお薦めする。
まるで、ショートショートを育てた星先生が、墓まで持って行ってしまったような状況だ。
そんな中にあって、ショートショートの歴史から作法までまとめた、『ショートショートの世界』が出版されたことは、作者及び出版社に拍手を送りたい。
それにしても、本書を書き出しが、『本書を手にしながら、「え? ショートショート? 何それ?」と首を傾げている方もいらっしゃるかも知れませんね』と始まることだ。
いつの間にか、ショートショートも星先生も知らない世代も増えたのだそうだ。
これも時代の流れではあるが、若き日、夢中になった『ショートショート』が消えて行くのは、何としても寂しい。
昨今は、ネットのHPでショートショートを掲げるHPも、たくさんあることはあるが、ほとんどは今一だ。
その理由は、ショートショートの歴史と作法について、無知であることから始まるのではないか。
本書は、ショートショートの歴史から作法までを簡潔にまとめた、ショートショート入門書としても最適である。
『ショートショート』に興味がある方、創作してみたい方は、是非、本書の一読をお薦めする。
2009年7月19日に日本でレビュー済み
残念なことだが、ショートショートは現在、劣勢にある。
考えられる理由は3つ。
1ショートショートは、子ども向けとの印象がある。
2ライトノベルに代表される、キャラクター付けを重視したものが読者に支持される傾向にある
3映画や漫画の原作として2次利用できるよう、長編化が支持される傾向にある。しかも、出版社のみならず、読者からも。
もちろん、小説とは自由なものだから、2・3に基づいて、ライトノベルが、流行っても、何ら問題はないし、批判される謂われもない。
ただ、小説には、2・3とは違う楽しみ方もある。
その楽しみ方は、本書で引用されている星新一の「『人間』は描くが『人物』は描かない」という発言に端的に要約される。
私はこの発言の今日的意義は重要だと思う。
商業的ニーズが低下したとしても、文学的な魅力までが無くなったわけではない。
もちろん、ここで言われている「『人物』を描く」とは、自然主義や社会派的なものを念頭に置いてあるのだろうが、「『キャラ』を描く」という概念まで、敷衍して包み込めると思う。
そのような視点も含めて眺めると、ショートショートにはまだ様々な可能性がまだ埋まっていると言える。
考えられる理由は3つ。
1ショートショートは、子ども向けとの印象がある。
2ライトノベルに代表される、キャラクター付けを重視したものが読者に支持される傾向にある
3映画や漫画の原作として2次利用できるよう、長編化が支持される傾向にある。しかも、出版社のみならず、読者からも。
もちろん、小説とは自由なものだから、2・3に基づいて、ライトノベルが、流行っても、何ら問題はないし、批判される謂われもない。
ただ、小説には、2・3とは違う楽しみ方もある。
その楽しみ方は、本書で引用されている星新一の「『人間』は描くが『人物』は描かない」という発言に端的に要約される。
私はこの発言の今日的意義は重要だと思う。
商業的ニーズが低下したとしても、文学的な魅力までが無くなったわけではない。
もちろん、ここで言われている「『人物』を描く」とは、自然主義や社会派的なものを念頭に置いてあるのだろうが、「『キャラ』を描く」という概念まで、敷衍して包み込めると思う。
そのような視点も含めて眺めると、ショートショートにはまだ様々な可能性がまだ埋まっていると言える。
2005年10月1日に日本でレビュー済み
本書の構成は、本文171ページのうち、
第1章「ショートショートの定義」20ページ(約12%)
第2章「ショートショートの歴史」98ページ(約57%)
第3章「ショートショートの書き方」52ページ(約30%)となっている。
第2章が本書の中心的内容なのだが、
「まえがき」(「すさまじい数の本を買いました。すさまじい数の本を読みました。その結晶が本書です。」)にもあるとおり、
文献の整理と引用に終始している。感想めいたものは書かれているが、著者による考察はほとんど記述がない。
それは第3章についてもいえる。
著者自身SF作家で、ショートショート集も出版しているようだが、
自作の引用もなく、ショートショートの構造論等についてまったく言及していない。
(第1章で「ショートショートの三要素」として定義付けを試みてはいるが、先達の文献引用のみである)
単なる資料としての価値はあるかも知れぬが、新書としてはまったくもの足りない一冊。
第1章「ショートショートの定義」20ページ(約12%)
第2章「ショートショートの歴史」98ページ(約57%)
第3章「ショートショートの書き方」52ページ(約30%)となっている。
第2章が本書の中心的内容なのだが、
「まえがき」(「すさまじい数の本を買いました。すさまじい数の本を読みました。その結晶が本書です。」)にもあるとおり、
文献の整理と引用に終始している。感想めいたものは書かれているが、著者による考察はほとんど記述がない。
それは第3章についてもいえる。
著者自身SF作家で、ショートショート集も出版しているようだが、
自作の引用もなく、ショートショートの構造論等についてまったく言及していない。
(第1章で「ショートショートの三要素」として定義付けを試みてはいるが、先達の文献引用のみである)
単なる資料としての価値はあるかも知れぬが、新書としてはまったくもの足りない一冊。
2005年11月6日に日本でレビュー済み
これからショートショートを読もうという人は幸せだ。
何しろ、こんなに丁寧に愛情をもって書かれたショートショートのブックガイドを片手に、読みはじめることができるのだから。
あまりショートショートという小説の形式にこだわったことはなかったのだが、初めて親から与えられた文庫本がO・ヘンリーの岩波文庫だったため、O・ヘンリーの小説の形式には並々ならぬ愛着を持っていた。そうか、あれもショートショートだったのか、と本書を読んで初めて気づかされた次第。
読み進めるうちに、とにかくここに上げられた本が読みたくて仕方がなくなってくるのだが、絶版図書も多いらしい。気長に探すしかない。
今では手に入れにくい本の書影が満載されているのも楽しい。
新書とは思えないほど、読み応えたっぷりの充実した一冊です。
何しろ、こんなに丁寧に愛情をもって書かれたショートショートのブックガイドを片手に、読みはじめることができるのだから。
あまりショートショートという小説の形式にこだわったことはなかったのだが、初めて親から与えられた文庫本がO・ヘンリーの岩波文庫だったため、O・ヘンリーの小説の形式には並々ならぬ愛着を持っていた。そうか、あれもショートショートだったのか、と本書を読んで初めて気づかされた次第。
読み進めるうちに、とにかくここに上げられた本が読みたくて仕方がなくなってくるのだが、絶版図書も多いらしい。気長に探すしかない。
今では手に入れにくい本の書影が満載されているのも楽しい。
新書とは思えないほど、読み応えたっぷりの充実した一冊です。