妄想と現実、夢と現実の境目がわからなくなって、今見ている現実が本当の現実ではないのではないか、という想いに捉われる。
ＳＦ作家が挑むテーマですね。この巻は、そんなタッチの３作品が集められています。
『グランドール』（昭和４３年 少年ブック）
自分の周りの人間の中に、人間そっくりの侵略者が忍び込んでいる、というＳＦ作品です。
ＴＶドラマ「インベーダー」を連想させるストーリーです。
インベーダーは元は人形・グランドールです。それを触った人の姿になりいつの間にか本物と入れ替わっています。
気がついたときには、誰が人間で誰がグランドールかわかりません。
『赤の他人』（昭和４５年 デラックス少年サンデー）
思春期の少年の目が、父親と母親の視線に違和感を覚えます。注意してみると周りの人間が芝居をしているかのように感じてきます。
少年は不登校になり、部屋にこもってしまいました。
遂に、その自分だけが知っている秘密をばらす時がきました。
少年の妄想か、事実か。
『７日の恐怖』（昭和４４年 デラックス・少年サンデー）
ある日少年が目覚めると、周りの者すべてが消え去り、自分の部屋だけがこの世に取り残されていました。
部屋から出てみると、そこには地球の創造主がいます。
「やり直している」と少年に告げ、「手違い」によって少年を残してしまったので消し去ろうとします。
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