久しぶりに梅原猛先生読みました。十牛図の部分が特に良かったです。
今本も安くて早く手に入る時代になったのですね。
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仏像のこころ (集英社文庫) 文庫 – 1987/3/20
梅原 猛
(著)
釈迦如来像、弥勒菩薩像、薬師如来像など日本人の生活に結びついた仏像の数かず。これら仏像の美的鑑賞から芸術・思想を探った梅原学の原点。100余点の写真・図版を収録。(解説・宮坂宥勝)
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日1987/3/20
- ISBN-104087492028
- ISBN-13978-4087492026
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (1987/3/20)
- 発売日 : 1987/3/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 320ページ
- ISBN-10 : 4087492028
- ISBN-13 : 978-4087492026
- Amazon 売れ筋ランキング: - 473,597位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
梅原氏が仏像の形を通して、往時から現代に至る日本人の精神の在り方を論じたもの。「隠された十字架」以前に刊行された作品で、所謂"怨霊史観"を確立する以前の論考。「以後」だったら別の展開になったかと思うと興味深い。挿入される仏像写真も美しい。
仏像を如来、菩薩、明王、天の四つの部に別け、各々の具体的仏像を見る事により、日本人の心を探求しようと言うのが目的である。明王、天まで扱っている点が特徴。著者は仏像に諦観を見、古代ギリシャの彫像に怨念を見るが、「以後」だったら別の解釈をしていただろう。日本では如来の中で釈迦より薬師の方が人気がある点を取り上げ、日本人が大乗仏教の中でも特に現世利益を望んでいる点を指摘しているのは首肯できる。著者は薬師の多面的実用性を評価し、それを我々の魂の秘密とする。極楽浄土の象徴の阿弥陀と絡め、各宗派の教義を「極楽浄土との片道・往復切符」に喩えているのも面白い。そして、「釈迦=善」、「薬師=利」、「阿弥陀=美と倫」、「大日=知」と言い切る。阿弥陀をキリストと重ねているようだ。大日に関しては、"慈悲を伴った知"で宇宙神であると言う凄い褒め様である。密教(神仏習合)的な要素のため日本人には不人気だが、大日の在り方こそ日本人の自然信仰的精神に合致しており、反西洋的な生命観を体現していると讃美する。菩薩として、観音の千変万化の姿で衆生を救う慈悲の心及び農耕社会との関係、地蔵の流浪性と土着性、弥勒の永劫性とキリスト教との比較論等が語られる。不動明王を武士道と結び付ける辺りは著者の真骨頂。弁天、帝釈天等、天部は庶民と密着した仏である。
常の如く、論理的と言うよりは直観推理的考察なのだが、読む者を惹き付ける魅力がある。仏教の素人である私にも読ませる力があるのである。仏像の姿を通して、キリスト教的精神と比較して、日本人の心の在り方に迫った意欲的作品。
仏像を如来、菩薩、明王、天の四つの部に別け、各々の具体的仏像を見る事により、日本人の心を探求しようと言うのが目的である。明王、天まで扱っている点が特徴。著者は仏像に諦観を見、古代ギリシャの彫像に怨念を見るが、「以後」だったら別の解釈をしていただろう。日本では如来の中で釈迦より薬師の方が人気がある点を取り上げ、日本人が大乗仏教の中でも特に現世利益を望んでいる点を指摘しているのは首肯できる。著者は薬師の多面的実用性を評価し、それを我々の魂の秘密とする。極楽浄土の象徴の阿弥陀と絡め、各宗派の教義を「極楽浄土との片道・往復切符」に喩えているのも面白い。そして、「釈迦=善」、「薬師=利」、「阿弥陀=美と倫」、「大日=知」と言い切る。阿弥陀をキリストと重ねているようだ。大日に関しては、"慈悲を伴った知"で宇宙神であると言う凄い褒め様である。密教(神仏習合)的な要素のため日本人には不人気だが、大日の在り方こそ日本人の自然信仰的精神に合致しており、反西洋的な生命観を体現していると讃美する。菩薩として、観音の千変万化の姿で衆生を救う慈悲の心及び農耕社会との関係、地蔵の流浪性と土着性、弥勒の永劫性とキリスト教との比較論等が語られる。不動明王を武士道と結び付ける辺りは著者の真骨頂。弁天、帝釈天等、天部は庶民と密着した仏である。
常の如く、論理的と言うよりは直観推理的考察なのだが、読む者を惹き付ける魅力がある。仏教の素人である私にも読ませる力があるのである。仏像の姿を通して、キリスト教的精神と比較して、日本人の心の在り方に迫った意欲的作品。
2012年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
仏像関係の大抵の書は、美しいカラー写真を中心に編集されています。それらの書とは趣を異とし、本書は仏像と日本人の心のつながりを解き明かすことが目的になっています。本書を通して、仏像の意味と仏教と仏教の歴史についての理解が深まりました。なお、本書は梅原の処女作であることも知りました。日本思想の研究者梅原猛の初心も知ることができました。
伊丹の図書館で借りて読んだのですが、手元に置いておきたくて本屋に行きましたが、絶版とのことでした。念のためにAmazonで調べたら有ることがわかり購入しました。
伊丹の図書館で借りて読んだのですが、手元に置いておきたくて本屋に行きましたが、絶版とのことでした。念のためにAmazonで調べたら有ることがわかり購入しました。
2018年11月2日に日本でレビュー済み
梅原先生の処女作であり、仏教の教理を仏像を介して分かりやすく再現した、新しい思想史的精神史的鑑賞法の提示であるという。また、最後の章の曼荼羅で見る日本精神史は独創的であり、読んで見ると抜群に面白い。梅原学の原点をなすというとおり、仏像の如来、菩薩を曼荼羅図に仕上げている。この曼荼羅図から、近年の非二元に繋がる達磨の禅に最も惹かれるが、宇宙論の大日、薬の薬師、浄土の阿弥陀も欠かせない。とくに縦の線は、宇宙を生命として見る大日、それと自己が同一とする見方の釈迦ー達磨と円環をなすため、図により非常に明確になっている。仏教の価値多元性は、もっと理解されて良いと思うが、本書も広く読まれる一冊であると思う。