本書の著者兼編者である中野氏が「TPP亡国論」を上梓してから二年と三ヶ月、
一冊の新書として纏められたものが本書である。
本書の構成順に述べさせて頂く。中野剛志は今年三月に刊行された「日本防衛論」に於いて展開した、
日米中三国中心とする近未来の世界を中長期的視野に立ち、アメリカの没落・オバマ政権が目論む、日米同盟の本質的転換。
米韓FTAの見るに堪えない惨状(15日刊行の「反・自由貿易論」で詳細な解説が記載)
そして日本国内のTPP推進論者の虚妄を改めて看破する。
また重要なのは、氏の担当する第一章で「日米の国民を置き去りにするTPP」や「各国社会の固有性と自由貿易の両立」
と述べているように、中野氏が本来あるべき日米関係をジョゼフ・スティグリッツ教授の言説を引用し解説している事から
中野氏を「誇大妄想家の反米保守」等という侮蔑は何ら本質を得ていない馬鹿げたレッテルと言えるだろう。
拒否できない日本・アメリカの日本改造計画・国家の存亡等でお馴染みの関岡英之氏は、
日本に対するアメリカの日米構造協議・年次改革要望書による
中曽根内閣・小泉内閣に於ける「構造改革」の正体を改めて眼前に突きつけている。
また、安倍政権内の産業競争力会議の面々が「竹中平蔵」「三木谷浩史」(←!?)という極めて不穏な空気を漂わせている…
関岡氏はこれを、「構造改革の再演(リバイバル)に他ならない。」としている、全くもって同感である。
我々は「失われた20年」を「失われた半世紀」を見るのではないだろうか…?
氏の憂慮には深く頷かざるおえない…
また初めてお名前をお伺いしたが、弁護士の岩月浩二氏のISD条項に関する深い懸念も
短いがよく纏められている。米韓FTAにおける本条項を例に、締結国の境界線を完全に抹殺された
悲惨な実情が見えてくる。語弊があるが、これはまさに国家主権に対するクーデターである。
弁護士にもまだこんな方がいたのだと少し安心した。
最近「郵政崩壊とTPP」を刊行したジャーナリスト・東谷暁氏は、「最重要問題は金融と保険だ!」と言う。
日本の金融サービス・保険市場の開放を、アメリカが声高に叫んでいた。
第二章の関岡氏の語った通り、小泉政権下の郵政民営化がまさにそうだが、アメリカの資本参入が
露骨なまでに解説されている。一体どれだけの金額が動いたのか…考えるだけでおぞましいものである。
村上正泰氏は医療研究者として、「国民皆保険制度」について深く切り込んだ。
マイケル・ムーア監督の「SiCKO(シッコ)」でも描かれた事が現実になる様で背筋が凍る思いである。
また、医療品に・医療機器についても規制緩和によるアメリカの魂胆が見えてくる。
要するに米政府と製薬会社の最大の関心は、「如何にして日本で高額な薬品を確保し、
その障害となっている日本の薬価基準制度を破壊するか。」という事だ…
最後に安倍首相の「三本の矢」に対する懸念も必読である。
規制改革会議に大田弘子が存在しているとは…迂闊だった。
西部邁ゼミナールでお馴染みの施光恒氏は、前述の論者とはかなり異なる観点からTPPを論じている。
私的に感じ取ったのは、「和をもって尊しとなす、日本はこんなに凄いところがある!」
…ざっくばらんに言えばこうであろうか。
と言うのも、施氏の担当する第六章は本書の中で断トツで読み易い(笑)
スルスルと入ってきて、頷かせる事は間違いないので、本章の解説はこの辺にさせて頂く。
最後は昨年「静かなる大恐慌」を上梓した柴山桂太氏、本章も上記の著書の流れを汲んでいる。
第二次大戦後の欧州を安定させるためEU構想の機運が高まり、それは実現した。
しかし、柴山氏の言う通り「グローバル化と国家主権は本質的に両立しない」
そして更に氏は宣言する「グローバル化は国家主権の拘束衣である」…と。
それは今現在の欧州を見渡せば火を見るより明らかだ。
グローバリズムという美辞麗句によって、一体誰が幸福になったのか!?
スティグリッツ教授の言葉通りだ、誰も幸せにしない。
ここからは私論です、首肯できずとも構わないと思います。
我が日本は決して誇張でも過大評価でもなく、世界最強クラスの経済大国であります。
このまま我々がTPP参加ならびに更なるグローバル化の推進を行えば、
それは世界秩序の崩壊に繋がるのではないだろうか…?
序文に中野剛志氏が福田恆存の「日本および日本人」の「似而非近代化」に対する助言を引用している。
「ひとりひとりの道ないといふことに気づく」…これは本来あるべき美意識に回帰すべきなのだと私は解釈しました。
日本および日本人の独立の為に!
非常に見事に纏められています、参院選を前に本書が刊行された事を感謝します。
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TPP 黒い条約 (集英社新書) 新書 – 2013/6/14
中野 剛志
(編集)
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TPP参加は「主権」の投げ売りだ!
衰退するアメリカ。そのアメリカ依存から抜けられない日本。この構図のなかで、いま、アメリカが日本を徹底的に搾取しようとしている。それがTPPの正体だ。TPPが日本の成長を助ける自由貿易協定だというのは真っ赤な嘘。99%のわれわれ国民に対して、1%のグローバル企業・超富裕層が仕掛けた罠なのだ。その内実を国民に知らせぬまま条約批准に向かって突き進む政府。黒い条約・TPP締結後の日本はどうなるのか? 『TPP亡国論』の中野剛志とこの問題を早くから掘り下げてきた気鋭の論客たちが、TPP参加に最後の警鐘を鳴らす!
[著者情報]
中野剛志(なかの たけし)
評論家。元京都大学大学院准教授。主な著書に『TPP亡国論』。
関岡英之(せきおか ひでゆき)
評論家・ノンフィクション作家。主な著書に『拒否できない日本』。
岩月浩二(いわつき こうじ)
弁護士。「TPPを考える国民会議」世話人。
東谷 暁(ひがしたに さとし)
ジャーナリスト。主な著書に『経済学者の栄光と敗北』。
村上正泰(むらかみ まさやす)
山形大学大学院医学系研究科教授。主な著書に『医療崩壊の真犯人』。
施 光恒(せ てるひさ)
九州大学大学院比較社会文化研究院准教授。主な著書に『リベラリズムの再生』。
柴山桂太(しばやま けいた)
滋賀大学経済学部社会システム学科准教授。主な著書に『静かなる大恐慌』。
衰退するアメリカ。そのアメリカ依存から抜けられない日本。この構図のなかで、いま、アメリカが日本を徹底的に搾取しようとしている。それがTPPの正体だ。TPPが日本の成長を助ける自由貿易協定だというのは真っ赤な嘘。99%のわれわれ国民に対して、1%のグローバル企業・超富裕層が仕掛けた罠なのだ。その内実を国民に知らせぬまま条約批准に向かって突き進む政府。黒い条約・TPP締結後の日本はどうなるのか? 『TPP亡国論』の中野剛志とこの問題を早くから掘り下げてきた気鋭の論客たちが、TPP参加に最後の警鐘を鳴らす!
[著者情報]
中野剛志(なかの たけし)
評論家。元京都大学大学院准教授。主な著書に『TPP亡国論』。
関岡英之(せきおか ひでゆき)
評論家・ノンフィクション作家。主な著書に『拒否できない日本』。
岩月浩二(いわつき こうじ)
弁護士。「TPPを考える国民会議」世話人。
東谷 暁(ひがしたに さとし)
ジャーナリスト。主な著書に『経済学者の栄光と敗北』。
村上正泰(むらかみ まさやす)
山形大学大学院医学系研究科教授。主な著書に『医療崩壊の真犯人』。
施 光恒(せ てるひさ)
九州大学大学院比較社会文化研究院准教授。主な著書に『リベラリズムの再生』。
柴山桂太(しばやま けいた)
滋賀大学経済学部社会システム学科准教授。主な著書に『静かなる大恐慌』。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2013/6/14
- ISBN-104087206955
- ISBN-13978-4087206951
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- 出版社 : 集英社 (2013/6/14)
- 発売日 : 2013/6/14
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4087206955
- ISBN-13 : 978-4087206951
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2013年6月14日に日本でレビュー済み
2015年11月25日に日本でレビュー済み
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米軍に守られている日本が、米国に対してまともに主張できないのは公知の事実。
安倍政権がいかに主体性のない米国追従の情けない状況に陥っているかがよくわかります。
中国包囲網のようなことを喧伝していますが、米国にその意思がないこともはっきりしてきました。
まさしく、この本が危惧する通りになるでしょう。
安倍政権は歴代自民党における史上最強の売国政権として、その名を歴史に刻むでしょう。
安倍政権がいかに主体性のない米国追従の情けない状況に陥っているかがよくわかります。
中国包囲網のようなことを喧伝していますが、米国にその意思がないこともはっきりしてきました。
まさしく、この本が危惧する通りになるでしょう。
安倍政権は歴代自民党における史上最強の売国政権として、その名を歴史に刻むでしょう。
2015年7月10日に日本でレビュー済み
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このところのメディアは安保関連の話題にばかり目を向けさせようとして
いますが、その間「密室」で安保法制と同じか、もしくはそれ以上の
打撃を日本に与えるであろうTPPの秘密交渉が着々と進行しているのです。
本書は、メディアにほどんど意図的に無視されているTPPの「実態」をいくつかの
論点からわかりやすく解説しています。
ISD条項。アメリカ多国籍企業が国家を企業利益に反するという理由で訴えられるどんでもない
取り決めです。これが締結されれば、日本はまともな法律を通すことが難しくなるでしょう。
非関税障壁撤廃と呼ばれる、その国独自の慣行や国のあり方をアメリカに都合良く改変する
交渉。とりわけ懸念されるのが日本の国民皆保険制度と金融システムの破壊です。
アメリカでは医療は福祉政策ではなく単なる「金儲け」です。だれも盲腸の手術に
何百万とかかる国に住みたくはないでしょう。
このまま日本はアメリカの1%の富裕層に買いたたかれてしまうのでしょうか。
何かできることはないか、と思い、ネットの反対運動に署名したりしていますが、
あまり大きな流れになっていきません。
米国議会の議員すら交渉内容を知らない、という事実だけでもいかにTPPが
非民主的な力で強引に進められているかが透けて見えます。
とにかく、まずは多くの方にこうした本を手に取ってもらい、危機感を共有できれば、
と思います。ぜひ一読ください。
いますが、その間「密室」で安保法制と同じか、もしくはそれ以上の
打撃を日本に与えるであろうTPPの秘密交渉が着々と進行しているのです。
本書は、メディアにほどんど意図的に無視されているTPPの「実態」をいくつかの
論点からわかりやすく解説しています。
ISD条項。アメリカ多国籍企業が国家を企業利益に反するという理由で訴えられるどんでもない
取り決めです。これが締結されれば、日本はまともな法律を通すことが難しくなるでしょう。
非関税障壁撤廃と呼ばれる、その国独自の慣行や国のあり方をアメリカに都合良く改変する
交渉。とりわけ懸念されるのが日本の国民皆保険制度と金融システムの破壊です。
アメリカでは医療は福祉政策ではなく単なる「金儲け」です。だれも盲腸の手術に
何百万とかかる国に住みたくはないでしょう。
このまま日本はアメリカの1%の富裕層に買いたたかれてしまうのでしょうか。
何かできることはないか、と思い、ネットの反対運動に署名したりしていますが、
あまり大きな流れになっていきません。
米国議会の議員すら交渉内容を知らない、という事実だけでもいかにTPPが
非民主的な力で強引に進められているかが透けて見えます。
とにかく、まずは多くの方にこうした本を手に取ってもらい、危機感を共有できれば、
と思います。ぜひ一読ください。
2013年6月17日に日本でレビュー済み
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7人の筆者による共著で、あらゆる角度からTPPのデメリット、それによって失われるものを指摘している。食の安全が損なわれる、薬価が高騰する、国民皆保険制度が形骸化する、日本の資産が海外で運用されるようになる、経済格差が拡大する、外国企業や外国人投資家によって国家が訴えられる(国家の主権を奪われる)、治安の良さや秩序正しさや連帯意識が失われるなど、数え上げればキリがない。
TPP賛成派の主張は、「TPP参加は経済成長に不可欠」「グローバル化こそ、時代の趨勢である。世界の潮流から取り残されてはならない」といった漠然としたもので、TPPのメリットとデメリットを冷静に比較した上で、メリットのほうが大きいからという理由で主張されているわけではない。初めから、TPP参加ありきなのである。「改革」は善であり、「改革派」は正義の味方、「改革」に反対する輩は既得権益にしがみつく守旧派・抵抗勢力だというステレオタイプの発想がまかり通っているのである。郵政民営化も必要なかったのに、実施するために「理屈を一から作った」という。
全国紙はTPP推進論一色で、今年の1〜2月はTPP礼賛記事ばかりが紙面を飾り、交渉参加に反対する国会議員を「農家や医師会の圧力を恐れて、国益を考えない族議員」などと罵倒する記事さえあった。読者はそんな記事ばかり読まされるのだから、TPP交渉参加の是非を問う世論調査で、賛成が60%を超えたのは、当然の成り行きである。詳しい内容を知らされる事なく、「改革」「グローバル化」の掛け声に乗せられただけなのである。
行き過ぎたグローバル化のデメリットは、今、EUで起きている混乱を見ればわかる。グローバル化と国家主権は、その本質において両立しがたい面を持ち、今、EUで起きている混乱は、行き過ぎたグロ−バル化によって国家主権が著しく制約された事への反動である。ヨーロッパでは、これまでのようにグローバル化を進めることにではなく、グローバル化によって生じる混乱から、自国を切り離そうとする動きが強まっている。イギリスの首相がEU脱退に言及し始めたのは、その好例である。
日本は、このEU諸国の混乱を他山の石とすべきではないか。アメリカやオーストラリアやニュージーランドでも、TPPへの批判の声は上がっているのである。
TPP賛成派の主張は、「TPP参加は経済成長に不可欠」「グローバル化こそ、時代の趨勢である。世界の潮流から取り残されてはならない」といった漠然としたもので、TPPのメリットとデメリットを冷静に比較した上で、メリットのほうが大きいからという理由で主張されているわけではない。初めから、TPP参加ありきなのである。「改革」は善であり、「改革派」は正義の味方、「改革」に反対する輩は既得権益にしがみつく守旧派・抵抗勢力だというステレオタイプの発想がまかり通っているのである。郵政民営化も必要なかったのに、実施するために「理屈を一から作った」という。
全国紙はTPP推進論一色で、今年の1〜2月はTPP礼賛記事ばかりが紙面を飾り、交渉参加に反対する国会議員を「農家や医師会の圧力を恐れて、国益を考えない族議員」などと罵倒する記事さえあった。読者はそんな記事ばかり読まされるのだから、TPP交渉参加の是非を問う世論調査で、賛成が60%を超えたのは、当然の成り行きである。詳しい内容を知らされる事なく、「改革」「グローバル化」の掛け声に乗せられただけなのである。
行き過ぎたグローバル化のデメリットは、今、EUで起きている混乱を見ればわかる。グローバル化と国家主権は、その本質において両立しがたい面を持ち、今、EUで起きている混乱は、行き過ぎたグロ−バル化によって国家主権が著しく制約された事への反動である。ヨーロッパでは、これまでのようにグローバル化を進めることにではなく、グローバル化によって生じる混乱から、自国を切り離そうとする動きが強まっている。イギリスの首相がEU脱退に言及し始めたのは、その好例である。
日本は、このEU諸国の混乱を他山の石とすべきではないか。アメリカやオーストラリアやニュージーランドでも、TPPへの批判の声は上がっているのである。
2015年9月27日に日本でレビュー済み
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TPPの問題がどのようなものなのか なにもはっきりしません はっきりしないものは やめたほうがいい
2015年10月2日に日本でレビュー済み
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近日中に決まってしまいそうだが日本国憲法よりTPP条約が優位になるのは憲法違反である。
2016年2月21日に日本でレビュー済み
読み進めていくとそれなりにおっ…と思わせる箇所もあり
どういう結論へ向かうのかと期待すると、突然に無理のある憶測と奇妙な決め付けで終わってしまう。
ひたすらこの繰り返しで構成されている残念な本でした。
そこで(仮とはいえ)皆様待望のTPPの中身が和訳されましたので是非そちらを読んで下さい。
特にTPP亡国論の信者の方。「TPP協定の暫定仮訳」で検索しましょう。
この本が如何に馬鹿げた仮定で書かれていたかと驚くと思いますよ?
条約を吟味し用心するに越したことはありませんが、
これは普通の通商交渉であり、その結果(あくまで暫定ですがほぼ決まり)です。
時事の話題として興味や懸念を持ちつづけて欲しいとは思いますが、
この手の妙な陰謀論に振り回されるのは時間の無駄です。
私自身この本を読んで完全に損したとは思いませんが、
その時間を犬の散歩や子どもと遊んであげた方が良かったなと少し後悔しています。
どういう結論へ向かうのかと期待すると、突然に無理のある憶測と奇妙な決め付けで終わってしまう。
ひたすらこの繰り返しで構成されている残念な本でした。
そこで(仮とはいえ)皆様待望のTPPの中身が和訳されましたので是非そちらを読んで下さい。
特にTPP亡国論の信者の方。「TPP協定の暫定仮訳」で検索しましょう。
この本が如何に馬鹿げた仮定で書かれていたかと驚くと思いますよ?
条約を吟味し用心するに越したことはありませんが、
これは普通の通商交渉であり、その結果(あくまで暫定ですがほぼ決まり)です。
時事の話題として興味や懸念を持ちつづけて欲しいとは思いますが、
この手の妙な陰謀論に振り回されるのは時間の無駄です。
私自身この本を読んで完全に損したとは思いませんが、
その時間を犬の散歩や子どもと遊んであげた方が良かったなと少し後悔しています。
2013年9月9日に日本でレビュー済み
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本書のカバーに示されているように、衰退するアメリカ。アメリカ依存から抜けられない日本。そして、アメリカが日本を徹底的に、最終的に搾取し、収奪しようとしている。それがTTPの正体であること。
1%のグローバル企業・長富裕層が、99%の国民に仕掛けたわなであり、TTP締結後の日本がどうなるのかについて、日米構造協議以後の展開過程を踏まえて、経済、金融、医療、ISDS条項と憲法、社会文化への破壊的影響等について、各専門家が論じている。
農業や食糧問題などについては論及されていないが、早く、幅広く読まれることを期待したい。
1%のグローバル企業・長富裕層が、99%の国民に仕掛けたわなであり、TTP締結後の日本がどうなるのかについて、日米構造協議以後の展開過程を踏まえて、経済、金融、医療、ISDS条項と憲法、社会文化への破壊的影響等について、各専門家が論じている。
農業や食糧問題などについては論及されていないが、早く、幅広く読まれることを期待したい。