3.11直後、福島第一原発が、水素爆発ではなく原子炉爆発を起こしたという、あり得たかもしれない世界を描く。
東京からも政府は避難し、首都は大阪である。
2020年には大阪オリンピックが開かれようとしている。
そうした状況を背景に、日本で生まれた日系ブラジル人の子どもでありながら、ドバイの赤ちゃんマーケットで日本女性に買われた少女をめぐる物語である。
『暗い谷を行く』の感想で、ノンフィクションではなく小説だからこそ迫れる時代の本質というものがあると書いた。
桐野夏生で言えば、『グロテスク』や本作がそうであるように思う。
『暗い谷を行く』には、そうは感じなかったのだが。
本作は桐野夏生の本領発揮というか、展開のダイナミックさは彼女ならでは。
バラカの義理の父となる悪の権化のような人物の描写も凄まじい(嫌悪感を引き起こすという意味で)が、ストーリーの疾走感にも圧倒される。
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バラカ 単行本 – 2016/2/26
桐野 夏生
(著)
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私の「震災履歴」は、この小説と共にありました。
重力に逆らい、伸びやかに書いたつもりです。
まだ苦難の中にいる人のために、ぜひ読んでください。 桐野夏生
今、この時代に、読むべき物語。
桐野文学の最高到達点!
震災のため原発4基がすべて爆発した! 警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。彼女がその後の世界を変えていく存在だったとは――。
ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪そして勇気。想像を遥かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!
子供欲しさにドバイの赤ん坊市場を訪れる日本人女性、酒と暴力に溺れる日系ブラジル人、絶大な人気を誇る破戒的牧師、フクシマの観光地化を目論む若者集団、悪魔的な権力を思うままにふるう謎の葬儀屋、そして放射能警戒区域での犬猫保護ボランティアに志願した老人が見つけた、「ばらか」としか言葉を発さない一人の少女……。人間達の欲望は増殖し、物語は加速する。そして日本は滅びに向かうのだろうか――。
桐野夏生が2011年夏から4年にわたって、危機的な日本と並行してリアルタイムに連載してきた作品が、震災から5年を経た今、ついに書籍化!
重力に逆らい、伸びやかに書いたつもりです。
まだ苦難の中にいる人のために、ぜひ読んでください。 桐野夏生
今、この時代に、読むべき物語。
桐野文学の最高到達点!
震災のため原発4基がすべて爆発した! 警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。彼女がその後の世界を変えていく存在だったとは――。
ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪そして勇気。想像を遥かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!
子供欲しさにドバイの赤ん坊市場を訪れる日本人女性、酒と暴力に溺れる日系ブラジル人、絶大な人気を誇る破戒的牧師、フクシマの観光地化を目論む若者集団、悪魔的な権力を思うままにふるう謎の葬儀屋、そして放射能警戒区域での犬猫保護ボランティアに志願した老人が見つけた、「ばらか」としか言葉を発さない一人の少女……。人間達の欲望は増殖し、物語は加速する。そして日本は滅びに向かうのだろうか――。
桐野夏生が2011年夏から4年にわたって、危機的な日本と並行してリアルタイムに連載してきた作品が、震災から5年を経た今、ついに書籍化!
- 本の長さ656ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2016/2/26
- ISBN-104087716465
- ISBN-13978-4087716467
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2016/2/26)
- 発売日 : 2016/2/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 656ページ
- ISBN-10 : 4087716465
- ISBN-13 : 978-4087716467
- Amazon 売れ筋ランキング: - 395,697位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9,394位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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桐野 夏生(きりの・なつお)
1951年生まれ。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。98年『OUT』で日本推理作家協会賞(同作品は英訳され、日本人初のエ ドガー賞候補となる)、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で 婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 メタボラ(上) (ISBN-13: 978-4022645548 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
バラカをとりまく物語。
プライドの高い女たち、人身売買、外国人労働者、大震災・・
社会性の高いテーマがたくさん盛り込まれ、そのなかにバラカがいた。
バラカが産まれるまえ、および、ことばを発しない幼少のころのストーリーが抜群におもしろかった。
残念なのは、後半、ぱたぱたと話がまとめられてしまったように見えること。とくに、ヒールの立ち位置にいたある人物の書かれ方が、もったいなかった。「いや、この人、もっと悪辣だろ、そんなおとなしくないだろ」、と思いながら読んだ。この小説がもともと連載小説だったことと関係あるのだろうか? 終わりの時期が決まっていて、無理矢理クローズした感じだ。単行本化にあたって、もっと書き加えてほしかったなと思う。
とはいえ、桐野氏の、読者を引きこむ力はよく発揮されていたと思う。☆4つで。
プライドの高い女たち、人身売買、外国人労働者、大震災・・
社会性の高いテーマがたくさん盛り込まれ、そのなかにバラカがいた。
バラカが産まれるまえ、および、ことばを発しない幼少のころのストーリーが抜群におもしろかった。
残念なのは、後半、ぱたぱたと話がまとめられてしまったように見えること。とくに、ヒールの立ち位置にいたある人物の書かれ方が、もったいなかった。「いや、この人、もっと悪辣だろ、そんなおとなしくないだろ」、と思いながら読んだ。この小説がもともと連載小説だったことと関係あるのだろうか? 終わりの時期が決まっていて、無理矢理クローズした感じだ。単行本化にあたって、もっと書き加えてほしかったなと思う。
とはいえ、桐野氏の、読者を引きこむ力はよく発揮されていたと思う。☆4つで。
2019年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
桐野先生の本が好きで、ほとんど読んでいます。
前半は、いつものようにわくわく読み進められ、パウロはいつどうやってバラカに会えるのか。。?!沙羅と優子の顛末は。。?!と思っていました。
しかし後半になってびっくり。沙羅も優子もわけもわからずいきなり死んで、パウロは結局バカラに会えずじまいとか。。最後まで読んで、川島も牧師も一体何だったのか。。。。という感じです。いやむしろバラカ自体も一体なんだったのかと。。
結局何が伝えたかったのかわからない。後半を書き直して欲しいです。
前半は、いつものようにわくわく読み進められ、パウロはいつどうやってバラカに会えるのか。。?!沙羅と優子の顛末は。。?!と思っていました。
しかし後半になってびっくり。沙羅も優子もわけもわからずいきなり死んで、パウロは結局バカラに会えずじまいとか。。最後まで読んで、川島も牧師も一体何だったのか。。。。という感じです。いやむしろバラカ自体も一体なんだったのかと。。
結局何が伝えたかったのかわからない。後半を書き直して欲しいです。
2016年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ひとりの女の子をめぐる、
しかしあらゆる故郷を失った人々の、
すでに今日どこかで起こっている、
もう明日起こるかもしれない
物語です。
ここに悪人はいない。
川島ですらただの手先に過ぎない。
彼は堕天使。
悪と闘うためには
エゴを捨てた彼方にあるのだと思う。
勇気をいただきました。
バラカを待っててはいけない。
しかしあらゆる故郷を失った人々の、
すでに今日どこかで起こっている、
もう明日起こるかもしれない
物語です。
ここに悪人はいない。
川島ですらただの手先に過ぎない。
彼は堕天使。
悪と闘うためには
エゴを捨てた彼方にあるのだと思う。
勇気をいただきました。
バラカを待っててはいけない。
2017年1月9日に日本でレビュー済み
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すごい、この世界をこのように描いて、さすが桐野夏生という感じです。
物語は、311のあの危機を乗り越えた世界だけど、現実とはちょっと違っている。
福島の原発は4基とも爆発し、東日本には住めなくなっている。
主人公はバラカとよばれる少女、日本で生まれ、誘拐され、ドバイの市場で売られ、福島の放射能汚染地区で発見される。
原発事故後、反原発派は現商業資本主義に抵抗しているが、原発推進派により、アンダーグラウンドの中で抹殺されていく。
もしかして、現状もこうなのではとも思ってしまう。どこまでがフィクションで、どこまでが本当なのか。
物語は、311のあの危機を乗り越えた世界だけど、現実とはちょっと違っている。
福島の原発は4基とも爆発し、東日本には住めなくなっている。
主人公はバラカとよばれる少女、日本で生まれ、誘拐され、ドバイの市場で売られ、福島の放射能汚染地区で発見される。
原発事故後、反原発派は現商業資本主義に抵抗しているが、原発推進派により、アンダーグラウンドの中で抹殺されていく。
もしかして、現状もこうなのではとも思ってしまう。どこまでがフィクションで、どこまでが本当なのか。
2019年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
男なんてイラネ!全員死ねばいいのに!!と思ってるキャリアウーマン二人組と、彼女達と大学時代に付き合っていたが、ホモに目覚めて、女なんてイラネ!全員死ねばいいのに!!と思ってる男の養女になった日系ブラジル人の少女バラカの過酷な人生を描く、21世紀の新しい東日本大震災SFホラーハードボイルド。
史実より原発被害が酷い世界が舞台である。
関東から東は住めなくなって、首都も大阪に移転する未来世界である。
被災者が地震のどさくさ紛れに殺人するのは東野圭吾にもあったが、毒ある桐野なので、被災者(反原発主義者)も原発推進者もとんでもない人物が目立つ。
こんな本書いて、原発推進者に桐野は暗殺されないかと心配になる。
安易な感情の共感を許さない桐野の気持ち悪い世界に酔いしれろ!
史実より原発被害が酷い世界が舞台である。
関東から東は住めなくなって、首都も大阪に移転する未来世界である。
被災者が地震のどさくさ紛れに殺人するのは東野圭吾にもあったが、毒ある桐野なので、被災者(反原発主義者)も原発推進者もとんでもない人物が目立つ。
こんな本書いて、原発推進者に桐野は暗殺されないかと心配になる。
安易な感情の共感を許さない桐野の気持ち悪い世界に酔いしれろ!
2017年5月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原爆後のディストピアを描くのが本当にいい発想だと思うのに。
原爆も書きたい、ジェンダーも書きたい、海外幼児売買も書きたい、人間の黒い面や空虚な面も書きたい、結局何も十分に描けなかったって感じ。
原爆も書きたい、ジェンダーも書きたい、海外幼児売買も書きたい、人間の黒い面や空虚な面も書きたい、結局何も十分に描けなかったって感じ。
2016年4月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あり得る現実――この作家に、構想する力は衰えていない。
群馬県で働く日系ブラジル人夫婦は、夫の飲酒癖で夫婦仲に亀裂が入る。飲酒をやめるためには、いっそイスラム教国に。乳飲み子を連れた夫婦はドバイに渡る。一方、東京で暮らす男性不信の30代の編集者は、子どもを切に欲する。友人のテレビウーマンに「ドバイには赤ちゃん販売店」があると誘われ、旅した。買った子どもの名前は「バラカ」で連れ帰るが、なつかない。編集者は妊娠し、結婚する。夫の仕事の都合で仙台にいったときに、震災が発生。福島原発は爆発し、関東地方も避難勧告。首都は大阪に移転。愛されないバカラは、被災地をさまよう。甲状腺癌にかかった美少女バカラは、原発反対派・推進派双方が利用しようとつけねらう。10歳のバラカの冒険は――。
ドバイのショッピングモールの暗い一角に、貧しさから売られた赤ん坊を陳列する店。現代世界で欲望の極点の都市のひとつドバイでは、あっても不思議ではない。桐野は読者をそう思わせる。実際よりひどい原発事故となり、東京にも一時避難勧告が出て、多くの住民は西へ避難。閑散とした東京は、出稼ぎの外国人労働者がすみつく街となった。5年前、事故処理を少し誤れば、いや、運がもうちょっとだけ悪ければ、実際になっていた事態だ。こうした「あり得る現実」を説得的に描くのが、桐野はあきれるほどうまい。「優しいおとな」では、代々木公園に子どもホームレスが棲息している実態を描いた。信じてしまう。子どもを欲する30代女性の欲望のいやらしさ、醜さを描く彼女の筆力は、これまでの作品同様、冴えわたる。
こうした背景の「あり得さ」やリアリティーに対し、主人公の少女の冒険譚には現実味がほとんどない。したがって物語としては失格。しかし、読む意義は大きい。5年前の原発事故と、それによっていまも苦しむ人々が膨大にいることをすぐ忘れてしまう私たち。この忘却と、おのれの怠惰に気づかざるをえない。その意味で、読むべし。日頃から、フクシマを考えている人は読む必要がない。
群馬県で働く日系ブラジル人夫婦は、夫の飲酒癖で夫婦仲に亀裂が入る。飲酒をやめるためには、いっそイスラム教国に。乳飲み子を連れた夫婦はドバイに渡る。一方、東京で暮らす男性不信の30代の編集者は、子どもを切に欲する。友人のテレビウーマンに「ドバイには赤ちゃん販売店」があると誘われ、旅した。買った子どもの名前は「バラカ」で連れ帰るが、なつかない。編集者は妊娠し、結婚する。夫の仕事の都合で仙台にいったときに、震災が発生。福島原発は爆発し、関東地方も避難勧告。首都は大阪に移転。愛されないバカラは、被災地をさまよう。甲状腺癌にかかった美少女バカラは、原発反対派・推進派双方が利用しようとつけねらう。10歳のバラカの冒険は――。
ドバイのショッピングモールの暗い一角に、貧しさから売られた赤ん坊を陳列する店。現代世界で欲望の極点の都市のひとつドバイでは、あっても不思議ではない。桐野は読者をそう思わせる。実際よりひどい原発事故となり、東京にも一時避難勧告が出て、多くの住民は西へ避難。閑散とした東京は、出稼ぎの外国人労働者がすみつく街となった。5年前、事故処理を少し誤れば、いや、運がもうちょっとだけ悪ければ、実際になっていた事態だ。こうした「あり得る現実」を説得的に描くのが、桐野はあきれるほどうまい。「優しいおとな」では、代々木公園に子どもホームレスが棲息している実態を描いた。信じてしまう。子どもを欲する30代女性の欲望のいやらしさ、醜さを描く彼女の筆力は、これまでの作品同様、冴えわたる。
こうした背景の「あり得さ」やリアリティーに対し、主人公の少女の冒険譚には現実味がほとんどない。したがって物語としては失格。しかし、読む意義は大きい。5年前の原発事故と、それによっていまも苦しむ人々が膨大にいることをすぐ忘れてしまう私たち。この忘却と、おのれの怠惰に気づかざるをえない。その意味で、読むべし。日頃から、フクシマを考えている人は読む必要がない。