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サウンドトラック 単行本 – 2003/9/5
古川 日出男
(著)
2009年・ヒートアイランド化した東京。神楽坂にはアザーンが流れ、西荻窪ではガイコクジン排斥の嵐が吹き荒れていた。これは真実か夢か。熱帯都市・東京をサバイブする若者を活写する長編。 さらに詳しくはこちらへ
- 本の長さ456ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2003/9/5
- ISBN-104087746615
- ISBN-13978-4087746617
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
2009年。ヒートアイランド化した東京。これは真実か、夢か。熱帯都市・東京をサバイブする若者たちを描く長編小説。『小説すばる』掲載の3作品をもとに構成した前半部分と、書き下ろしの後半をまとめて単行本化。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2003/9/5)
- 発売日 : 2003/9/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 456ページ
- ISBN-10 : 4087746615
- ISBN-13 : 978-4087746617
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,253,204位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 29,165位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2004年7月10日に日本でレビュー済み
3つの短編を合わせただけあってどこかチグハグ、脇役の生い立ちなどあまり本編と関係ないところに文使いすぎ、なにより話が恐ろしく中途半端で終わっているのがかなりいただけないです。ヒツジコも「世界を変えようとする」動機が恐ろしく幼いし、トウタにいたっては何がしたいのか全く分りません。テレジア編は面白かったですけど。しかしテレジア編は相当漫画、アニメ臭くてなんだかなぁと思いました。
2006年3月8日に日本でレビュー済み
ヒートアイランド化が極限状態を迎え、異質に変転していく東京を舞台にした近未来(ほんの数年後)少年少女サバイバル小説。村上龍の「コインロッカーベイビーズ」(集英社)を彷彿とさせるハードな雰囲気に魅力を感じる。ただ後半の書き下ろし部分には賛否両論あるのではないだろうか。違う小説を読んでいるような気がした。前半で積み上げてきたあらゆるものをぶっこわし、呆気にとられているうちに、先走り風畳み掛けで一気に物語を収束してしまう。著者は自分で書いていて面白いかもしれないが、読者はひいてしまう。そんな温度差の乖離を感じた。傑作「ベルカ、吠えないのか?」(文藝春秋)のアイデアの片鱗がうかがえたのは興味深いけれど。残念な作品だったと思う。
2007年7月24日に日本でレビュー済み
トウタは破壊する事を望む、淘汰する事を渇望する。
ニホンジンと言う先住者。
熱帯の異邦と化した「新東京」を認めない温帯人達を。
温帯人は熱帯には住めない。いずれ淘汰される。
それを知っているから、トウタは破壊しない。
怒りを感じながらも淘汰しない。
準備する。
何を?
いずれ無主となる「新東京」にヤギの王国を立てる準備を。
同じく、そこに住む権利を持つ者達と争う準備を。
あるいは、手を繋ぐ準備を。
カラスは最初の同朋だ。
ヒツジコは破壊する、創造する。
羊達を追い立て、柵に押し込める全てを。
羊達を率いて、破壊し、創造し、独立する。
羊の国に、ヤギとカラスが訪れ、新東京はどうなっていくのか?
物語はそこまで語る必要はない。
ニホンジンと言う先住者。
熱帯の異邦と化した「新東京」を認めない温帯人達を。
温帯人は熱帯には住めない。いずれ淘汰される。
それを知っているから、トウタは破壊しない。
怒りを感じながらも淘汰しない。
準備する。
何を?
いずれ無主となる「新東京」にヤギの王国を立てる準備を。
同じく、そこに住む権利を持つ者達と争う準備を。
あるいは、手を繋ぐ準備を。
カラスは最初の同朋だ。
ヒツジコは破壊する、創造する。
羊達を追い立て、柵に押し込める全てを。
羊達を率いて、破壊し、創造し、独立する。
羊の国に、ヤギとカラスが訪れ、新東京はどうなっていくのか?
物語はそこまで語る必要はない。
2009年7月29日に日本でレビュー済み
古川日出男の作品の中で「サウンドトラック」をベストとする人は少ないでしょう。
「アラビアの夜の種族」や「ベルカ吠えないのか?」の
小説として完成された世界にはかなわないし、
「LOVE」以降の読みやすい文章とは真逆の攻撃的な文体。
正直、読みづらいし欠点も物凄くあると思います。
でも、でも、あたしの中ではベストなんです。大好きな本のベスト5に入るくらいに。
ヒートアイランド現象が加速した近未来の東京が舞台。
独自の「踊り」を武器に世界を動かす少女、ヒツジコ。
映像を武器にゲリラ戦を仕掛ける、性を自らの意思でチェンジできる子供、レニ。
そしてその二人を繋ぎ得るのは、先天的に音楽が死んでいるサウンドトラックレスな少年、トウタ。
そんな魅力的なキャラを操る、古川日出男の詩的緊張感全開の文章と物語力。
「ハル、ハル、ハル」の帯に寄せられた爆笑問題の太田光氏の言葉は、
「サウンドトラック」の方にこそ相応しいと思います。
あたしはこの小説を読んで初めて思いました。
「文学はテロ」となり得るのです。
「アラビアの夜の種族」や「ベルカ吠えないのか?」の
小説として完成された世界にはかなわないし、
「LOVE」以降の読みやすい文章とは真逆の攻撃的な文体。
正直、読みづらいし欠点も物凄くあると思います。
でも、でも、あたしの中ではベストなんです。大好きな本のベスト5に入るくらいに。
ヒートアイランド現象が加速した近未来の東京が舞台。
独自の「踊り」を武器に世界を動かす少女、ヒツジコ。
映像を武器にゲリラ戦を仕掛ける、性を自らの意思でチェンジできる子供、レニ。
そしてその二人を繋ぎ得るのは、先天的に音楽が死んでいるサウンドトラックレスな少年、トウタ。
そんな魅力的なキャラを操る、古川日出男の詩的緊張感全開の文章と物語力。
「ハル、ハル、ハル」の帯に寄せられた爆笑問題の太田光氏の言葉は、
「サウンドトラック」の方にこそ相応しいと思います。
あたしはこの小説を読んで初めて思いました。
「文学はテロ」となり得るのです。
2003年9月27日に日本でレビュー済み
熱帯と化した東京。じっとりと熱い空気に取り囲まれた東京は、ソフトな管理とどうしようもなく出口を見つけられない閉塞感に囲まれた現在の東京の喩え。
取り囲むものの顏も見えず、閉じこめられた理由も自らの手では防いだり、回避したりできない。
「トウタ」と「ヒツジコ」と「レニ」は、コインロッカーのように閉じられた東京を破壊した「ハシ」「キク」「アネモネ」と姿を重ねる。
映画。ダンス。音楽。サウンドトラック・レス。ガイジン。鴉。豚。犬。娼婦。
開放感に満ちあふれた今を破壊しようとする意志とスピードは、読んでいて気持ちが良い。
現実的と言う意味ではないリアリティが、本の中に溢れている。
物語の展開にカタルシスを得る物語ではないけれど、今この場所を壊してしまいたいと言うこの底にある衝動と共鳴する物語だ。
十代に読んで欲しい。
マンガのように不抜けていない。物語の衝動とスピードに触れて欲しい。
取り囲むものの顏も見えず、閉じこめられた理由も自らの手では防いだり、回避したりできない。
「トウタ」と「ヒツジコ」と「レニ」は、コインロッカーのように閉じられた東京を破壊した「ハシ」「キク」「アネモネ」と姿を重ねる。
映画。ダンス。音楽。サウンドトラック・レス。ガイジン。鴉。豚。犬。娼婦。
開放感に満ちあふれた今を破壊しようとする意志とスピードは、読んでいて気持ちが良い。
現実的と言う意味ではないリアリティが、本の中に溢れている。
物語の展開にカタルシスを得る物語ではないけれど、今この場所を壊してしまいたいと言うこの底にある衝動と共鳴する物語だ。
十代に読んで欲しい。
マンガのように不抜けていない。物語の衝動とスピードに触れて欲しい。
2004年1月4日に日本でレビュー済み
間違い無く古川日出男の最高傑作といえる。
父と音の死とともにトウタが、母の死と一握りの奇跡とともにヒツジコが、山羊のみが棲む無人島に流れ着く。その出会いから始まる物語は圧倒的なリズム感を発散する文章で綴られ、読み手に「退屈」を微塵も感じさせない。
「サウンドトラック・レス」であるトウタは、音楽に耐えられず、それでいて運命により音の坩堝である都市に導かれてゆく。
ヒツジコは「世界」に動かされた記憶を原体験として生き、やがてその舞いの力で「世界」を動かすことを決める。
二人の二度目の邂逅の場は、灼熱と静寂の都市、東京。
本当に全篇見どころ読みどころだらけで、読んでいて非常に楽しい。特別ブッ飛んでいるのは、ヒツジコが通い、そして変えていく学校「聖テレジア学園」編だ。
指先の動きだけでダンスを造るヒツジコを中心に、遅刻ガール・ユーコ、寮生かつらガール・フユリン、全身全霊ガール・聖バビロニア改めカナ。神と三人の巫女によって作られたダンスサークルが、キリストの愛に包まれた学園を、踊り躍って侵食していく。
このユーモアとリズムは、そう、筒井康隆を思い出させる。「アラビアの夜の種族」などでは押さえつけられていたような、超強力な古川日出男の個性の魅力がここに爆発・爆誕した。
ラストには広がる可能性が在る。読者に委ねられた未来の大きさには計り知れないものがある。最後のページの後ろから聞こえる無限の音楽の調べに、耳をすませてみてください。
父と音の死とともにトウタが、母の死と一握りの奇跡とともにヒツジコが、山羊のみが棲む無人島に流れ着く。その出会いから始まる物語は圧倒的なリズム感を発散する文章で綴られ、読み手に「退屈」を微塵も感じさせない。
「サウンドトラック・レス」であるトウタは、音楽に耐えられず、それでいて運命により音の坩堝である都市に導かれてゆく。
ヒツジコは「世界」に動かされた記憶を原体験として生き、やがてその舞いの力で「世界」を動かすことを決める。
二人の二度目の邂逅の場は、灼熱と静寂の都市、東京。
本当に全篇見どころ読みどころだらけで、読んでいて非常に楽しい。特別ブッ飛んでいるのは、ヒツジコが通い、そして変えていく学校「聖テレジア学園」編だ。
指先の動きだけでダンスを造るヒツジコを中心に、遅刻ガール・ユーコ、寮生かつらガール・フユリン、全身全霊ガール・聖バビロニア改めカナ。神と三人の巫女によって作られたダンスサークルが、キリストの愛に包まれた学園を、踊り躍って侵食していく。
このユーモアとリズムは、そう、筒井康隆を思い出させる。「アラビアの夜の種族」などでは押さえつけられていたような、超強力な古川日出男の個性の魅力がここに爆発・爆誕した。
ラストには広がる可能性が在る。読者に委ねられた未来の大きさには計り知れないものがある。最後のページの後ろから聞こえる無限の音楽の調べに、耳をすませてみてください。
2005年6月21日に日本でレビュー済み
冒頭はぐっと引き込む展開(無人島でのサバイバル)でなかなか面白そうな予感だったのですが、中盤からは「なんじゃ、こりゃ」といったような、スロースペース進まないストーリと、くどくど並べられる単語や、抽象的過ぎてわからないは場面など、おもいっきり読み疲れました。
私には感性の会わない小説だったみたいです。最後まで「ヒツジコの踊り」が脳裏に浮かびませんでした。
私には感性の会わない小説だったみたいです。最後まで「ヒツジコの踊り」が脳裏に浮かびませんでした。
2006年4月23日に日本でレビュー済み
現代版コインロッカーベイビーズ。村上龍の文章は肌に合わなくてあわなくてどうしようもなかったのだが、こっちは読める。文章の密度が素晴らしく、この独特の言いまわしはさすがだ。万人に受け入れられるとは思わないけれど。
2009年というものすごく微妙な未来が舞台。東京はヒートアイランドと化し、熱帯と貸し、町は崩壊へと向かう。そのディティールと書き込みの密度がとにかくものすごい。
中でも面白かったのは、ヒツジコの学校改革。踊ることによって影響を与えるヒツジコと学校で起こりまくる怪現象。少女たちを視点としてぶっとびまくった文章。ラストのほうもとにかくかっこいい。
2009年というものすごく微妙な未来が舞台。東京はヒートアイランドと化し、熱帯と貸し、町は崩壊へと向かう。そのディティールと書き込みの密度がとにかくものすごい。
中でも面白かったのは、ヒツジコの学校改革。踊ることによって影響を与えるヒツジコと学校で起こりまくる怪現象。少女たちを視点としてぶっとびまくった文章。ラストのほうもとにかくかっこいい。