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宙の家 単行本 – 1992/11/1
大島 真寿美
(著)
冬。静かに進む萩乃おばあちゃんの死。夏。ゆっくり溶けはじめる波貴くんの心の氷。地上11階、空に浮かぶ家に住む雛子・16歳の季節を横ぎっていった死、そして生。注目の作家、初の小説集!
- 本の長さ204ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日1992/11/1
- ISBN-10408772882X
- ISBN-13978-4087728828
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (1992/11/1)
- 発売日 : 1992/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 204ページ
- ISBN-10 : 408772882X
- ISBN-13 : 978-4087728828
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,022,943位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 497,154位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年4月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
青少年たちが主人公のお話、30代の私に学生時代のモラトリアムを思い出させてくれました。
2012年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「宙の家」第15回すばる文学賞候補作
久しぶりに積もった雪のせいで六時間目の英語の授業がカットになり地上十一階の宙の家(ソラノイエ)に少し早めに帰ってきた語り手の女子高生が遭遇したのは、祖父の死後、父母長女長男(弟)の家族と一緒に暮らすようになったの祖母との音信不通体験だった。
「空気」『すばる』1992年9月号
梅雨の終わり頃に地上に降りられなくなったのが発端となり、まるで腑抜けのように以前にも増して寝てばかりいる語り手の女子高生。そんな彼女に救いの手を差し伸べたのは、彼女と似た状況にいる社会人の兄を持つ弟の友人だった。
作家には二度と書けないお話があると思う。時期であったり、言葉は似通うがタイミングであったり、年齢であったり、構成であったり、省略であったり、もちろんテーマであったり…… 似たようなお話を書くことは出来る。ただひたすら、それを繰り返す作家もいる。が、そのときのそのお話はあのときのあのお話に昇華されて再現不能となる。たった一度だけ、その作家に書けたお話となるのだ。この作者にとって実際にそんな感慨はないかもしれない。けれども多くの読者がそれを感じるだろうと思えるのだ。まさしくそれは一回性だから生であってかつ死でもあり、両者の共有時空へと転生する。多くの大島作品と比べて、この作品が最高でも、またもや言葉は似通うが一番でもないだろう。けれどもその耀きは読者を無垢に魅了して止まないのだ。
久しぶりに積もった雪のせいで六時間目の英語の授業がカットになり地上十一階の宙の家(ソラノイエ)に少し早めに帰ってきた語り手の女子高生が遭遇したのは、祖父の死後、父母長女長男(弟)の家族と一緒に暮らすようになったの祖母との音信不通体験だった。
「空気」『すばる』1992年9月号
梅雨の終わり頃に地上に降りられなくなったのが発端となり、まるで腑抜けのように以前にも増して寝てばかりいる語り手の女子高生。そんな彼女に救いの手を差し伸べたのは、彼女と似た状況にいる社会人の兄を持つ弟の友人だった。
作家には二度と書けないお話があると思う。時期であったり、言葉は似通うがタイミングであったり、年齢であったり、構成であったり、省略であったり、もちろんテーマであったり…… 似たようなお話を書くことは出来る。ただひたすら、それを繰り返す作家もいる。が、そのときのそのお話はあのときのあのお話に昇華されて再現不能となる。たった一度だけ、その作家に書けたお話となるのだ。この作者にとって実際にそんな感慨はないかもしれない。けれども多くの読者がそれを感じるだろうと思えるのだ。まさしくそれは一回性だから生であってかつ死でもあり、両者の共有時空へと転生する。多くの大島作品と比べて、この作品が最高でも、またもや言葉は似通うが一番でもないだろう。けれどもその耀きは読者を無垢に魅了して止まないのだ。
2012年10月4日に日本でレビュー済み
宙の家と、空気という二篇の作品が入っていて、空気は続編だけど互いに自己完結している作品だと思います。
のちの作品に空はきんいろと言う児童向け作品がありますが、こちらも宙の家と似ている部分があると思います。
高層マンションのエレベーターを下る時に水の中に潜っていくイメージが出てきますが、この作品にはそういう
どこかで感じたことがあるようなイメージがいろいろと散りばめられていて、主人公自体が結構冷めていて共感
を求めてくるようなタイプではないので、こちらから歩み寄ってイメージを補完、共有していく過程がとても楽しく、
この作品を自分にとってかけがえのないものにしてくれました。
特に宙の家のラストシーンはとても好きです。映画でも見たかのように「たま」の曲「あくびの途中で」とエンド
ロール付きで頭にこびりついています。
のちの作品に空はきんいろと言う児童向け作品がありますが、こちらも宙の家と似ている部分があると思います。
高層マンションのエレベーターを下る時に水の中に潜っていくイメージが出てきますが、この作品にはそういう
どこかで感じたことがあるようなイメージがいろいろと散りばめられていて、主人公自体が結構冷めていて共感
を求めてくるようなタイプではないので、こちらから歩み寄ってイメージを補完、共有していく過程がとても楽しく、
この作品を自分にとってかけがえのないものにしてくれました。
特に宙の家のラストシーンはとても好きです。映画でも見たかのように「たま」の曲「あくびの途中で」とエンド
ロール付きで頭にこびりついています。
2010年7月2日に日本でレビュー済み
家に帰るとすぐ昼寝をして過ごす、少女が主役の物語。その習性に自分と通じるものを感じて余計、思い入れのある作品である。誰しもごく日常的に長い間暮らしているとそこにどこか気だるさが漂う生活になっていく。しかし、その日常的な積み重ねがある瞬間、あるきっかけを持って崩壊しかけ、自分の中の思ってもみなかった破壊衝動のようなものに駆られる。でもその破壊衝動は本能的、感情的な勢いを持つものではなく、ゆっくりと湧きがってくるようなものでそれ自体に破壊的なものがない、そんなあやふやなもの。そういうことにきっと気付ける不思議な小説だ。
2005年8月30日に日本でレビュー済み
大島さんの作品は好きなんですが、デビュー作を読むのが後回しになってました
これがデビュー作なんて旨い!
91年第15回すばる文学賞候補作『宙の家』と
1992年9月号に掲載された『空気』を所収
2作品とも主人公は同じ高校生のヒナコ
2作品とも人が人を変人と脅える状況にヒナコが遭遇する
本人にも理由のつかない行動、意識していないのに繰り返してしまう行動
人から見たら恐くなる変人と捉えかねないのに、本人の理由が不明で
いつ終わるのか全くつかめない
そういう不安定な心の位置が旨く描かれている
心が不安定な分、物事の境界線が曖昧で現実と夢の区別がつかなくなってゆく
他人からすれば、「現実逃避」とか「疲れてるんじゃない」とか理由をこじつけられそうな状態
危うい所に心があり、人から邪魔されず時間が欲しいときを
支離滅裂な文章にならず繊細に描ききったこの作品
感性の詰まった1冊です
これがデビュー作なんて旨い!
91年第15回すばる文学賞候補作『宙の家』と
1992年9月号に掲載された『空気』を所収
2作品とも主人公は同じ高校生のヒナコ
2作品とも人が人を変人と脅える状況にヒナコが遭遇する
本人にも理由のつかない行動、意識していないのに繰り返してしまう行動
人から見たら恐くなる変人と捉えかねないのに、本人の理由が不明で
いつ終わるのか全くつかめない
そういう不安定な心の位置が旨く描かれている
心が不安定な分、物事の境界線が曖昧で現実と夢の区別がつかなくなってゆく
他人からすれば、「現実逃避」とか「疲れてるんじゃない」とか理由をこじつけられそうな状態
危うい所に心があり、人から邪魔されず時間が欲しいときを
支離滅裂な文章にならず繊細に描ききったこの作品
感性の詰まった1冊です
2007年1月16日に日本でレビュー済み
マンション11階の、「ソラに近い場所」に住む高校生・雛子とその家族の、日常生活のほんの些細なずれがたんたんと描かれている。派手な話じゃないのに、これが青春で、これが夏休みで、これが成長だったんだって思える物語でした。
2019年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
直木賞受賞まで全く知らない作家でした。
今回の受賞作品は勿論読みますが、その前にこの方はどんな作風の方なのか知りたくて、レビューの評価と内容に惹かれて手にしました。
レビューは正解でした。デビュー作品なのに、スッキリ手慣れた仕上がりで、しかも女子高生が主人公なので、若々しいけれど、ぼんやりした日常があっさりしたバステル画の風景のように描かれていて、好感が持て、早速ファンになってしまいました。
今回の受賞作品は勿論読みますが、その前にこの方はどんな作風の方なのか知りたくて、レビューの評価と内容に惹かれて手にしました。
レビューは正解でした。デビュー作品なのに、スッキリ手慣れた仕上がりで、しかも女子高生が主人公なので、若々しいけれど、ぼんやりした日常があっさりしたバステル画の風景のように描かれていて、好感が持て、早速ファンになってしまいました。