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オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫) 文庫 – 2005/10/20
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1960年代のチェコ、プラハ。主人公で日本人留学生の小学生・弘世志摩が通うソビエト学校の舞踊教師オリガ・モリソヴナは、その卓越した舞踊技術だけでなく、なによりも歯に衣着せない鋭い舌鋒で名物教師として知られていた。大袈裟に誉めるのは罵倒の裏返しであり、けなすのは誉め言葉の代わりだった。その「反語法」と呼ばれる独特の言葉遣いで彼女は学校内で人気者だった。そんなオリガを志摩はいつも慕っていたが、やがて彼女の過去には深い謎が秘められているらしいと気づく。そして彼女と親しいフランス語教師、彼女たちを「お母さん」と呼ぶ転校生ジーナの存在もいわくありげだった。
物語では、大人になった志摩が1992年ソ連崩壊直後のモスクワで、少女時代からずっと抱いていたそれらの疑問を解くべく、かつての同級生や関係者に会いながら、ついに真相にたどり着くまでがミステリータッチで描かれている。話が進むにつれて明らかにされていくのは、ひとりの天才ダンサーの数奇な運命だけではない。ソ連という国家の為政者たちの奇妙で残酷な人間性、そして彼らによって形作られたこれまた奇妙で残酷なソ連現代史、そしてその歴史の影で犠牲となった民衆の悲劇などが次々に明らかにされていく。
物語の内容や手法からすれば、この作品は大宅壮一ノンフィクション賞作品『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の姉妹版であるといえる。しかし読み終わったあと、ときにフィクションのほうがノンフィクションよりも多くの真実を語ることができる、ということに気付くに違いない。(文月 達)
- 本の長さ536ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2005/10/20
- ISBN-104087478750
- ISBN-13978-4087478754
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2005/10/20)
- 発売日 : 2005/10/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 536ページ
- ISBN-10 : 4087478750
- ISBN-13 : 978-4087478754
- Amazon 売れ筋ランキング: - 26,579位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1950年生まれ。元ロシア語会議通訳、作家。
59~64年、在プラハ・ソビエト学校に学ぶ。東京外国語大学ロシア語学科卒業、東京大学大学院露語露文学修士課程修了。80年設立のロシア語通訳協会の初代事務局長を務め、95~97年、03~06年会長。92年、報道の速報性に貢献したとして、日本女性放送者懇談会賞を受賞した。著書『不実な美女か貞淑な醜女か』(徳間書店、新潮文庫)で読売文学賞、『魔女の1ダース』(読売新聞社、新潮文庫)で講談社エッセイ賞、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川書店、角川文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞、『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社、集英社文庫)でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。2006年5月、逝去
(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 終生ヒトのオスは飼わず (ISBN-13: 978-4167671051 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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イメージ付きのレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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旅は7日間だが、そこにロシア革命からスターリンの大粛清、雪解けとペレストロイカまで、80年間の事件や出来事の回想が詰まっている。ロシア史(あるいはソビエト史)に詳しくない場合は、座右に『世界史年表』が必要かもしれない(少なくとも私はそうだった)。
後半はかなり駆け足。ミステリ作家よろしく、米原万里は自分の仕掛けた謎を完璧に解くことに夢中になっているように見える。曖昧さを残すのを嫌う、いかにも彼女らしい。
本作品の魅力のひとつは、事実とフィクションが混然一体となっているところ。どこからがフィクションなのか。巻末の池澤夏樹との対談では、そのことにも触れている。
(しかし、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』に登場した「反語法」がこのような形で活かされるとは!)
ストーリーは面白くとても惹き込まれるのですが、不要と思われる描写が多々あるなど冗長に描きすぎるきらいがあり、退屈で何度も何度も寝落ちしてしまいました…。
目の滑る文章で、読み進めるのに少々難儀したのもつらかったです。
しかし後半からは雰囲気が一転、大粛清が行われた不穏な時代のソ連政権下の、かなり重い話に切り替わります。
人の尊厳を踏みにじったあまりにも理不尽な出来事に憤りを感じ、ラーゲリでの壮絶で過酷な生活には胸が締め付けられました。
読んでいて良い意味でぐったりと疲れるほど、感情移入が半端なかったです。
激動の時代を必死に生き抜いた人々の痛みが、生々しく克明に描かれているのが大変に見事でした。
前半は不満があったものの、その前半があるからこそ後半の勢いと力強さが生まれるわけで、全体的に見ると大変良く出来た作品だと思いました。
フィクションとノンフィクションを見事なまでに融合させた素晴らしい作品でした。
多感な10代前半の頃に主人公(作者の分身)に強烈な印象を与えた舞踏教師「オリガ・モリソヴナ」の足跡をソ連崩壊後のロシアで約30年ぶりに探索することを通じ、第二次大戦を跨いでソ連で吹き荒れた大粛清によって人生を翻弄された人々の悲運や、それでも力強く生き延びた人々の逞しさを追体験する一大叙事詩といえる内容で、これほど心を動かされる作品に触れたのは久々でした。
物語のテーマがスターリン時代の大粛清やそれに伴う収容所生活と結びついている為、絶望的に暗くやるせない場面も多くある一方、謎を追跡する主人公たちの女の友情や青春期の甘酸っぱい思い出など心温まる部分もあってバランスがとれており、全体として極めて重いテーマに正面から向き合いながらもエンターテイメントとしての面白さも両立させている作者の手腕に舌を巻きました。
著者の別作品のタイトルを借りるなら、紛れもなく「打ちのめされるようなすごい本」でした。
スケールの大きさ、深さに驚かせられた。
世界を相手にできる作品。
ぜひ、たくさんの人に読んでほしい。
ロシア(ソ連)の人名に慣れずはじめはストーリーを追いづらかったですが、不思議と引きこまれてどんどん先を読みたくなってしまうような本でした(とはいえ、最初の方はちょっと飽きを感じてしまいましたが)。
おそらく史実もかなり含まれているのではないかと思いますが、当時のソ連の厳しい日常が垣間見られるところもいろいろ感じるものがあります。たかだか50年ちょっと前の話なのに。
それにしても「モリソヴナ」という名前、最後まですんなり頭に入ってきませんでしたw
でもいい小説だと思います。
最近はルーマニアや東欧について興味を持ち、「ルーマニア」でアマゾン検索したら「嘘つきアーニャ~」とともに本書がヒットしてきたので、思い出しついでに本書の方を買ってみました。
せっかち、かつ飽き性なので、映画は途中リタイア、本は斜め読みで投げ出すことが多いのですが、本書のような分厚い文庫本を数日で読み切ったのは本当に久しぶりです。それくらい面白くてのめり込みました。
本書はソビエト共産圏の現代史を概観できる歴史小説として希少な一冊だと思います。
とりわけ女性の視点で、権力中枢ではなく末端の庶民の哀歓を細やかに描いている点が重要かと。
本書のおかげでボリシェビキ革命、スターリンの粛清、フルシチョフの転換、ゴルバチョフの登場、そしてソ連邦の解体までを大まかに知ることができました。
ただし、小説として上手いかと聞かれれば、それはちょっと…と答えますね。
序盤のソビエト学校時代から、主人公が旧友と再会するまではワクワクしながら読みました。
が、たまさか連絡がついて急遽会うことになったという描写のわりに、その旧友がスーツケースにどっさり調査資料を詰め込んできており、違和感がありました。
再会後の主人公は、テキパキと段取りのよい旧友に引っ張られる形となり、旧友が「この人物に会うよ」「次はこれ読んで」と繰り出すカードに従うだけとなってしまいます。読者も資料の抜き書き部分を次々と読まされるような格好です。それでもその資料の内容や謎解きの部分がすごく面白いので最後まで読めたわけですが。
場面の設定も単調で、資料読解の合間合間に飲食のシーンが挟まるだけだし、熱中して閉店まで粘って店主に注意される、翌朝は寝坊して慌てて身支度…と、同じような描写の繰り返しです。
的確な描写力のおかげで予備知識のない昔のプラハやモスクワの街の様子がよく分かりました。
しかし著者の文章が日本語として、また文芸的にも上手いとは思いません。
連体修飾語が長すぎるのが特徴だし、会話の場面では誰のセリフか分からなかったり、読み取りにくい箇所もありました。
また、医学部中退者が十年以上も医者として働いていて周囲にバレないだとか、生徒の顔すら覚えられないほどの精神疾患を持った人物に教職が務まるのかなど、小説の基礎設定の部分で疑問に感じる点もありました。(元ネタが実話なら申し訳ないですが…)
それらの弱点・欠点を差し引いても余りあるほどの圧倒的なパワーと魅力が漲っていたので、★5つの評価なのです。