引用ばかりで内容がない。
それほど分かりやすいわけでもなく、深くまで追求してるわけでもない。
初心者にも、研究者にもお勧めできない読む価値のない本。
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警察の誕生 (集英社新書) 新書 – 2010/12/17
菊池 良生
(著)
警察の歴史は、まさに権力の歴史だった!
ヨーロッパ王朝史の専門家である菊池氏が、各時代の変わった捜査方法や江戸の警察機構についても言及しつつ、ヨーロッパ史における警察機構の成り立ち、警察と権力の関係を明らかにする。
ヨーロッパ王朝史の専門家である菊池氏が、各時代の変わった捜査方法や江戸の警察機構についても言及しつつ、ヨーロッパ史における警察機構の成り立ち、警察と権力の関係を明らかにする。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2010/12/17
- ISBN-104087205711
- ISBN-13978-4087205718
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2010/12/17)
- 発売日 : 2010/12/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4087205711
- ISBN-13 : 978-4087205718
- Amazon 売れ筋ランキング: - 539,762位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,043位集英社新書
- - 4,608位歴史ノンフィクション
- - 7,866位世界史 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
警察制度の成立を真正面から解説する著書ではなく、著者が特異な西洋史からアプローチする政治制度史と言える内容。その意味では、当初の目的は達成できなかったが、政治制度を読解し、再確認することに役立った。
2016年6月30日に日本でレビュー済み
2010年の本。著者は明治大学理工学部教授(オーストリア文学専攻)。
曰く・・・
江戸時代の目明かしは薄給。目明かしは、引き合いをつけて抜くことで稼いでいた。江戸の犯罪の多くは泥棒で、たいていの泥棒はこつこつ細かく稼ぐ。目明かしは捕まえた泥棒の盗みを調べ上げ、盗まれた先1軒1軒に通知する。これを引き合いをつけるという。引き合いをつけられると、被害金額がわずかでもお白洲に出なければならず、そうなると1日つぶれる。同道してもらった町役人にもお礼が必要。それなら盗まれなかったことにした方が得。そこで被害者は目明かしに目を瞑ってもらうため、いくらかの金を渡す。目明かしの稼ぎの大半はこれ。
フランク王国は各地の武人族長を公爵という最高級官職に任命する。武人族長は王に臣従を誓い、その見返りに所領安堵される。とはいえ、主従関係はきわめて希薄。王国は各公爵の割拠体制を認めた緩やかな連合体となる。裁判権やそれに付随する警察執行権も公爵のもので、王国に統一的警察組織など存在しない。警察の歴史とは、王権が王国の割拠体制を打破し、統一的警察組織を整える歩みである。
教会領主を含む中世の領主たちにとって裁判権は収入源でもあった。当時の裁判で宣告される刑罰の過半は罰金や財産没収で、こうして得られる収入は税収に匹敵したといわれる。
ヨーロッパは森だらけ、ゆえに旅は危険。旅人は武装した護衛に頼るしかないが、その護衛サービスは王や領主の特権で、このとき旅人からせしめる護衛代も領主の収益特権だった。
ユダヤ人保護権も王たちの収益特権。ポグロム(ユダヤ人虐殺)は、ロシア以外にもあった。十字軍時代以降にヨーロッパ各地で頻発する。そのなかで王たちが民衆のいわれなき迫害からユダヤ人を保護する。人道目的ではなく冥加金目的。大金と引き替えなので対象になるのは富裕ユダヤ人。王や領主たちは平和を維持するための強制力を自分たちの収益特権のために行使する。収益が上がらないとなれば強制力は発動されない。民衆個人に対する犯罪は野放し。
ヨーロッパ中世の都市は城塞都市。城塞の中に住むことができる人びとだけが、市壁の外の無秩序から身を守る住民保護の恩恵を受けることができた。城塞都市に住む人は、ドイツ語ではビュルガー、日本語では市民と訳される。市民とは、その語源からして城塞都市に住む氏素性の確かな人びとのこと。
11世紀の農業革命は膨大な剰余生産物を生み出す。交易所(市場)が増える。市場はやがて常設となり、市場は自律的秩序を構築する。常設市場は、恒常的防衛施設を必要とする。裁判施設も必要。領主は険阻な山城に住む。そこで、市場を運営する商人たちは、要塞を建設する権利を持つ城主クラスの領主からお金と引き替えに防衛施設権と市場裁判権を手に入れる。こうして、市場裁判権に服する人びとが住む市壁に取り囲まれた都市が誕生する。
規制欲に凝り固まったモンスター警察誕生の前には、市場権、裁判権を梃子に自治権を獲得し、警察機構も整備していった都市と、その自治権と警察権を奪い、都市を支配下に置こうとする王権の熾烈な戦いがあった。
フェルディナンド1世は、オスマントルコのスレイマン大帝の襲来に備えてウィーンを要塞化しようとする。ウィーン市民もこれを歓迎し、トルコの脅威に対しては自治権問題は二の次になった。こうして、ウィーンからその自治権のほとんどを奪う都市警察の軍事組織が誕生する(市警備隊)。市警備隊はやがて皇帝直属軍に編入される。
ウィーンの市警備隊は風紀紊乱。皇帝政府は、市警備隊一掃の前段階として騒乱警備隊をつくる。市警備隊は経費はウィーン市負担で所属は皇帝軍で、そのあたりの曖昧さもでたらめっぷりの原因。騒乱警備隊は、品行方正な人物だけを採用。難産だったがこれが国家警察の礎となる。マリア・テレジアは市警備隊を廃止し、警察組織を一元化させ、国家警察を作り上げていく。
みたいな話。
曰く・・・
江戸時代の目明かしは薄給。目明かしは、引き合いをつけて抜くことで稼いでいた。江戸の犯罪の多くは泥棒で、たいていの泥棒はこつこつ細かく稼ぐ。目明かしは捕まえた泥棒の盗みを調べ上げ、盗まれた先1軒1軒に通知する。これを引き合いをつけるという。引き合いをつけられると、被害金額がわずかでもお白洲に出なければならず、そうなると1日つぶれる。同道してもらった町役人にもお礼が必要。それなら盗まれなかったことにした方が得。そこで被害者は目明かしに目を瞑ってもらうため、いくらかの金を渡す。目明かしの稼ぎの大半はこれ。
フランク王国は各地の武人族長を公爵という最高級官職に任命する。武人族長は王に臣従を誓い、その見返りに所領安堵される。とはいえ、主従関係はきわめて希薄。王国は各公爵の割拠体制を認めた緩やかな連合体となる。裁判権やそれに付随する警察執行権も公爵のもので、王国に統一的警察組織など存在しない。警察の歴史とは、王権が王国の割拠体制を打破し、統一的警察組織を整える歩みである。
教会領主を含む中世の領主たちにとって裁判権は収入源でもあった。当時の裁判で宣告される刑罰の過半は罰金や財産没収で、こうして得られる収入は税収に匹敵したといわれる。
ヨーロッパは森だらけ、ゆえに旅は危険。旅人は武装した護衛に頼るしかないが、その護衛サービスは王や領主の特権で、このとき旅人からせしめる護衛代も領主の収益特権だった。
ユダヤ人保護権も王たちの収益特権。ポグロム(ユダヤ人虐殺)は、ロシア以外にもあった。十字軍時代以降にヨーロッパ各地で頻発する。そのなかで王たちが民衆のいわれなき迫害からユダヤ人を保護する。人道目的ではなく冥加金目的。大金と引き替えなので対象になるのは富裕ユダヤ人。王や領主たちは平和を維持するための強制力を自分たちの収益特権のために行使する。収益が上がらないとなれば強制力は発動されない。民衆個人に対する犯罪は野放し。
ヨーロッパ中世の都市は城塞都市。城塞の中に住むことができる人びとだけが、市壁の外の無秩序から身を守る住民保護の恩恵を受けることができた。城塞都市に住む人は、ドイツ語ではビュルガー、日本語では市民と訳される。市民とは、その語源からして城塞都市に住む氏素性の確かな人びとのこと。
11世紀の農業革命は膨大な剰余生産物を生み出す。交易所(市場)が増える。市場はやがて常設となり、市場は自律的秩序を構築する。常設市場は、恒常的防衛施設を必要とする。裁判施設も必要。領主は険阻な山城に住む。そこで、市場を運営する商人たちは、要塞を建設する権利を持つ城主クラスの領主からお金と引き替えに防衛施設権と市場裁判権を手に入れる。こうして、市場裁判権に服する人びとが住む市壁に取り囲まれた都市が誕生する。
規制欲に凝り固まったモンスター警察誕生の前には、市場権、裁判権を梃子に自治権を獲得し、警察機構も整備していった都市と、その自治権と警察権を奪い、都市を支配下に置こうとする王権の熾烈な戦いがあった。
フェルディナンド1世は、オスマントルコのスレイマン大帝の襲来に備えてウィーンを要塞化しようとする。ウィーン市民もこれを歓迎し、トルコの脅威に対しては自治権問題は二の次になった。こうして、ウィーンからその自治権のほとんどを奪う都市警察の軍事組織が誕生する(市警備隊)。市警備隊はやがて皇帝直属軍に編入される。
ウィーンの市警備隊は風紀紊乱。皇帝政府は、市警備隊一掃の前段階として騒乱警備隊をつくる。市警備隊は経費はウィーン市負担で所属は皇帝軍で、そのあたりの曖昧さもでたらめっぷりの原因。騒乱警備隊は、品行方正な人物だけを採用。難産だったがこれが国家警察の礎となる。マリア・テレジアは市警備隊を廃止し、警察組織を一元化させ、国家警察を作り上げていく。
みたいな話。
2011年1月18日に日本でレビュー済み
警察の歴史を追いながら、近代ヨーロッパ成立までのからくりを探るという、野心的な一冊。古くは古代ローマから中世、近代ヨーロッパまで、各国の警察を巡って繰り広げられるストーリーは、人間の本質を様々な視点から浮き彫りにしており、非常に読み応えがある。
◆本書の目次
序章:江戸の「警察」組織
第一章:古代ローマ「警察」制度
第二章:中世の「警察」制度
第三章:中世の都市の発展
第四章:嫌われるウィーン市警備隊
第五章:パリ「警察」の成立
第六章:警察大改革前のイギリス旧警察
第七章:「ありがたき」警察
最終章:近代警察の誕生
本書は、著者の立ち位置が一風変わっている。さながら”お喋りなナビゲーター”といったところだろうか。警察という堅苦しいテーマの話が、すんなりと頭に入っているのも、この著者のキャラクターによるところが大きい。また、各章のねらいが前章の終わり付近に明記されていることも、本書を読みやすくしている。もしやと思い、著者の前作『 ハプスブルク帝国の情報メディア革命 』を取り出し"あとがき"を見てみると、やはりある。本書の予告めいたものが明記されており、「人は自由を追い求めて遂に警察国家を作り上げた」というドストエフスキーの言葉が紹介されているのだ。
なるほど、「警察」について考えるということは、すなわち「自由」について考えることなのである。各国の歴史を追う中で最も印象的だったのは、「民衆が勝ち取った自治は、多くの場合、民衆自身の手によって投げ出される運命にある」ということだ。警察のない自由を追い求めていくと、必ず不自由に陥るという、不思議なパラドックスがそこには成立している。規制とは、自由にとって必要悪な存在なのである。
自由と規制、この"やじろべえ"のような両者の均衡点は、近代イギリスにおいて、ある種の結実を迎える。自由と規制の境界線を、あいまいにすることが生み出した、社会的受容によってである。しかし著者はこの均衡点も、昨今の「相互作用の均質化崩壊」により、制度疲労をおこしていると警鐘を鳴らす。しかし、いつの時代、どこの国においても、大切なのは個々人の在り方ということになってくるだろう。つまり、我々自身が規制の輪郭を明確に認識し、その中の自由を十分に謳歌する、ということである。
一点気になったのが、冒頭の切り出しで紹介される「江戸の岡っ引き事情」が、全体にどのように寄与しているのか、さっぱり分からなかったことである。著者自身も、自由を謳歌してしまったということなのだろうか。それでも、著者の次回作は非常に楽しみである。
◆本書の目次
序章:江戸の「警察」組織
第一章:古代ローマ「警察」制度
第二章:中世の「警察」制度
第三章:中世の都市の発展
第四章:嫌われるウィーン市警備隊
第五章:パリ「警察」の成立
第六章:警察大改革前のイギリス旧警察
第七章:「ありがたき」警察
最終章:近代警察の誕生
本書は、著者の立ち位置が一風変わっている。さながら”お喋りなナビゲーター”といったところだろうか。警察という堅苦しいテーマの話が、すんなりと頭に入っているのも、この著者のキャラクターによるところが大きい。また、各章のねらいが前章の終わり付近に明記されていることも、本書を読みやすくしている。もしやと思い、著者の前作『 ハプスブルク帝国の情報メディア革命 』を取り出し"あとがき"を見てみると、やはりある。本書の予告めいたものが明記されており、「人は自由を追い求めて遂に警察国家を作り上げた」というドストエフスキーの言葉が紹介されているのだ。
なるほど、「警察」について考えるということは、すなわち「自由」について考えることなのである。各国の歴史を追う中で最も印象的だったのは、「民衆が勝ち取った自治は、多くの場合、民衆自身の手によって投げ出される運命にある」ということだ。警察のない自由を追い求めていくと、必ず不自由に陥るという、不思議なパラドックスがそこには成立している。規制とは、自由にとって必要悪な存在なのである。
自由と規制、この"やじろべえ"のような両者の均衡点は、近代イギリスにおいて、ある種の結実を迎える。自由と規制の境界線を、あいまいにすることが生み出した、社会的受容によってである。しかし著者はこの均衡点も、昨今の「相互作用の均質化崩壊」により、制度疲労をおこしていると警鐘を鳴らす。しかし、いつの時代、どこの国においても、大切なのは個々人の在り方ということになってくるだろう。つまり、我々自身が規制の輪郭を明確に認識し、その中の自由を十分に謳歌する、ということである。
一点気になったのが、冒頭の切り出しで紹介される「江戸の岡っ引き事情」が、全体にどのように寄与しているのか、さっぱり分からなかったことである。著者自身も、自由を謳歌してしまったということなのだろうか。それでも、著者の次回作は非常に楽しみである。
2011年7月1日に日本でレビュー済み
江戸の警察組織から説き起こし、これを簡単に、引用をまとめて
古代ローマの警察機構に移る。
治安警察と公安警察とについて、時代に応じて変遷を説き、中世
ヨーロッパ、特にウィーンやドイツの警察機構から、革命時代の
パリへと進む。
その影響を受けたイギリスに話が及び、近代の警察に至る。
日本の警察を作った川路大警視にちょっと登場いただいて終了だ。
読了まで随分時間を要した。
著者がオーストリア文学専攻だから、話がそちらに偏るのはしょうが
ないが、引用が多すぎるのではないか?
失礼ながら「読みにくい」本だった。
引用の多さと読みにくさという意味で、「教材」的。
古代ローマの警察機構に移る。
治安警察と公安警察とについて、時代に応じて変遷を説き、中世
ヨーロッパ、特にウィーンやドイツの警察機構から、革命時代の
パリへと進む。
その影響を受けたイギリスに話が及び、近代の警察に至る。
日本の警察を作った川路大警視にちょっと登場いただいて終了だ。
読了まで随分時間を要した。
著者がオーストリア文学専攻だから、話がそちらに偏るのはしょうが
ないが、引用が多すぎるのではないか?
失礼ながら「読みにくい」本だった。
引用の多さと読みにくさという意味で、「教材」的。
2011年3月24日に日本でレビュー済み
日本と欧州の治安維持に関する歴史が書かれています。
歴史を通じて、警察と司法との分離させることの意義や、治安を維持することがいかに難しいことなのかなどがわかります。現在の日本に暮らしていては気がつくことのない人間の心理を教えてくれます。
また最初はうまくいっていた仕組みでも、いずれは「制度疲労」が起きていく経過を治安維持を介して知ることができます。
最終章で示された未来予測には、現在の状況から考えて「あり得る」と思い、不気味なものを感じました。
歴史を通じて、警察と司法との分離させることの意義や、治安を維持することがいかに難しいことなのかなどがわかります。現在の日本に暮らしていては気がつくことのない人間の心理を教えてくれます。
また最初はうまくいっていた仕組みでも、いずれは「制度疲労」が起きていく経過を治安維持を介して知ることができます。
最終章で示された未来予測には、現在の状況から考えて「あり得る」と思い、不気味なものを感じました。