短編はあまり好きではありませんが、全体が繋がってる短編なら許容範囲なので読んでみました^_^
ちょっとした日常の謎解きも良くて楽しく読むことが出来ました。
個人的には第6話の「雨上がりの藍の空」が好きです!
貧乏レシピが役に立ちそうで、読書をしながらちょっとだけ得をした気分になりました^_^
2016/12/4読了
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レインレイン・ボウ (集英社文庫) 文庫 – 2006/10/18
加納 朋子
(著)
今、注目の女性作家が贈る、七人七色の青春模様。
高校時代のチームメイトの葬式をきっかけに、再会した25歳の女性たち。人生の岐路に立った彼女たちは、迷い、悩み、やがて答を見つけていく――。優しい筆致で描く青春群像劇。(解説/北上次郎)
高校時代のチームメイトの葬式をきっかけに、再会した25歳の女性たち。人生の岐路に立った彼女たちは、迷い、悩み、やがて答を見つけていく――。優しい筆致で描く青春群像劇。(解説/北上次郎)
- 本の長さ312ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2006/10/18
- ISBN-104087460894
- ISBN-13978-4087460896
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2006/10/18)
- 発売日 : 2006/10/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 312ページ
- ISBN-10 : 4087460894
- ISBN-13 : 978-4087460896
- Amazon 売れ筋ランキング: - 411,046位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年5月7日に日本でレビュー済み
高校時代ソフトボール部の仲間だった7人が、20代半ば、メンバーの死をきっかけに再び集まる。7人それぞれを主人公とした連作の形を取り、メンバーの死の謎が少しずつ明らかになっていくミステリー仕立てだが、主眼は7人の女性の生き方、人物を描くことに置かれている。作者は登場人物に「色んな色が虹みたいに重なり合って複雑な模様を作っているからこそ、人間って面白い」と語らせている。タイトルの「レインレイン・ボウ」には作者のそうした思いが託されているはずだ。しかし、その思いを小説に具現化するに当たって、7人の人物像が類型化し、7人が織り成すストーリーがドラマ的なものになってしまっているのは作者の意に反してはいないだろうか。また作者が登場人物に語らせる“大人だってかつては無垢な天使だった”“どうして自分のためにはできないことを、好きな誰かのためにならできるのだろう?”と言った人間に対する性善説的な期待が、僕にはあまりに楽観的に思えてしまう。作者が文脈の中で肯定的に使っている“リアルな現実”を、この小説から感じ取ることが出来ないのだ。
2007年7月17日に日本でレビュー済み
高校のソフトボール部の仲間・チーズこと知寿子(ちづこ)が突然死んだ。
彼女の通夜に、高校時代女子ソフトボール部で一緒だった同期や後輩が集まる。
専業主婦、キャリアウーマン、保母、看護士、調理師…それぞれの場で
それぞれの生き方をしていた彼女たちの会話は最初、どこかぎこちない。だけど、
それぞれ、高校時代の思い出をよみがえらせ、どうしてあんなに明るくて
活発だった知寿子が死んだのか思いを馳せる…そして、最大の謎が。
誰よりも知寿子を好きだったはずの里穂が弔問に来ていない。
そして、里穂の消息が途切れる…
知寿子の死と里穂の失踪の謎、という縦糸に、それぞれの
元ソフト部員たちの日常の小さなミステリーが横糸として
絡まって、見事な虹色のタペストリーのように1枚の絵として
最終章で完成する。見事な構成。
個人的には、その横糸の部分…それぞれの章の主人公たちの
日常ミステリーの部分のほうがより面白く感じた。
それぞれの職場が主な舞台になっているので、編集者、調理師、
保母など、様々な仕事の場面が出てきて興味深かった。
特に「誰が栄養士として派遣されてもすぐやめちゃう」
いわくありげな商社の社員食堂に管理栄養士として赴く由美子の
社食改革の章は、単独で読んでも痛快でした。
というわけで、血なまぐさくない読後感のよいライトミステリーとして
なかなか楽しく読める1冊。1章1日読めば1週間でちょうど読めるので
通勤のお供にもいいかもです。
彼女の通夜に、高校時代女子ソフトボール部で一緒だった同期や後輩が集まる。
専業主婦、キャリアウーマン、保母、看護士、調理師…それぞれの場で
それぞれの生き方をしていた彼女たちの会話は最初、どこかぎこちない。だけど、
それぞれ、高校時代の思い出をよみがえらせ、どうしてあんなに明るくて
活発だった知寿子が死んだのか思いを馳せる…そして、最大の謎が。
誰よりも知寿子を好きだったはずの里穂が弔問に来ていない。
そして、里穂の消息が途切れる…
知寿子の死と里穂の失踪の謎、という縦糸に、それぞれの
元ソフト部員たちの日常の小さなミステリーが横糸として
絡まって、見事な虹色のタペストリーのように1枚の絵として
最終章で完成する。見事な構成。
個人的には、その横糸の部分…それぞれの章の主人公たちの
日常ミステリーの部分のほうがより面白く感じた。
それぞれの職場が主な舞台になっているので、編集者、調理師、
保母など、様々な仕事の場面が出てきて興味深かった。
特に「誰が栄養士として派遣されてもすぐやめちゃう」
いわくありげな商社の社員食堂に管理栄養士として赴く由美子の
社食改革の章は、単独で読んでも痛快でした。
というわけで、血なまぐさくない読後感のよいライトミステリーとして
なかなか楽しく読める1冊。1章1日読めば1週間でちょうど読めるので
通勤のお供にもいいかもです。
2007年9月25日に日本でレビュー済み
虹の七色をモチーフにして,各人各様の女性たちの生き方を綴った短編連作集です。
高校時代の部活仲間の死の事実から,物語は出発します。唐突な始まりですが,加納さんのファンなら,ミステリーの伏線だなという予想はつくのではないでしょうか。
各話とも,高校卒業後の彼女たちの様々な日常生活が中心となっていますが,もちろん,彼女の死が直接・間接に関係してきます。そして,最終話に向かって,彼女の死をめぐる謎解きが加速されていきます。
もちろん,ミステリーの要素はあるのですが,一人の人間の死を通して,生きている者たちの様々な‘思い’を再確認する作業に重点が置かれている印象を受けます。特に,最終話の「青い空と小鳥」の中で,登場人物の「片桐陶子」を通してそれが雄弁に語られていると思います。
学生時代の自分と社会人になってからの自分―過去と現在の‘思い’を再確認しそれを意味づける作業は,案外つらいものかもしれません。そして,時には,取り返しのつかないこともあるのかもしれません…。
本作品は,‘爽やかな青春小説’と評価することも可能でしょう。しかし僕は,単なる爽やかさにとどまらず,過去と現在の自分に向き合うきっかけをつくってくれた深みのある作品と感じました。
読者諸氏(特に女性)が本作品に御自分を投影できた場合は,大変意義深い作品となること請け合いです。
高校時代の部活仲間の死の事実から,物語は出発します。唐突な始まりですが,加納さんのファンなら,ミステリーの伏線だなという予想はつくのではないでしょうか。
各話とも,高校卒業後の彼女たちの様々な日常生活が中心となっていますが,もちろん,彼女の死が直接・間接に関係してきます。そして,最終話に向かって,彼女の死をめぐる謎解きが加速されていきます。
もちろん,ミステリーの要素はあるのですが,一人の人間の死を通して,生きている者たちの様々な‘思い’を再確認する作業に重点が置かれている印象を受けます。特に,最終話の「青い空と小鳥」の中で,登場人物の「片桐陶子」を通してそれが雄弁に語られていると思います。
学生時代の自分と社会人になってからの自分―過去と現在の‘思い’を再確認しそれを意味づける作業は,案外つらいものかもしれません。そして,時には,取り返しのつかないこともあるのかもしれません…。
本作品は,‘爽やかな青春小説’と評価することも可能でしょう。しかし僕は,単なる爽やかさにとどまらず,過去と現在の自分に向き合うきっかけをつくってくれた深みのある作品と感じました。
読者諸氏(特に女性)が本作品に御自分を投影できた場合は,大変意義深い作品となること請け合いです。
2014年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日常、身近に起きている出来事がテーマになっていてさらりと読めました。
2006年10月28日に日本でレビュー済み
性格も容姿も職業もまったく違う女性たちが、それぞれの生き方で世の中を渡っていく様を描いた小説。
こう書くと、篠田節子の「女たちのジハード」を思い出す方も多いのではないでしょうか。
実際、女性筆者ならではの感受性あふれる描写、同性ゆえに逆に鋭い女性への視線など、似通った部分もあります。
だけど、似たような食材でも、この人が調理するとまた、違った味わいになるのです。
得意の日常の謎を、メインとしてでなく、スパイスとして各話にふりかけて、一話完結の短編集として成立させる。しかも、それぞれの<色>のお話が並ぶと、タイトルにもある<虹>のように一つの<謎>の答えも浮かび上がってくる。
この構成が見事です。
ちなみに、主要登場人物の一人は、実は別の作品「月曜日の水玉模様」の主人公だったりします。完全に別の話として独立しているので気にする必要はありませんが、合わせて読むとより楽しめるでしょう。
こう書くと、篠田節子の「女たちのジハード」を思い出す方も多いのではないでしょうか。
実際、女性筆者ならではの感受性あふれる描写、同性ゆえに逆に鋭い女性への視線など、似通った部分もあります。
だけど、似たような食材でも、この人が調理するとまた、違った味わいになるのです。
得意の日常の謎を、メインとしてでなく、スパイスとして各話にふりかけて、一話完結の短編集として成立させる。しかも、それぞれの<色>のお話が並ぶと、タイトルにもある<虹>のように一つの<謎>の答えも浮かび上がってくる。
この構成が見事です。
ちなみに、主要登場人物の一人は、実は別の作品「月曜日の水玉模様」の主人公だったりします。完全に別の話として独立しているので気にする必要はありませんが、合わせて読むとより楽しめるでしょう。
2008年1月9日に日本でレビュー済み
高校時代の元ソフトボール部員たちの現在のそれぞれの物語が各章で描かれ、亡くなった元部員と失踪した元部員の謎解きの物語で全体がつながっていくという連作短編です。
ただ、読者が作品をどう読むかは自由ですが、おそらく作者としてはこの作品は、上記のような謎解きの体裁をとりながら、実はソフト部の元キャプテンであり、前作の「月曜日の水玉模様」の主人公である片桐陶子の物語として描いたのではないかと思います。正直、途中、多少中だるみしてると思わないでもない章もありましたが、「月曜日の水玉模様」から続けて片桐陶子の物語として読むと、ラストまで読んだときに全てのピースがハマって胸にグッとくるものがあり、とてもいい作品だと心から思えました。
それぞれの章に元部員たちが各章の主人公として出てきますが、全体をつなぐ一番重要なピースは失踪した長瀬理穂でもなく、亡くなった牧知寿子でもなく実はこの物語の真の主人公である片桐陶子だと思います。そして、それぞれの章で細やかに描かれていた元部員たちの生き方が、実は片桐陶子の生き方を逆照射のように照らし出していたのだとラストで分かるという実に見事な構成になっていると思います。このあたりはさすが名手・加納朋子だとしかいいようがないです。
それにしても、やはりラストの片桐陶子の章でほんの少しでも「月曜日の水玉模様」の準主役の萩広海君がでてくると、わくわくしてくるし、より温かい空気が醸し出されますね。最後の片桐陶子の章で、いつ萩クンが登場するだろうと思っていたけれど、やっぱり登場してほんの短い登場時間の間にとても重要な役を演じていきます。だから、この作品はぜひ「月曜日の水玉模様」を読んでから、読むことをオススメします。そうしなければ、数ページしか登場しない萩クンがなぜ重要な役割を演じるのかが充分に理解できないし、とくに最後の章では、片桐陶子の母親への想いや前著でのいきさつを踏まえてないと陶子の心の動きに感情移入できないまま終わってしまい、「うまいなぁ、加納朋子」とは思っても、胸にグッとくるところまではいかないかもしれません。ですから、まずは「月曜日の水玉模様」を先に読まれることをオススメします。こちらは今作のようなヘビーな要素はほとんどなく、片桐陶子と萩クンの二人が日常の謎解きをやっていくという連作短編で面白くてページを繰る手が止まらないといった感じでサクサクっと読めちゃいますので。
そして、ぜひその後の物語も読みたいなと思いますね。
ただ、読者が作品をどう読むかは自由ですが、おそらく作者としてはこの作品は、上記のような謎解きの体裁をとりながら、実はソフト部の元キャプテンであり、前作の「月曜日の水玉模様」の主人公である片桐陶子の物語として描いたのではないかと思います。正直、途中、多少中だるみしてると思わないでもない章もありましたが、「月曜日の水玉模様」から続けて片桐陶子の物語として読むと、ラストまで読んだときに全てのピースがハマって胸にグッとくるものがあり、とてもいい作品だと心から思えました。
それぞれの章に元部員たちが各章の主人公として出てきますが、全体をつなぐ一番重要なピースは失踪した長瀬理穂でもなく、亡くなった牧知寿子でもなく実はこの物語の真の主人公である片桐陶子だと思います。そして、それぞれの章で細やかに描かれていた元部員たちの生き方が、実は片桐陶子の生き方を逆照射のように照らし出していたのだとラストで分かるという実に見事な構成になっていると思います。このあたりはさすが名手・加納朋子だとしかいいようがないです。
それにしても、やはりラストの片桐陶子の章でほんの少しでも「月曜日の水玉模様」の準主役の萩広海君がでてくると、わくわくしてくるし、より温かい空気が醸し出されますね。最後の片桐陶子の章で、いつ萩クンが登場するだろうと思っていたけれど、やっぱり登場してほんの短い登場時間の間にとても重要な役を演じていきます。だから、この作品はぜひ「月曜日の水玉模様」を読んでから、読むことをオススメします。そうしなければ、数ページしか登場しない萩クンがなぜ重要な役割を演じるのかが充分に理解できないし、とくに最後の章では、片桐陶子の母親への想いや前著でのいきさつを踏まえてないと陶子の心の動きに感情移入できないまま終わってしまい、「うまいなぁ、加納朋子」とは思っても、胸にグッとくるところまではいかないかもしれません。ですから、まずは「月曜日の水玉模様」を先に読まれることをオススメします。こちらは今作のようなヘビーな要素はほとんどなく、片桐陶子と萩クンの二人が日常の謎解きをやっていくという連作短編で面白くてページを繰る手が止まらないといった感じでサクサクっと読めちゃいますので。
そして、ぜひその後の物語も読みたいなと思いますね。
2004年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
恥ずかしながら、私はラスト近くで例の彼が登場するまで全く気付かなかったのですが「月曜日の水玉模様」に登場する陶子さんが主人公のひとりとして登場しています。タイトル見た時点で何故予想できなかったのか…!月曜日は水玉模様」における、陶子さんと萩君の関係にほんのり笑みつつ楽しんだ私にとっては嬉しい作品でした。ただ、加納作品といえば、愛嬌こめて描かれた「日常におけるちょっとした謎」を醍醐味と感じていらっしゃる読者も多いはず。そういった面に関しては最近の先生の傾向通り、やはり取り扱われ方が薄くなっており、残念。また、(短編集であるから各話で評価は変わりはしますが)全話を通した1本の物語としての終局からも、いつものチャーミングな完成度が感じられず、個人的には物足りない一冊でした。