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小栗上野介 日本の近代化を仕掛けた男 小説 (集英社文庫) 文庫 – 2006/8/18
童門 冬二
(著)
再評価される幕末の改革者・小栗の悲劇の生涯。
幕末に奉行として改革を断行しながらも幕府に殉じた小栗上野介。後の明治新政府の諸政策に多大な影響を与えたと、近年再評価されている。その業績を検証し、悲劇の生涯を描く。(解説/榎本 秋)
幕末に奉行として改革を断行しながらも幕府に殉じた小栗上野介。後の明治新政府の諸政策に多大な影響を与えたと、近年再評価されている。その業績を検証し、悲劇の生涯を描く。(解説/榎本 秋)
- 本の長さ672ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2006/8/18
- ISBN-104087460673
- ISBN-13978-4087460674
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2006/8/18)
- 発売日 : 2006/8/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 672ページ
- ISBN-10 : 4087460673
- ISBN-13 : 978-4087460674
- Amazon 売れ筋ランキング: - 548,156位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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童門冬二(どうもん・ふゆじ)
作家、本名・太田久行。1927年、東京に生まれる。
第43回芥川賞候補。目黒区役所係員を振り出しに、都立大学事務長、都広報室課長、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。1979年退職。
在職中に累積した人間管理と組織の実学を歴史の中に再確認し、小説、ノンフィクションの分野に新境地を拓く。
著書に『男の器量』『名将に学ぶ人間学』『日本の歴史どうしても知っておきたい名場面80』『坂(※)本竜馬「自分」を大きくする法』(以上三笠書房刊、※印《知的生きかた文庫》)、『小説上杉鷹山』ほか多数ある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年9月28日に日本でレビュー済み
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人物像にはいろいろな見方があることを感じた。改めて小栗上野介の素晴らしい一面を知ることが出来た。
2014年3月9日に日本でレビュー済み
作者の童門冬二さんは、『月刊ガバナンス』(ぎょうせい)などで「日本列島・諸国賢人列伝(地域と歴史に人あり)」を連載し、江戸期における各地の賢臣・識者の行跡等を丹念に追っているが、この小栗上野介忠順(1827年7月16日‾1868年5月27日)の生涯を描いた小説(文庫本)は、年譜も含めると671頁に上り、童門さんの作品としては長編の部類に入るのでなかろうか。それだけ力のこもった評伝小説といえる。また、本著では、幕末期における徳川幕府の外交等を詳細に筆述していることも大きな特長といえるかもしれない。
さて、小栗上野介は、福沢諭吉が「古来士風の美をいえば三河武士の右に出るものはあるべからず」( 瘠我慢の説 )と裁した三河譜代武士の家に生まれた。小栗家の総領は、代々「又一」という名を襲名したみたいだが、それは彼の祖先が「また一番槍だ」という勇猛さで「又一」と名乗ったことに由来するらしい。因みに、小栗とライバル関係にあった勝海舟は、曾祖父の代に御家人株を取得した家柄であり、そもそも徳川家(幕府)に対する“思い入れ”が根本的に違う。このことは幕末、維新を巡る両者の対応で明確に現れてくる…。
この二人は、小栗が大老・井伊直弼に、勝が「幕末の開明的老中」といわれた阿部正弘によって、それぞれ登用されている。しかしながら、小栗は徳川家への忠節心は非常に篤いものの、“時代(時流)”を読むことにも長け、頑迷固陋の男では断じてなかった。それは「フランスかぶれ」と悪口を吐かれながらも、栗本瀬兵衛(鋤雲)などの助力を得つつ、(1)幕軍のフランス式軍制への改良、(2)フランスからの指導教官招聘、(3)横須賀における製鉄所・造船所建設などをはじめ、幕府直轄の貿易会社(商社)創設まで企図していたことで判る。
さらに、彼の構想力の大きさは、上述の軍制改革(幕軍近代化)のような幕府強化策のレベルに留まらず、幕藩体制から郡県制(一種の中央集権体制)の転換という“国家の在り方”まで視野に収めていたことで、実際、童門さんが語るように、「幕府が倒れて明治新政府がおこなった数々の制度改革は、小栗上野介が幕末に唱えていたことが多い」という事実で明白だ。そして、何と言っても小栗の名を高らしめたのは、安政7年(1860年)、日米通商条約批准書交換のための遣米使節団の目付(監察)として渡米した際の彼の事様にある。
当時の日本は、金貨・銀貨の交換比率が国際基準と乖離していたことから、金の流出に悩まされていた。小栗はアメリカ側に金・銀の量目比較を要求し、アメリカ側の安直な含有量分析に、日本人としてはじめて「ノー」を突きつけたのである。その態度、気節が逆にアメリカ側を感動させ、畏敬の念を抱かせたのであった…。訪米中、新聞等は小栗を次のように評し伝えている―最も日本人らしい威厳と落ち着きを備え、その容姿が端麗でスマートだった、と。誇りを持った堂々たる誠実さ…それを見事に体現したのが小栗上野介であった。
この時期、欧米列強による「 自由貿易帝国主義 」ともいうべき「 第二次グローバリゼーション 」の荒波が極東の島国にも否応なく押し寄せ、人びとを呑みこまんとしていた。また、国内では、倒幕と絡めた観念的な攘夷論が吹き荒れていた。こうした情勢下、ある意味で“時代”を先取りし、狡獪な西軍により斬首に処せられた小栗上野介や、対露交渉において樺太の帰属問題への秀逸な打開策を示し、小栗が称賛した 川路聖謨 などの幕臣達の気概と努力によって、日本の名誉と独立が守られたことを、私たちは決して忘れてはならないだろう。
Amazonで購入
作者の童門冬二さんは、『月刊ガバナンス』(ぎょうせい)などで「日本列島・諸国賢人列伝(地域と歴史に人あり)」を連載し、江戸期における各地の賢臣・識者の行跡等を丹念に追っているが、この小栗上野介忠順(1827年7月16日‾1868年5月27日)の生涯を描いた小説(文庫本)は、年譜も含めると671頁に上り、童門さんの作品としては長編の部類に入るのでなかろうか。それだけ力のこもった評伝小説といえる。また、本著では、幕末期における徳川幕府の外交等を詳細に筆述していることも大きな特長といえるかもしれない。
さて、小栗上野介は、福沢諭吉が「古来士風の美をいえば三河武士の右に出るものはあるべからず」( 瘠我慢の説 )と裁した三河譜代武士の家に生まれた。小栗家の総領は、代々「又一」という名を襲名したみたいだが、それは彼の祖先が「また一番槍だ」という勇猛さで「又一」と名乗ったことに由来するらしい。因みに、小栗とライバル関係にあった勝海舟は、曾祖父の代に御家人株を取得した家柄であり、そもそも徳川家(幕府)に対する“思い入れ”が根本的に違う。このことは幕末、維新を巡る両者の対応で明確に現れてくる…。
この二人は、小栗が大老・井伊直弼に、勝が「幕末の開明的老中」といわれた阿部正弘によって、それぞれ登用されている。しかしながら、小栗は徳川家への忠節心は非常に篤いものの、“時代(時流)”を読むことにも長け、頑迷固陋の男では断じてなかった。それは「フランスかぶれ」と悪口を吐かれながらも、栗本瀬兵衛(鋤雲)などの助力を得つつ、(1)幕軍のフランス式軍制への改良、(2)フランスからの指導教官招聘、(3)横須賀における製鉄所・造船所建設などをはじめ、幕府直轄の貿易会社(商社)創設まで企図していたことで判る。
さらに、彼の構想力の大きさは、上述の軍制改革(幕軍近代化)のような幕府強化策のレベルに留まらず、幕藩体制から郡県制(一種の中央集権体制)の転換という“国家の在り方”まで視野に収めていたことで、実際、童門さんが語るように、「幕府が倒れて明治新政府がおこなった数々の制度改革は、小栗上野介が幕末に唱えていたことが多い」という事実で明白だ。そして、何と言っても小栗の名を高らしめたのは、安政7年(1860年)、日米通商条約批准書交換のための遣米使節団の目付(監察)として渡米した際の彼の事様にある。
当時の日本は、金貨・銀貨の交換比率が国際基準と乖離していたことから、金の流出に悩まされていた。小栗はアメリカ側に金・銀の量目比較を要求し、アメリカ側の安直な含有量分析に、日本人としてはじめて「ノー」を突きつけたのである。その態度、気節が逆にアメリカ側を感動させ、畏敬の念を抱かせたのであった…。訪米中、新聞等は小栗を次のように評し伝えている―最も日本人らしい威厳と落ち着きを備え、その容姿が端麗でスマートだった、と。誇りを持った堂々たる誠実さ…それを見事に体現したのが小栗上野介であった。
この時期、欧米列強による「 自由貿易帝国主義 」ともいうべき「 第二次グローバリゼーション 」の荒波が極東の島国にも否応なく押し寄せ、人びとを呑みこまんとしていた。また、国内では、倒幕と絡めた観念的な攘夷論が吹き荒れていた。こうした情勢下、ある意味で“時代”を先取りし、狡獪な西軍により斬首に処せられた小栗上野介や、対露交渉において樺太の帰属問題への秀逸な打開策を示し、小栗が称賛した 川路聖謨 などの幕臣達の気概と努力によって、日本の名誉と独立が守られたことを、私たちは決して忘れてはならないだろう。
2015年8月8日に日本でレビュー済み
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木村直巳さんの「天涯の武士」 (SPコミックス全4巻)を先に見ました。ストーリーを再確認する程度でしたが、時代の流れがよくわかりました。
2019年4月15日に日本でレビュー済み
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小栗上野介という人をよく知りませんでしたが、この本を読んで彼を尊敬するようになりました。皆さんに
一読をお勧めします。
一読をお勧めします。
2019年10月21日に日本でレビュー済み
今から考えると小栗の近代化構想はごく当たり前のこと。
一方、当時も小栗と同じような構想を持つ者もいたが、「実現するはずない」、「時期尚早である」と考え本気で取り組もうとしなかったと思われる。
このような出来ない、まだ早いと思われることに対して、小栗のようにいち早く取り組もうとすることは、現在においても大切な姿勢である。イノーベーションもこのような精神を持つ人たちによって創出されてきたのは周知の事実。
どの時代であっても小栗は優秀な官僚として活躍したであろうが、生まれた時代と仕えた主君に恵まれなかったことはつくづく悲運。
一方、当時も小栗と同じような構想を持つ者もいたが、「実現するはずない」、「時期尚早である」と考え本気で取り組もうとしなかったと思われる。
このような出来ない、まだ早いと思われることに対して、小栗のようにいち早く取り組もうとすることは、現在においても大切な姿勢である。イノーベーションもこのような精神を持つ人たちによって創出されてきたのは周知の事実。
どの時代であっても小栗は優秀な官僚として活躍したであろうが、生まれた時代と仕えた主君に恵まれなかったことはつくづく悲運。
2019年9月19日に日本でレビュー済み
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小栗上野介と勝海舟の関係だけではありませんよね。明治は勝ったものだけが脚光を浴びています。多くの歴史作家さんたちは何を見ているのでしょうか。真実を掘り起こす努力をしてもらいたいものです。
2013年8月27日に日本でレビュー済み
幕末のエリート官僚が選んだ徳川家・幕府への無垢な忠誠心、三河武士として義を貫いた生き方を克明に記した長編小説
同時代の幕府内でのライバルとして勝海舟と対比させ、また阿部・井伊大老などの幕閣・将軍も両名の理解者として描かれる。
時代に逆らい無理を承知で意志を貫こうとする武士の本懐を小栗に見いだそうとする。
作者が勤めていた都庁での経験も大いに込められているような気がする。
開明派の私としては、作者の小栗に対する私的感情移入が強すぎ偏った歴史小説と思うが
敗者の歴史を語る小説として、幕末から明治の転換を知る良い書であった。
同時代の幕府内でのライバルとして勝海舟と対比させ、また阿部・井伊大老などの幕閣・将軍も両名の理解者として描かれる。
時代に逆らい無理を承知で意志を貫こうとする武士の本懐を小栗に見いだそうとする。
作者が勤めていた都庁での経験も大いに込められているような気がする。
開明派の私としては、作者の小栗に対する私的感情移入が強すぎ偏った歴史小説と思うが
敗者の歴史を語る小説として、幕末から明治の転換を知る良い書であった。
2013年7月9日に日本でレビュー済み
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童門先生の歴史小説はどれも素晴らしい。もし、小栗が明治維新を生き抜いていたら、日本はもっと素晴らしい国になっていただろう。