あまりにも清潔な世界だから、良くも悪くも最後まで安心して読めた。
バレリーナを志していた優秀な踊り手が劇的な契機から別方面へ転向する…
その展開はダンスを題材にした物語ではありきたり中のありきたり…ではある。しかし小説として触れるのは初めてだったので私としては大満足。
ダンスのことを、文章であぶり出すのはひどくむつかしいこと。本作でも踊っているシーンとなるとあまりに簡潔が過ぎており物足りなさを感じる一面もあった。
でも、それを補って余るほどの官能描写(べつにエッチシーンが激しいとかではないんだけど)が凄まじく、感情を揺さぶられるものがあった。本当にドキドキさせてくれる。焦らしが上手い作家さんだ。ジプシー音楽やクラシックバレエの名曲が流れる本編だが、作品そのものを音楽に喩えるならディープハウスっすかね。というくらい焦らして解放。DMCの社長も濡れると思うわ(ネタが古い)
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アレグリア 単行本 – 2000/6/5
デビット・ゾペティ
(著)
14歳でトロントへバレエ留学し、プロダンサーとなった陽子が、かつての英語教師で、東京に住む米国人画家の〈僕〉に語る留学生活。異文化の中で生きる故郷離脱者たちの心身の揺らぎが浮かび上がる。
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2000/6/5
- ISBN-104087744736
- ISBN-13978-4087744736
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
14歳でカナダへ単身バレエ留学、プロのダンサーとして活動を始めた陽子が、かつての家庭教師で東京に住むアメリカ人の僕に語る8年間の留学生活。異文化の中で暮らすことによる心身の揺らぎを描いた物語。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2000/6/5)
- 発売日 : 2000/6/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 200ページ
- ISBN-10 : 4087744736
- ISBN-13 : 978-4087744736
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,360,767位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 31,832位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年6月16日に日本でレビュー済み
仕事、勉学、親の事情、時代の混乱。様々な理由で、人は本来住むべき場所でない町で、生きることを余儀なくされる。たとえそれが、自分でした決断だったとしても、別の場所に自分の人生があるべきなのではないか、という不安にかられる主人公。
生きる場所を選択出来る時代だからこそ、自分のルーツが曖昧になっている。
今生きている場所が、あなたのいるべき場所だよ、と主人公に声を掛けてあげたくなった。むろんそれは自分自身に言いたい事なのだが。
生きる場所を選択出来る時代だからこそ、自分のルーツが曖昧になっている。
今生きている場所が、あなたのいるべき場所だよ、と主人公に声を掛けてあげたくなった。むろんそれは自分自身に言いたい事なのだが。
2006年7月8日に日本でレビュー済み
この作品には多面的な魅力があります。1つは美しく厳しいバレエの世界。2つ目は恋に心を迷わせる若者達の青春。3つ目は自分の居場所(ルーツ)を求めて日本とカナダの間をさまよう主人公の葛藤です。
バレエの描写はとてもリアルで、またどこか青春の香りが漂います。
主人公のヨウコの心の変化が踊りの変化につながっていくという所が読んでいて心を動かされました。自分の居場所(ルーツ)と生きがいを求めながら、スタイルを変えて踊り続ける主人公に共感を覚えます。
バレエを愛する人、自分の道を探求している人、純粋に良い物語が読みたい人にお勧めです。
バレエの描写はとてもリアルで、またどこか青春の香りが漂います。
主人公のヨウコの心の変化が踊りの変化につながっていくという所が読んでいて心を動かされました。自分の居場所(ルーツ)と生きがいを求めながら、スタイルを変えて踊り続ける主人公に共感を覚えます。
バレエを愛する人、自分の道を探求している人、純粋に良い物語が読みたい人にお勧めです。