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荒野へ (集英社文庫) 文庫 – 2007/3/20
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厳寒のアラスカに消えたひとつの命。
アメリカの地方新聞が報じたある青年の死は、やがて全米に波紋を呼んだ。恵まれた境遇で育った彼は、なぜアラスカの荒野でひとり死んでいったのか。衝撃の全米ベストセラー。
アメリカの地方新聞が報じたある青年の死は、やがて全米に波紋を呼んだ。恵まれた境遇で育った彼は、なぜアラスカの荒野でひとり死んでいったのか。衝撃の全米ベストセラー。
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2007/3/20
- ISBN-104087605248
- ISBN-13978-4087605242
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2007/3/20)
- 発売日 : 2007/3/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 336ページ
- ISBN-10 : 4087605248
- ISBN-13 : 978-4087605242
- Amazon 売れ筋ランキング: - 17,786位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2024年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
おすすめ3セットで「死に山」と「凍る」と一緒に購入。自分では思いつかないこの三冊の組み合わせがとても良かった。書店の店員さんでも思いつかないセット販売はアマゾンならではのシステムですね。
2023年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画は面白く見て、すぐに忘れてしまったが、原作を読んで、考え込んでしまった。忘備録のメモ。
まとめると。
マッカンドレスの死亡遠因
自分の実力以上のことを試みたこと、
アラスカは未開の「荒野」ではないのに、夢想にふけった。
自給自足のための知識や技術がなかったこと。
地図も出来ていたのに、意図的にこれを無視した。
そのために、ハイウエイや小屋から遠くない場所で餓死した。
「荒野」で死んだのではない。
地理さえ分かっていれば、彼は生きて戻ってきただろう。
-----------------------
当時、アラスカなど「荒野」を目指す若者はクリス・マッカンドレスだけでは無かった。理想主義にかられてアラスカをうろつき、トラブルを起していた。たまたまクリスは死亡し、ジョン・クラカワーがドキュメンタリーを書いて、一躍、有名になった。
1.バックグラウンドとして父や家族との不和がある。父はNASAの技術者で頭の良い人だが、非常に厳格な人格の持ち主だった。一方では、クリスが生まれる前に別の女性と結婚していて、再婚してからも二重婚の状態がしばらく続いた。離婚が成立してからは前妻に対するお金の支払いのため、多忙を極めた。
2.当時、ソローの「森の生活」などが有名になり、自然の中に精神の癒しや理想を求める傾向があった。ただ、ソローはずっと森に住んだわけではない。2年少しの実験的生活をした後に社会に戻っていった。当時、石器時代人は、現在よりも健全で、健康的な生活をしていたという誤解があった。ロッセリーニは30年間トレーニングを行い、石器時代の生活を10年間実践した。ようやく、土地が与えてくれる食料のみで自給自足することは困難であることに気づいた。彼は、最終的にはギブアップして、自殺した。
3.マッカンドレスと共通点のある人としてエヴェレット・ルースがいる。彼は16歳の時から放浪の旅を続けた。特にニューメキシコの渓谷地帯やアラスカと類似した住民のほとんどいない地域の洞窟探検を行った。マッカンドレスと同様、肉体的な限界を常に試し、非常に危険な渓谷を歩いた。20歳の時、アリゾナのディヴィス・ガルチの谷に入ってから姿を消した。谷に転落したと思われる。
4.マッカンドレスは東部のアナンデールの大学を卒業してから家族と縁を切り、現金を燃やして放浪を始めた。しかし、無一文では生きてはいけないので、ヒッチハイクで移動しながらも、所々でアルバイトをして生活費を稼いだ。彼は、アトランタから西部のソルトン・シティを経て、一時はカヌーでメキシコに不法入国した。その後、カヌーを放置し、徒歩では西海岸を北上した。36日間、誰とも会わず、米2kgと海で穫れる物だけで生活した。この経験がアラスカでも同様に生活できるという間違った確信に繋がった。海岸線は食料が豊富だったので、初期人類は海岸線沿いに棲息域を広げた。しかし、アラスカとか他の地域では、そんなに上手くはいかない。
5.マッカンドレスはヒッチハイクを繰り返し、アラスカに入った。フェアバンクスから「荒野」に入った時、食料は米5kg、サンドイッチ2個、コーンチップ1袋だけだった。ライフルを持っていたので、食料は十分調達できると考えていた。彼はテクラニカ川を渡り、スーシャナ川のほとりで古いバスを見つけた。その中には必需品がたくさんストックされていて、かれはここにとどまることにした。テクラニカ川を渡ったのは4月初めで、川の水量は非常に少なかった。彼は、その後、雪解けが進んで夏には激流になることは想像もしなかった。
6.マッカンドレスはアラスカという「荒野」で、長期間、自給自足して生活する予定だったが、アラスカの気候、植生、動物について、十分、勉強して知識を蓄えていたとは考えられない。当時、アラスカは「荒野」ではなく、詳しい地形図が作成されていたのに、彼は持参しなかった。彼がとどまった古いバスから少し上流には地形調査所のロープを利用するゴンドラがあり、対岸に渡ることが出来た。また、バスから少し南には国立公園の管理小屋もあった。
7.狩猟で得た肉を保存する方法を知らなかった。かれは肉は燻製にするものと考えていた。ヘラジカを仕留めた時は燻製にしようと試みたが、蚊や蠅が群がり、結局、腐らせてしまい、失敗した。アラスカでは肉を細く薄切りにして素早く空気乾燥させるという。
8.マッカンドレスは7月にハイウェイまでの20マイルを歩いて戻ろうとした。ところが、結氷していたビーバーの池は大きな湖になっていて、道は水没していた。テクラニカ川は雪解け水で激流となっていた。渡りさえすれば、あとは簡単だったが不可能だった。かれは地図も持っていなかったので、一マイルほど上流は、川が網の目のようになり、浅くなることを知らなかった。また、もっと上流まで歩けば、地形調査所のゴンドラで川を渡れたはずだった。彼は脱出不可能と考えてバスに戻った。
9.食べ物は少なく、マッカンドレスは慢性的な飢えに陥った。有用な植物を食べていたので、植物の知識はある程度あったようだ。ただ、7月30日の日記以降、急に弱りだした。何か、有毒植物を食べたらしい。マメ科植物は夏の間にアルカロイドを種皮にためて、動物に食べられないようにしている。ロコ草は50の変種があるが、ほとんどは有毒で、神経系を侵す。彼はアメリカホドイモの根をたくさん食べている。根は無毒であるが、サヤが無毒であるという記載は植物学の本にはない。夏の終わりになるサヤに毒が蓄積する植物は珍しくないらしい。アルカロイドの中毒ですぐに死ぬことはないが、解毒にはブドウ糖やタンパク質が必要になる。飢えている場合は解毒できないので、毒が蓄積していくだけで、回復しない。クラカワーによると、これが直接の死因であるという。
10.彼が地図を持っていれば、南6マイルに国立公園の小屋があったし、傍に個人所有の小屋もあったので、死ぬことはなかっただろう。
まとめると。
マッカンドレスの死亡遠因
自分の実力以上のことを試みたこと、
アラスカは未開の「荒野」ではないのに、夢想にふけった。
自給自足のための知識や技術がなかったこと。
地図も出来ていたのに、意図的にこれを無視した。
そのために、ハイウエイや小屋から遠くない場所で餓死した。
「荒野」で死んだのではない。
地理さえ分かっていれば、彼は生きて戻ってきただろう。
-----------------------
当時、アラスカなど「荒野」を目指す若者はクリス・マッカンドレスだけでは無かった。理想主義にかられてアラスカをうろつき、トラブルを起していた。たまたまクリスは死亡し、ジョン・クラカワーがドキュメンタリーを書いて、一躍、有名になった。
1.バックグラウンドとして父や家族との不和がある。父はNASAの技術者で頭の良い人だが、非常に厳格な人格の持ち主だった。一方では、クリスが生まれる前に別の女性と結婚していて、再婚してからも二重婚の状態がしばらく続いた。離婚が成立してからは前妻に対するお金の支払いのため、多忙を極めた。
2.当時、ソローの「森の生活」などが有名になり、自然の中に精神の癒しや理想を求める傾向があった。ただ、ソローはずっと森に住んだわけではない。2年少しの実験的生活をした後に社会に戻っていった。当時、石器時代人は、現在よりも健全で、健康的な生活をしていたという誤解があった。ロッセリーニは30年間トレーニングを行い、石器時代の生活を10年間実践した。ようやく、土地が与えてくれる食料のみで自給自足することは困難であることに気づいた。彼は、最終的にはギブアップして、自殺した。
3.マッカンドレスと共通点のある人としてエヴェレット・ルースがいる。彼は16歳の時から放浪の旅を続けた。特にニューメキシコの渓谷地帯やアラスカと類似した住民のほとんどいない地域の洞窟探検を行った。マッカンドレスと同様、肉体的な限界を常に試し、非常に危険な渓谷を歩いた。20歳の時、アリゾナのディヴィス・ガルチの谷に入ってから姿を消した。谷に転落したと思われる。
4.マッカンドレスは東部のアナンデールの大学を卒業してから家族と縁を切り、現金を燃やして放浪を始めた。しかし、無一文では生きてはいけないので、ヒッチハイクで移動しながらも、所々でアルバイトをして生活費を稼いだ。彼は、アトランタから西部のソルトン・シティを経て、一時はカヌーでメキシコに不法入国した。その後、カヌーを放置し、徒歩では西海岸を北上した。36日間、誰とも会わず、米2kgと海で穫れる物だけで生活した。この経験がアラスカでも同様に生活できるという間違った確信に繋がった。海岸線は食料が豊富だったので、初期人類は海岸線沿いに棲息域を広げた。しかし、アラスカとか他の地域では、そんなに上手くはいかない。
5.マッカンドレスはヒッチハイクを繰り返し、アラスカに入った。フェアバンクスから「荒野」に入った時、食料は米5kg、サンドイッチ2個、コーンチップ1袋だけだった。ライフルを持っていたので、食料は十分調達できると考えていた。彼はテクラニカ川を渡り、スーシャナ川のほとりで古いバスを見つけた。その中には必需品がたくさんストックされていて、かれはここにとどまることにした。テクラニカ川を渡ったのは4月初めで、川の水量は非常に少なかった。彼は、その後、雪解けが進んで夏には激流になることは想像もしなかった。
6.マッカンドレスはアラスカという「荒野」で、長期間、自給自足して生活する予定だったが、アラスカの気候、植生、動物について、十分、勉強して知識を蓄えていたとは考えられない。当時、アラスカは「荒野」ではなく、詳しい地形図が作成されていたのに、彼は持参しなかった。彼がとどまった古いバスから少し上流には地形調査所のロープを利用するゴンドラがあり、対岸に渡ることが出来た。また、バスから少し南には国立公園の管理小屋もあった。
7.狩猟で得た肉を保存する方法を知らなかった。かれは肉は燻製にするものと考えていた。ヘラジカを仕留めた時は燻製にしようと試みたが、蚊や蠅が群がり、結局、腐らせてしまい、失敗した。アラスカでは肉を細く薄切りにして素早く空気乾燥させるという。
8.マッカンドレスは7月にハイウェイまでの20マイルを歩いて戻ろうとした。ところが、結氷していたビーバーの池は大きな湖になっていて、道は水没していた。テクラニカ川は雪解け水で激流となっていた。渡りさえすれば、あとは簡単だったが不可能だった。かれは地図も持っていなかったので、一マイルほど上流は、川が網の目のようになり、浅くなることを知らなかった。また、もっと上流まで歩けば、地形調査所のゴンドラで川を渡れたはずだった。彼は脱出不可能と考えてバスに戻った。
9.食べ物は少なく、マッカンドレスは慢性的な飢えに陥った。有用な植物を食べていたので、植物の知識はある程度あったようだ。ただ、7月30日の日記以降、急に弱りだした。何か、有毒植物を食べたらしい。マメ科植物は夏の間にアルカロイドを種皮にためて、動物に食べられないようにしている。ロコ草は50の変種があるが、ほとんどは有毒で、神経系を侵す。彼はアメリカホドイモの根をたくさん食べている。根は無毒であるが、サヤが無毒であるという記載は植物学の本にはない。夏の終わりになるサヤに毒が蓄積する植物は珍しくないらしい。アルカロイドの中毒ですぐに死ぬことはないが、解毒にはブドウ糖やタンパク質が必要になる。飢えている場合は解毒できないので、毒が蓄積していくだけで、回復しない。クラカワーによると、これが直接の死因であるという。
10.彼が地図を持っていれば、南6マイルに国立公園の小屋があったし、傍に個人所有の小屋もあったので、死ぬことはなかっただろう。
2023年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「Into the wild」を観て、原作を読みたくなり購入。実際は映画と本がそれぞれを補完しているような印象。映画が主人公の視点で描かれているのに対して、本は主人公と接点があった人の視点で語られている。映画と本をセットで楽しむのがお薦め。
2018年4月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画が面白いと聞いて本を購入したけど……映画を観て見ようと思う
2023年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あまり期待せず読みましたが、とても良かったです。たまにつらくて、なんとか苦境を乗り越えてほしいと思ってしまいました。
本はとても綺麗でした、ありがとうございました。
本はとても綺麗でした、ありがとうございました。
2014年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書の主人公クリス・マッカンドレスがその命を落とした場所は,
グーグルマップで「Stampede Trail Magic Bus」と検索すればすぐに確認できる。
地図上からユーザーがアップした各写真を見ることもでき,
そこにはコメントが現在(2014.9.17),58件も付されている。
ブログでも(日本人を含めて),
このスタンピード・トレイルを歩いてマジックバスを訪れようとした記事や動画を
いくつも確認することができた。
本書や 映画 ,そしてクリスが世界中の人たち(その多くは男性であろう)に
大きな影響を与えたことがうかがい知れよう。
「荒野」は,二重の意味で使われている。
それは一つには実際の自然の荒野でもあるが,
精神の荒野をも意味している。
裕福な,けれど少し偏狭で厳格な父親の元で育ったクリス。
NASAのエンジニアだった父親の血を引いて,
学業は優秀で,ランナーとしても才があった。
成長するにつれ
父親が一時重婚状態だったことを知る。
己の幸福や豊かさの基礎,父親の厳格さの裏側にあったこの事実を知り,
クリスはこれら全てを捨てて脱出をはかる,
「荒野へ(into the wild)」。
グーグルマップでクリスの立ち寄った場所を見ていて,
心を打たれたのは,
最期の地アラスカよりも
荒野にぽつんと点在する人工の街々であった。
それは,
小さな街の川沿いにだけ不釣合いなカジノのホテルが立ち並ぶブルヘッドシティ(Bullhead City)や
開発が失敗したゴーストタウンのようなソールトンシティ(Salton City)といった街である。
航空写真で,街の外れの砂漠の只中にトレーラーハウスらしき影を認めながら,
「なんとアメリカというのは寂しいところだろう・・・」と思った。
クリスが追い求めたのは,
原初的な生(せい)であろう。
社会的な意味というものを全て削ぎ落とした後に現れる,
生(き)の自然そのものを。
文化人類学の紹介するところによれば
ある部族は成人の儀式として過酷な旅を要求するという。
その旅は死と再生の旅であり,
青年は大人として新しく生まれ変わるのだという。
クリスはその旅の途中で不幸にも命を落とした。
それが未熟で無計画で非常識な行為だと誰が責められようか。
むしろ彼は未熟だからこそ旅に出たのであり,
その旅が過酷だからこそ彼にとって意味があったのだと思う。
クリスは確かに死と再生の場,
「生の自然」に立っていた。
そこで彼が残したメモは,
生きる喜びにあふれ,
他者への愛を示唆するものとなっている。
そこが,同じく山奥に棲んではいるものの,
反社会的,厭世的なアウトサイダーたち(典型的には ユナボマー )とは決定的に異なる点であろう。
だからこそ,
彼が荒野から戻ってこれなかったことを
痛ましく残念に思う。
本書はまた,
『森の生活』のソロー などのアメリカの孤独思想の系譜を引くものとしても
興味深く読むことができます。
お勧めです。
なお原文を確認していないので正確なところはわかりませんが
翻訳文はちょっと硬いと思います。
グーグルマップで「Stampede Trail Magic Bus」と検索すればすぐに確認できる。
地図上からユーザーがアップした各写真を見ることもでき,
そこにはコメントが現在(2014.9.17),58件も付されている。
ブログでも(日本人を含めて),
このスタンピード・トレイルを歩いてマジックバスを訪れようとした記事や動画を
いくつも確認することができた。
本書や 映画 ,そしてクリスが世界中の人たち(その多くは男性であろう)に
大きな影響を与えたことがうかがい知れよう。
「荒野」は,二重の意味で使われている。
それは一つには実際の自然の荒野でもあるが,
精神の荒野をも意味している。
裕福な,けれど少し偏狭で厳格な父親の元で育ったクリス。
NASAのエンジニアだった父親の血を引いて,
学業は優秀で,ランナーとしても才があった。
成長するにつれ
父親が一時重婚状態だったことを知る。
己の幸福や豊かさの基礎,父親の厳格さの裏側にあったこの事実を知り,
クリスはこれら全てを捨てて脱出をはかる,
「荒野へ(into the wild)」。
グーグルマップでクリスの立ち寄った場所を見ていて,
心を打たれたのは,
最期の地アラスカよりも
荒野にぽつんと点在する人工の街々であった。
それは,
小さな街の川沿いにだけ不釣合いなカジノのホテルが立ち並ぶブルヘッドシティ(Bullhead City)や
開発が失敗したゴーストタウンのようなソールトンシティ(Salton City)といった街である。
航空写真で,街の外れの砂漠の只中にトレーラーハウスらしき影を認めながら,
「なんとアメリカというのは寂しいところだろう・・・」と思った。
クリスが追い求めたのは,
原初的な生(せい)であろう。
社会的な意味というものを全て削ぎ落とした後に現れる,
生(き)の自然そのものを。
文化人類学の紹介するところによれば
ある部族は成人の儀式として過酷な旅を要求するという。
その旅は死と再生の旅であり,
青年は大人として新しく生まれ変わるのだという。
クリスはその旅の途中で不幸にも命を落とした。
それが未熟で無計画で非常識な行為だと誰が責められようか。
むしろ彼は未熟だからこそ旅に出たのであり,
その旅が過酷だからこそ彼にとって意味があったのだと思う。
クリスは確かに死と再生の場,
「生の自然」に立っていた。
そこで彼が残したメモは,
生きる喜びにあふれ,
他者への愛を示唆するものとなっている。
そこが,同じく山奥に棲んではいるものの,
反社会的,厭世的なアウトサイダーたち(典型的には ユナボマー )とは決定的に異なる点であろう。
だからこそ,
彼が荒野から戻ってこれなかったことを
痛ましく残念に思う。
本書はまた,
『森の生活』のソロー などのアメリカの孤独思想の系譜を引くものとしても
興味深く読むことができます。
お勧めです。
なお原文を確認していないので正確なところはわかりませんが
翻訳文はちょっと硬いと思います。
2018年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画を見て原作を読みたくなった作品。
アメリカにおいて多くの議論が起こったとも書かれている。
愚かであるとか、無謀であるとかという興味本位の言説はあまりに無意味だと感じる。
一人の人間の生き方を真摯な態度を持って咀嚼するべきだと思う。
主人公と交流のあった人々へのインタビューが彼の生き様の一部を描きだしている。
そして筆者自身の経験を通して、主人公の内面的な生き様を映し出しているようにも思う。
日本人の例で言えば、サハラに賭けた青春―上温湯隆の手記、サハラに死す―上温湯隆の一生、に同じ匂いを感じる。
アメリカにおいて多くの議論が起こったとも書かれている。
愚かであるとか、無謀であるとかという興味本位の言説はあまりに無意味だと感じる。
一人の人間の生き方を真摯な態度を持って咀嚼するべきだと思う。
主人公と交流のあった人々へのインタビューが彼の生き様の一部を描きだしている。
そして筆者自身の経験を通して、主人公の内面的な生き様を映し出しているようにも思う。
日本人の例で言えば、サハラに賭けた青春―上温湯隆の手記、サハラに死す―上温湯隆の一生、に同じ匂いを感じる。