ゲーテの『イタリア紀行』という作品については、その名前は知っていたが、なかなか読もうという気にはなれず、しかし、どんなことが書いてあるのか気になっていたところ、こういう本が出ているのを知り、購入した。
ゲーテの書いた文章を引用しつつ、著者自身がその場所を訪れたときの写真や感想などを盛り込んで記述しているが、本書に何を期待するかによって評価が分かれると思う。どのような紀行文であれ、読む人がその地を訪れたことがない場合は、文章を読んだだけでは面白くない。その点、本書のまえがきにも書いてあるが、ゲーテの本を読むだけよりは、こういう写真があるほうが良いのは言うまでもない。
火山活動をしている山に接近しようとするなど、地質学にも関心を持っていたゲーテならではの話も面白い。しかしながら、やはり本書はゲーテの原著のガイドブックに過ぎず、カラー写真は参考資料にはなるが、本書を読了してもあまり満足感はない。ゲーテ、あるいはドイツ文学に関心がある者はこれを手がかりとして、文庫本3冊と大部ではあるがゲーテの『イタリア紀行』にトライすべきであろう。
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ゲーテ「イタリア紀行」を旅する (集英社新書ヴィジュアル版) 新書 – 2008/2/15
牧野 宣彦
(著)
200枚の写真で体験する、200年前に文豪が「見たこと、聞いたこと、書いたこと」の知の旅!
ゲーテには、文豪という顔のほかにワイマール公国の顧問官という政治家の顔もあった。7歳年上の人妻、シュタインとのかなわぬ恋に疲れたゲーテは遁走するようにイタリアへの旅に出る。しかしイタリアは、ゲーテにとって若い日から夢見た憧れの「都」でもあった。北イタリアの諸都市からローマ、ナポリ、シチリアへとつづく旅は、好奇心に満ち満ちている。 そしてゲーテは、その1年10ヶ月におよぶ旅を、克明な日記に書き残した。本書は文豪の「知の旅」を巡り、それを体感するものである。
[著者情報]
牧野 宣彦(まきの のぶひこ)
一九四五年生まれ。旅行作家。早稲田大学文学部ドイツ文学科卒。旅行会社に就職し、日本ではじめてウィーンの「ニューイヤー・コンサート」ツアー、ミラノ・スカラ座のオペラ・ツアーなどを企画する。その後、シエナのレストランで修行し、今はボローニャに在住している。 主な著者に『音楽を美術館の旅、イタリア』(音楽之友社)ほか。
ゲーテには、文豪という顔のほかにワイマール公国の顧問官という政治家の顔もあった。7歳年上の人妻、シュタインとのかなわぬ恋に疲れたゲーテは遁走するようにイタリアへの旅に出る。しかしイタリアは、ゲーテにとって若い日から夢見た憧れの「都」でもあった。北イタリアの諸都市からローマ、ナポリ、シチリアへとつづく旅は、好奇心に満ち満ちている。 そしてゲーテは、その1年10ヶ月におよぶ旅を、克明な日記に書き残した。本書は文豪の「知の旅」を巡り、それを体感するものである。
[著者情報]
牧野 宣彦(まきの のぶひこ)
一九四五年生まれ。旅行作家。早稲田大学文学部ドイツ文学科卒。旅行会社に就職し、日本ではじめてウィーンの「ニューイヤー・コンサート」ツアー、ミラノ・スカラ座のオペラ・ツアーなどを企画する。その後、シエナのレストランで修行し、今はボローニャに在住している。 主な著者に『音楽を美術館の旅、イタリア』(音楽之友社)ほか。
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2008/2/15
- ISBN-104087204324
- ISBN-13978-4087204322
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商品の説明
著者について
牧野 宣彦(まきの のぶひこ)
一九四五年生まれ。旅行作家。早稲田大学文学部ドイツ文学科卒。旅行会社に就職し、日本ではじめてウィーンの「ニューイヤー・コンサート」ツアー、ミラノ・スカラ座のオペラ・ツアーなどを企画する。その後、シエナのレストランで修行し、今はボローニャに在住している。
主な著者に『音楽を美術館の旅、イタリア』(音楽之友社)ほか。
一九四五年生まれ。旅行作家。早稲田大学文学部ドイツ文学科卒。旅行会社に就職し、日本ではじめてウィーンの「ニューイヤー・コンサート」ツアー、ミラノ・スカラ座のオペラ・ツアーなどを企画する。その後、シエナのレストランで修行し、今はボローニャに在住している。
主な著者に『音楽を美術館の旅、イタリア』(音楽之友社)ほか。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2008/2/15)
- 発売日 : 2008/2/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 264ページ
- ISBN-10 : 4087204324
- ISBN-13 : 978-4087204322
- Amazon 売れ筋ランキング: - 237,956位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 23位古代ギリシア・ローマの美術史
- - 43位イタリア文学研究
- - 481位集英社新書
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ゲーテの「イタリア紀行」を本当は読みたくて古本屋で購入したものの
日本語が古臭すぎる、字が小さいなどの理由でどうしても読みすすめる気がしない。
ですが、この本は素晴らしいです。
ゲーテの3冊に及ぶイタリア紀行をわかりやすく見どころのある部分だけ抜粋で解説しながら
豊富な写真で紹介していきます。またすっきりと読みやすいレイアウト。
これを読めばいいわけです。ありがとうございました。
日本語が古臭すぎる、字が小さいなどの理由でどうしても読みすすめる気がしない。
ですが、この本は素晴らしいです。
ゲーテの3冊に及ぶイタリア紀行をわかりやすく見どころのある部分だけ抜粋で解説しながら
豊富な写真で紹介していきます。またすっきりと読みやすいレイアウト。
これを読めばいいわけです。ありがとうございました。
2008年11月26日に日本でレビュー済み
ワイマールの高官でもあったゲーテは、
人妻シュタインとの恋に疲れ、
子どものころからの憧れの地イタリアへ旅立つ。
一年半以上におよぶ「イタリア紀行」の足跡をたどり
たっぷりの写真とともに紹介した本。
ヴェローナ、ヴェネツィア、ローマ、ナポリなどの
各所が、ゲーテの紀行の日付にそって紹介されています。
ゲーテの紀行からの抜粋と、それを補足する文章、写真で
構成されています。
特にローマに対するゲーテの熱を感じました。
ゲーテの泊まった宿にも宿泊したり、
丁寧な足跡の追い方です。
ゲーテ関連施設のリストや、旅程表、経路つき。
人妻シュタインとの恋に疲れ、
子どものころからの憧れの地イタリアへ旅立つ。
一年半以上におよぶ「イタリア紀行」の足跡をたどり
たっぷりの写真とともに紹介した本。
ヴェローナ、ヴェネツィア、ローマ、ナポリなどの
各所が、ゲーテの紀行の日付にそって紹介されています。
ゲーテの紀行からの抜粋と、それを補足する文章、写真で
構成されています。
特にローマに対するゲーテの熱を感じました。
ゲーテの泊まった宿にも宿泊したり、
丁寧な足跡の追い方です。
ゲーテ関連施設のリストや、旅程表、経路つき。
2008年2月18日に日本でレビュー済み
前々から一読せねばと思いながら出来ていない、書店で手に取ってみてはやめてきた、私にとってのそんな本の1つがゲーテの「イタリア紀行」です。文庫で3巻の分量ということも躊躇している原因。勢いでは読めませんから。かつてはイタリア旅行の必読書だったという話も聞くと余計あせったりもしています。が、この本の「まえがき」のエピソードで安心してしまいました。やはり決して読み易い本ではないようですね。
この本には「ゲーテの訪れた場所の写真がないと読むのが難しい作品」(まえがき)という著者の意図で、ゲーテの旅程を追って「イタリア紀行」を引用しながら、絵葉書的な写真が相当数配されています。でも、カバーの紹介文の「本書は文豪の「知の旅」を辿り、それを体感するものである。」は広告文とはいえちょっと過剰気味ですね。現代の観光旅行感覚でのテレビ番組を見ているような感じがします。著者はさしずめナレーター。
そのようなことで、私は、特に興味深いというものでもないと思いました。手軽だし、難しくないので一気に読めるし、読んで損はないでしょうし、よき暇つぶしにはなるでしょう。悪いというのではないが、だからどうした、のレベルでしょうか。どうせなら、著者の意に沿って、モト本を手に取らなければいけませんよね。モト本のガイド本として読むか、簡略版としてとらえるか、なのですが、さて、モト本を読む気になれるか?何だかこれで終わりにしてしまいそうです。
結局、あ〜あ、(また)イタリアへ行きたいなあ、とそんな感情を抱いているかたがかの地を思いながら読む本かなあ、と思いました。
この本には「ゲーテの訪れた場所の写真がないと読むのが難しい作品」(まえがき)という著者の意図で、ゲーテの旅程を追って「イタリア紀行」を引用しながら、絵葉書的な写真が相当数配されています。でも、カバーの紹介文の「本書は文豪の「知の旅」を辿り、それを体感するものである。」は広告文とはいえちょっと過剰気味ですね。現代の観光旅行感覚でのテレビ番組を見ているような感じがします。著者はさしずめナレーター。
そのようなことで、私は、特に興味深いというものでもないと思いました。手軽だし、難しくないので一気に読めるし、読んで損はないでしょうし、よき暇つぶしにはなるでしょう。悪いというのではないが、だからどうした、のレベルでしょうか。どうせなら、著者の意に沿って、モト本を手に取らなければいけませんよね。モト本のガイド本として読むか、簡略版としてとらえるか、なのですが、さて、モト本を読む気になれるか?何だかこれで終わりにしてしまいそうです。
結局、あ〜あ、(また)イタリアへ行きたいなあ、とそんな感情を抱いているかたがかの地を思いながら読む本かなあ、と思いました。
2015年10月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず贅沢なまでに豊富なカラー写真に驚かされる。ゲーテの歩んだイタリアへの旅路の一部でもなぞってみたい人には必読。
著者のイタリア在住の経験と教養がここに凝縮されている。この定価でこれだけの内容の旅行ガイドブックはそう滅多にない。
イタリアへ行かない人も、ぜひ一読されるとよい。きっと、イタリアへ行きたくなるでしょう。
著者のイタリア在住の経験と教養がここに凝縮されている。この定価でこれだけの内容の旅行ガイドブックはそう滅多にない。
イタリアへ行かない人も、ぜひ一読されるとよい。きっと、イタリアへ行きたくなるでしょう。
2008年2月20日に日本でレビュー済み
「イタリア紀行」は、人妻への失恋の痛手を癒すため、ゲーテがやってしまったドイツ・ワイマールからイタリア全域を旅する1年10ヶ月に及ぶ有給休暇旅行、その紀行文である。その旅程を辿っていこうというなんとも贅沢な企画である。現地に住んでいる有閑階級でなければできないこと、それに便乗できるのだからこれほど幸せなことはない。
この新書のヴィジュアル版は綺麗な写真が多く載っていることでよく読んでいるが、本書も約200枚に及ぶ綺麗な写真が読者を楽しませてくれる。しかし、掲載されている写真のサイズが小さいものが多いので少し残念ではある。
また著者は多分ゲーテの歩んだ道を車で移動したものと思われるが、我々読者にとっては今後イタリアに行く際のガイドブックとして利用できるよう、現代の周辺の事情等も記載して欲しかった。
「イタリア紀行」のオリジナル文を活かしたいという趣旨から仕方のないことかもしれないが、もう少し登場人物の紹介をして欲しかった。建築家パッラーディオのエピソードとか、ゲーテ本人の息子アウグストのこととか。アウグストについては、いきなり登場して、いきなり死んでしまう。
しかし、この本は写真だけでもぺらぺらと眺めていても結構楽しい本。
この新書のヴィジュアル版は綺麗な写真が多く載っていることでよく読んでいるが、本書も約200枚に及ぶ綺麗な写真が読者を楽しませてくれる。しかし、掲載されている写真のサイズが小さいものが多いので少し残念ではある。
また著者は多分ゲーテの歩んだ道を車で移動したものと思われるが、我々読者にとっては今後イタリアに行く際のガイドブックとして利用できるよう、現代の周辺の事情等も記載して欲しかった。
「イタリア紀行」のオリジナル文を活かしたいという趣旨から仕方のないことかもしれないが、もう少し登場人物の紹介をして欲しかった。建築家パッラーディオのエピソードとか、ゲーテ本人の息子アウグストのこととか。アウグストについては、いきなり登場して、いきなり死んでしまう。
しかし、この本は写真だけでもぺらぺらと眺めていても結構楽しい本。