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エンジェル (集英社文庫) 文庫 – 2002/8/20

4.0 5つ星のうち4.0 34個の評価

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購入オプションとあわせ買い

何者かに殺され、幽霊となった投資会社の若きオーナー掛井純一。記憶を失った彼は、自らの死の真相を探りはじめる。やがて、彼は自分の周囲に張り巡らされていた黒い罠の存在を知る。すべての謎が解けた時、あまりにも切ない究極の選択が待ち受けていた。デビュー作『池袋ウエストゲートパーク』の大ヒット、そして『娼年』、『スロー・グッドバイ』でさらなる注目をあつめる石田衣良が描く、やさしく切ないミステリー。(解説・豊崎由美)
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 集英社 (2002/8/20)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2002/8/20
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 304ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4087474763
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4087474763
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 34個の評価

著者について

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石田 衣良
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1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEENフォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 5年3組リョウタ組 (ISBN-13: 978-4043854059 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4つ
5つのうち4つ
34グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2002年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
B級なレビュータイトルですみません。
いきなり主人公は殺されてしまいます。
しかもこの二年間の記憶を失っているのです。
主人公はまるで生きているときは生きた心地を感じていなかったのに、幽霊になってみて生きた心地がするという矛盾点に自分で笑っていました。自分を殺した犯人を突き止めていくうちに、この二年間の間に愛していた女性と出会い、その女性が自分を殺した犯人達に狙われている事を気づきます。そして、彼女を守るために戦うのです。
僕の文章力がへたくそで、なんだかマジでB級な感じになってしまいましたが、物語はA級です。エンディングは特に感動ものです。生と死について、非常に考えさせられます。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
冒頭から主人公が幽霊として登場する。誰かが自分を山中に埋めている場面に遭遇するのだ。そこから彼の”犯人探し”が始まる。そこからいきなり自分が産まれた瞬間まで時は戻り、短かった人生をフラッシュバックしていく。単に、こういう人生を送ってきた、と回想するのではなく、主人公が自分自身の人生をもう一度なぞるようにたどっていくことで、彼の孤独感がよりいっそう際立っている感じがする。

 自分の命と引き換えに母はこの世を去り、愛情薄い父とは溝が深まるばかりで、成人すると同時に10億円で縁を切られる。淋しいとか、哀しいというような言葉では表せない虚無感を胸に抱いて生きてきた彼がどうして殺されるはめになったのか。読者はそれを殺された本人と一緒に探っていくことになるのだが、主人公が幽霊のせいか、ミステリを読んでいるというよりはファンタジーに近い感覚だったかな。

 今ひとつ、主人公に感情移入できなかったせいで、面白さが減ってしまった。彼はそれほどこころに大きな空洞を抱えた人物なのだと思う。そういう意味ではとてもよく心理描写ができているのだと思う。誰が殺した、というよりは最後彼はどうなるのだろう、とそっちの方が気になった。犯人を見つけて成仏するのか、このまま人の世をさまよい続けるのか。犯人が分かった時に、彼のその後も明らかになる。

 短い実の人生では、生きていてよかったと思ったことはなかったかもしれないが、死んで始めて死の世界で”生きている”ことを楽しめるようなった主人公。この新たな死生観には少しこころがほんわかした。

 ただ、好き嫌いが分かれる作品だと思う。主人公に感情移入できるか、結末をこれで良かったと思えるかによって読後感は変わってくるだろう。ミステリ?ファンタジー?どっち付かずな感じがして、評価は満点にはなりませんでした。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年1月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
石田さんワールドにはまる人は多いというので、手始めに読んで見ました。
良く描けています。人物描写、さらには主人公の心理が本当によろしい。
どんどんファンが増えると思います。後半からはやはり哀しかったです。でも人間ってそういうものかもしれないと、思い直しました。読み終えると哀しいのですが、爽やかでもあります
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年9月29日に日本でレビュー済み
不思議な作品だと思いました。
死んだ魂が、自分の死の謎を解こうとする。

謎は解けたんでしょうか?

設定も物語も不思議な所があり、とてもユニークな作品だと思いました。

しかし、登場人物たちに、共感出来る部分と出来ない部分があり、ちょっと微妙な感想です。

主人公の悩みには共感出来る部分もありました。
生きていると(死んだ後でも?)思い通りにいかない事は多く、それに対してどうすのかを悩み続けている姿に共感しました。

しかし、
殺人者達の理屈は、それで良いの?十分な殺人の理由になってる?
主人公の悩みは正しいの?お坊ちゃまが殺人者達相手にうまく立ち回れたの?最後の決断は本心?
そして、文緒の本心が分からない。本当の所、どんな人だったの?

ちょっと釈然としないものが残りました。
2005年2月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の持ち味である、I.W.G.P的エンターテイメント性が死後の世界から、颯爽と描かれていて、楽しく一気に読めました。通勤途中に軽く読むにはとても良い本だとおもいます。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年10月18日に日本でレビュー済み
 主人公はいつの間にか殺されていた――

 死を迎えるまでの二年間の記憶がないまま、魂だけで現世をさまよう主人公が、真相を解き明かしていく物語。

 発想と構成は良いと思うが、ミステリーというにはあまりに単純過ぎて、筋書きに妙味も意外性もない。人間の描き方、世界観、全てが中途半端になってしまっている。
 タイトルのエンジェルも、個人投資家としてのエンジェルと、死後の幽体としてのエンジェルをかけているだけという、石田作品にしては厚みのない仕掛けである。

 一応、飽きずに読めるが、再読したいという印象はなかった。
 量産になっているとすれば残念である。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2003年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品に非常に似ている題材の小説を読んだことがある。
真保裕一の「奇跡の人」という小説だ。
どちらの作品も主題は「自分の記憶探し」である。
両小説のクライマックスで同じことを考えた。
「知らないことのほうが幸せなほうがあるのに、なぜ知ろうとするの?」
「奇跡の人」の方が本当に「やめてくれ!」と思い、読むのがつらくなった。結末は本当に予想できないものだった。
プロローグとエピローグがリンクしていたり、とてもよく似た作品である。ぜひとも読み比べてもらいたい。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2003年9月23日に日本でレビュー済み
石田作品にある”誰かの為に自分に何ができるのか?”
が色濃く出ている そんな作品だと思います。
ミステリーやサスペンスの要素にファンタジーが絡んでいます。
死してなお人を思う主人公の心意気に涙です。
自分は何ができるのか、自分も何かしよう。と思わせてくれる
作品でした。
読み始め、半ばあたりから私は泣きどおしでした。
切なくも心が少し暖かくなるそんな作品です。
みなさんもどうぞお読みください。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート