今回も小池ワールドに浸る時間が心地良かった。
「ナルキッソスの鏡」
を読み終えた。
自己愛をテーマにしたサスペンス風の長編小説。
小説を書いている真琴は小池氏の活字の世界で美しく描かれ、
美しさを想像して読むことを楽しめた。
美しさの好みは、人それぞれだから映像と違う活字の世界が好きだ。
ナルキッソス....ギリシア神話に登場する美少年。
泉に映る自分の姿に恋焦がれるが、その思いが満たされずに
やつれ果てついに水仙になったという。
精神分析で自己愛をナルシシズムと呼ぶという。
今まで、庭に咲いていた水仙が薄茶色に変色して鋏で切ってしまった。
来年、水仙が咲いた時にこの小説のことを思い返すだろう...
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ナルキッソスの鏡 (集英社文庫) 文庫 – 1996/4/16
小池 真理子
(著)
高原の避暑地に展開する狂気のモザイク模様。服装倒錯という性癖をもつ美青年と、過剰な家族愛に生きる大女。2人が出会った時、恐るべき惨劇が…。戦慄のサイコ・ミステリー。(解説・香山二三郎)
- 本の長さ368ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日1996/4/16
- ISBN-104087484726
- ISBN-13978-4087484724
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (1996/4/16)
- 発売日 : 1996/4/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 368ページ
- ISBN-10 : 4087484726
- ISBN-13 : 978-4087484724
- Amazon 売れ筋ランキング: - 819,335位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1952(昭和27)年、東京生れ。成蹊大学文学部卒業。
1996(平成8)年に『恋』で直木賞、1998年に『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年に『虹の彼方』で柴田錬三郎賞を受賞した。代表的な長編作品に『狂王の庭』『虚無のオペラ』『瑠璃の海』『望みは何と訊かれたら』『ストロベリー・フィールズ』がある一方、短編の名手としても知られ、『水無月の墓』『夜の寝覚め』『雪ひらく』『玉虫と十一の掌篇小説』といった短編集も多数発表している。また、エッセイ集に『闇夜の国から二人で舟を出す』などがある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主に信州の山や高原を舞台に繰り広げられる様々な男女が絡みあった小説である。
小渕沢が出て来て、逢魔川という川は山梨県側に注ぐという想定からは、むしろモデルとしては山梨県北杜市の清里高原や大門川のことかと想像した。著者の居住する軽井沢を思わせる雰囲気はかんじられない。
物語には女装に憧れる美形男子の若者や精神障害を患った女性など様々な現代的課題を伴った人物を登場させ、奇想天外な話の展開を楽しませてくれる。
小渕沢が出て来て、逢魔川という川は山梨県側に注ぐという想定からは、むしろモデルとしては山梨県北杜市の清里高原や大門川のことかと想像した。著者の居住する軽井沢を思わせる雰囲気はかんじられない。
物語には女装に憧れる美形男子の若者や精神障害を患った女性など様々な現代的課題を伴った人物を登場させ、奇想天外な話の展開を楽しませてくれる。
2018年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
題名に惹かれて初めて小池真理子さんの作品を読みました。
ナルキッソスの鏡とういう題名から予想されるのは、やはりナルシシズム。ナルシストな主人公についての話なのだろうか?なんて思いながら読み始めました。「愛」とういうのが一つのキーワードの群像劇になっていて、「自己愛」に溢れていて女装した自分にしか欲情しない美青年(桜木真琴)の話だったり、 人里離れた山の中にひっそりと暮らしている大女(恩田益代)の狂気の「家族愛」があり、婚約者が自分の親友と駆け落ちしてしまうという「不純な愛」によって自殺未遂をした女(徳永乃里子)がいたり。
それぞれが絡み合い生まれる悲劇。まさにサイコサスペンス!文章も惹き込まれるし、また別の作品も読んでみたい。
ナルキッソスの鏡とういう題名から予想されるのは、やはりナルシシズム。ナルシストな主人公についての話なのだろうか?なんて思いながら読み始めました。「愛」とういうのが一つのキーワードの群像劇になっていて、「自己愛」に溢れていて女装した自分にしか欲情しない美青年(桜木真琴)の話だったり、 人里離れた山の中にひっそりと暮らしている大女(恩田益代)の狂気の「家族愛」があり、婚約者が自分の親友と駆け落ちしてしまうという「不純な愛」によって自殺未遂をした女(徳永乃里子)がいたり。
それぞれが絡み合い生まれる悲劇。まさにサイコサスペンス!文章も惹き込まれるし、また別の作品も読んでみたい。
2012年12月13日に日本でレビュー済み
これまで,小池真理子の理想が見えていなかった。
三つ以上の方向があるような気はしていた。
真琴の自己陶酔は,一つだと感じた。自分を美しいと思う。
千鶴の浩二への想いも,一つかもしれない。
「浩二はしばらくの間,じっと千鶴を見つめていた。雨まじりの風が強く吹き,闇の中でベランダに下げた丸い物干しがくるくる回っている。わかった,と彼は真顔で行った。「でも,車は貸さないよ」「何故?」「僕も一緒に行くからさ」また涙があふれそうになった。」
もう一つはみつからない。乃里子の真琴への思いだろうか。美しいものが好き。
推理小説としても,いくつも,途中での予想を裏切られたという点ですごいと思った。
今,小池真理子で何を読んだらいいかと聞かれたら,「ナルキッソスの鏡」と答えると思う。標題にある鏡が,鏡子の由来であるという分かり易さもある。
三つ以上の方向があるような気はしていた。
真琴の自己陶酔は,一つだと感じた。自分を美しいと思う。
千鶴の浩二への想いも,一つかもしれない。
「浩二はしばらくの間,じっと千鶴を見つめていた。雨まじりの風が強く吹き,闇の中でベランダに下げた丸い物干しがくるくる回っている。わかった,と彼は真顔で行った。「でも,車は貸さないよ」「何故?」「僕も一緒に行くからさ」また涙があふれそうになった。」
もう一つはみつからない。乃里子の真琴への思いだろうか。美しいものが好き。
推理小説としても,いくつも,途中での予想を裏切られたという点ですごいと思った。
今,小池真理子で何を読んだらいいかと聞かれたら,「ナルキッソスの鏡」と答えると思う。標題にある鏡が,鏡子の由来であるという分かり易さもある。
2003年6月23日に日本でレビュー済み
秘密で女装をする青年の生活。
人里離れた山奥で暮らす親子。
平行して二組の話が進みやがて接点を持つようになる。
そのときにはもう鳥肌がたつくらいにどきどきが隠せないほど話の中に引き込まれている。
狂気的な生活をする親子の怖さ。
時間も忘れてしまうくらいに読める作品だと思います。
人里離れた山奥で暮らす親子。
平行して二組の話が進みやがて接点を持つようになる。
そのときにはもう鳥肌がたつくらいにどきどきが隠せないほど話の中に引き込まれている。
狂気的な生活をする親子の怖さ。
時間も忘れてしまうくらいに読める作品だと思います。
2003年8月14日に日本でレビュー済み
駆け落ちした親友と彼氏を探す主人公。
怪しげな森に住む、大女と子供2人の3人家族。
作家志望の美貌の青年。
この3者が上手く絡まりあって、交差し、事件が
起こります。
読み始めたら、妖しい世界に引き込まれてしまい、
最後まで読みきってしまいました。
小池真理子さんの作品の中でも好きな作品の1つです。
怪しげな森に住む、大女と子供2人の3人家族。
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最後まで読みきってしまいました。
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