河出の平川訳を天国篇まで読み、それからこちらの地獄篇を読みました。
寿岳訳は取っつきにくいし分かりにくく、苦手に思いましたが、だんだん癖になりました。以降の二篇も楽しみです。
挿絵も河出のギュスターヴ・ドレが好きでしたが、ブレイクも味があっていいですね。
神曲は長い作品ですが、天国篇の最後は個人的にとても感動します。そこだけ何度読んでも。
地獄からの長い旅の終わり、寿岳訳も先読みしてしまいましたが、感動しました。
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神曲 地獄篇 (集英社文庫) 文庫 – 2003/1/17
ダンテ・アリギエーリ
(著),
寿岳 文章
(翻訳)
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1300年の聖木曜日に罪を寓意する暗い森に迷い込んだダンテ。大詩人ウェルギリウスに導かれ、地獄の亡者たちの間を巡る。(解説・堀田善衞)
- 本の長さ528ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2003/1/17
- ISBN-104087610012
- ISBN-13978-4087610017
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2003/1/17)
- 発売日 : 2003/1/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 528ページ
- ISBN-10 : 4087610012
- ISBN-13 : 978-4087610017
- Amazon 売れ筋ランキング: - 156,047位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年1月21日に日本でレビュー済み
文中では古語、漢検1級、準1級レベルの漢字がわんさか登場するが、古典文法はほぼ使われていないので読み易い。単語は調べればすぐわかるが、文法は解読するのに非常に時間がかかる。わからない語句の書き出しをしながら読んだが、約1500単語くらい出てきた。当方普段読書を全くといっていいほどしない人なので、1日3時間くらいで約3か月を要した。古典文法を使用したものも、別の出版社で刊行されているが、これにチャレンジしたら冗談抜きで5年くらいかかるだろう。書き出した単語は何度か反復して覚えようとしている。まぁ全体の2~3割習得できれば良いと考えている。この本を読めば聖書を読まなくてもカトリックのイメージは概ね掴める。また訳者が仏教にも精通されているので、註釈に仏語を用いている。それにより仏教の思想にもある程度詳しくなれる。世界を代表する古典なので、もちろん原文は素晴らしいのだろうけど、訳者の功績もかなり大きい。ちなみに、煉獄篇と天国篇も同じくらい読書に時間を要して、語句の書き出しは3冊で4200語くらいになった。語彙力の無さを自分に露呈する結果となったのだが、それがわかったのも今回の収穫だったのだろう。
2011年11月2日に日本でレビュー済み
地獄篇 第一歌
Inferno - canto 1
時―― 一三〇〇年四月七日木曜日の夜更けから
翌四月八日聖金曜日の夜明け。
所―― 暗い森。
人物―― ダンテとウェルギリウス。
『神曲』全一〇〇歌の冒頭に置かれ、
総序歌の役割を果たす。
『神曲』の各歌は、三行で一連を成す、
三行韻詩(テルツァ・リーマ)で書かれている。
〔さて、webからここに抽きだしたテキストは、1.2 末尾にカンマがない、「ほい、Sapegno版か」、ところが、1.3 cheにアクセント記号が付いている。「やはり、Petrocchi版か」。[...] の扉書きを見ると、やはり、Petrocchi版に依拠していた。テキスト中該当箇所にカーソルを当ててクリックすると、注釈が読めるので、便利かとは思うけど。〕
人生の歩みのまさに半ばにあって 〔河島英昭訳「図書」岩波書店から〕
1. 1 Nel mezzo del cammin di nostra vita
ひとの世の旅路のなかば、〔寿岳文章訳、集英社。ここに引用するにあたり、三行詩形に改めた。〕
われに返ると私は暗い森のなかにいた。
1. 2 mi ritrovai per una selva oscura
ふと気がつくと、私はますぐな道を見失ひ、
正しい道は見失われてしまって。
1. 3 ch' la diritta via era smarrita.
暗い森に迷ひこんでゐた。
ああ、いかに言い表すことの困難であるか
1. 4 Ahi quanto a dir qual era ' cosa dura
ああ、その森のすごさ、こごしさ、荒寥ぶりを、
この森の荒れ果てて険しく無残なるさまは
1. 5 esta selva selvaggia e aspra e forte
語ることはげに難い。
思い出すだけでも恐怖がまた新たになる!
1. 6 che nel pensier rinova la paura!
思ひかへすだけでも、その時の恐ろしさがもどつてくる!
その苦しみの景色は死にもひけを取らない。
1. 7 Tant'' amara che poco ' pi' morte;
その経験の苦しさは、死にもをさをさ劣らぬが、
だが、そこで見出した善き事柄を語るにあたっては、
1. 8 ma per trattar del ben ch'i' vi trovai,
そこで巡りあつたよきことを語るために、
そこで巡りあった別の事柄を述べねばならない。
1. 9 dir' de l'altre cose ch'i' v'ho scorte.
私は述べよう、そこで見たほかのことどもをも。
私にはうまく言えない、そこへ入りこんだときのことは。
1. 10 Io non so ben ridir com'i' v'intrai,
どうしてそこへ迷ひこんだか、はきとはわからぬ。
何しろ深い眠りに包まれていたからあの
1. 11 tant'era pien di sonno a quel punto
ただ眠くて眠くてどうにもならなかつた、
真理の道を踏みはずした時点にあっては。
1. 12 che la verace via abbandonai.
まことの道を踏み外したあの時は。
けれども一つの小山の麓へ着いたとき、
1. 13 Ma poi ch'i' fui al pi' d'un colle giunto,
だが恐ろしさに胸もつぶれる思ひさせた
そこに到ってあの谷間は尽きていて
1. 14 l' dove terminava quella valle
あの谷の行きづまり、
私の心はなおも恐怖に打ちのめされていたが、
1. 15 che m'avea di paura il cor compunto,
とある丘のふもとへ來たとき、
見上げればその肩のあたりに見えたのは
1. 16 guardai in alto, e vidi le sue spalle
空うち仰ぐと、太陽は、どんな道を通らうとも
早くも薄衣(うすぎぬ)の光の矢を放った天球でありそれこそは
1. 17 vestite gi' de' raggi del pianeta
人を正しく導くあの光で、
まさしく万人を小径(こみち)の隅ずみまで導いてくれるはずだ。
1. 18 che mena dritto altrui per ogne calle.
丘の肩をすでに包んでゐた。
すると恐怖もいくぶんか和らいでくれた、
1. 19 Allor fu la paura un poco queta
そのとき一ひらの落ちつきが来て、私の怖畏を鎮めた、
心(しん)の臓の深みにあって淀(よど)みつづけていたのが、
1. 20 che nel lago del cor m'era durata
みじめな不安の夜すがら、
夜のあいだあれほどまでに苦しい痛みを伴っていたのに。
1. 21 la notte ch'i' passai con tanta pieta.
私の心の湖(うみ)に湧きあがつていた怖畏を。
そしてあたかも溺れかけた者が息を喘(あえ)がせながら、
1. 22 E come quei che con lena affannata
息せきあへぎ、安全な岸へ逃げ果(おほ)せた海の泳ぎ手が、
死の波間から岸辺へと這いあがってきて、
1. 23 uscito fuor del pelago a la riva
危険きはまりない波濤のさかまきを
振り返って荒れ狂う海を見つめるごとくに、
1. 24 si volge a l'acqua perigliosa e guata,
ひと目ふりかへるやうに、
私の心は、なおも逃れようと悶えつつ、
1. 25 cos' l'animo mio, ch'ancor fuggiva,
なほも遁走を続けながら、私の心意は、
振り向いておのれの渉ってきた方(かた)を見つめたが
1. 26 si volse a retro a rimirar lo passo
生きてなに人(ひと)も通りぬけた例(ためし)の無い
かつて生きて越えられた者はいなかったはずなのに。
1. 27 che non lasci' gi' mai persona viva.
あの隘路を、恐る恐るふりかへり看た。
かくして疲れ果てた体(からだ)をしばし休またあとに
1. 28 Poi ch'ei posato un poco il corpo lasso,
つかれた躯(むくろ)を憩はせることしばらく、
人気(ひとげ)のない斜面をふたたび私は登り始めたが、
1. 29 ripresi via per la piaggia diserta,
再び私は荒寥の斜岸を横切り進む、
踏みしめてはよろめく足がつねに低いほうであった。
1. 30 s' che 'l pi' fermo sempre era 'l pi' basso.
右足をいつも低めて。
そのとき突然、険しい坂に差しかかったとたんに、
1. 31 Ed ecco, quasi al cominciar de l'erta,
だが見よ、絶壁のはじまるあたりに、
目にも止まらぬ素早さで一頭の雌豹が現れ出た、
1. 32 una lonza leggiera e presta molto,
斑(まだら)の毛皮をきらきらさせ、駿足にして
おびただしい斑紋が点々と全身を覆っていた。
1. 33 che di pel macolato era coverta;
いとも身軽な一匹の豹、突如あらはれ、
そして私の前を立ち去ろうとしないばかりか、
1. 34 e non mi si partia dinanzi al volto,
私の眼前から身をひかぬばかりか、
行手にむしろ立ちはだかってきたので、
1. 35 anzi 'mpediva tanto il mio cammino,
道の行く手に立ちはだかつたので、
何度か私は引き返しかけたほどであった。
1. 36 ch'i' fui per ritornar pi' volte v'lto.
一再ならず私はたじたじと後退(あとしざ)りする。
折しも夜の明け初(そ)める刻限にあった、
1. 37 Temp'era dal principio del mattino,
時はあからひく朝ぼらけ、
そして太陽があの星たちを従えて昇ってきた、
1. 38 e 'l sol montava 'n s' con quelle stelle
そして太陽は、神の愛があのうるはしく創られた
それはまさに同じ光景であった、神の愛が
1. 39 ch'eran con lui quando l'amor divino
星たちを動かし始めたとき
あの美しく輝くものたちを初めて動かしたときと。
1. 40 mosse di prima quelle cose belle;
かれと同じ系列にあつたものを、いま從へ昇つてきた。
それゆえ私にとっては希望の源となった
1. 41 s' ch'a bene sperar m'era cagione
それゆえ、このかぐはしい季節とこの時刻とが、
あの斑(まだら)な肌の恐ろしい獣(けだもの)を目の前にしたときにさえ
1. 42 di quella fiera a la gaetta pelle
花やかな毛衣(けごろもの)の
折からめぐってきた刻限と甘美な季節とが。
1. 43 l'ora del tempo e la dolce stagione;
かの獣(けだもの)についての取越苦労(とりこしくろう)をやめさせたのも
けれども恐怖を呼び覚まさずにはおかなかった、
1. 44 ma non s' che paura non mi desse
束(つか)の間(ま)、行くてをふさぐ
続いて現れ出た一頭の獅子の姿は。
1. 45 la vista che m'apparve d'un leone.
一匹の獅子の出現に、私はをののく。
私に襲いかからんばかりの形相でこれが
1. 46 Questi parea che contra me venisse
頭(づ)を高くもたげ、飢ゑをがつがつと露骨にあらはし、
頭(こうべ)をもたげて傲然と飢えに狂って吼(ほ)えたので、
1. 47 con la test'alta e con rabbiosa fame,
私に迫つてくる気配(けはひ)に、あたりの空気さへ、
あたりの大気も震え戦(おのの)くかに思われた。
1. 48 s' che parea che l'aere ne tremesse.
ためにうちふるかと思はれた。
するとまた一頭の雌狼が、強欲そのものの気配を
1 49 Ed una lupa, che di tutte brame
次の現れは一匹の牝狼、その痩せた肢体にひそむ
痩せ細った体にいかにも漲らせて、
1. 50 sembiava carca ne la sua magrezza,
貪婪の餌食(えじき)となり、憂苦に沈んだ
多くの人びとをすでに悲しみの底へ追い落としてきたのが、
1. 51 e molte genti f' gi' viver grame,
昔の旅人の数ははかり知られず。
いまや激しく迫って私の身にあまりの苦痛を
1. 52 questa mi porse tanto di gravezza
陰惨なその姿の恐ろしさに、私の心は重く
あの形相から迸(ほとばし)り出る恐怖で惹き起こしたため、
1. 53 con la paura ch'uscia di sua vista,
うちしをれ、高きに昇ろうとの
あの高みに達する希望さえ私は失ってしまった。
1. 54 ch'io perdei la speranza de l'altezza.
私の望みは、もはやほとほと消えた。
そして賭けでつぎつぎに儲けてきた男があたかも、
1. 55 E qual ' quei che volontieri acquista,
儲けることに凡てを賭けてゐた人が、
やがて付きが落ちて負けに転じたときに、
1. 56 e giugne 'l tempo che perder lo face,
何もかも失(な)くしてしまったとき
あれこれと思い煩い悲しみに暮れるように、
1. 57 che 'n tutti suoi pensier piange e s'attrista;
思ひのかぎり泣き悲しむあの状況へ、
不安の淵へ私をその獣は突き落として、
1. 58 tal mi fece la bestia sanza pace,
私に立ちむかふその動いてやまぬ獣(けだもの)は
私に向かって迫りながら、じりじりと
1. 59 che, venendomi 'ncontro, a poco a poco
私をおとしいれ、太陽のおしだまる
私を押し戻していった、太陽の黙るところまで。
1. 60 mi ripigneva l' dove 'l sol tace.
森の闇へ私を後退(あとしざ)りさせた。
破滅のどん底へと落ち込んでいったときに、
1. 61 Mentre ch'i' rovinava in basso loco,
低きへと道をよろめきくだるほかは無い私の眼の前に、
私の目の前に忽然と浮かび上がってきたのは
1. 62 dinanzi a li occhi mi si fu offerto
卒然として人の姿が立つた、久しくもの言はなかった
長いあいだの忘却ゆえに薄れていた影の人物。
1. 63 chi per lungo silenzio parea fioco.
ゆゑ声も枯れたかと思はれる人の姿が。
荒涼たる谷間にその者を認めたとき私は、
1. 64 Quando vidi costui nel gran diserto,
漠(ひろ)い荒野でその姿を見た私は、
《憐レミタマエ、わたしを》、と彼に叫んでしまった。
1. 65 '*Miserere* di me', gridai a lui,
思はずも叫んだ。「誰かは知らね、
《亡き影か命ある人か、あなたが何であれ!》。
1. 66 'qual che tu sii, od ombra od omo certo!'.
憐れめ私を! 亡霊にもせよ、生身(いきみ)の人にもせよ。」
私に答えて言った。《人ではない、かつては人であったが、
1. 67 Rispuosemi: 'Non omo, omo gi' fui,
答へてかれは言ふ。「嘗て人であつたが、今は人でない。
そしてわが両親はロンバルディーアの土地の者、
1. 68 e li parenti miei furon lombardi,
わが父母はロンバルディア人(びと)、
マントヴァを生まれ故郷とした、ふたりともが。
1. 69 mantoani per patria ambedui.
ともにマントゥアの生れ。
ユーリウスノ治下ニ遅きに失して、生まれはしたが、
1. 70 Nacqui *sub Iulio*, ancor che fosse tardi,
遅れたが、ユーリオのもとにわたしは生れた。
善きアウグストゥスの下でローマにわたしは生きた
1. 71 e vissi a Roma sotto 'l buono Augusto
いつはりの神々のうしはく時世(じせい)、
虚偽と虚言の神々の時代のことではあったが。
1. 72 nel tempo de li d'i falsi e bugiardi.
よきアウグストのもと、わたしはローマに住んだ。
わたしは詩人であった、ゆえに歌った、かの正義の人
1. 73 Poeta fui, e cantai di quel giusto
誇り高いイーリオンが焼け落ちてのち、
トロイアから逃れ来たアンキーセースの息子の勲を、
1. 74 figliuol d'Anchise che venne di Troia,
トロイアから逃れてきたアンキーゼの正しい息子のことを、
傲慢なるイーリオーンが灰燼に帰した後のことだが。
1. 75 poi che 'l superbo Ilion fu combusto.
詩人なればわたしは歌つた。
それにしてもおまえはなぜ苦しみの淵へ戻るのか?
1. 76 Ma tu perch' ritorni a tanta noia?
だが君は、なぜ君は、安息の無いこんな場所へ後退(あとしざ)りする?
なぜ喜びの山へ登ろうとしないのか
1. 77 perch' non sali il dilettoso monte
なぜあの欣ばしい山へ登らぬか?
あれこそはあらゆる幸いの起源であるのに?》。
1. 78 ch'' principio e cagion di tutta gioia?'.
あの山こそ、あらゆる喜びの元始(はじめ)、また源(みなもと)なのに?」
《ではあなたこそはウェルギリウス、あの泉ですか
1. 79 'Or se' tu quel Virgilio e quella fonte
「ではあなたはヴィルジリオ、あれほどにも豊かな言(こと)の葉(は)の流れを、
そこから詩文の大河は流れ出たのですが?》
1. 80 che spandi di parlar s' largo fiume?',
あまねくそそぎ出すあの泉の?」
恥ずかしさに額を伏せて私は彼に答えた。
1. 81 rispuos'io lui con vergognosa fronte.
頬染めて私はその人に答へた。
《あなたこそは後の詩人たちの栄誉であり導きの明り、
1. 82 'O de li altri poeti onore e lume
「おお、あなたは世の詩人たちの誉(ほまれ)、また光(ひかり)。
長い研鑽と深い愛とが役立ちますように
1. 83 vagliami 'l lungo studio e 'l grande amore
あなたの書冊を求めてやまなかつた私の年久しい熱意と、
あなたの行間を隈なくわたしは渉猟したのですから。
1. 84 che m'ha fatto cercar lo tuo volume.
大きく深い愛情とが、今こそ役立つてほしい。
あなたこそはわが師にして比類なき依りどころ、
1. 85 Tu se' lo mio maestro e 'l mio autore;
あなたはわが師、私を創りあげたもの。
あなたからのみわたしは学び取ったのでした
1. 86 tu se' solo colui da cu' io tolsi
あなたから、ただあなたからだけ、私は学び取つた、
わが身に栄光をもたらしてくれた荘重な文体を。
1. 87 lo bello stilo che m'ha fatto onore.
私に誉(ほまれ)をもたらしたあのうるはしい文体を。
見てください、その獣(けだもの)ゆえに私は引き返してきた、
1. 88 Vedi la bestia per cu' io mi volsi:
あの獣を見られよ、私の後退(あとしざ)りの原因となったあの獣を。
助けてくださいそいつから、高名なる賢者よ、
1. 89 aiutami da lei, famoso saggio,
あの獣から私をのがしたまへ、その名世(よ)に隠れない賢者。
そいつのためにわたしは血も脈も戦いてます》。
1. 90 ch'ella mi fa tremar le vene e i polsi'.
あの獣は、私の血管をも脈管をもふるへわななかせる。」
《別の道をたどっていったほうがよいのだ》、
1. 91 'A te convien tenere altro viaggio',
涙にむせぶ私を見、その人は答へた。「君が
涙ぐむ私を見てから、答えて言った、
1. 92 rispuose, poi che lagrimar mi vide,
この荒れはてた場所から遁(のが)れようと
《この荒れ果てた場所から抜け出したければ。
1. 93 'se vuo' campar d'esto loco selvaggio:
願はば、ほかの道を取らねばならぬ。
なぜならばその獣は、どれほどおまえが叫び頼んでも、
1. 94 ch' questa bestia, per la qual tu gride,
君を泣き叫ばせるこの獣は、
誰ひとりその道を通ることを許さぬばかりか、
1. 95 non lascia altrui passar per la sua via,
いかなる人にもこの道を通らせず、
行手を遮〔さえぎ〕り果ては殺してしまうから。
1. 96 ma tanto lo 'mpedisce che l'uccide;
さへぎり阻み、死に到らしめる。
そして邪悪にして罪深いその性質ゆえに、
1. 97 e ha natura s' malvagia e ria,
その性(さが)はねぢけ、極めて邪悪。
果てしない欲望はけっして満たされることもなく、
1. 98 che mai non empie la bramosa voglia,
飽くこと知らぬ貪欲の満ち足る時とては無く、
そして食べ終わればさらに激しく飢えてしまうから。
1. 99 e dopo 'l pasto ha pi' fame che pria.
むさぼればむさぼるほどにがつがつする。
そいつと交接する動物たちの数は多いから、
1.100 Molti son li animali a cui s'ammoglia,
これと番(つが)ふものは多い。
さらに数は殖えていくであろう、しまいに猟犬が
1.101 e pi' saranno ancora, infin che 'l veltro
しかも、あの猟犬がやってきて、牝狼を
襲って来て、苦しみ悶えつつ死に到らせるまでは。
1.102 verr', che la far' morir con doglia.
苦悶のうちに死なせるまでは、番うものはなほ多からう。
これが貪(むさぼ)り食らうのは土地でも金銭でもなくて、
1.103 Questi non ciber' terra n' peltro,
その猟犬は、土をも銭(ぜに)をも食料(たべしろ)とはせず、
知であり、愛であり、また徳である。
1.104 ma sapienza, amore e virtute,
智慧を、愛を、勇を食料(たべしろ)とする。
そしてその出生は襤褸(らんる)と襤褸のあいだにあるであろう。
1.105 e sua nazion sar' tra feltro e feltro.
その生土(うぶすな)はフェルトロ*とフェルトロとのあいだ。〔仮にこれが地名だとしても、生まれを言うのに武蔵と武蔵のあいだとは言わない。〕
あの貶(おとし)められたイタリアの救い主になるであろう。
1.106 Di quella umile Italia fia salute
げにかれこそは、処女(おとめ)カミッラ、エウリアーロ、
あの土地のために死んだのだ、女戦士カミッラも、
1.107 per cui mor' la vergine Cammilla,
またトゥルノ、またニソが、守り戦ひ傷つき死んだ、
エウリュアルスも、トゥルヌスも、ニーススも傷ついて。
1.108 Eurialo e Turno e Niso di ferute.
低く横たはるイタリアを救う堡(とりで)とならう。
これがどこの都市からもそいつを狩り立てて、
1.109 Questi la caccer' per ogne villa,
はじめ、妬みゆゑに縛(ばく)を解いて飛び出した地獄へ、
しまいには地獄の底へ追い返すであろう、
1.110 fin che l'avr' rimessa ne lo 'nferno,
再び牝狼を封じこめるまでは、町から町へ、
妬みの堕天使がそこから地上へ送り出したのだから。
1.111 l' onde 'nvidia prima dipartilla.
かれの隈なき探索は止むひまあるまい。
それゆえおまえのために良かれかしと考えて勧めるのだが
1.112 Ond'io per lo tuo me' penso e discerno
さればわたしは、君がわたしの後に従ふことこそ、
わたしの後についてくるがよい、案内をしてやろう、
1.113 che tu mi segui, e io sar' tua guida,
最善の策とわきまへる。わたしが君の先達(せんだつ)となり、
ここから連れ出して永劫の場所を巡るために。
1.114 e trarrotti di qui per loco etterno;
ここから君を永遠の場所へまづ案内しよう。
そこで望みを絶たれた者たちの叫び声を聞かせてやろう、
1.115 ove udirai le disperate strida,
望み絶えた叫びがきこえ、呵責(かしゃく)を受ける
苦しみ悶える太古からの魂たちを見せてやるために、
1.116 vedrai li antichi spiriti dolenti,
いにしへの亡霊たちが見え、既に死んでゐるのに、もう一度
第二の死を求めてそれぞれが泣き叫ぶさまを。
1.117 ch'a la seconda morte ciascun grida;
死にたいとさへ願う輩(やから)の屯(たむろ)する所へ君を案内しよう。
さらには心満たされた者たちの姿を見せてやろう
1.118 e vederai color che son contenti
そこ過ぐれば、猛火の中にあるも、
炎の中にあっても、なぜならば入る望みを繋いでいるから
1.119 nel foco, perch' speran di venire
心満ち足りたやからを見るであらう。かれらには、
時が来ればやがて祝福された人びとの仲間のうちに。
1.120 quando che sia a le beate genti.
いつの日か至福の民の仲間となる望みあり。
そのような人びとのあいだにさらにおまえが昇りたければ、
1.121 A le quai poi se tu vorrai salire,
その民の安らぎ処(ど)へと、さらに高く登りたい願ひが
わたしよりもその任にふさわしい魂が現れるであろう。
1.122 anima fia a ci' pi' di me degna:
君にあらば、導者となるにわたしよりもふさはしい
彼女におまえを託して立ち去るであろうわたしは、
1.123 con lei ti lascer' nel mio partire;
一つの霊に君をひきあわせ、托して君と別れよう。
〔工事中〕
〔『神曲ノート』[...]から〕
Inferno - canto 1
時―― 一三〇〇年四月七日木曜日の夜更けから
翌四月八日聖金曜日の夜明け。
所―― 暗い森。
人物―― ダンテとウェルギリウス。
『神曲』全一〇〇歌の冒頭に置かれ、
総序歌の役割を果たす。
『神曲』の各歌は、三行で一連を成す、
三行韻詩(テルツァ・リーマ)で書かれている。
〔さて、webからここに抽きだしたテキストは、1.2 末尾にカンマがない、「ほい、Sapegno版か」、ところが、1.3 cheにアクセント記号が付いている。「やはり、Petrocchi版か」。[...] の扉書きを見ると、やはり、Petrocchi版に依拠していた。テキスト中該当箇所にカーソルを当ててクリックすると、注釈が読めるので、便利かとは思うけど。〕
人生の歩みのまさに半ばにあって 〔河島英昭訳「図書」岩波書店から〕
1. 1 Nel mezzo del cammin di nostra vita
ひとの世の旅路のなかば、〔寿岳文章訳、集英社。ここに引用するにあたり、三行詩形に改めた。〕
われに返ると私は暗い森のなかにいた。
1. 2 mi ritrovai per una selva oscura
ふと気がつくと、私はますぐな道を見失ひ、
正しい道は見失われてしまって。
1. 3 ch' la diritta via era smarrita.
暗い森に迷ひこんでゐた。
ああ、いかに言い表すことの困難であるか
1. 4 Ahi quanto a dir qual era ' cosa dura
ああ、その森のすごさ、こごしさ、荒寥ぶりを、
この森の荒れ果てて険しく無残なるさまは
1. 5 esta selva selvaggia e aspra e forte
語ることはげに難い。
思い出すだけでも恐怖がまた新たになる!
1. 6 che nel pensier rinova la paura!
思ひかへすだけでも、その時の恐ろしさがもどつてくる!
その苦しみの景色は死にもひけを取らない。
1. 7 Tant'' amara che poco ' pi' morte;
その経験の苦しさは、死にもをさをさ劣らぬが、
だが、そこで見出した善き事柄を語るにあたっては、
1. 8 ma per trattar del ben ch'i' vi trovai,
そこで巡りあつたよきことを語るために、
そこで巡りあった別の事柄を述べねばならない。
1. 9 dir' de l'altre cose ch'i' v'ho scorte.
私は述べよう、そこで見たほかのことどもをも。
私にはうまく言えない、そこへ入りこんだときのことは。
1. 10 Io non so ben ridir com'i' v'intrai,
どうしてそこへ迷ひこんだか、はきとはわからぬ。
何しろ深い眠りに包まれていたからあの
1. 11 tant'era pien di sonno a quel punto
ただ眠くて眠くてどうにもならなかつた、
真理の道を踏みはずした時点にあっては。
1. 12 che la verace via abbandonai.
まことの道を踏み外したあの時は。
けれども一つの小山の麓へ着いたとき、
1. 13 Ma poi ch'i' fui al pi' d'un colle giunto,
だが恐ろしさに胸もつぶれる思ひさせた
そこに到ってあの谷間は尽きていて
1. 14 l' dove terminava quella valle
あの谷の行きづまり、
私の心はなおも恐怖に打ちのめされていたが、
1. 15 che m'avea di paura il cor compunto,
とある丘のふもとへ來たとき、
見上げればその肩のあたりに見えたのは
1. 16 guardai in alto, e vidi le sue spalle
空うち仰ぐと、太陽は、どんな道を通らうとも
早くも薄衣(うすぎぬ)の光の矢を放った天球でありそれこそは
1. 17 vestite gi' de' raggi del pianeta
人を正しく導くあの光で、
まさしく万人を小径(こみち)の隅ずみまで導いてくれるはずだ。
1. 18 che mena dritto altrui per ogne calle.
丘の肩をすでに包んでゐた。
すると恐怖もいくぶんか和らいでくれた、
1. 19 Allor fu la paura un poco queta
そのとき一ひらの落ちつきが来て、私の怖畏を鎮めた、
心(しん)の臓の深みにあって淀(よど)みつづけていたのが、
1. 20 che nel lago del cor m'era durata
みじめな不安の夜すがら、
夜のあいだあれほどまでに苦しい痛みを伴っていたのに。
1. 21 la notte ch'i' passai con tanta pieta.
私の心の湖(うみ)に湧きあがつていた怖畏を。
そしてあたかも溺れかけた者が息を喘(あえ)がせながら、
1. 22 E come quei che con lena affannata
息せきあへぎ、安全な岸へ逃げ果(おほ)せた海の泳ぎ手が、
死の波間から岸辺へと這いあがってきて、
1. 23 uscito fuor del pelago a la riva
危険きはまりない波濤のさかまきを
振り返って荒れ狂う海を見つめるごとくに、
1. 24 si volge a l'acqua perigliosa e guata,
ひと目ふりかへるやうに、
私の心は、なおも逃れようと悶えつつ、
1. 25 cos' l'animo mio, ch'ancor fuggiva,
なほも遁走を続けながら、私の心意は、
振り向いておのれの渉ってきた方(かた)を見つめたが
1. 26 si volse a retro a rimirar lo passo
生きてなに人(ひと)も通りぬけた例(ためし)の無い
かつて生きて越えられた者はいなかったはずなのに。
1. 27 che non lasci' gi' mai persona viva.
あの隘路を、恐る恐るふりかへり看た。
かくして疲れ果てた体(からだ)をしばし休またあとに
1. 28 Poi ch'ei posato un poco il corpo lasso,
つかれた躯(むくろ)を憩はせることしばらく、
人気(ひとげ)のない斜面をふたたび私は登り始めたが、
1. 29 ripresi via per la piaggia diserta,
再び私は荒寥の斜岸を横切り進む、
踏みしめてはよろめく足がつねに低いほうであった。
1. 30 s' che 'l pi' fermo sempre era 'l pi' basso.
右足をいつも低めて。
そのとき突然、険しい坂に差しかかったとたんに、
1. 31 Ed ecco, quasi al cominciar de l'erta,
だが見よ、絶壁のはじまるあたりに、
目にも止まらぬ素早さで一頭の雌豹が現れ出た、
1. 32 una lonza leggiera e presta molto,
斑(まだら)の毛皮をきらきらさせ、駿足にして
おびただしい斑紋が点々と全身を覆っていた。
1. 33 che di pel macolato era coverta;
いとも身軽な一匹の豹、突如あらはれ、
そして私の前を立ち去ろうとしないばかりか、
1. 34 e non mi si partia dinanzi al volto,
私の眼前から身をひかぬばかりか、
行手にむしろ立ちはだかってきたので、
1. 35 anzi 'mpediva tanto il mio cammino,
道の行く手に立ちはだかつたので、
何度か私は引き返しかけたほどであった。
1. 36 ch'i' fui per ritornar pi' volte v'lto.
一再ならず私はたじたじと後退(あとしざ)りする。
折しも夜の明け初(そ)める刻限にあった、
1. 37 Temp'era dal principio del mattino,
時はあからひく朝ぼらけ、
そして太陽があの星たちを従えて昇ってきた、
1. 38 e 'l sol montava 'n s' con quelle stelle
そして太陽は、神の愛があのうるはしく創られた
それはまさに同じ光景であった、神の愛が
1. 39 ch'eran con lui quando l'amor divino
星たちを動かし始めたとき
あの美しく輝くものたちを初めて動かしたときと。
1. 40 mosse di prima quelle cose belle;
かれと同じ系列にあつたものを、いま從へ昇つてきた。
それゆえ私にとっては希望の源となった
1. 41 s' ch'a bene sperar m'era cagione
それゆえ、このかぐはしい季節とこの時刻とが、
あの斑(まだら)な肌の恐ろしい獣(けだもの)を目の前にしたときにさえ
1. 42 di quella fiera a la gaetta pelle
花やかな毛衣(けごろもの)の
折からめぐってきた刻限と甘美な季節とが。
1. 43 l'ora del tempo e la dolce stagione;
かの獣(けだもの)についての取越苦労(とりこしくろう)をやめさせたのも
けれども恐怖を呼び覚まさずにはおかなかった、
1. 44 ma non s' che paura non mi desse
束(つか)の間(ま)、行くてをふさぐ
続いて現れ出た一頭の獅子の姿は。
1. 45 la vista che m'apparve d'un leone.
一匹の獅子の出現に、私はをののく。
私に襲いかからんばかりの形相でこれが
1. 46 Questi parea che contra me venisse
頭(づ)を高くもたげ、飢ゑをがつがつと露骨にあらはし、
頭(こうべ)をもたげて傲然と飢えに狂って吼(ほ)えたので、
1. 47 con la test'alta e con rabbiosa fame,
私に迫つてくる気配(けはひ)に、あたりの空気さへ、
あたりの大気も震え戦(おのの)くかに思われた。
1. 48 s' che parea che l'aere ne tremesse.
ためにうちふるかと思はれた。
するとまた一頭の雌狼が、強欲そのものの気配を
1 49 Ed una lupa, che di tutte brame
次の現れは一匹の牝狼、その痩せた肢体にひそむ
痩せ細った体にいかにも漲らせて、
1. 50 sembiava carca ne la sua magrezza,
貪婪の餌食(えじき)となり、憂苦に沈んだ
多くの人びとをすでに悲しみの底へ追い落としてきたのが、
1. 51 e molte genti f' gi' viver grame,
昔の旅人の数ははかり知られず。
いまや激しく迫って私の身にあまりの苦痛を
1. 52 questa mi porse tanto di gravezza
陰惨なその姿の恐ろしさに、私の心は重く
あの形相から迸(ほとばし)り出る恐怖で惹き起こしたため、
1. 53 con la paura ch'uscia di sua vista,
うちしをれ、高きに昇ろうとの
あの高みに達する希望さえ私は失ってしまった。
1. 54 ch'io perdei la speranza de l'altezza.
私の望みは、もはやほとほと消えた。
そして賭けでつぎつぎに儲けてきた男があたかも、
1. 55 E qual ' quei che volontieri acquista,
儲けることに凡てを賭けてゐた人が、
やがて付きが落ちて負けに転じたときに、
1. 56 e giugne 'l tempo che perder lo face,
何もかも失(な)くしてしまったとき
あれこれと思い煩い悲しみに暮れるように、
1. 57 che 'n tutti suoi pensier piange e s'attrista;
思ひのかぎり泣き悲しむあの状況へ、
不安の淵へ私をその獣は突き落として、
1. 58 tal mi fece la bestia sanza pace,
私に立ちむかふその動いてやまぬ獣(けだもの)は
私に向かって迫りながら、じりじりと
1. 59 che, venendomi 'ncontro, a poco a poco
私をおとしいれ、太陽のおしだまる
私を押し戻していった、太陽の黙るところまで。
1. 60 mi ripigneva l' dove 'l sol tace.
森の闇へ私を後退(あとしざ)りさせた。
破滅のどん底へと落ち込んでいったときに、
1. 61 Mentre ch'i' rovinava in basso loco,
低きへと道をよろめきくだるほかは無い私の眼の前に、
私の目の前に忽然と浮かび上がってきたのは
1. 62 dinanzi a li occhi mi si fu offerto
卒然として人の姿が立つた、久しくもの言はなかった
長いあいだの忘却ゆえに薄れていた影の人物。
1. 63 chi per lungo silenzio parea fioco.
ゆゑ声も枯れたかと思はれる人の姿が。
荒涼たる谷間にその者を認めたとき私は、
1. 64 Quando vidi costui nel gran diserto,
漠(ひろ)い荒野でその姿を見た私は、
《憐レミタマエ、わたしを》、と彼に叫んでしまった。
1. 65 '*Miserere* di me', gridai a lui,
思はずも叫んだ。「誰かは知らね、
《亡き影か命ある人か、あなたが何であれ!》。
1. 66 'qual che tu sii, od ombra od omo certo!'.
憐れめ私を! 亡霊にもせよ、生身(いきみ)の人にもせよ。」
私に答えて言った。《人ではない、かつては人であったが、
1. 67 Rispuosemi: 'Non omo, omo gi' fui,
答へてかれは言ふ。「嘗て人であつたが、今は人でない。
そしてわが両親はロンバルディーアの土地の者、
1. 68 e li parenti miei furon lombardi,
わが父母はロンバルディア人(びと)、
マントヴァを生まれ故郷とした、ふたりともが。
1. 69 mantoani per patria ambedui.
ともにマントゥアの生れ。
ユーリウスノ治下ニ遅きに失して、生まれはしたが、
1. 70 Nacqui *sub Iulio*, ancor che fosse tardi,
遅れたが、ユーリオのもとにわたしは生れた。
善きアウグストゥスの下でローマにわたしは生きた
1. 71 e vissi a Roma sotto 'l buono Augusto
いつはりの神々のうしはく時世(じせい)、
虚偽と虚言の神々の時代のことではあったが。
1. 72 nel tempo de li d'i falsi e bugiardi.
よきアウグストのもと、わたしはローマに住んだ。
わたしは詩人であった、ゆえに歌った、かの正義の人
1. 73 Poeta fui, e cantai di quel giusto
誇り高いイーリオンが焼け落ちてのち、
トロイアから逃れ来たアンキーセースの息子の勲を、
1. 74 figliuol d'Anchise che venne di Troia,
トロイアから逃れてきたアンキーゼの正しい息子のことを、
傲慢なるイーリオーンが灰燼に帰した後のことだが。
1. 75 poi che 'l superbo Ilion fu combusto.
詩人なればわたしは歌つた。
それにしてもおまえはなぜ苦しみの淵へ戻るのか?
1. 76 Ma tu perch' ritorni a tanta noia?
だが君は、なぜ君は、安息の無いこんな場所へ後退(あとしざ)りする?
なぜ喜びの山へ登ろうとしないのか
1. 77 perch' non sali il dilettoso monte
なぜあの欣ばしい山へ登らぬか?
あれこそはあらゆる幸いの起源であるのに?》。
1. 78 ch'' principio e cagion di tutta gioia?'.
あの山こそ、あらゆる喜びの元始(はじめ)、また源(みなもと)なのに?」
《ではあなたこそはウェルギリウス、あの泉ですか
1. 79 'Or se' tu quel Virgilio e quella fonte
「ではあなたはヴィルジリオ、あれほどにも豊かな言(こと)の葉(は)の流れを、
そこから詩文の大河は流れ出たのですが?》
1. 80 che spandi di parlar s' largo fiume?',
あまねくそそぎ出すあの泉の?」
恥ずかしさに額を伏せて私は彼に答えた。
1. 81 rispuos'io lui con vergognosa fronte.
頬染めて私はその人に答へた。
《あなたこそは後の詩人たちの栄誉であり導きの明り、
1. 82 'O de li altri poeti onore e lume
「おお、あなたは世の詩人たちの誉(ほまれ)、また光(ひかり)。
長い研鑽と深い愛とが役立ちますように
1. 83 vagliami 'l lungo studio e 'l grande amore
あなたの書冊を求めてやまなかつた私の年久しい熱意と、
あなたの行間を隈なくわたしは渉猟したのですから。
1. 84 che m'ha fatto cercar lo tuo volume.
大きく深い愛情とが、今こそ役立つてほしい。
あなたこそはわが師にして比類なき依りどころ、
1. 85 Tu se' lo mio maestro e 'l mio autore;
あなたはわが師、私を創りあげたもの。
あなたからのみわたしは学び取ったのでした
1. 86 tu se' solo colui da cu' io tolsi
あなたから、ただあなたからだけ、私は学び取つた、
わが身に栄光をもたらしてくれた荘重な文体を。
1. 87 lo bello stilo che m'ha fatto onore.
私に誉(ほまれ)をもたらしたあのうるはしい文体を。
見てください、その獣(けだもの)ゆえに私は引き返してきた、
1. 88 Vedi la bestia per cu' io mi volsi:
あの獣を見られよ、私の後退(あとしざ)りの原因となったあの獣を。
助けてくださいそいつから、高名なる賢者よ、
1. 89 aiutami da lei, famoso saggio,
あの獣から私をのがしたまへ、その名世(よ)に隠れない賢者。
そいつのためにわたしは血も脈も戦いてます》。
1. 90 ch'ella mi fa tremar le vene e i polsi'.
あの獣は、私の血管をも脈管をもふるへわななかせる。」
《別の道をたどっていったほうがよいのだ》、
1. 91 'A te convien tenere altro viaggio',
涙にむせぶ私を見、その人は答へた。「君が
涙ぐむ私を見てから、答えて言った、
1. 92 rispuose, poi che lagrimar mi vide,
この荒れはてた場所から遁(のが)れようと
《この荒れ果てた場所から抜け出したければ。
1. 93 'se vuo' campar d'esto loco selvaggio:
願はば、ほかの道を取らねばならぬ。
なぜならばその獣は、どれほどおまえが叫び頼んでも、
1. 94 ch' questa bestia, per la qual tu gride,
君を泣き叫ばせるこの獣は、
誰ひとりその道を通ることを許さぬばかりか、
1. 95 non lascia altrui passar per la sua via,
いかなる人にもこの道を通らせず、
行手を遮〔さえぎ〕り果ては殺してしまうから。
1. 96 ma tanto lo 'mpedisce che l'uccide;
さへぎり阻み、死に到らしめる。
そして邪悪にして罪深いその性質ゆえに、
1. 97 e ha natura s' malvagia e ria,
その性(さが)はねぢけ、極めて邪悪。
果てしない欲望はけっして満たされることもなく、
1. 98 che mai non empie la bramosa voglia,
飽くこと知らぬ貪欲の満ち足る時とては無く、
そして食べ終わればさらに激しく飢えてしまうから。
1. 99 e dopo 'l pasto ha pi' fame che pria.
むさぼればむさぼるほどにがつがつする。
そいつと交接する動物たちの数は多いから、
1.100 Molti son li animali a cui s'ammoglia,
これと番(つが)ふものは多い。
さらに数は殖えていくであろう、しまいに猟犬が
1.101 e pi' saranno ancora, infin che 'l veltro
しかも、あの猟犬がやってきて、牝狼を
襲って来て、苦しみ悶えつつ死に到らせるまでは。
1.102 verr', che la far' morir con doglia.
苦悶のうちに死なせるまでは、番うものはなほ多からう。
これが貪(むさぼ)り食らうのは土地でも金銭でもなくて、
1.103 Questi non ciber' terra n' peltro,
その猟犬は、土をも銭(ぜに)をも食料(たべしろ)とはせず、
知であり、愛であり、また徳である。
1.104 ma sapienza, amore e virtute,
智慧を、愛を、勇を食料(たべしろ)とする。
そしてその出生は襤褸(らんる)と襤褸のあいだにあるであろう。
1.105 e sua nazion sar' tra feltro e feltro.
その生土(うぶすな)はフェルトロ*とフェルトロとのあいだ。〔仮にこれが地名だとしても、生まれを言うのに武蔵と武蔵のあいだとは言わない。〕
あの貶(おとし)められたイタリアの救い主になるであろう。
1.106 Di quella umile Italia fia salute
げにかれこそは、処女(おとめ)カミッラ、エウリアーロ、
あの土地のために死んだのだ、女戦士カミッラも、
1.107 per cui mor' la vergine Cammilla,
またトゥルノ、またニソが、守り戦ひ傷つき死んだ、
エウリュアルスも、トゥルヌスも、ニーススも傷ついて。
1.108 Eurialo e Turno e Niso di ferute.
低く横たはるイタリアを救う堡(とりで)とならう。
これがどこの都市からもそいつを狩り立てて、
1.109 Questi la caccer' per ogne villa,
はじめ、妬みゆゑに縛(ばく)を解いて飛び出した地獄へ、
しまいには地獄の底へ追い返すであろう、
1.110 fin che l'avr' rimessa ne lo 'nferno,
再び牝狼を封じこめるまでは、町から町へ、
妬みの堕天使がそこから地上へ送り出したのだから。
1.111 l' onde 'nvidia prima dipartilla.
かれの隈なき探索は止むひまあるまい。
それゆえおまえのために良かれかしと考えて勧めるのだが
1.112 Ond'io per lo tuo me' penso e discerno
さればわたしは、君がわたしの後に従ふことこそ、
わたしの後についてくるがよい、案内をしてやろう、
1.113 che tu mi segui, e io sar' tua guida,
最善の策とわきまへる。わたしが君の先達(せんだつ)となり、
ここから連れ出して永劫の場所を巡るために。
1.114 e trarrotti di qui per loco etterno;
ここから君を永遠の場所へまづ案内しよう。
そこで望みを絶たれた者たちの叫び声を聞かせてやろう、
1.115 ove udirai le disperate strida,
望み絶えた叫びがきこえ、呵責(かしゃく)を受ける
苦しみ悶える太古からの魂たちを見せてやるために、
1.116 vedrai li antichi spiriti dolenti,
いにしへの亡霊たちが見え、既に死んでゐるのに、もう一度
第二の死を求めてそれぞれが泣き叫ぶさまを。
1.117 ch'a la seconda morte ciascun grida;
死にたいとさへ願う輩(やから)の屯(たむろ)する所へ君を案内しよう。
さらには心満たされた者たちの姿を見せてやろう
1.118 e vederai color che son contenti
そこ過ぐれば、猛火の中にあるも、
炎の中にあっても、なぜならば入る望みを繋いでいるから
1.119 nel foco, perch' speran di venire
心満ち足りたやからを見るであらう。かれらには、
時が来ればやがて祝福された人びとの仲間のうちに。
1.120 quando che sia a le beate genti.
いつの日か至福の民の仲間となる望みあり。
そのような人びとのあいだにさらにおまえが昇りたければ、
1.121 A le quai poi se tu vorrai salire,
その民の安らぎ処(ど)へと、さらに高く登りたい願ひが
わたしよりもその任にふさわしい魂が現れるであろう。
1.122 anima fia a ci' pi' di me degna:
君にあらば、導者となるにわたしよりもふさはしい
彼女におまえを託して立ち去るであろうわたしは、
1.123 con lei ti lascer' nel mio partire;
一つの霊に君をひきあわせ、托して君と別れよう。
〔工事中〕
〔『神曲ノート』[...]から〕
2009年4月17日に日本でレビュー済み
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しかしながら知名度の割には読まれていない本だ。私もこれまでに何度も挫折してしまっていた。その理由は、翻訳が難解であることが大きな理由であった。しかしながら本書では読みやすい文章となっているので、そのようなジレンマは解消されるだろう。この地獄篇では文字通り、地獄行脚の様子がか描かれている。ダンテの時代も我々の時代も地獄の様子はそれほど変わっていないように思えるがどうだろうか?
宗教、文体と言ったものにこだわる場合は評価は難しいのかもしれないが、私にとっては十分読み応えのある作品であった。
宗教、文体と言ったものにこだわる場合は評価は難しいのかもしれないが、私にとっては十分読み応えのある作品であった。
2009年7月28日に日本でレビュー済み
神曲の中でも、この地獄篇がいちばん面白いですね。ストーリーがどうのというのではなく、この本の中に西洋での「地獄」と呼ばれるもののイメージがことごとく内包されているのが面白いです。
この地獄篇は、ダンテと同時代の為政者や有名人を地獄に落としてそれを描写して楽しむ、という側面があったようなので、それほど高尚な本ではないかもしれませんね。それでも、700年も読みつがれているということは、「地獄」というものを具体的に描写したダンテの想像力が並外れていたからでしょう。
「偽善者 - 偽善をなした者が、外面だけ美しい金張りの鉛の外套に身を包み、ひたすら歩く。」
などという描写が、20あまりの罪に対して延々と述べられるわけです。古典だからといって敬遠していてはもったいないくらいの本です。
この地獄篇は、ダンテと同時代の為政者や有名人を地獄に落としてそれを描写して楽しむ、という側面があったようなので、それほど高尚な本ではないかもしれませんね。それでも、700年も読みつがれているということは、「地獄」というものを具体的に描写したダンテの想像力が並外れていたからでしょう。
「偽善者 - 偽善をなした者が、外面だけ美しい金張りの鉛の外套に身を包み、ひたすら歩く。」
などという描写が、20あまりの罪に対して延々と述べられるわけです。古典だからといって敬遠していてはもったいないくらいの本です。
2016年4月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
キツイと言ってる方に同意。学の無い人間のレビューとしてですが。
1)まず、訳そのものが、原書に忠実である事を意識し過ぎているのか、一般人には非常に分かり辛いです。分からないというレベルでは無いにせよ、古語のような単語が織り交ぜられ苦痛を伴います。
2)次に、文章の形態が見辛い。これも原書を意識しすぎてるのかと。(普通の文章では、段落開始の1行目で1字下げますが、本書では逆に1字上げている。しかも、その1字上げが極端に頻繁で2、3行置きに1字上げがあり、頻繁に文章が上がったり下がったり、日本語としてはまずあり得ないインデントの嵐。この文章形式が神曲の「曲」たる所以なのでしょうが。)
以上、本書はダンテの神曲に精通している人が、原書に近い訳を求めている場合に打ってつけのものであり、一般人が、ダンテの神曲ってどんな話なの、と好奇心で読みたい場合には全く不適当だと思います。
一般人で、読み安さ、話の楽しさ、を求めている方には、Amazonでは扱いが小さいのですが、「ダンテ 新曲物語」野上素一訳著(現代教養文庫)をお勧めします。この本では原書の訳と言うよりも、原書を元にした小説風と行った感じで楽しく読み進められます。再読したいと思った私が昔読んだのはこれでした。
http://www.amazon.co.jp/神曲物語-現代教養文庫-618-ダンテ/dp/439010618X/ref=sr_1_37?s=books&ie=UTF8&qid=1460597551&sr=1-37&keywords=神曲+ダンテ
神曲という書名は、英語では、Divine Comedy、神さんの喜劇、です。一般人は原書に拘らないで、楽しく読んでいいと思います。
1)まず、訳そのものが、原書に忠実である事を意識し過ぎているのか、一般人には非常に分かり辛いです。分からないというレベルでは無いにせよ、古語のような単語が織り交ぜられ苦痛を伴います。
2)次に、文章の形態が見辛い。これも原書を意識しすぎてるのかと。(普通の文章では、段落開始の1行目で1字下げますが、本書では逆に1字上げている。しかも、その1字上げが極端に頻繁で2、3行置きに1字上げがあり、頻繁に文章が上がったり下がったり、日本語としてはまずあり得ないインデントの嵐。この文章形式が神曲の「曲」たる所以なのでしょうが。)
以上、本書はダンテの神曲に精通している人が、原書に近い訳を求めている場合に打ってつけのものであり、一般人が、ダンテの神曲ってどんな話なの、と好奇心で読みたい場合には全く不適当だと思います。
一般人で、読み安さ、話の楽しさ、を求めている方には、Amazonでは扱いが小さいのですが、「ダンテ 新曲物語」野上素一訳著(現代教養文庫)をお勧めします。この本では原書の訳と言うよりも、原書を元にした小説風と行った感じで楽しく読み進められます。再読したいと思った私が昔読んだのはこれでした。
http://www.amazon.co.jp/神曲物語-現代教養文庫-618-ダンテ/dp/439010618X/ref=sr_1_37?s=books&ie=UTF8&qid=1460597551&sr=1-37&keywords=神曲+ダンテ
神曲という書名は、英語では、Divine Comedy、神さんの喜劇、です。一般人は原書に拘らないで、楽しく読んでいいと思います。
2004年7月25日に日本でレビュー済み
世界史を習った人なら誰もが知っている、
ダンテの「神曲」。
翻訳が素晴らしく綺麗です。
地獄編では
我々日本人にはあまり馴染みの無いヨーロッパ中世の地獄の様子、
中世のキリスト教の考え方、ダンテの痛烈な社会批判、
読めば全てがわかるようなまさに百科事典的な知識の集大成!!
「神曲」全編を通して考えるなら個人的に地獄編が一番面白いです。
文章を見てみると難しく思いますが
読んでみたらスラスラ読めます。解りやすい脚註もついてます!
(この脚註のおかげで中世の知識が無くても「ああ、なるほど」みたいな感じで読めます。)
世界史のルネサンスで覚えたこの作品、読んで損は無いと思います。
ダンテの「神曲」。
翻訳が素晴らしく綺麗です。
地獄編では
我々日本人にはあまり馴染みの無いヨーロッパ中世の地獄の様子、
中世のキリスト教の考え方、ダンテの痛烈な社会批判、
読めば全てがわかるようなまさに百科事典的な知識の集大成!!
「神曲」全編を通して考えるなら個人的に地獄編が一番面白いです。
文章を見てみると難しく思いますが
読んでみたらスラスラ読めます。解りやすい脚註もついてます!
(この脚註のおかげで中世の知識が無くても「ああ、なるほど」みたいな感じで読めます。)
世界史のルネサンスで覚えたこの作品、読んで損は無いと思います。
2008年5月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この書は3冊ともに訳文の歯切れが悪い。よってその分判りにくい。しかし、注や図解はとても良い。そこで星三つです。