突然、はじまるとなり町との戦争やバスジャック条例など
架空の行政システムや立法を巧みに構築し、
それを日常としてで生きる人々を描く著者の最新短編集。
廃墟を設計・建築する廃墟建築士を主人公とした表題作『廃墟建築士』は
いつぞやの、一級建築士にまつわる騒動を思い出させる内容。
また、マンションの7階で殺人事件が多発したことから
突如として、機運の高まった7階廃止運動と
その反対運動に巻き込まれていく人々を描いた『七階闘争』は
いとも簡単に形成される世論と、その暴力性、
そして、それに抗う側の孤独を描く作品です。
毎度のことながら、
独創的な舞台設定とますます、深みを増す心理描写
そして、両者が一体となって生まれる寓話性。
エンターテイメント性を兼ね備えているので
物語自体を楽しむことはもちろん、
これをきっかけに、さまざまな事柄に想いをめぐらせるのもよいかなぁと思います。
本書を閉じたとき、
ふと、先日村上春樹さんがイスラエルで行ったスピーチの
We must not allow the System to exploit us.
We must not allow the System to take on a life of its own.
The System did not make us: we made the System
―という一節を思い出しました。
¥1,430¥1,430 税込
ポイント: 14pt
(1%)
配送料 ¥480 6月20日-22日にお届け
発送元: 現在発送にお時間を頂戴しております。創業15年の信頼と実績。采文堂書店 販売者: 現在発送にお時間を頂戴しております。創業15年の信頼と実績。采文堂書店
¥1,430¥1,430 税込
ポイント: 14pt
(1%)
配送料 ¥480 6月20日-22日にお届け
発送元: 現在発送にお時間を頂戴しております。創業15年の信頼と実績。采文堂書店
販売者: 現在発送にお時間を頂戴しております。創業15年の信頼と実績。采文堂書店
¥40¥40 税込
配送料 ¥240 6月8日-10日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】 販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
¥40¥40 税込
配送料 ¥240 6月8日-10日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
廃墟建築士 単行本 – 2009/1/26
三崎 亜記
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,430","priceAmount":1430.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,430","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"0fZ1huWZbVYRMNVI0E2apzUP%2BGSsrh%2B%2BNRtFX1P7GVUp5YbFzQ%2FFJ%2FtdXeKY5pT4ehFaZ8F%2FfK1S9MN21GNGwMNfEluRejtSRyiq6AKByX9GwU5Jb8QgfElyh1n56%2BRQULl7YmWWB1rBOobBqNjqA3vlzYLB3AEu%2B2z0R6h7KKgJ5on2rmqRkg%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥40","priceAmount":40.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"40","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"0fZ1huWZbVYRMNVI0E2apzUP%2BGSsrh%2B%2B8TLvAc0VprG2K9IrHbbn1UslS1osul0LEIEAy%2BMqtjFiMgvQbWW00nRvxIRuDGJ7d4wG43YXCnJE4KfMgZMNMaZ7oKqcHELnX28X7f9IQW%2FjCxx6eAb%2FnsHMQWxREfuYAiQza7j4Ltgp2gS5IzPCeg%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
不思議な建築物にまつわる4つの物語
廃墟は現代人の癒しの空間。だが人が住んでいることが発覚し「偽装廃墟」が問題になって…表題作ほか、ありそうでありえない建築物を舞台に繰り広げられる、不思議で切ない三崎ワールド。4編収録。
廃墟は現代人の癒しの空間。だが人が住んでいることが発覚し「偽装廃墟」が問題になって…表題作ほか、ありそうでありえない建築物を舞台に繰り広げられる、不思議で切ない三崎ワールド。4編収録。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2009/1/26
- ISBN-104087712737
- ISBN-13978-4087712735
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2005年『となり町戦争』(第17回小説すばる新人賞受賞作)でデビュー。同作で三島由紀夫賞・直木賞候補になり、映画化もされ、ベストセラーとなった。2007年第3作『失われた町』が本屋大賞第9位に、『鼓笛隊の襲来』が直木賞候補になる。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2009/1/26)
- 発売日 : 2009/1/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 224ページ
- ISBN-10 : 4087712737
- ISBN-13 : 978-4087712735
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,251,398位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 29,009位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2012年10月7日に日本でレビュー済み
「コロヨシ!」にあまりはまれなかったんですが、タイトル良いしレビューも好評価だし何てったって萩尾望都が帯に言葉寄せてるし、って事で購入。
そして感想、やっぱり苦手だ。
芳醇なイマジネーションと見るか
どんだけ読者にツッコミさせりゃ気が済む作風かと見るか。
モチーフには深読みすべきテーマがあるのか
ただの不条理コメディーなのか。
村上春樹作品なんかもかなり解読不明なモチーフが現れますが、意味不明ながらぐいぐい読ませる力があるのに対し三崎作品はどうも。
作品世界に入り込めず「図書館」は特に退屈でした。 図書館をテーマとしながらもう少し上手く本や図書館と関連づけた描写はできなかったのか? 夜間図書館、イベントはあれだけ?あれ客は楽しいのか?
描写された情景が全く美しいものとは思えず。
同じ事するなら服屋とか靴屋とか玩具屋の方が楽しくない?
結論・私には合いませんでした。
そして感想、やっぱり苦手だ。
芳醇なイマジネーションと見るか
どんだけ読者にツッコミさせりゃ気が済む作風かと見るか。
モチーフには深読みすべきテーマがあるのか
ただの不条理コメディーなのか。
村上春樹作品なんかもかなり解読不明なモチーフが現れますが、意味不明ながらぐいぐい読ませる力があるのに対し三崎作品はどうも。
作品世界に入り込めず「図書館」は特に退屈でした。 図書館をテーマとしながらもう少し上手く本や図書館と関連づけた描写はできなかったのか? 夜間図書館、イベントはあれだけ?あれ客は楽しいのか?
描写された情景が全く美しいものとは思えず。
同じ事するなら服屋とか靴屋とか玩具屋の方が楽しくない?
結論・私には合いませんでした。
2010年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三崎亜記さんらしい不思議な作品です。
駄目な人はいるかもしれないけど現代のファンタジー的な感覚で捕らえて読みました。
たまには違う雰囲気を楽しみたい時にいいと思います。
駄目な人はいるかもしれないけど現代のファンタジー的な感覚で捕らえて読みました。
たまには違う雰囲気を楽しみたい時にいいと思います。
2013年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
しかし無理があるような・・・。
さくさく読めそうで読めない不思議な本でした。
設定が難しすぎるのかな。
さくさく読めそうで読めない不思議な本でした。
設定が難しすぎるのかな。
2011年9月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
四篇とも社会派小説のプロットにファンタジーのガジェットを使っているが、正直なところ、それを上手く描けているとは言い難い 『七階闘争』は世の中の不条理を風刺した作品であり、収められている四篇の中では一番の良作。★4といったところ。理由は、痛快な皮肉も本質を穿つ指摘もなく、行儀よく小綺麗にまとまっているから 『廃墟建築士』は★3〜4。奇をてらった社会派小説として徹底すれば面白かったであろうが、途中にある廃墟の描写が陳腐で面白くないのと、日本と欧米の関係を風刺することで結局何を伝えたかったのか、よくわからなかったのでこの評価である 『図書館』は★3だが、個人的には★1。他のレビューに通俗的なファンタジーに走りすぎたという評価があったがその通りである。だが私は普段ファンタジーを読み慣れているのでその視点から言わせてもらえば、この作品はファンタジーとしては描写や話の作り方が雑すぎる。そういう意味での★1である。 だが設定には魅力があり、普段、一般書を愛読している方には物珍しさから描写も鑑賞に耐えると思うので★3。 『蔵守』は★2〜★3。観念的なことを観念的に書いている。たぶん、面白いと思う人は面白いであろうし、分からない人にはあまり伝わって来ないであろう。そして私は後者である。おそらく職人の世代交代と技の継承について書いているのだろうと思ったが、蔵の一人称の部分が全く意味不明だった。
2009年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
未読者のために思いっきりざっくりした紹介を行うとしたら、星新一のショートショートばりの奇想天外な発想にもっと物語としての肉付けをしたという感じの短編が四作品そろえられた小説集。世界の一部がズレているのだが、しかし後の部分は社会制度的にも人間心理的にもだいたい我々の現実と同じだから、その落差が独自のエンターテイメント感覚とともに世の理不尽さへの怒りや人生に対する切なさを感じさせてくれておもしろい。「ズレ」の巧みさを堪能するなら「七階闘争」と「廃墟建築士」が秀逸であり、また現代に生きることの現実と理想に思いをはせるには「蔵守」がベストか。「図書館」は後半がやや通俗的なファンタジーに走りすぎた印象があり、「事件」の描写は素晴らしいがらも、「三崎亜記にしては」オリジナリティに乏しいように思えた。もっとも、どの作品も物語としての骨格はしっかりしており、他のどの作家も提供してくれない読後感をもたらしてくれることは間違いない。
2009年10月21日に日本でレビュー済み
この人の作品の中に出てくる日常っていうのは、
どこにもあるような毎日にちょっとしたズレがあって、
そのズレを周囲からディテールをしっかりと描きこむもんだから、
まるで行政の仕事のように定義付けが済んでいて、
なんだか当然のことで本当に起きていることのような気がしてくる。
最近は科学者の間でも、
多元宇宙の存在っていうのが
まことしやかに語られていて、それによると、
僕らの世界と全く同じ世界が、
同時にどこかに存在していてもおかしくはないらしい。
そこにはもうひとりの僕が
似たような世界で似たような暮らしているのかもしれない。
でも…全く同じなようで実は少し違っていて、
その違いがかなり決定的で、
僅かなんだけどでも決定的に異なる世界を、
どういうわけかこの三崎亜紀という作家は知っていて、
そこの住人の経験したことを翻訳して書いているのではないか…?
そんな想像をついしてみたくなる。
魅せられる…っていうの?
この本…そういう感覚に近い。
どこにもあるような毎日にちょっとしたズレがあって、
そのズレを周囲からディテールをしっかりと描きこむもんだから、
まるで行政の仕事のように定義付けが済んでいて、
なんだか当然のことで本当に起きていることのような気がしてくる。
最近は科学者の間でも、
多元宇宙の存在っていうのが
まことしやかに語られていて、それによると、
僕らの世界と全く同じ世界が、
同時にどこかに存在していてもおかしくはないらしい。
そこにはもうひとりの僕が
似たような世界で似たような暮らしているのかもしれない。
でも…全く同じなようで実は少し違っていて、
その違いがかなり決定的で、
僅かなんだけどでも決定的に異なる世界を、
どういうわけかこの三崎亜紀という作家は知っていて、
そこの住人の経験したことを翻訳して書いているのではないか…?
そんな想像をついしてみたくなる。
魅せられる…っていうの?
この本…そういう感覚に近い。
2012年10月26日に日本でレビュー済み
4編中で「七階闘争」がもっとも理解しやすく面白いと感じました。
七階での犯罪が多発することへの対策として、市内の七階を全て撤去するという市役所の決定をめぐる
顛末を描く話。
奇妙な設定ですが、その設定を差し引いてみると残るのは…。
・問題に対して、場当たりのピントの外れた対策を打ち出す集団
・根拠が薄くずれているとわかっていても、長いものに巻かれるしかない個人
・大義名分を隠れ蓑にした、個人の打算や自分の心のよりどころを守るためでしかない運動
(個人的な事情や感情が、たやすく大義っぽいものへの情熱にすり替えられていくこと)
・立場が変われば正義も変わり、正義は時として滑稽であること
…身の回りによくあるものです。誰でも心当たりの一つや二つはあるであろう事柄たち。
この話に奇妙さや滑稽さを感じるのは正常な感覚かもしれません。
でも、場面や立場が変われば自分も滑稽な登場人物の一人になっている可能性があるのだということ。
短編や中編作品を読むたびに、星新一に続くのは三崎さんしかいないなあと思います。
七階での犯罪が多発することへの対策として、市内の七階を全て撤去するという市役所の決定をめぐる
顛末を描く話。
奇妙な設定ですが、その設定を差し引いてみると残るのは…。
・問題に対して、場当たりのピントの外れた対策を打ち出す集団
・根拠が薄くずれているとわかっていても、長いものに巻かれるしかない個人
・大義名分を隠れ蓑にした、個人の打算や自分の心のよりどころを守るためでしかない運動
(個人的な事情や感情が、たやすく大義っぽいものへの情熱にすり替えられていくこと)
・立場が変われば正義も変わり、正義は時として滑稽であること
…身の回りによくあるものです。誰でも心当たりの一つや二つはあるであろう事柄たち。
この話に奇妙さや滑稽さを感じるのは正常な感覚かもしれません。
でも、場面や立場が変われば自分も滑稽な登場人物の一人になっている可能性があるのだということ。
短編や中編作品を読むたびに、星新一に続くのは三崎さんしかいないなあと思います。