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遠き落日 上 (集英社文庫) 文庫 – 1990/5/18

4.2 5つ星のうち4.2 68個の評価

留学費を一夜の遊蕩で使いはたした大胆さ、肉体的ハンデを克服するための超人的努力…。医師・野口英世の知られざる素顔を、8年の歳月をかけて描破。吉川英治文学賞受賞。(解説・清原康正)
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 集英社 (1990/5/18)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1990/5/18
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 320ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4087495760
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4087495768
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 68個の評価

著者について

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渡辺 淳一
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1933年北海道生まれ。医学博士。58年札幌医科大学医学部卒業後、母校の整形外科講師をつとめるかたわら小説を執筆。作品は初期の医学を題材としたものから、歴史、伝記的小説、男と女の本質に迫る恋愛小説と多彩で、医学的な人間認識をもとに、華麗な現代ロマンを描く作家として、常に文壇の第一線で活躍している。70年『光と影』で直木賞受賞。80年に『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。菊池寛賞受賞など。公式ブログ「渡辺淳一 楽屋日記」も(ほぼ)毎日更新中!

カスタマーレビュー

星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
68グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2020年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
野口英世は現在の千円札の肖像画にも顕されている日本の著名人の一人である。
私が子供の頃知りえた「野口英世」伝はとにかく世界的に有名な細菌学者で数々の実績を
残した人、との「刷り込み」だけであった。
 最近読んだ他の著書の中で「虚飾に満ちた野口英世像」というフレーズに触れ、強く
「野口英世」の実態を知りたいと思うようになった。そしてその著書のなかで渡辺淳一の著
した「遠き落日」が紹介されていた。
早速購入して読み始めようと思ったが作者の渡辺淳一は「失楽園」が有名で、その手の小説家であり伝記等のノンフィクションとは無縁の作家だとばかり思っていた。
しかし彼自身は北大医学部卒業の医学博士であり医療関係についてはプロで有る事を知り、小説に良くある
「創作」部分は少ないと信じ読み始めた。
 先ず結論は「絶賛!」の一言である。渡辺淳一氏は野口博士の友人、知人に宛てた手紙、
野口英世が最後に所属していたロックフェラー研究所を始め野口博士が研究のため赴いたキューバ、南米各地、
ヨーロッパ各国、最後はアフリカ(黄熱病で命を失うガーナ)を尋ね野口博士の「人となり」の足跡を追って渡
辺自信で取材し、小説家らしい構成、まとめ方がされている。
上下巻に分かれ非常に読み出があったが、その分実情が克明に記載されていて野口英世の実像に迫れたと
思う。
 野口英世の「実像」は負けず嫌い、思い込みが激しい、金銭感覚がルーズ、でありこれらの性格が各時代で
の奇行に顕われているが、何よりも「頭脳明晰」「一途に目的を達成する」「他人に好かれる性格」が彼の名声を
高め通常では考えられない日本の片田舎の貧農の息子がロックフェラー研究所の生研究員の地位まで上り詰め
た。
 その後は中南米で猛威をふるう伝染病(梅毒、黄熱病等)の研究に没頭し各地で勲章を与えられ野口英世の名
声は世界的なものになり特に日本では不遇の時代を過ごした野口にとってはとても誇らしい時代であった。
 しかしこの時代に書いた論文の多くは野口の死後その間違いが多く指摘され野口の「思い込み」が彼自身の
名声を辱める事となった。しかしこの事は一般の日本人の多くは知らず今に残る野口英世伝説として受け継がれ
ていると思う。
 また、彼が命を落としたアフリカ黄熱病は彼が思いこんでいた「スピロヘータ」が病原菌ではなく、当時では
光学顕微鏡では検出不可能であった「ウイルス」によるものであった。何とも痛ましい事実である。
彼の人間性を表す言葉として「正直で有る事が最高の手段だ」、「過去を変える事は出来ないし変えようとも
思わない、人生を変える事が出来るのは自分と未来だけだ」とは現代にも通ずる人生の指針かも知れない。
死去した年齢は51歳であったが、その一生は大変濃密で何事にも一直線で進んだ人生は、ある意味羨ましくも思えた。
25人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年1月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
医師として作家の本領が示されている
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
友人に金をたかる(現在の価値で数千万)
野良仕事はしない。
恩師が工面した渡航費を遊郭で散財。
ホラ吹き。
帝大コンプレックス。

これはすべて野口英世の偽らざる人格の一部である。
正直、彼は修身の授業で取り上げるような、どこから叩いてもホコリひとつでない善人ではない。
それどころか一般的な道徳の範疇からはかけ離れた始末に負えない人物である。

しかし
彼には野心があった。
母親への愛情があった。
恩師への感謝があった。
そして、他の追随を許さない猛烈な勉強量があった。

善悪だけで人を評価するなかれ。
案外嫌な部分の中に成功への手がかりがあるものだから。
むしろ嫌な部分がなければ彼は成功したのだろうか。はなはだ疑問である。

本書を最後まで読み通すとかえって彼のみっともない部分こそが愛おしく思えてくるから不思議。

昨今、社会全体が一つのミスも許されないような雰囲気にある中、
本書はもう少し、ゆとりを持って人間を評価することを提示してくれているように思える。

彼のような人を排除する空気になっていない?
27人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年1月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
四半世紀前から読みたいと思っていた作品ですが、やっと読む機会が巡ってきました。
もし、日本人が生涯で読むべき現代作家のベスト100ないし200作品というものがあれば確実
に入ってくると思われる、若き日の渡辺淳一氏が8年の歳月を掛けた渾身の力作です。

この著作を読んだ周りの人からは、この上なく自己中心的、借金癖、悪所通いなど、さんざん
野口英世のネガティブな実像を聞かされてきましたが、正直これほどまでだったとはという印
象です。奨学金制度もなかった明治期に、極貧の農家出身者が医学を志すにはそれなりのス
ポンサーが必要だったかもしれませんが、たかり人生そのものです。
上級学校を目指すたび、左手の不具をネタに同情を誘い、なかには現在の貨幣価値で数千万
円に及ぶお金を差し出した人もいるほどです(もっともそうした人々のうちには英世の出世を我
がことのように感じたひとがいたことも事実らしい)。さらにはアメリカへ渡り研究するといって、
婚約者(のち破談)の実家から得た持参金200円(数百万円)を高級料亭で行われた送別会で
一夜にして散財するなど凄絶極まれりといった感じです。
反面、学問に対する情熱もすさまじく、ドイツ語・英語・中国語を独学で習得し、来日した米国人
医学者の通訳ができたというから驚きです。
富める者は優秀な貧者に尽くして当然。ましてや自分は伝染病を克服し、何十万・何百万人の
命を救うために努力しているのだから、といった英世の自己弁護の論理は下巻でどうなるのか
楽しみです。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年6月23日に日本でレビュー済み
子供の頃に家族旅行で寄った野口英世の実家に、先日もう一度行って見学してきました。
展示を見て野口英世が努力家なのは分かったのですが、もう少し詳しく知りたいのでミュージアムショップで伝記はないかと見ていたら、どうも子供向けの本か書簡集のようなバカ高い本しかなく、大人向けの伝記が1冊もないことに気づき、諦めてお土産に忍耐Tシャツを購入。

帰り道に、Youtubeで野口英世の動画を探して聴きながら帰りました。

野口英世の借金癖はなんとなく聞いたことがありましたが、動画を見て、その医学的発見も後世で否定されたものが多いと知ってむしろ興味が湧き、こちらの『遠き落日』をKindleで読みました。

面白い。

障害を負った背の小さい田舎の男が貧乏にもめげずに学問でのし上がっていく様は、ビジネスやスポーツで成り上がる人たちと何ら変わりはないのですが、一つ違いがあるとすれば野口は金銭的な立ち回りが上手いと言うことでしょう。
普通は借りた金は出世払いで返してめでたしめでたしですが、野口は地元の恩人から借りた金を出世した後も返さず、海外のお土産を渡す程度で済ませてしまいます。これは読んでいるこちらも、ひどい、と言わざるを得ない所業ですが、当の貸した本人たちはそのお土産をもらって喜んでしまうので、野口英世という人は相当の人たらしだったのでしょう。地元の人たちが野口に金を貸してどれだけの貧乏をしていたのかはわかりませんが、野口の家族はどうやらずっと貧乏だったようなので、野口は家族にもあまり仕送りはしなかったようです。

野口は人の金で遊び、勉強し、出世しますが、その出世のためなら勉強も仕事も徹夜も厭わない野口のやり方はむしろ読んでいて潔いです。

ナポレオンをまねて3時間しか寝なかった、と言われていますが、嘘だろうなと思っていました。が、日本でもアメリカでも海外でも、周りから、野口はいつ寝てるんだ、と言われたことから、本当に3時間くらいしか寝てなかったんじゃないかと信じたくなります。

科学者にしては山っ気があり、功を急ぐあまり完成度の低い論文でも次々に世に出した野口ですが、ではなぜロックフェラー図書館の入口に像を飾られるような尊敬を勝ち得たかと言うと、ハッタリと圧倒的なエゴイズム、人間的な魅力だったのだろうと思います。
地元だけではなく、アメリカでも知り合いから援助を受け、アフリカで黄熱病に罹ると、恩師であるフレクスナー教授が教会詣をするほど心配します。野口が亡くなると、共に黄熱病を研究した学者が、葬儀で野口の棺に跪き泣いてしまったそうですが、その方が弔い合戦とばかりに野口の解剖の執刀をするシーンは悲しくも、この小説のクライマックスではないでしょうか。

人から1000万借りて返さない。
勉強しまくって寝ない。
論文を発表しまくってとにかく有名になる。

このパワーに一般人は圧倒され、とんでもねーやつだ!と魅力にやられてしまうわけです。

野口は、忍耐が大事だと言います。

忍耐は普通、耐えて忍ぶことの意味合いからどうしても受け身な感覚がありますが、野口の人生を見ると常に前向きな忍耐なのがわかります。
貧乏を我慢するのはそのうち金持ちになるから、睡眠を我慢して勉強するのは出世のため、と常に前向きです。

人間はより良い未来の希望があれば、睡眠も余暇も削れるのだな、と思いました。
ただ、野口は遊びもとんでもなかったのですが。

1000円冊になるべき人物かと言われると、学歴詐称や借金踏み倒しの実例から、どうかなと思いますが、偉人かと言われると偉人だろうなと思います。

遠き落日を読み終わった今日から、忍耐Tシャツを着て、私も常人の2倍、3倍の努力をします。

面白い人物の伝記小説でした。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
野口英世を公平な立場に立って描いており、
史実と筆者の推量が明確な、
伝記として非常に質が高い一冊だと思う。
また内容も非常に充実しており、野口英世について知るには十分なものになっている。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
笑える所 イライラする所 感動する所

総じてずっと心配しながら読んでました。
特にお金の使い方に。
論文の発表に。

この本を読んで本が好きになりました。
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
装丁は奇麗な状態でした。ただ、相当以前の新書また出版社によるのか活字が小さく読みにくかった。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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