現在、テレビでドラマ放送されているのに合わせて、購入。
前作『貴族探偵』から、新たにライバル役として、女探偵が登場。と言っても、貴族探偵こと御前様は女探偵のことを何とも思っていないご様子だが。
調査も推理も使用人任せでひたすら愛に生きる貴族探偵が、女探偵を小馬鹿にしてからかうさま、気障で嫌味な物言い、神出鬼没な登場の仕方が見所になっている。
ミステリ―としては、前作の方が真相に意外性のあるものが多く、本短編集は論理的推理を前面に打ち出して、真相自体は地味なものが多い。探偵が示すロジックの過程を追って考えるのが面倒、という人には面白くないだろう。
女探偵のダミー推理の方も楽しめる。
「白きを見れば」
"鬼隠しの井戸"のあるガスコン荘で起こった殺人事件。
梁に残った凶器の跡(犯人の身長)、スリッパで踏みつけられた血の跡、停電の時刻のアリバイ、紗知のボタンを入手できた人物、シャッターを片手で持ち上げた理由などからの消去法による犯人特定の推理。執事山本の推理は逆転の発想によるものだが、○○が自分のスリッパを履いていた理由が説得力に乏しい。
「色に出でにけり」
三人の恋人を家族に会わせるために別荘に招待した"女王様"依子。その内のひとりが自殺を装って、殺害される。
タオルが違う色に入れ替わった謎、臭いと氷の解け具合から推定された犯行時刻、手帳が盗まれた謎。
手帳が盗まれた謎は面白い真相ではあるが、ある方面の専門知識がないと推理できない。
使用人として、料理人の高橋が初登場。
「むべ山風を」
大学の研究室で起こった殺人事件。
シンクに残されていたティーカップの色、ゴミの分別を知らなかったことから熊本組と推定されること、死体発見時の被害者の位置と上座・下座の関係などから紡ぎだされるロジック。矛盾を解決する逆転の発想はなかなかのもの。
「幣もとりあへず」
"いづなさま"に願い事を頼むために、旅館に集まった6人と、その付き添いの貴族探偵と女探偵。6人の内のひとりはネットで話題になった人物。ひとりが浴場で殺される。
女探偵の説明を読んでいると、ある箇所で「あれ?」と混乱。よく考えてみると、「作者は地の文の中で嘘を書いてはいけない」というルールが守られたためであることがわかった。実際に、前に戻って確認してみると、ちゃんとルールが守られていた。書物で読むよりも、ドラマで見た方がわかりやすい作品の一例。
「なほあまりある」
ウミガメの産卵を見学するために、無人島の別荘に集まった人たち。女探偵は謎の人物に招待される。そこには貴族探偵の姿も。連続殺人が発生するが、使用人不在の中で、いよいよ貴族探偵自らが推理を披露するのだろうか?
テラスから部屋まで続く濡れた痕跡、バラの花を動かした理由、別荘の管理人が殺された理由などから、女探偵が推理を展開するが……。
ラストのオチが何とも痛烈。
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貴族探偵対女探偵 単行本 – 2013/10/25
麻耶 雄嵩
(著)
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「貴族探偵」を名乗る謎の男が活躍する、本格ミステリーシリーズ第2弾!
今回は新米女探偵・高徳愛香が、すべてにおいて型破りな「貴族探偵」と対決! 期待を裏切らない傑作トリックの5編収録。
今回は新米女探偵・高徳愛香が、すべてにおいて型破りな「貴族探偵」と対決! 期待を裏切らない傑作トリックの5編収録。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2013/10/25
- ISBN-104087715353
- ISBN-13978-4087715354
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2013/10/25)
- 発売日 : 2013/10/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4087715353
- ISBN-13 : 978-4087715354
- Amazon 売れ筋ランキング: - 642,853位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,787位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2017年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2024年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私はドラマを見てからこの原作を読みました。えっ?こんなのありと思いました。でもどちらもとても面白いです。ドラマをご覧になった方に是非読んで欲しいです。
2018年11月3日に日本でレビュー済み
前作、今作含めての感想。
探偵といいつつ自分はまったく推理しない貴族が事件解決する話。
時代劇の「水戸黄門」のようなイメージか(自分は動かず助さん格さん他が調査・懲らしめて最後印籠出す、という)。
昨今いろんな探偵がいる中でもマイナーだと思う。アイディアとしては好き。
ただ、肝心の人物に魅力がない。
探偵が女性に言い寄ったり、事件関係者にぞんざいな態度をとったりすることが目立ち、貴族の「洗練・高貴」というイメージを感じない。
成金のお坊ちゃまが暇を持て余して事件に首を突っ込むようにしか感じなかった。
「貴族探偵」というより「成金探偵」のほうがしっくりくる。
また、調査推理をする使用人は数人いるが、各人に特徴が無いので、探偵グループに好感度を抱く要素が無い。
個人的な意見だが、探偵役の人物は、ちょっとでも読者の感情にプラスに働く要素がないといけないと思っている。
せめて貴族の言動を優しくするか、各使用人に得意分野を与えて事件ごとに発揮させるとかしないと、推理部分を読んでも「いけすかない人たちがズバズバ真相言っているだけ」に感じて事件解決のすっきり感が無い。
今作新たに入った女探偵も、「師匠は~」ばかりで頼りない。
(これは文章の問題かもしれない)
とくに今作は貴族探偵と女探偵を対決させるのが目的かと思うが、各編コンセプトがそれ以上無いので単調に思った。
探偵といいつつ自分はまったく推理しない貴族が事件解決する話。
時代劇の「水戸黄門」のようなイメージか(自分は動かず助さん格さん他が調査・懲らしめて最後印籠出す、という)。
昨今いろんな探偵がいる中でもマイナーだと思う。アイディアとしては好き。
ただ、肝心の人物に魅力がない。
探偵が女性に言い寄ったり、事件関係者にぞんざいな態度をとったりすることが目立ち、貴族の「洗練・高貴」というイメージを感じない。
成金のお坊ちゃまが暇を持て余して事件に首を突っ込むようにしか感じなかった。
「貴族探偵」というより「成金探偵」のほうがしっくりくる。
また、調査推理をする使用人は数人いるが、各人に特徴が無いので、探偵グループに好感度を抱く要素が無い。
個人的な意見だが、探偵役の人物は、ちょっとでも読者の感情にプラスに働く要素がないといけないと思っている。
せめて貴族の言動を優しくするか、各使用人に得意分野を与えて事件ごとに発揮させるとかしないと、推理部分を読んでも「いけすかない人たちがズバズバ真相言っているだけ」に感じて事件解決のすっきり感が無い。
今作新たに入った女探偵も、「師匠は~」ばかりで頼りない。
(これは文章の問題かもしれない)
とくに今作は貴族探偵と女探偵を対決させるのが目的かと思うが、各編コンセプトがそれ以上無いので単調に思った。
2018年6月2日に日本でレビュー済み
2013年に出た単行本の文庫化。
「貴族探偵」シリーズの第2弾。「白きを見れば」「色に出でにけり」「むべ山風を」「幣もとりあえず」「なほあまりある」の5話が収録されている。
今回はライバルとして女探偵が登場する。理想に燃え、腕も悪くなく、いい女なのだが、それだけ引き立て役としてちょうどいいのも事実。
ラストでは、貴族探偵のひとをなめたような「推理」が炸裂し、なんともいえない気分になる。おもしろい。
「貴族探偵」シリーズの第2弾。「白きを見れば」「色に出でにけり」「むべ山風を」「幣もとりあえず」「なほあまりある」の5話が収録されている。
今回はライバルとして女探偵が登場する。理想に燃え、腕も悪くなく、いい女なのだが、それだけ引き立て役としてちょうどいいのも事実。
ラストでは、貴族探偵のひとをなめたような「推理」が炸裂し、なんともいえない気分になる。おもしろい。
2017年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前作の雰囲気をそのまま、新しいキャラクターも登場し、よりパワーアップした続編的位置付けの作品です。
短編がいくつか収録されているので、こちらから読んでも問題ありませんが、「貴族探偵」を読んでからの方がより世界観も分かりやすく、対比として登場する女探偵のキャラクターにも愛着が沸きます。
前作同様「探偵とは何か」が大前提として掲げられていて、女探偵が登場した事で、その比較がよりクローズアップされているように感じました。
個人的には、女探偵の心中を察するあまり非常に悲しい思いをしてしまいましたが、それこそが現代社会に対しての問い掛けのようにも思えてなりません。
物語に登場する空間を脳内で映像変換し、自分自身でも推理しながら読み進めると、ひっくり返されるものもありますので、前作同様楽しめる作品です。
短編がいくつか収録されているので、こちらから読んでも問題ありませんが、「貴族探偵」を読んでからの方がより世界観も分かりやすく、対比として登場する女探偵のキャラクターにも愛着が沸きます。
前作同様「探偵とは何か」が大前提として掲げられていて、女探偵が登場した事で、その比較がよりクローズアップされているように感じました。
個人的には、女探偵の心中を察するあまり非常に悲しい思いをしてしまいましたが、それこそが現代社会に対しての問い掛けのようにも思えてなりません。
物語に登場する空間を脳内で映像変換し、自分自身でも推理しながら読み進めると、ひっくり返されるものもありますので、前作同様楽しめる作品です。
2015年8月9日に日本でレビュー済み
一話ごとに完結するミステリ短編の連作です。
設定は漫画です。
貴族探偵…超金持ちで、執事やメイドを引き連れている、女たらし
女探偵…亡き師匠を慕う、名探偵らしい
小説としては読み進めるのに苦労します。まず、登場人物の誰にも感情移入できない。
ミステリネタも、ミステリのための謎という感じで、続きが気にならない。
最後の一話のために、ほかの話がある感じです。
女探偵が貴族探偵のための当て馬でしかないのですが、その理由が最後にわかります。
そこが唯一面白いところでした。
ただ、この作品の前提作品を読まないと分からないのだろうと思います。
マニアックなファン向けの作品っぽいので、普通に本屋で手に取って読んだだけの人にとっては、大外れかもしれません。
設定は漫画です。
貴族探偵…超金持ちで、執事やメイドを引き連れている、女たらし
女探偵…亡き師匠を慕う、名探偵らしい
小説としては読み進めるのに苦労します。まず、登場人物の誰にも感情移入できない。
ミステリネタも、ミステリのための謎という感じで、続きが気にならない。
最後の一話のために、ほかの話がある感じです。
女探偵が貴族探偵のための当て馬でしかないのですが、その理由が最後にわかります。
そこが唯一面白いところでした。
ただ、この作品の前提作品を読まないと分からないのだろうと思います。
マニアックなファン向けの作品っぽいので、普通に本屋で手に取って読んだだけの人にとっては、大外れかもしれません。
2016年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「貴族探偵」シリーズの第二弾で、今回は<推理合戦>という趣向を用意している。5つの短編から構成される連作短編集で、各短編の題名は百人一首から採っている。日本における<推理合戦>という趣向の嚆矢は安吾の「安吾捕物帖」だと思うが、本作の体裁は笹沢左保氏「セブン殺人事件」と似ている。違うのは前作同様に「貴族探偵」が「***」しない点である。また、若い「女探偵」がある亡くなった師匠の弟子という設定は、P・D・ジェイムズ「女には向かない職業」を強く想起させる。
結局、本作の特徴は、これまた前作同様、「『貴族探偵』が『***』しない点」に尽きると言って良い。これだけでは流石に物足りないので、各短編に込められたトリックに期待したい所だが、事件構造が単純な上に、そのトリック・動機は平凡極まりない(犯人側のトリックがない短編も多い)。「女探偵」の推理は、幾ら引き立て役と言っても、蓋然性の高さに依存した粗雑なもので、提示される解決も隙だらけという印象が強い。特に、「幣もとりあへず」では「地の文でウソを書いてはならない」というミステリのルールを破っている。また、全ての短編において、同一人物を恣意的に名字で呼んだり、下の名前で呼んだりして読者を混乱させる手法も如何なものか。第一、確かに「貴族探偵」は「***」しないが、代りに、使用人が「***」するので、本作の設定に本当に意味があるのか否か相当に疑問である。好意的に見れば、「ミステリにおける探偵の役割とは何か」を突き詰めた作品と言えるかも知れないが。
作者の作品には"ある狙い"を秘めたものが多い。例えば、整合性を敢えて無視してまでも衝撃度の強さを狙った「夏と冬の奏鳴曲」(毀誉褒貶が激しいが、私の好み)等など、野心的な作家ではある。ただし、その狙いが読者の好みとヒットしなければ、空振り率も高いというリスクを伴う。残念ながら本作の狙いは私の好みにはヒットせず、趣向倒れに終ってしまった感が否めなかった。
結局、本作の特徴は、これまた前作同様、「『貴族探偵』が『***』しない点」に尽きると言って良い。これだけでは流石に物足りないので、各短編に込められたトリックに期待したい所だが、事件構造が単純な上に、そのトリック・動機は平凡極まりない(犯人側のトリックがない短編も多い)。「女探偵」の推理は、幾ら引き立て役と言っても、蓋然性の高さに依存した粗雑なもので、提示される解決も隙だらけという印象が強い。特に、「幣もとりあへず」では「地の文でウソを書いてはならない」というミステリのルールを破っている。また、全ての短編において、同一人物を恣意的に名字で呼んだり、下の名前で呼んだりして読者を混乱させる手法も如何なものか。第一、確かに「貴族探偵」は「***」しないが、代りに、使用人が「***」するので、本作の設定に本当に意味があるのか否か相当に疑問である。好意的に見れば、「ミステリにおける探偵の役割とは何か」を突き詰めた作品と言えるかも知れないが。
作者の作品には"ある狙い"を秘めたものが多い。例えば、整合性を敢えて無視してまでも衝撃度の強さを狙った「夏と冬の奏鳴曲」(毀誉褒貶が激しいが、私の好み)等など、野心的な作家ではある。ただし、その狙いが読者の好みとヒットしなければ、空振り率も高いというリスクを伴う。残念ながら本作の狙いは私の好みにはヒットせず、趣向倒れに終ってしまった感が否めなかった。
2016年11月5日に日本でレビュー済み
麻耶雄嵩の「貴族探偵」第2弾である。
本作を読む前に第1弾を読んでおいたほうが、貴族探偵が貴族探偵たりえる理由などの背景事情が分かりやすいので、より楽しめるのではないかと思う。
また、連作短編の形をとっているが、メインの登場人物である「女探偵」のからみから、実質的に繋がったお話だと思って読んだほうが良いだろう。
1編目から3編目は、貴族探偵に振り回される女探偵をコミカルに描きつつ、ある理由(雪の山荘、絶海の孤島、など)から限定されてしまう捜査情報から犯人を特定していく推理合戦の妙が楽しい。これはもうサクサクと読んでいけばOK。
4編目はちょっと様相が異なるのである。同じ調子でサクサクと読んでいくと・・・あれ???と。さ、ここからページを戻っての読み直しが始まる。本格ミステリの醍醐味であると個人的には思う。そして、えぇ~というどんでん返し。楽しい。
5編目。これまでとちょっと異なる状況での事件勃発。女探偵はやむをえず真相究明に乗り出すのだが・・・結末近くでへぇ~と思わせておいてこれもどんでん返しが待っているのだ。
いや楽しいですね。前作ではエキセントリックさを前面にだしていただけのような感じもしたのだが、実は壮大な伏線だったのかということか。
本作を読む前に第1弾を読んでおいたほうが、貴族探偵が貴族探偵たりえる理由などの背景事情が分かりやすいので、より楽しめるのではないかと思う。
また、連作短編の形をとっているが、メインの登場人物である「女探偵」のからみから、実質的に繋がったお話だと思って読んだほうが良いだろう。
1編目から3編目は、貴族探偵に振り回される女探偵をコミカルに描きつつ、ある理由(雪の山荘、絶海の孤島、など)から限定されてしまう捜査情報から犯人を特定していく推理合戦の妙が楽しい。これはもうサクサクと読んでいけばOK。
4編目はちょっと様相が異なるのである。同じ調子でサクサクと読んでいくと・・・あれ???と。さ、ここからページを戻っての読み直しが始まる。本格ミステリの醍醐味であると個人的には思う。そして、えぇ~というどんでん返し。楽しい。
5編目。これまでとちょっと異なる状況での事件勃発。女探偵はやむをえず真相究明に乗り出すのだが・・・結末近くでへぇ~と思わせておいてこれもどんでん返しが待っているのだ。
いや楽しいですね。前作ではエキセントリックさを前面にだしていただけのような感じもしたのだが、実は壮大な伏線だったのかということか。