著者ご自身のラブレターも紹介されているが、どんな文豪や有名人であっても
手紙を通して、１人の人間としての姿が浮かび上がってくることがわかる。
ましてや、ラブレターとなると、世代、立場など、余計なものを取り去った、
生身の人間同士の関係や姿があらわになる。
それは、手紙の持つ魔力に他ならないと、読後感として残った。
「ラブレターは恋する人に愛を伝えるものでありながら、その人の本音と生きた
時代をあらわすもの・・・」と、あとがきで触れられているが、現代は、
このようなメディアを無意識のうちに捨て去ろうとしている。そのことの意味の
大きさに、改めて気づかせてくれる良書だと思う。
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