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日本語はなぜ美しいのか (集英社新書) 新書 – 2007/1/17
「発音体感」つまり言葉の語感の大切さに着目した画期的な日本語論である。日本語はなぜ美しいのか。実は、母音を主体に音声認識する言語は、世界的にみても日本語とポリネシア語のみであり、その他の欧米及びアジア諸語は、すべて子音主体で音声を認識している。日本語は希有な言語なのである。
本書は、この日本語の特殊性をふまえて、情緒の形成という観点から、ある個体の脳が最初に獲得する言語である母語の重要性と早期英語教育の危険性を説き、風土と言語の関わりから言葉の本質に迫っていく。
[著者情報]
黒川伊保子 (くろかわ いほこ)
一九五九年生まれ、栃木県出身。奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に携わり、脳とことばを研究。(株)感性リサーチ代表取締役。著書に『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』(新潮新書)、『シンデレラ・ブレイン』、『「しあわせ脳」に育てよう』(講談社)、『感じることば』(筑摩書房)など多数。
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2007/1/17
- ISBN-104087203743
- ISBN-13978-4087203745
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2007/1/17)
- 発売日 : 2007/1/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 200ページ
- ISBN-10 : 4087203743
- ISBN-13 : 978-4087203745
- Amazon 売れ筋ランキング: - 38,062位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
黒川伊保子(くろかわ いほこ)
■プロフィール
㈱感性リサーチ代表取締役、日本ネーミング協会理事、感性アナリスト
専門領域:人工知能(自然言語解析、ブレイン・サイバネティクス)、コミュニケーショ
ン・サイエンス、ネーミング分析
奈良女子大学理学部物理学科卒業後、コンピュータメーカーにて人工知能開発のエンジニアに。
自然言語解析の現場に早くから従事し、1991年には、当時の大型機(メインフレーム)では世界初と言われたコンピュータの日本語対話に成功(全国の原子力発電所で稼働した「日本語対話型女性司書AI」)。
このとき、対話文脈に男女の違いがあることを発見、やがて、男女で「とっさに使う脳神経回路」の初期設定に大きな違いがあることをつきとめた。
さらに語感(ことばのイメージ)をAIに理解させるための枠組みを追究する過程で、語感の正体を発見、その数値化に成功する。
現在はこの技術をネーミングに応用、企業ネーミングのコンサルタントとして、「いきなり核心に切り込み、腹落ちするネーミングを必ず見つけ出す、ドクターXみたいなコンサルタント」と呼ばれている。
人工知能のために培った「人間学」を人類にフィードバックすべく、1996年ごろより著作を始める。
2020年には、コロナ禍の家族を救うために、家族のトリセツシリーズをコンプリート(『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』『娘のトリセツ』『息子のトリセツ』『家族のトリセツ』)。
黒川の研究への思いと、その総体を知りたい方は、『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』がお薦め。
「本が読めるようになった未来のAI」に向けて書いた、本気の手紙である。
人間が読めば、人工知能とは何か、どう付き合えばいいかがわかる本になっている。
黒川伊保子公式ホームページ http://www.ihoko.com
感性リサーチホームページ http://www.kansei-research.com
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
参考にはなりますが 商品としてはどうかなと思いました
パラパラと読んだだけでも、大きな気づきがあります。日本人であることのアイデンティティを確立する上でも日本語は本当に大事、特に子供に。今早期英語教育がうたわれていますが、それに対しても警鐘をならしていて、とても納得しました。教育関係者にも読んでほしい。多くの人に読んでほしい!受け止め方はそれぞれだと、他の方のレビューを見て思いますが、まずは自分の目で確かめて欲しいです。
とても発見があります。
母音で成り立つ日本語の美しさを、日本の地勢、歴史、環境、そしてそこに暮らす民族の骨格から解説し、説明してくれる本。
この母音語が世界の言葉の中では稀な言語で、その対局にある子音言語(英語をはじめとする大陸言語)が世界の多数派になっていること、そしてその違いがものごとの見つめ方、思考のしかたに影響を与えている。……概略をいってしまえばこんなまとめになってしまう。
でも、それではこの本に託した黒川伊保子さんの熱が伝わらないので、その部分を補おうと思います。
以前に読んだ『怪獣はなぜがギグゲゴなのか』のなかでも日本語の言語の成り立ちやその構成、そして日本語発音体感について述べられていた。重なる内容もあったけど、あの本で伝えられた、『熱量よりももっと遠くに、先に届けたい』そんな熱量を受け取りました。
言葉の発生背景を、歴史的、科学的な知識をもったうえで、それを創造力で補いながら、そのことばを使う国や地域の人々を想い起すということを一度始めてしまうと、今まで見えてこなかったものがあらゆるもののうえに見え始めてくる。
それぞれの国の歴史を振り返ってみても、本を読んでみても、映画を観ていても、そこにでてくる登場人物たちには、彼らの使うことばを生み出した民たちの感情構成や思考基盤みたいなものが覆いかぶさっているのが見えてくるから不思議だ。
これでは、世界史を学んでひと段落したある時期に、この本を読んでみることをお勧めせざるおえない。勿論、『サピエンス全史』(ユヴァ・ノア・ハラリ)でも、『銃・病原菌・鉄』(シャレド・ダイアモンド)も世界を重層的に俯瞰するのには読んでもらいたいが少し忍耐がいる、でもこの本ならしっかり著者の願いに寄り添えば、あっという間にあなたが感じている歴史の世界にひとつの色を加えることができる。本来の著者の意図はそんな大それたところにはない、ほんとにカジュアルに仕上がっている本ですが……。
そして何より、この本の読者へのプレゼントは巻末にある【日本語への祈り】の部分。『幸福の王子』(オスカー・ワイルド)に込められた美学を解くことから始まって、“生きる力”と“美学”の違い。“技術力”と“事業力“の違いと関係性を語ったメッセージ。
それらは、日本語を操る私たちに自信と信念を与えてくれる是非味わって欲しい。
認知機能について語るなら、左大脳半球・右大脳半球という用語を使うべきです。左脳・右脳なんていう科学の用語は存在しないでしょう。女性脳に至っては血液型性格分類と同レベルの言葉だと思います。
職業柄・土地柄から、韓国・中国等からの留学生と接することの多い件の友人から「彼らは流暢な日本語を話すが、擬音語や擬態語を理解しないのでやりづらい」と聞いていたので、129ページからの「擬音語・擬態語から見えるもの」は面白かったです。
ところどころ意味不明でありましたが、結びに至って仰天、唐突に、吉田松陰だの坂本竜馬だのの話、司馬史観に染まった実はバリバリの保守、そう、右翼だったのかもしれません。
かえって、似非科学や復古趣味に染まっていない日本語論を読んでみたくなりました。
社会の英語化や低年齢からの英語教育の問題点についても触れていますが、これについては施光恒:「英語化は愚民化」(集英社新書)の方がお薦めです。
読み進めるごとに、これまで日本や日本語、外国語教育、引いては日本のシステム…などなどに対し漠然と抱いていた、「そうそう、そう思ってた!」というような疑問が、するすると解決されていくような爽快感を味わいました。
同時に、日本語が大好きな自分にとっては、著者の日本語への溢れる愛情に、読了間際は計らずも涙目でした。(笑)
・英語で話していると自分が別人になったような気がしてしまうのはなぜ?
・外国語になると消えてしまう日本語の終助詞「ね」や「よ」、外国語では表現できないもの?
・イギリスに習った議会制、本当に日本人に合ってる?(不毛なケンカにしか見えないけど?)…
上記のような、これまで英語やその他西洋言語を学習してきた中で感じていたフラストレーションの理由が掴めた気がします。日本語は主に母音で言葉を認識する「母音語」、他の言語はほとんどどその逆の「子音語」だと言うのです。もちろん、上にあげたような疑問はこの違いだけで説明できるものでないのは言うまでもありませんが、考えていくための「ヒント」を与えてくれるには十分すぎるほど、鮮烈でパワーのある理論です。
確かに言語学の分析手法としては、著者本人の直感・感性が先走るような、すっと飲み込みがたい部分があったのも確かですが、所詮200ページに満たない新書。そのような微細な点に着目して葬るにはもったいなさ過ぎます。
英語学習で行き詰まりを感じている方、英語教育に疑問を持っている方、日本や日本語が好きな方。
こんな方は、ぜひ本書をお手に取ってみる価値があると思います。