北村薫は『謎』を描く作家であり、本書はそのエッセイ集である。
毎回毎回、僕たちが見過ごしてしまうような、身近でささやかな謎を、鮮やかに物語として昇華する筆者の文章は、このエッセイ集でも健在だ。北村薫ファンの人にはもちろん、『ミステリ』という言葉に悪いイメージを抱いてしまう人にこそ、読んで欲しい(そして北村薫の小説にも手を伸ばすきっかけにして欲しい)本である。
また、作中に宮部みゆき、有栖川有栖など、多くの作家が登場し、あまり見ることの出来ない日々のエピソードを読むこともできるので、北村薫氏の友人として名高い(?)作家のファンにとっても、意外な掘り出し物かもしれない。
難点をあげるとすれば、作者の本格推理への愛が深すぎるゆえに、時に島田荘司以降の推理小説しか読んでいない軟弱な読者にとっては未読の昭和三十年代の作品が、話題として頻出することくらいだろうか・・・・・。
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ミステリは万華鏡 単行本 – 1999/5/26
北村 薫
(著)
夢野久作『瓶詰地獄』、久生十蘭『湖畔』等のミステリの古典から西脇順三郎の詩、中国の宋の時代に描かれた猿の絵まで、文学に潜む謎を解く。極めつきのミステリマニアでもある著者が贈る知の愉しみ。
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日1999/5/26
- ISBN-104087744051
- ISBN-13978-4087744057
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
きれいな謎や楽しい謎。夢野久作「瓶詰地獄」などの古典ミステリから、西脇順三郎の詩、はては遠く中国の宋の時代に描かれた猿の絵まで。さまざまな素材をもとに、著者がミステリへの思いを語るエッセイ集。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (1999/5/26)
- 発売日 : 1999/5/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 272ページ
- ISBN-10 : 4087744051
- ISBN-13 : 978-4087744057
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,655,527位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 641位文学史
- - 42,935位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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北村 薫
1949(昭和24)年、埼玉県生れ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、’89(平成元)年「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。作品に『ニッポン硬貨の謎』(2006年本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(’09年直木賞受賞)など:本データは『1950年のバックトス (ISBN-13:978-4101373324 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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