デビット・ゾペテイは、スイス人にして同志社大学文学部卒。テレビ朝日のディレクター兼記者として世界各地を飛び回る。本書は、知的で、社交的で、内省的な、テレビ人ゾペティが『心の原風景』を求めて世界各地に飛んで書いた紀行文。
『北欧でトナカイを追いかけて』、『イヌイットと過ごす8日間』といったウルルン滞在記に出てきてそうな世界僻地での旅日記が、流れるような美しい日本語で情緒豊かに綴られている。20過ぎて覚えた日本語とは到底信じられない。日本人の99%より巧い。もう脱帽である。
氏の心には、潅木もない、包みこむものは風しかない、アラスカの荒涼とした『原風景』がある。そんな原風景が好きな人には間違いなくお勧めの1冊だ。
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旅日記 A Travel Diary,Un Journal de Voyage 単行本 – 2001/8/24
デビット・ゾペティ
(著)
僕は日本語で旅の記録をつけている。美しい言葉は、世界を一段と面白く恋しい場所にしてくれる――作家ゾペティが半生とこれからを見つめる書き下ろしエッセイ。第50回日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。
- 本の長さ228ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2001/8/24
- ISBN-104087752925
- ISBN-13978-4087752922
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
僕は日本語で旅の記録を付けている。美しい言葉は、世界を一段と面白く恋しい場所にしてくれる…。旅の体験を綴りながら、作家デビット・ゾペティがこれまでの半生、そしてこれからを見つめたエッセイ。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2001/8/24)
- 発売日 : 2001/8/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 228ページ
- ISBN-10 : 4087752925
- ISBN-13 : 978-4087752922
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,199,265位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,629位日本文学(日記・書簡)
- - 7,001位紀行文・旅行記
- カスタマーレビュー:
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2010年8月25日に日本でレビュー済み
芥川賞の候補作になった『いちげんさん』に込められた詩情あふれる文章に惹かれて、デビット・ゾペティが世界を放浪した記録を読んでいます。日本語の巧みさは定評のあるところで、本作品で「第50回日本エッセイスト・クラブ賞」を受賞したのも話題性だけではなく真の評価であったことは本書を読めば理解できるでしょう。
「アリューシャン、煙る海の島々」に筆者同様、強く惹かれました。日本から近いエリアですが、中々訪れることが難しい地域でもあり、このエッセイは知りたい欲求を一定程度満たすものでした。玉砕した「アッツ島」などの第2次世界大戦の激戦地に思いを馳せたり、そこから強制移住させられた人々を追い求めたりと、そのジャーナリストの感覚と問題意識は、まさしく日本人の持つ感覚と言えるものでした。
天候に恵まれずに船がやってこないこともあり、島での耐乏生活を強いられるわけですが、それもまた彼の感覚からすれば楽しげに伝わってくるからこの旅日記も安心して読めるというものです。
この旅の途中に『いちげんさん』を記していたということが綴られています。ほとんどの場面を日本ではなく海外で執筆したということに不思議な気持ちを覚えました。そうですか。文才がある人の能力は図り知れません。
若き日の旅や日本での生活での顛末、そして愛すべき兎を日本に連れてくる道中を描いている所は面白く興味を持ちましたが、「トナカイ大紀行」は少し退屈しました。自分が楽しかったことを、他者に分かりやすく文章として表わすことは大変ですが、文筆家としての技量はそこが問われると思います。
「アリューシャン、煙る海の島々」に筆者同様、強く惹かれました。日本から近いエリアですが、中々訪れることが難しい地域でもあり、このエッセイは知りたい欲求を一定程度満たすものでした。玉砕した「アッツ島」などの第2次世界大戦の激戦地に思いを馳せたり、そこから強制移住させられた人々を追い求めたりと、そのジャーナリストの感覚と問題意識は、まさしく日本人の持つ感覚と言えるものでした。
天候に恵まれずに船がやってこないこともあり、島での耐乏生活を強いられるわけですが、それもまた彼の感覚からすれば楽しげに伝わってくるからこの旅日記も安心して読めるというものです。
この旅の途中に『いちげんさん』を記していたということが綴られています。ほとんどの場面を日本ではなく海外で執筆したということに不思議な気持ちを覚えました。そうですか。文才がある人の能力は図り知れません。
若き日の旅や日本での生活での顛末、そして愛すべき兎を日本に連れてくる道中を描いている所は面白く興味を持ちましたが、「トナカイ大紀行」は少し退屈しました。自分が楽しかったことを、他者に分かりやすく文章として表わすことは大変ですが、文筆家としての技量はそこが問われると思います。
2010年10月3日に日本でレビュー済み
アリューシャン列島など辺境への旅が語られているが、一番面白かったのはトナカイ紀行である。北欧の遊牧民とテントで寝起きをともにしながら、トナカイが北へ向かう群れについていく旅は、読みながら原野を走る風景に想像力をかきたてられ、ワクワクとさせられた。魅力的な未知への案内本である。
2001年11月10日に日本でレビュー済み
表紙に訳者の名がそえられていないように、これはイタリア人の著者自身の手になる日本語で書かれた「旅日記」である。しかもすこぶる美しく優しい詩情にあふれた文章力を示し、読み手の心を惹きつけてやまない。アラスカの永久凍土の地で腐らない死体の眠る墓のそばに立ちオーロラの色彩を見上げる一節など、淡々とした描写の裡に強い衝撃を与えるものだった。簡潔で落ち着いた表現のなかに、熱い想いをたぎらせた名著と思う。