オスとメスが必要な有性生殖の目的は、子孫の遺伝的多様性を確保することにある。ヒトの場合、両親に由来する46本の染色体を持つ。生殖細胞には減数分裂によりその半分がセットされる。相同染色体間で組換えが起きているので、さらに複雑な組合せになる。
受精後、発生の進行に伴い、組織が分化し特徴ある個体として誕生する。そして、遺伝子と環境の相互の影響を受けながら成長する。分子レベルでこの間の変化がわかってきた。遺伝子にメチル化という封をする仕組みである。生殖細胞が作られるとき、分化をリセットする脱メチル化が起きる。これを人為的に起こすのが、ES細胞やクローン動物の創出である。
これらのことを中心にゲノム周辺の最新知識について、この本は紹介している。専門用語を使わずわかりやすいので、生物に興味を持つ総ての方におすすめしたい。欲をいえば、遺伝的多様性を必要とする理由について、もう少しページを割いていただきたかった。
普通、オス→メスの順に記すことが多いが、書名は逆である。(1)筆者が科学者の中で女性ゆえの苦労をしてきた、(2)生物はメスを基本型とする(ヒトの場合、SRY遺伝子によりオスになる)、のどちらかなと想像した。機会があれば伺ってみたい
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
雌と雄のある世界 (集英社新書) 新書 – 2008/10/17
三井 恵津子
(著)
雌と雄があることで生まれる生物の多様性!
ヒトに代表される有性生殖についてiPS細胞やクローン技術など最新のトピックを織りまぜながら細胞・遺伝子レベルでやさしく解説。雌と雄があることで獲得された生物の多様性を再確認する。
ヒトに代表される有性生殖についてiPS細胞やクローン技術など最新のトピックを織りまぜながら細胞・遺伝子レベルでやさしく解説。雌と雄があることで獲得された生物の多様性を再確認する。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2008/10/17
- ISBN-104087204650
- ISBN-13978-4087204650
商品の説明
著者について
三井 恵津子(みつい えつこ)
一九五六年お茶の水女子大学理学部化学科卒。東京大学大学院生物化学専攻、理学博士、理学部助手。ドイツ・マックスプランク研究所、アメリカ・ソーク研究所で研究の後、一九七一年から九五年まで東京化学同人現代化学編集室勤務(編集記者、後に編集長)。サイエンスライター、武田計測先端知財団プログラムオフィサー。
一九五六年お茶の水女子大学理学部化学科卒。東京大学大学院生物化学専攻、理学博士、理学部助手。ドイツ・マックスプランク研究所、アメリカ・ソーク研究所で研究の後、一九七一年から九五年まで東京化学同人現代化学編集室勤務(編集記者、後に編集長)。サイエンスライター、武田計測先端知財団プログラムオフィサー。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2008/10/17)
- 発売日 : 2008/10/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4087204650
- ISBN-13 : 978-4087204650
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,620,811位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中5つ
5つのうち5つ
2グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。