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分断されるアメリカ (集英社文庫) 文庫 – 2017/1/20
サミュエル・ハンチントン
(著),
鈴木 主税
(翻訳)
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購入オプションとあわせ買い
失われたアメリカ人のアイデンティティを取り戻すには? 世界的国際政治学者が2004年に予見したアメリカのこれから。その主張にはトランプ次期大統領と重なるものがあった!? アメリカを知る必読書。
- 本の長さ592ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2017/1/20
- 寸法10.5 x 2.3 x 15.2 cm
- ISBN-104087607305
- ISBN-13978-4087607307
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2017/1/20)
- 発売日 : 2017/1/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 592ページ
- ISBN-10 : 4087607305
- ISBN-13 : 978-4087607307
- 寸法 : 10.5 x 2.3 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 139,245位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,142位集英社文庫
- - 1,584位社会一般関連書籍
- - 2,282位その他の思想・社会の本
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今のアメリカ、そして世界を考え、今後の世界的展開を予見するに必要な一冊
2023年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分は一体なにものか、という問い。
若者ならずとも、問うのではないでしょうか。
そうしたアイデンティティ、これが俺だ私だ、という「何か」。人はそれを名前に求めたり、国籍に求めたり、肌の色だったり、所属する会社だったり、職業だったり、色々なわけです。
・・・
類似の事が国にも当てはまりましょう。アメリカ人ってなに?アメリカ人らしいってどういうことか? アメリカという国の、そのエッセンスは一体何か、と問う意欲作です。
・・・
誤解を恐れずにまとめます。
アメリカとは、
「a)国教会を除くプロテスタント系キリスト教をベースに持った、b)自由や平等等を理念にもった、c)揺れながらもアイデンティティを流転させてゆく国」
と先生おっしゃってる気がします。
・・・
a)の部分は本作前半程度までの大部をしめます。移民の国・人種のるつぼ等の言い方もあります。南北戦争など、カルチャーの違いもある。またユダヤ系、スラブ系キリスト教徒などサブ・アイデンティティに留まるグループもいる。結局、「米国」という一つのブレンド・まじりあいがなされない、所謂「サラダボウル」の議論。ただし、それでもやはりウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義』にあるような、宗教と勤勉=成功の公式が通底しているというものです。その理由付けは・・・すみません、忘れました。プロテスタントの人口割合だったかな。
b)は、911を経たアメリカが、共産主義のように理念で国家をまとめられるか、という議論がありました。対立軸に対する『正義の味方』という役割は、一種のアイデンティティであった。こうしたものはグローバリゼーション以降、そして911以降の対立軸を失ったいま、アイデンティティになりえないのではないかという疑問。ハンチントン先生は理念=アイデンティティという考えに否定的だったように思います。
そしてc)なのですが、ここは米国で激増するヒスパニック系のこと(本作では8-10章)を言っております。移民であるものの、英語が喋れない、かつアイデンティティとしてヒスパニックであることを誇る。そうした人たちが自分の言葉を喋る権利を叫び、住民から政治家が選ばれ、結果としてスペイン語教育が可能になる(ちなみに選挙討論もスペイン語でやる地域もあるそう)。また一部の移民は引き続きメキシコの選挙権を保持し、米国籍でありながら米国・メキシコ両国で投票ができる。これはアイデンティティの問題のみならず、国家や経済のボーダーが徐々に不明瞭になりつつある様を表していると思います。
私の目には教授からのソリューションは発見できず、こうした事態を憂う様子を察知しました。
とは言え巻末はそこまで暗くもなく、宗教への回帰のトレンド等が語られて終わってしまいました。
・・・
ということで、米国政治学者による米国アイデンティティ論、アイデンティティの歴史についての本でありました。
教授の作品、今回はお初でした。米国史をたどりつつ、結局アメリカとは何か、ということには断言・確言はせずに終わったと思います。アメリカ(人・国)というアイデンティティを色々な切り口で説明してくれる知的好奇心あふれる作品でした。
個人的には思いますよ。アメリカはいつも不安定というわけでもなく、むしろ変動のダイナミズムこそがこの国の強さか、と。時にその変動に人生そのものを翻弄されてしまうこともあろうかとは思いますが、そうした個々の犠牲を糧として国家全体でバラバラに成長する国、それがアメリカか、とかそんなことを考えながら読了しました。
本作、米国政治、米国史、アイデンティティ、移民、ヒスパニック文化、中南米、こうした辺りに興味がある方にはお勧めできると思います。
これはまた時間をおいて再読したい作品です。
若者ならずとも、問うのではないでしょうか。
そうしたアイデンティティ、これが俺だ私だ、という「何か」。人はそれを名前に求めたり、国籍に求めたり、肌の色だったり、所属する会社だったり、職業だったり、色々なわけです。
・・・
類似の事が国にも当てはまりましょう。アメリカ人ってなに?アメリカ人らしいってどういうことか? アメリカという国の、そのエッセンスは一体何か、と問う意欲作です。
・・・
誤解を恐れずにまとめます。
アメリカとは、
「a)国教会を除くプロテスタント系キリスト教をベースに持った、b)自由や平等等を理念にもった、c)揺れながらもアイデンティティを流転させてゆく国」
と先生おっしゃってる気がします。
・・・
a)の部分は本作前半程度までの大部をしめます。移民の国・人種のるつぼ等の言い方もあります。南北戦争など、カルチャーの違いもある。またユダヤ系、スラブ系キリスト教徒などサブ・アイデンティティに留まるグループもいる。結局、「米国」という一つのブレンド・まじりあいがなされない、所謂「サラダボウル」の議論。ただし、それでもやはりウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義』にあるような、宗教と勤勉=成功の公式が通底しているというものです。その理由付けは・・・すみません、忘れました。プロテスタントの人口割合だったかな。
b)は、911を経たアメリカが、共産主義のように理念で国家をまとめられるか、という議論がありました。対立軸に対する『正義の味方』という役割は、一種のアイデンティティであった。こうしたものはグローバリゼーション以降、そして911以降の対立軸を失ったいま、アイデンティティになりえないのではないかという疑問。ハンチントン先生は理念=アイデンティティという考えに否定的だったように思います。
そしてc)なのですが、ここは米国で激増するヒスパニック系のこと(本作では8-10章)を言っております。移民であるものの、英語が喋れない、かつアイデンティティとしてヒスパニックであることを誇る。そうした人たちが自分の言葉を喋る権利を叫び、住民から政治家が選ばれ、結果としてスペイン語教育が可能になる(ちなみに選挙討論もスペイン語でやる地域もあるそう)。また一部の移民は引き続きメキシコの選挙権を保持し、米国籍でありながら米国・メキシコ両国で投票ができる。これはアイデンティティの問題のみならず、国家や経済のボーダーが徐々に不明瞭になりつつある様を表していると思います。
私の目には教授からのソリューションは発見できず、こうした事態を憂う様子を察知しました。
とは言え巻末はそこまで暗くもなく、宗教への回帰のトレンド等が語られて終わってしまいました。
・・・
ということで、米国政治学者による米国アイデンティティ論、アイデンティティの歴史についての本でありました。
教授の作品、今回はお初でした。米国史をたどりつつ、結局アメリカとは何か、ということには断言・確言はせずに終わったと思います。アメリカ(人・国)というアイデンティティを色々な切り口で説明してくれる知的好奇心あふれる作品でした。
個人的には思いますよ。アメリカはいつも不安定というわけでもなく、むしろ変動のダイナミズムこそがこの国の強さか、と。時にその変動に人生そのものを翻弄されてしまうこともあろうかとは思いますが、そうした個々の犠牲を糧として国家全体でバラバラに成長する国、それがアメリカか、とかそんなことを考えながら読了しました。
本作、米国政治、米国史、アイデンティティ、移民、ヒスパニック文化、中南米、こうした辺りに興味がある方にはお勧めできると思います。
これはまた時間をおいて再読したい作品です。
2022年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読了するのにとても時間がかかりますが、アメリカの本はなぜか分厚いです。
アメリカの分断を詳しく解説した本。
アメリカの分断を詳しく解説した本。
2017年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文庫版発売、とても感謝してます。内容も本当に今のトランプ時代の課題を言い当てており、ハンチントンさんの慧眼に改めて敬服する次第です。今、まさに貴重な本だと思います。
一点だけ文庫版で残念なこと!ハードカバー版にはあった、訳者・鈴木さんの鋭いあとがき、参考文献リスト、そして索引が省かれています。文庫なので仕方ないのは承知しつつ、この部分も収録した版をぜひお願いしたい。
一点だけ文庫版で残念なこと!ハードカバー版にはあった、訳者・鈴木さんの鋭いあとがき、参考文献リスト、そして索引が省かれています。文庫なので仕方ないのは承知しつつ、この部分も収録した版をぜひお願いしたい。
2019年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカのナショナル・アイデンティティの衰退と、多様性の無い移民の流入がもたらす米国の危機を論述する一冊。
その内容はそれのみにとどまらず、アメリカの文化や宗教を述べていき、アイデンティティの獲得の過程についても踏み込んでいる。ここは、日本にのみ住んでいる小生などは取っつき難いところでもあり、なかなかすんなり呑み込めないものでもあるが、我慢して読み進めていく他ないだろう。とはいえ、アメリカ人のものの考え方の一端に触れることもでき、本書の重要な部分であることも、また確かだ。
エマニュエル・トッドは著者のハンチントンを「国家観が古い」と言って批判していたようだが、それでも本書は今現在のアメリカそのものを描いており、非常に興味深い。トランプ大統領の言動そのものよりも、なぜトランプ大統領が誕生したのかという背後関係を考察する上では、現在でも本書は大切であろう。
トランプ大統領の2期目はあるのか、それとも民主党から大統領が出るのか。本レビューを書いている時点では不明であるが、アメリカの抱える「課題」が、共和・民主どちらかの大統領が出ても厳然と存在している事を本書は教えてくれる。
無論、それに対しての「答え」はアメリカ人が出していくのだが、仮に再びモンロー主義に回帰していくとしたら、それは日本にも多大な影響を与えるのは明白である。
その内容はそれのみにとどまらず、アメリカの文化や宗教を述べていき、アイデンティティの獲得の過程についても踏み込んでいる。ここは、日本にのみ住んでいる小生などは取っつき難いところでもあり、なかなかすんなり呑み込めないものでもあるが、我慢して読み進めていく他ないだろう。とはいえ、アメリカ人のものの考え方の一端に触れることもでき、本書の重要な部分であることも、また確かだ。
エマニュエル・トッドは著者のハンチントンを「国家観が古い」と言って批判していたようだが、それでも本書は今現在のアメリカそのものを描いており、非常に興味深い。トランプ大統領の言動そのものよりも、なぜトランプ大統領が誕生したのかという背後関係を考察する上では、現在でも本書は大切であろう。
トランプ大統領の2期目はあるのか、それとも民主党から大統領が出るのか。本レビューを書いている時点では不明であるが、アメリカの抱える「課題」が、共和・民主どちらかの大統領が出ても厳然と存在している事を本書は教えてくれる。
無論、それに対しての「答え」はアメリカ人が出していくのだが、仮に再びモンロー主義に回帰していくとしたら、それは日本にも多大な影響を与えるのは明白である。
2017年2月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ハンチントンによる2004年発行の書であり、日本での翻訳も同年。その昔、”文明の衝突”が世に出た時は、保守派の人が何を言っているんだ、みたいに思いまじめには読まなかったが、その後の現実の推移を見るにつき、この人の言う事に耳を傾ける必要があると考え、トランプ大統領の今、読んでみた。
アメリカ人のアイデンティティは4つの要素から成っていた、すなわち、民族、人種、非国教派プロテスタントに由来するアングロ・アメリカンの文化、それと結びついたアメリカ的自由、民主主義、個人主義などを含む信条、である。ところが、民族的出自の記憶は異なる集団どうしの通婚により曖昧になり、さらには人種の壁もなくなってきた。例えば一人の祖父がイタリア系、もう一人がアジア系、そして2人の祖母がドイツ系だとすると、孫の代では、もはや民族性は薄れる一方だろう。その結果としてアングロ・アメリカンの文化の影響力も落ちてきた。すると残るは信条だけだが、単なるイデオロギーで国は成り立たない。それはすぐに捨て去ることができる。これが彼の認識だ。さらに、アメリカは移民の国だと言うのは一面の真実でしかない。アメリカは、イギリスを捨てた清教徒が何もない土地に作った言葉の真の意味での植民地で、入植者の作った国なのだ、そこに後から多様な移民が押し寄せてきた(倫理的には非難されるべきだが、先住民は人口が少なく、その後入植者たちが文明の力で追いやった歴史的事実は覆せない)。しかも彼らは、アメリカに同化した。カトリックですら、ローマ教皇とは疎遠になって行ったのだ。
その移民の中でもメキシコからの移民は、性格が違う。他の移民は船でやってくるので制御可能だが、メキシコとは3000Kmも陸地の国境でつながっているから、尋常でない数の移民がやってくる。その上、カリフォルニアやテキサスは、米墨戦争でメキシコから奪った土地だから、ヒスパニックは元々自分たちの土地だと考えている。さらに、コスモポリタン化したエリートたちが、多文化共生を唱えるにつれ、ヒスパニックは英語とスペイン語の2言語の国にアメリカを変えようとしている。しかも彼らの出生率はアメリカに来てからもかなり高い。従って、アメリカには2つの分断層がある。ひとつは、従来のアフリカ系も含めたアングロ・アメリカとヒスパニックのアメリカ、もうひとつは大衆とエリートである。この辺りの叙述は、まさに著者の痛切な思いが伝わる筆致である。
著者は2008年に鬼籍にはいったが、本書はまさに、現代のアメリカを端的に表しているではないか。トランプ現象はヒスパニックに対する非ヒスパニック白人大衆のバックラッシュであるし、大衆のワシントンでのリベラル・エリート支配に対する反発を拾い上げているからこそ選挙で勝利したのだろう。ここから、どうなるか。著者によれば、エリートのコスモポリタン性に期待するのではなく、アングロ・アメリカ的な健全なナショナリズムに回帰する事こそ鍵だと言っている。アメリカでは、もはや人種や民族による区別は薄れつつあり、彼らヒスパニックにもアフロ・アメリカンやアジア系アメリカ人のようにアメリカに同化する事を望んでいるのだ。アメリカ的信条は宗教と結びついており、宗教は市民生活で復活して来ている。トランプ支持層にも宗教保守が多い。果たしてどうなるだろうか。
アメリカ人のアイデンティティは4つの要素から成っていた、すなわち、民族、人種、非国教派プロテスタントに由来するアングロ・アメリカンの文化、それと結びついたアメリカ的自由、民主主義、個人主義などを含む信条、である。ところが、民族的出自の記憶は異なる集団どうしの通婚により曖昧になり、さらには人種の壁もなくなってきた。例えば一人の祖父がイタリア系、もう一人がアジア系、そして2人の祖母がドイツ系だとすると、孫の代では、もはや民族性は薄れる一方だろう。その結果としてアングロ・アメリカンの文化の影響力も落ちてきた。すると残るは信条だけだが、単なるイデオロギーで国は成り立たない。それはすぐに捨て去ることができる。これが彼の認識だ。さらに、アメリカは移民の国だと言うのは一面の真実でしかない。アメリカは、イギリスを捨てた清教徒が何もない土地に作った言葉の真の意味での植民地で、入植者の作った国なのだ、そこに後から多様な移民が押し寄せてきた(倫理的には非難されるべきだが、先住民は人口が少なく、その後入植者たちが文明の力で追いやった歴史的事実は覆せない)。しかも彼らは、アメリカに同化した。カトリックですら、ローマ教皇とは疎遠になって行ったのだ。
その移民の中でもメキシコからの移民は、性格が違う。他の移民は船でやってくるので制御可能だが、メキシコとは3000Kmも陸地の国境でつながっているから、尋常でない数の移民がやってくる。その上、カリフォルニアやテキサスは、米墨戦争でメキシコから奪った土地だから、ヒスパニックは元々自分たちの土地だと考えている。さらに、コスモポリタン化したエリートたちが、多文化共生を唱えるにつれ、ヒスパニックは英語とスペイン語の2言語の国にアメリカを変えようとしている。しかも彼らの出生率はアメリカに来てからもかなり高い。従って、アメリカには2つの分断層がある。ひとつは、従来のアフリカ系も含めたアングロ・アメリカとヒスパニックのアメリカ、もうひとつは大衆とエリートである。この辺りの叙述は、まさに著者の痛切な思いが伝わる筆致である。
著者は2008年に鬼籍にはいったが、本書はまさに、現代のアメリカを端的に表しているではないか。トランプ現象はヒスパニックに対する非ヒスパニック白人大衆のバックラッシュであるし、大衆のワシントンでのリベラル・エリート支配に対する反発を拾い上げているからこそ選挙で勝利したのだろう。ここから、どうなるか。著者によれば、エリートのコスモポリタン性に期待するのではなく、アングロ・アメリカ的な健全なナショナリズムに回帰する事こそ鍵だと言っている。アメリカでは、もはや人種や民族による区別は薄れつつあり、彼らヒスパニックにもアフロ・アメリカンやアジア系アメリカ人のようにアメリカに同化する事を望んでいるのだ。アメリカ的信条は宗教と結びついており、宗教は市民生活で復活して来ている。トランプ支持層にも宗教保守が多い。果たしてどうなるだろうか。
2017年2月3日に日本でレビュー済み
タイムリーな文庫化企画に感謝。
「米国は、移民国家ではなく、入植者の国家である。
移民はこれまでプロテスタント基軸のアメリカニズムに同化してきた。
しかしヒスパニックはそれと異なり、国家内国家を作り始めている。
米国民のエリート層は多文化主義に毒されて、その危険に気付いていない。
ああアメリカはどうなってしまうのか」…という本。
二重国籍とか、政治家が外国にアイデンティティを持つという現象は
とくに日本に限ったことではないようです。
宗教色をあからさまにする米国よりも、一見そうはみえない日本教のほうが
許容範囲が狭いからでしょうか、日本ではそこまで状況が進むまえに
免疫反応が出てきているように思われます。
なぜメキシコ国境に壁を作りたいのか。また、カリフォルニア州には独立論が
あるそうですが、それはなぜなのか。本書をよむとその背景も察しがつきます。
米国と日本を理解するために、一読の価値あり。
社会学・政治学だけでなく憲法史の本として読むこともできます。
翻訳も読みやすいです。
「米国は、移民国家ではなく、入植者の国家である。
移民はこれまでプロテスタント基軸のアメリカニズムに同化してきた。
しかしヒスパニックはそれと異なり、国家内国家を作り始めている。
米国民のエリート層は多文化主義に毒されて、その危険に気付いていない。
ああアメリカはどうなってしまうのか」…という本。
二重国籍とか、政治家が外国にアイデンティティを持つという現象は
とくに日本に限ったことではないようです。
宗教色をあからさまにする米国よりも、一見そうはみえない日本教のほうが
許容範囲が狭いからでしょうか、日本ではそこまで状況が進むまえに
免疫反応が出てきているように思われます。
なぜメキシコ国境に壁を作りたいのか。また、カリフォルニア州には独立論が
あるそうですが、それはなぜなのか。本書をよむとその背景も察しがつきます。
米国と日本を理解するために、一読の価値あり。
社会学・政治学だけでなく憲法史の本として読むこともできます。
翻訳も読みやすいです。
2020年11月12日に日本でレビュー済み
ナショナルアイデンティティが幾重にも分断された現代アメリ社会の解剖図。白人対黒人だけではない、入り組んだ人種構成と偏見の問題。二言語二文化以上の細分化が進む言語と文化。少数のグローバルエリートと膨大な内向きの一般大衆間の乖離。移民への態度の分裂。宗教が分断を救えるのか。先端産業社会を先取りしたアメリカの現状を解明した本書から、日本はたくさんのヒントが得られる。