10数ヶ国語に翻訳され、30カ国以上で刊行されているというマイケル・ロボサムのデビュー作である。
主人公である42才の臨床心理士ジョーの一人称現在形で、臨場感たっぷりにストーリーは進行して行く。
‘わたし’は、仕事も順調で、愛する家族に囲まれて生活していたが、ある日、パーキンソン病という難病に冒されていることを告知される。しかし‘わたし’の不幸はそれだけではなかった。全身を21ヶ所も刺されて殺された看護師キャサリンの事件捜査に協力したところ、みずからがその事件の容疑者とみなされ、逮捕されてしまうのだ。キャサリンはかつて‘わたし’の患者だった。何者かが自分を陥れようとしているのを知った‘わたし’は48時間の拘留期限が過ぎて一時釈放され、真犯人を追う。
実は‘わたし’には犯人と目する自分の患者がいた。事件の真相へと近づくべく彼の過去を追うのだったが、そこには自分自身の過去にも結びつく驚くべき事実が待っていた。そして畳み掛けるように終決する第3部で明かされる意外な実行犯。
難病を抱えた非力な男が窮地に陥りながらも勇気を奮い起こして愛するもののために闘う等身大の姿には共感を覚える。また、臨床心理士である‘わたし’の眼を通した心理描写の巧みさも本書の読みどころである。
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容疑者 (下) (集英社文庫) 文庫 – 2006/10/18
プロット、構成、心理描写、完璧な仕上がり!
全身に21ヶ所の刺し傷を負った女性の死体。状況証拠は決定的にジョーに不利だった。妻にも見放され孤立無援の彼は、真犯人と目する自分の患者の過去を追うが…。巧みな会話で微妙な心理を描く。
全身に21ヶ所の刺し傷を負った女性の死体。状況証拠は決定的にジョーに不利だった。妻にも見放され孤立無援の彼は、真犯人と目する自分の患者の過去を追うが…。巧みな会話で微妙な心理を描く。
- 本の長さ344ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2006/10/18
- ISBN-104087605167
- ISBN-13978-4087605167
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2006/10/18)
- 発売日 : 2006/10/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 344ページ
- ISBN-10 : 4087605167
- ISBN-13 : 978-4087605167
- Amazon 売れ筋ランキング: - 723,208位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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2008年4月26日に日本でレビュー済み
2007年1月9日に日本でレビュー済み
誰が何のために自分を陥れようとしているのか?
自分の無実を証明する人びとが相次いで殺される。
一方で窮地に追い詰められながらも、皮肉なことに他方では、その人々の死によって、真犯人像が
浮かび上がってくる。
警察の追及を逃れて真犯人を捜すストーリーと言えば、あとがきにもあるようにTVドラマの「逃亡者」
リチャード・キンブルを思い出すが、彼も医者だった。
やはりインテリじゃないと、推理をめぐらせ、警察の追尾を逃れながら真犯人を捜すという役は
勤まらないのだろうか?
また、主人公は高名な外科医の息子でありながら臨床心理士の道を選び、パーキンソン病を患うという、
やや風変わりな設定。
そして、父と子のわだかまり、夫婦のいさかい。
そんな設定も、最後には見事に結末をつけて、読後感も悪くない。快作!
自分の無実を証明する人びとが相次いで殺される。
一方で窮地に追い詰められながらも、皮肉なことに他方では、その人々の死によって、真犯人像が
浮かび上がってくる。
警察の追及を逃れて真犯人を捜すストーリーと言えば、あとがきにもあるようにTVドラマの「逃亡者」
リチャード・キンブルを思い出すが、彼も医者だった。
やはりインテリじゃないと、推理をめぐらせ、警察の追尾を逃れながら真犯人を捜すという役は
勤まらないのだろうか?
また、主人公は高名な外科医の息子でありながら臨床心理士の道を選び、パーキンソン病を患うという、
やや風変わりな設定。
そして、父と子のわだかまり、夫婦のいさかい。
そんな設定も、最後には見事に結末をつけて、読後感も悪くない。快作!