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風の影 上 (集英社文庫) 文庫 – 2006/7/20
カルロス・ルイス・サフォン
(著),
木村 裕美
(翻訳)
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世界各国で読まれる大ベストセラー小説!
1945年バルセロナ。霧深い夏の朝、少年ダニエルは父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で1冊の本に出会った。謎の作家、都市の迷宮…。歴史、冒険、ロマンスあふれる世界的大ベストセラー。
1945年バルセロナ。霧深い夏の朝、少年ダニエルは父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で1冊の本に出会った。謎の作家、都市の迷宮…。歴史、冒険、ロマンスあふれる世界的大ベストセラー。
- 本の長さ416ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2006/7/20
- ISBN-104087605086
- ISBN-13978-4087605082
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2006/7/20)
- 発売日 : 2006/7/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 416ページ
- ISBN-10 : 4087605086
- ISBN-13 : 978-4087605082
- Amazon 売れ筋ランキング: - 102,190位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 30位スペイン・ポルトガル文学研究
- - 35位スペイン文学
- - 729位集英社文庫
- カスタマーレビュー:
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イメージ付きのレビュー
5 星
「忘れられた本の墓場」で遭遇した本『風の影』を書いた謎の作家フリアン・カラックスとは
『風の影』(カルロス・ルイス・サフォン著、木村裕美訳、集英社文庫、上・下)は、こういうシーンから幕が上がります。1945年、スペインのバルセロナ。靄が立ち籠める夏の早朝、10歳のダニエルは古書店主の父親に連れていかれた、無数の書物が眠る「忘れられた本の墓場」で遭遇した本『風の影』に強く惹きつけられます。その本を書いた謎の作家フリアン・カラックスとはどういう人物なのか、ダニエルの粘り強い探求が始まります。「フリアン・カラックスの著書をもとめて、本屋さんや図書館をめぐり歩いている人物がいるんだって。その人は、本が見つかると、それを買うか、盗むか、ともかく、どんな手段をつかってでも本を手に入れる、そして、すぐ燃やしてしまうというの。それがいったい何者なのか、誰も知らないし、なぜそんなことをするのかもわからない。カラックスという人物の謎に輪をかえたようなミステリーなのよ・・・」。冒頭から著者が巧みに構築した世界に引きずり込まれ、一気に読み終えてしまったが、これは私の70年に亘る読書経験の中で、第1位にランクされる推理小説です。その理由は、3つにまとめることができます。第1は、私の大好きなオノレ・ド・バルザックが現代に生き返って推理小説を書いたら、こういう作品になるだろうなと思わせること。主役級だけでなく、脇役の登場人物たちに至るまで、それぞれが見事に活写されているので、バルザックの『人間喜劇』を想起させるのです。第2は、交互に綴られるダニエルの人生と、フリアンの人生とが35年という年齢差を超えて、遂には有機的に統合されるという骨太の骨格を備えていること。それにしても、ダニエルにしても、フリアンにしても、これほど波瀾万丈の人生というものがあり得るのでしょうか。第3は、最後の最後までハラハラ・ドキドキさせられる謎解きだけでなく、愛とは、密会とは、友情とは、希望とは、憎悪とは、親子とは、階級とは、栄枯盛衰とは、亡命とは、内戦とは、宗教とは、運命とは、人生とは、歴史とは何か、そして、文学とは、出版とは、読書とは何か――を考えさせられること。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年4月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フットボールレジェンドのイニエスタが「好きな本」として挙げていたので拝読。
爽やかなファンタジーを想像していたが、読んでみたら非常にダークで残酷な物語だった。
上巻はかなり読みにくく、下巻から急に物語が動き、一気に読めます。
個人的には、本書の深いテーマはスペイン内戦とその悲劇だと思う。
スペイン、カタルーニャ、バルセロナ、イニエスタが好きな人は必ず読んだ方がいい本。
繰り返すが、上巻は時間がかかる...
爽やかなファンタジーを想像していたが、読んでみたら非常にダークで残酷な物語だった。
上巻はかなり読みにくく、下巻から急に物語が動き、一気に読めます。
個人的には、本書の深いテーマはスペイン内戦とその悲劇だと思う。
スペイン、カタルーニャ、バルセロナ、イニエスタが好きな人は必ず読んだ方がいい本。
繰り返すが、上巻は時間がかかる...
2020年5月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もったりした始まりだと思っていたら、気づけばあっという間に読み終わっていました。せつないロマンスミステリー。お薦めです。
2016年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
パウロ・コエーリョを、どこか彷彿とさせるような小説である。
架空の小説家フリアン・カラックスの「風の影」、その一冊を巡る、幻想的で、謎めいた物語。
少年はその一冊から、作者の人生を辿ろうとする。
冒険。謎解き。恋。サスペンス。娯楽要素は惜しみなく注ぎ込まれ、何年にも渡る、壮大な物語を構築している。
たしかに、問題点がないわけではない。
整理できたのではないか、と思われる冗長な部分や人間関係はあったし、
謎解きの答えがある人物の手記に負うところが大きすぎるのではないか、とも思った。
クライマックス、敵との決着の場面も、それまでの舞台立てに比して、わりあいあっさり描かれすぎている印象だ。
しかしそれらを差し引いても、この小説がきわめてすぐれた現代文学であることは疑いない。
台詞のひとつひとつまで、丁寧に、丁寧に書かれた、誠実かつ鮮やかで、ユーモアとペーソスが共存する文章。
冒頭からもう涙が出るほどだ。
ダニエル。その父親。フリアン・カラックス。
それぞれの登場人物が誠実で、悲しみを背負っていて、好感が持てる。
とりわけ、主人公に寄り添う元ホームレス、フェルミンのキャラクターは、白眉の出来栄えだ。
風采の上がらないそのやせっぽちの姿に、読者は理想の、無二の友人像を見出すことができるだろう。
お手軽な娯楽を提供するラノベとは、対極に位置する小説である。
文章を極限まできわめ、読者に真っ向から挑むような、真剣勝負の文藝作品。
こういう小説がいまだ全世界で広く受け入れられていることに、ぼくは希望を抱く。
日本でも、こういう小説こそが多くの人々に読まれてほしい。
そうでなければ、小説という文化は、遠からず死んでしまうだろう。
架空の小説家フリアン・カラックスの「風の影」、その一冊を巡る、幻想的で、謎めいた物語。
少年はその一冊から、作者の人生を辿ろうとする。
冒険。謎解き。恋。サスペンス。娯楽要素は惜しみなく注ぎ込まれ、何年にも渡る、壮大な物語を構築している。
たしかに、問題点がないわけではない。
整理できたのではないか、と思われる冗長な部分や人間関係はあったし、
謎解きの答えがある人物の手記に負うところが大きすぎるのではないか、とも思った。
クライマックス、敵との決着の場面も、それまでの舞台立てに比して、わりあいあっさり描かれすぎている印象だ。
しかしそれらを差し引いても、この小説がきわめてすぐれた現代文学であることは疑いない。
台詞のひとつひとつまで、丁寧に、丁寧に書かれた、誠実かつ鮮やかで、ユーモアとペーソスが共存する文章。
冒頭からもう涙が出るほどだ。
ダニエル。その父親。フリアン・カラックス。
それぞれの登場人物が誠実で、悲しみを背負っていて、好感が持てる。
とりわけ、主人公に寄り添う元ホームレス、フェルミンのキャラクターは、白眉の出来栄えだ。
風采の上がらないそのやせっぽちの姿に、読者は理想の、無二の友人像を見出すことができるだろう。
お手軽な娯楽を提供するラノベとは、対極に位置する小説である。
文章を極限まできわめ、読者に真っ向から挑むような、真剣勝負の文藝作品。
こういう小説がいまだ全世界で広く受け入れられていることに、ぼくは希望を抱く。
日本でも、こういう小説こそが多くの人々に読まれてほしい。
そうでなければ、小説という文化は、遠からず死んでしまうだろう。
2007年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
朝日新聞の書評で取り上げていましたので読みました。いかにも手だれの作品です。場所と時代の設定〜フランコ独裁下のスペイン、そして稀覯本をめぐる謎を中心に複雑にからみあう人間関係。本好きにはたまらない出だしである。そして巧みな翻訳の文章で一気に読ませてくれます。登場人物の描き別けもうまいし、いかにもスペイン人ならこんな行動を取るだろうなあ、とか。
しかし、本好きの推理小説好きの立場からすれば、どうしても納得のいかない点がある。それは、例えば天下の大新聞が書評で取り上げれば(この本のように)たちまち数万部の売上げがあるという。あるいは書店の口コミでもかなりの部数が出るという。あるいは熱烈な読者が数十人いればある程度の部数が出るという。日本でも少数の熱烈な読者によって支えられている小説家の実例がある。熱烈な読者を生む作品は必ず世上に一定部数流布するものなのですが・・・・ねえ、私家版、海賊版を問わず。レア イズ レア、という事があるのかな。
しかし、本好きの推理小説好きの立場からすれば、どうしても納得のいかない点がある。それは、例えば天下の大新聞が書評で取り上げれば(この本のように)たちまち数万部の売上げがあるという。あるいは書店の口コミでもかなりの部数が出るという。あるいは熱烈な読者が数十人いればある程度の部数が出るという。日本でも少数の熱烈な読者によって支えられている小説家の実例がある。熱烈な読者を生む作品は必ず世上に一定部数流布するものなのですが・・・・ねえ、私家版、海賊版を問わず。レア イズ レア、という事があるのかな。
2006年11月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ボリュームがある上に、多くの登場人物や場所が微妙につながっているので、読んでいるうちに「この人いつ出てきたっけ?」と気になって前に戻ることが多々あります。それでも見落としている部分があるかもしれないので、全編を一度読み終えてから再度読み直すと、また新たな発見がありそうな気がします。
この本を特定のジャンルに分けるのは、本当に難しいです。すべてのジャンルの要素が含まれているようにも思えます。主人公ダニエルが成長するにつれて少しずつ明らかになる『風の影』の作者、フリアン・カラックスの過去。上巻を読み終えた今は、壮大な迷宮に迷い込んでしまったという感じですので、早く下巻を読んでスッキリしたいです。
この本を特定のジャンルに分けるのは、本当に難しいです。すべてのジャンルの要素が含まれているようにも思えます。主人公ダニエルが成長するにつれて少しずつ明らかになる『風の影』の作者、フリアン・カラックスの過去。上巻を読み終えた今は、壮大な迷宮に迷い込んでしまったという感じですので、早く下巻を読んでスッキリしたいです。
2023年7月19日に日本でレビュー済み
『風の影』(カルロス・ルイス・サフォン著、木村裕美訳、集英社文庫、上・下)は、こういうシーンから幕が上がります。1945年、スペインのバルセロナ。靄が立ち籠める夏の早朝、10歳のダニエルは古書店主の父親に連れていかれた、無数の書物が眠る「忘れられた本の墓場」で遭遇した本『風の影』に強く惹きつけられます。その本を書いた謎の作家フリアン・カラックスとはどういう人物なのか、ダニエルの粘り強い探求が始まります。
「フリアン・カラックスの著書をもとめて、本屋さんや図書館をめぐり歩いている人物がいるんだって。その人は、本が見つかると、それを買うか、盗むか、ともかく、どんな手段をつかってでも本を手に入れる、そして、すぐ燃やしてしまうというの。それがいったい何者なのか、誰も知らないし、なぜそんなことをするのかもわからない。カラックスという人物の謎に輪をかえたようなミステリーなのよ・・・」。
冒頭から著者が巧みに構築した世界に引きずり込まれ、一気に読み終えてしまったが、これは私の70年に亘る読書経験の中で、第1位にランクされる推理小説です。
その理由は、3つにまとめることができます。
第1は、私の大好きなオノレ・ド・バルザックが現代に生き返って推理小説を書いたら、こういう作品になるだろうなと思わせること。主役級だけでなく、脇役の登場人物たちに至るまで、それぞれが見事に活写されているので、バルザックの『人間喜劇』を想起させるのです。
第2は、交互に綴られるダニエルの人生と、フリアンの人生とが35年という年齢差を超えて、遂には有機的に統合されるという骨太の骨格を備えていること。それにしても、ダニエルにしても、フリアンにしても、これほど波瀾万丈の人生というものがあり得るのでしょうか。
第3は、最後の最後までハラハラ・ドキドキさせられる謎解きだけでなく、愛とは、密会とは、友情とは、希望とは、憎悪とは、親子とは、階級とは、栄枯盛衰とは、亡命とは、内戦とは、宗教とは、運命とは、人生とは、歴史とは何か、そして、文学とは、出版とは、読書とは何か――を考えさせられること。
「フリアン・カラックスの著書をもとめて、本屋さんや図書館をめぐり歩いている人物がいるんだって。その人は、本が見つかると、それを買うか、盗むか、ともかく、どんな手段をつかってでも本を手に入れる、そして、すぐ燃やしてしまうというの。それがいったい何者なのか、誰も知らないし、なぜそんなことをするのかもわからない。カラックスという人物の謎に輪をかえたようなミステリーなのよ・・・」。
冒頭から著者が巧みに構築した世界に引きずり込まれ、一気に読み終えてしまったが、これは私の70年に亘る読書経験の中で、第1位にランクされる推理小説です。
その理由は、3つにまとめることができます。
第1は、私の大好きなオノレ・ド・バルザックが現代に生き返って推理小説を書いたら、こういう作品になるだろうなと思わせること。主役級だけでなく、脇役の登場人物たちに至るまで、それぞれが見事に活写されているので、バルザックの『人間喜劇』を想起させるのです。
第2は、交互に綴られるダニエルの人生と、フリアンの人生とが35年という年齢差を超えて、遂には有機的に統合されるという骨太の骨格を備えていること。それにしても、ダニエルにしても、フリアンにしても、これほど波瀾万丈の人生というものがあり得るのでしょうか。
第3は、最後の最後までハラハラ・ドキドキさせられる謎解きだけでなく、愛とは、密会とは、友情とは、希望とは、憎悪とは、親子とは、階級とは、栄枯盛衰とは、亡命とは、内戦とは、宗教とは、運命とは、人生とは、歴史とは何か、そして、文学とは、出版とは、読書とは何か――を考えさせられること。
『風の影』(カルロス・ルイス・サフォン著、木村裕美訳、集英社文庫、上・下)は、こういうシーンから幕が上がります。1945年、スペインのバルセロナ。靄が立ち籠める夏の早朝、10歳のダニエルは古書店主の父親に連れていかれた、無数の書物が眠る「忘れられた本の墓場」で遭遇した本『風の影』に強く惹きつけられます。その本を書いた謎の作家フリアン・カラックスとはどういう人物なのか、ダニエルの粘り強い探求が始まります。
「フリアン・カラックスの著書をもとめて、本屋さんや図書館をめぐり歩いている人物がいるんだって。その人は、本が見つかると、それを買うか、盗むか、ともかく、どんな手段をつかってでも本を手に入れる、そして、すぐ燃やしてしまうというの。それがいったい何者なのか、誰も知らないし、なぜそんなことをするのかもわからない。カラックスという人物の謎に輪をかえたようなミステリーなのよ・・・」。
冒頭から著者が巧みに構築した世界に引きずり込まれ、一気に読み終えてしまったが、これは私の70年に亘る読書経験の中で、第1位にランクされる推理小説です。
その理由は、3つにまとめることができます。
第1は、私の大好きなオノレ・ド・バルザックが現代に生き返って推理小説を書いたら、こういう作品になるだろうなと思わせること。主役級だけでなく、脇役の登場人物たちに至るまで、それぞれが見事に活写されているので、バルザックの『人間喜劇』を想起させるのです。
第2は、交互に綴られるダニエルの人生と、フリアンの人生とが35年という年齢差を超えて、遂には有機的に統合されるという骨太の骨格を備えていること。それにしても、ダニエルにしても、フリアンにしても、これほど波瀾万丈の人生というものがあり得るのでしょうか。
第3は、最後の最後までハラハラ・ドキドキさせられる謎解きだけでなく、愛とは、密会とは、友情とは、希望とは、憎悪とは、親子とは、階級とは、栄枯盛衰とは、亡命とは、内戦とは、宗教とは、運命とは、人生とは、歴史とは何か、そして、文学とは、出版とは、読書とは何か――を考えさせられること。
「フリアン・カラックスの著書をもとめて、本屋さんや図書館をめぐり歩いている人物がいるんだって。その人は、本が見つかると、それを買うか、盗むか、ともかく、どんな手段をつかってでも本を手に入れる、そして、すぐ燃やしてしまうというの。それがいったい何者なのか、誰も知らないし、なぜそんなことをするのかもわからない。カラックスという人物の謎に輪をかえたようなミステリーなのよ・・・」。
冒頭から著者が巧みに構築した世界に引きずり込まれ、一気に読み終えてしまったが、これは私の70年に亘る読書経験の中で、第1位にランクされる推理小説です。
その理由は、3つにまとめることができます。
第1は、私の大好きなオノレ・ド・バルザックが現代に生き返って推理小説を書いたら、こういう作品になるだろうなと思わせること。主役級だけでなく、脇役の登場人物たちに至るまで、それぞれが見事に活写されているので、バルザックの『人間喜劇』を想起させるのです。
第2は、交互に綴られるダニエルの人生と、フリアンの人生とが35年という年齢差を超えて、遂には有機的に統合されるという骨太の骨格を備えていること。それにしても、ダニエルにしても、フリアンにしても、これほど波瀾万丈の人生というものがあり得るのでしょうか。
第3は、最後の最後までハラハラ・ドキドキさせられる謎解きだけでなく、愛とは、密会とは、友情とは、希望とは、憎悪とは、親子とは、階級とは、栄枯盛衰とは、亡命とは、内戦とは、宗教とは、運命とは、人生とは、歴史とは何か、そして、文学とは、出版とは、読書とは何か――を考えさせられること。
このレビューの画像
2023年1月15日に日本でレビュー済み
昨年末の日経新聞書評欄は、恒例の「今年の私の3冊」だった。
その中で誰かが、この本を推していた。
正確には、この『風の影』を第一部とするシリーズが、第四部で完結したのを推していたのである。
第三部が1冊である以外は、各部上下2冊で計7冊。
読むかどうかと迷ったが、取りあえず第一部を読んだ。
舞台はスペイン内戦をはさむ時期のスペイン・バルセロナ。
古本屋の息子の主人公は、父に連れられて「忘れられた本の墓場」に行き、そこで『風の影』という小説を手に入れる。
その小説の作者とは何者なのか、どうしてその作者の小説は世の中に出回っていないのか。
探るうちに、何物かが、その小説を見つけては燃やして廃棄しているという事実に突き当たる。
まるでファンタジーのような出だしだが、話が進むうちに主人公の世代と、謎の小説家の世代の悲恋が錯綜し、重層的なストーリーが展開していく。
話についていけず、何度か前のページに行きつ戻りつする。
が、そこに描かれている登場人物たちの造形はどれも深みがあり、まるで古典のような重厚さがある。
翻訳者によれば、バルザックやユゴー、ディケンズのようであるという。
ストーリーも二転三転四転し、ミステリーとしても申し分ない。
読み終わって、深い読後感にたゆたう。
読書の醍醐味を味わうことができたのである。
しかも、まだ第一部。
第四部まで1カ月くらいは楽しむことができそうである。
いい作品に巡り合えた。
その中で誰かが、この本を推していた。
正確には、この『風の影』を第一部とするシリーズが、第四部で完結したのを推していたのである。
第三部が1冊である以外は、各部上下2冊で計7冊。
読むかどうかと迷ったが、取りあえず第一部を読んだ。
舞台はスペイン内戦をはさむ時期のスペイン・バルセロナ。
古本屋の息子の主人公は、父に連れられて「忘れられた本の墓場」に行き、そこで『風の影』という小説を手に入れる。
その小説の作者とは何者なのか、どうしてその作者の小説は世の中に出回っていないのか。
探るうちに、何物かが、その小説を見つけては燃やして廃棄しているという事実に突き当たる。
まるでファンタジーのような出だしだが、話が進むうちに主人公の世代と、謎の小説家の世代の悲恋が錯綜し、重層的なストーリーが展開していく。
話についていけず、何度か前のページに行きつ戻りつする。
が、そこに描かれている登場人物たちの造形はどれも深みがあり、まるで古典のような重厚さがある。
翻訳者によれば、バルザックやユゴー、ディケンズのようであるという。
ストーリーも二転三転四転し、ミステリーとしても申し分ない。
読み終わって、深い読後感にたゆたう。
読書の醍醐味を味わうことができたのである。
しかも、まだ第一部。
第四部まで1カ月くらいは楽しむことができそうである。
いい作品に巡り合えた。
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rebecca
5つ星のうち1.0
not what I ordered!
2012年12月19日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
I read this book in Italian and loved it so much I wanted in Japanese. Was very happy to see it was available. However what I received was NOT what I orderd and NOT what was shown in the image. I received a more than lightly used ENGLISH version of the novel. Not only that I received a "Penguin" Readers book that usually sell for 13$ and this was sold to me for 24$...I am very disappointed!