今回も面白かった!!!
作中の大坂という舞台の雰囲気がとても気持ちよい。
決して「お上品」ではなく、
洗練されているわけでもなく、
確かにある「雑さ」ともいうべき要素を上手く表現しています。
『水清ければ魚棲まず』という感じで、
大坂のもっている「雑な」雰囲気を非常に肯定的に楽しく感じられます。
「つゆをたっぷりつけて食べたかった」など、落語好きにはニヤリとさせられるネタも盛り込まれ、
「なんだかだんだん面白くなってきた」とか、時々不意打ちのように入れられるお茶目で愉快な文章に噴き出してしまいそうになります。
以下の4遍が収録されています。それぞれ食べ物がうまくからまって、
おいしいものを食べる幸せを感じられる後味の良い作品になっています。
『風邪うどん』
勇太郎の亡父の親友が大阪にやってきます。
粋ぶった江戸っ子の流儀と大阪の心意気の対比が非常に面白い一遍。
どっちもキマってなくても、カッコいいと思えます。
『地獄で豆腐』
うだつの上がらない豆腐屋と、小粒だけを狙って盗む妙な盗賊の事件。
勇太郎が剣客として一段高みに昇る一遍。
また、用人の喜内がわがままな奉行にあいそを尽かさない理由も語られます。
『蛸芝居』
表題の「道頓堀の大タコ」のもとになったと思われる一遍。
ごうつく婆さんと奉行の取り合わせが面白かった。
久右衛門はわがままだけど、しっかりと心をこめて料理をしている料理人にとっては最高のお客様だなぁ
『長崎の仇を大阪で討つ』
長崎から江戸にむけての道中でカピタン一行が大坂に居座り続ける理由とは???
時代小説の枠を飛び出したぶっとび展開ですが、許せてしまうのは、この作品のおおらかさの賜物ですね。
食事シーンが最高に幸せそうな一遍。
亭主でも客人でも久右衛門と楽しい食事をしてみたいと思います。
『解説』
今回は安孫子武丸さんです。田中啓文さんと同業&仲間&ライバル?の安孫子さんならではの解説でした。
田中さんへのかつての無礼を詫びているようで、また田中さんからのかつての無礼をなじっているようで、
お二人の関係が肩を並べて競い合っているように感じられ、なんだかいいなと感じました。
「時代考証? お前はみたんか?」とは田中啓文さんの時代小説執筆スタイルだと思っていたけど、
実際はすごく資料にあたる方らしいです。
近しい同業者からの舞台裏暴露といった感じでビックリです。
確かに今回は参考資料の量がすごかった。
私も安孫子さんと同じく、あとがきで名言「お前はみたんか?」を生み出した『十兵衛錆刃剣』の続編を読みたいという気持ちを持ち続けている一人であります。
十兵衛たちの、グイッと酒をあおり、口元をぬぐう「男の酒」シーン、心にいまも残っています。
でも、もう今更無理なんだろうなぁ、本当に残念です。
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鍋奉行犯科帳 道頓堀の大ダコ (集英社文庫) 文庫 – 2013/8/21
田中 啓文
(著)
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道頓堀に夜な夜な現れる奇怪な大ダコ。探索におおわらわの奉行所の面々をよそに、大食漢の久右衛門は──。大坂を舞台に描く食いだおれの時代小説シリーズ第2弾。オリジナル文庫。(解説/我孫子武丸)
- 本の長さ432ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2013/8/21
- ISBN-104087451062
- ISBN-13978-4087451061
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2013/8/21)
- 発売日 : 2013/8/21
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 432ページ
- ISBN-10 : 4087451062
- ISBN-13 : 978-4087451061
- Amazon 売れ筋ランキング: - 615,536位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年10月6日に日本でレビュー済み
『鍋奉行犯科帳』シリーズの第2弾。4本の短編が収められている。
かならず前巻から読まなければならないわけではないが、まあ、順番に従った方がいいだろう。
前巻は正直、あまりおもしろく思わなかったが、巻が進んで安定してきたのか、筆が走り始めたのか、本書はとても良かった。
話に起伏があり、伏線も上手い。ぐいぐい読まされるストーリー展開だった。
特に大ダコの出てくる話がいい。馬鹿馬鹿しいのだが、時代小説らしい人情味も感じられて、田中さんの円熟した筆づかいが堪能できる。
ギャグやグロテスクは控えめだが、要所で効いている。
かならず前巻から読まなければならないわけではないが、まあ、順番に従った方がいいだろう。
前巻は正直、あまりおもしろく思わなかったが、巻が進んで安定してきたのか、筆が走り始めたのか、本書はとても良かった。
話に起伏があり、伏線も上手い。ぐいぐい読まされるストーリー展開だった。
特に大ダコの出てくる話がいい。馬鹿馬鹿しいのだが、時代小説らしい人情味も感じられて、田中さんの円熟した筆づかいが堪能できる。
ギャグやグロテスクは控えめだが、要所で効いている。
2014年6月28日に日本でレビュー済み
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食べ物の発祥の一つの話(どちらかというと眉唾話)が最後に出てきて面白い。
2021年12月7日に日本でレビュー済み
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この人しか書けそうにない、大阪食い倒れ時代小説シリーズ第2弾。前回より一段と面白くなり、文句なしの満点評価をしたい。
個々の作品の面白さは、読んでみてのお楽しみとして、私は作者自身が楽しんでる感じが、大いに伝わって来る事を評価したい。例えば、えらく大量の参考文献。たぶんこんなに調べる必要は、本当はなかったんだと思う。でも、あえてこれだけ大量に調べて書いたんだぞ、と誇りたい作者の稚気が伝わり、何だかニヤリとしてしまう。恐らく、作者自身、この大量の参考文献に当たる事自体、楽しんだのではなかろうか。
最後の話は、かなりぶっ飛んだSF的ストーリーで、らしさを感じたが、概ね作者としてはアクを抑えた、人情話。が、作者が楽しんで書いて、それが読者に伝わり、エンタメ作家としての円熟を感じる作品であった。
個々の作品の面白さは、読んでみてのお楽しみとして、私は作者自身が楽しんでる感じが、大いに伝わって来る事を評価したい。例えば、えらく大量の参考文献。たぶんこんなに調べる必要は、本当はなかったんだと思う。でも、あえてこれだけ大量に調べて書いたんだぞ、と誇りたい作者の稚気が伝わり、何だかニヤリとしてしまう。恐らく、作者自身、この大量の参考文献に当たる事自体、楽しんだのではなかろうか。
最後の話は、かなりぶっ飛んだSF的ストーリーで、らしさを感じたが、概ね作者としてはアクを抑えた、人情話。が、作者が楽しんで書いて、それが読者に伝わり、エンタメ作家としての円熟を感じる作品であった。