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搾取される若者たち ―バイク便ライダーは見た! (集英社新書) 新書 – 2006/10/17
大学を休学した「僕」は、一年間にわたりバイク便ライダーの仕事に従事する。そこで出会ったのは、不安定雇用の立場に甘んじながら、危険労働の現場に積極的に飛び込む、同僚ライダーたちの姿だった。広く他業種を見渡しても、ニート問題や引きこもりでやり玉にあがることの多い若者たちは、むしろ、自ら進んでワーカホリック状態に陥っている。それは一体なぜなのか? 東京大学大学院に在籍中の著者が、自らの体験をもとに、同世代の団塊ジュニアが直面する労働・雇用問題を分析した、衝撃の論考!
[著者情報]
阿部真大 (あべ まさひろ)
一九七六年生まれ。岐阜県岐阜市出身。東京大学大学院後期博士課程在籍。専攻は労働社会学・家族社会学・社会調査論。大学休学中のバイク便ライダー体験をもとに、団塊ジュニア世代が直面する労働・雇用問題を、社会学的な知見を駆使して考察した本書がデビュー作となる。本書執筆後、ケアワーカーの労働実態を調査。
- ISBN-104087203611
- ISBN-13978-4087203615
- 出版社集英社
- 発売日2006/10/17
- 言語日本語
- 本の長さ160ページ
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2006/10/17)
- 発売日 : 2006/10/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 160ページ
- ISBN-10 : 4087203611
- ISBN-13 : 978-4087203615
- Amazon 売れ筋ランキング: - 31,077位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 19位労働問題ノンフィクション
- - 23位総務・人事・労務管理の労働問題
- - 54位集英社新書
- カスタマーレビュー:
著者について
1976年岐阜県岐阜市生まれ。東京大学卒。社会学者。甲南大学教授。西オーストラリア大学客員研究員(2014年)、同志社大学客員研究員(2021年‐2022年)。専門は労働社会学、家族社会学、社会調査論。気分は高揚しつつも徐々に身体が壊れていくバイク便ライダーたちの姿を描いた『搾取される若者たち ―バイク便ライダーは見た!』(集英社)でデビュー。資本主義と家父長制と職業の関係性について考え続けている。主な著書に、『居場所の社会学 ―生きづらさを超えて』(日本経済新聞出版社)、『地方にこもる若者たち ―都会と田舎の間に出現した新しい社会』(朝日新聞出版社)、『会社のなかの「仕事」 社会のなかの「仕事」―資本主義経済下の職業の考え方』(光文社)、『合コンの社会学』(北村文との共著、光文社)、翻訳書に『キャリアラダーとは何か ―アメリカにおける地域と企業の戦略転換』(J・フィッツジェラルド著、筒井美紀、居郷至伸と共訳、勁草書房)などがある。メディア出演として、『クローズアップ現代』、『クローズアップ現代+』、『新世代が解く! ニッポンのジレンマ』、『ニュース シブ5時』(NHK)、『世界一受けたい授業』、『仲村トオルが地井武男にワッパを掛けられた時代…とマツコ』(日本テレビ)など。2020年より読売新聞「論壇キーワード」を担当。Twitter→@abemasahiro1976
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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いけません。
込みのトリック」によって、若者が不安定な就労形態にもかかわらず、ワー
カホリック状態となってしまうことを明らかにしようとしている。
著者は、ワーカホリックすべてを否定しているわけではない。あくまでも
不安定な就労形態で将来性に乏しいにもかかわらず、仕事をまさに「自分の
天職」だとして、健康を犠牲にしてまでのめり込むことに警鐘をならしてい
る。
1章から最終章までの5章立て構成になっている。
第1章はバイク便(運送)業界に関する簡単な説明と導入で、第2章と第3章は
時給/歩合のバイク便ライダーたちが「仕事にのめり込む」様子を<趣味−仕
事>という切り口から書いている。第4章は、なぜ彼らがのめり込むのか、
「職場のトリック」という視点から論じている。最終章は、以上のことを踏ま
えた上で、今後若者たち(団塊ジュニア)はどうあるべきか筆者なりの提言が
行なわれている。
他のレビューが悪くて驚いた。私自身、バイクにのっているので(もちろん
趣味)、どういうバイクがかっこいいのか、それがどうかっこいいのかという
話は面白かった。「そうそう」とか思いながら読んでいた。
正直、最終章の提言はオマケ。著者が本当に描きたかったのはそこではなく、
バイク便ライダーとして働く若者の姿そのものだったのだろう。いかに搾取
されずに働くのか、その回答が欲しい方向きではない。
タイトルの『搾取される若者たち』は、少々過激というか、挑戦的なものだ
ろう。搾取といったら大方はお馴染みの「資本家vs労働者」といった説明や、
「勝ち組と負け組」論といった「搾取する側」が描かれる。しかし、本書は
そういった「搾取する主体」や「搾取する社会構造」は存在せず(というか
言及せず)、「職場の仕組みと文化」が「搾取に進んで飛び込む若者」を生
み出していると述べている。さらに「職場の仕組みと文化」は誰かの意図と
いうよりも職場で働く者たちの意図せざる結果だというのだ。
そういった意味で、新しい話、挑戦的な内容だと思う。
文体は非常に軽いが、その裏にはいろんな含意がある本だと感じた。
おそらく筆者は戦略的に専門用語を使わずに書いている。こういう労働の現
場の話は(学術的な)専門用語を使うとお決まりの手垢にまみれたものにな
らざるをえないからだ。他の方のレビューには本書を酷評されているものも
あるが、筆者のこうした戦略のせいで肩透かしを喰らった人たちなのだろう。
実際はそんなに悪くない。
私自身、自分の好きなものを(dtpデザイン)職業にし、三年間の会社員(サラリーマン生活)を経たのち、9年の個人事務所(社長の片腕)を経て、自営業で独立し、あまりのハードスケジュールさに精神をやられて精神病院に半年入院しておりました。
この著者さんが言いたいことは、自分のしょぼい、またはカッコ悪い、しかも儲からない仕事に対して、それを発想の転換で「負け組で貧乏でも地べたの生活ではいつくろって生きてるこの俺様を尊敬しろ!」という変にひねくれたプライドやモチベーションを持つより(それでは勝ち組の、俺はやり手で金持ち自慢の裏返しなだけ。要するにナルシスト)なるべく健康体でいられる組合や横つながりをもとうという健全な精神を持とうと書いてあるんです。
しかも、この社会学者の著者の方は一年間という期限がないとルポはできません。なぜなら賢いから。
文体は軽いですし、ポップです。だからといって軽んじてよいのでしょうか。事実は文体の中には無いのです。
誰もが誰かに影響されています。新しい考え方など滅多にないのですから。でなければノーベル賞ものです。
ささいなことですが私は1970年生まれ、この方は1976年生まれで、あとがきね最後にスミスというバンドのある名曲がBGMにふさわしく思うと記載しており、うーん、と当時を振り返り、二十歳でなんの疑いもなく仕事に精を出していた頃を思い出しました。
泣きませんでしたが。
バイク便ライダーの世界に留まらす、自ら進んでワーカホリック状態に陥る「仕掛け」の可視化を試みた著者の姿勢を買いたい。
グルが心を支配する世界も御免だが、気付かずに様々な「仕掛け」がある世界で生き抜くことも難儀である。
また、内容以前に「体験型アトラクション」とか書いてしまうセンスが、どうも馴染めなかったというか、読んでいて気恥ずかしさを覚えました。
タイトルに惹かれて内容をよく確かめずに購入したことを後悔しました。
しかし、残念ながらそれ以上のものはない。仕事の趣味化、自己実現の搾取など分析は陳腐で、本書に述べられている内容のほとんどは常識の域を出ない。
「バイク便ライダーという特殊な対象を通して、現在の若年労働の「なぞ」について考える」という著者の目的が達せられたとはとうてい思えない。けれども参与観察によって肌でその世界を調べた功績は評価しなければならない。それゆえ、星4つ。