　「都会の隙間産業」である“家政婦紹介所と便利屋サービス”を提供する「ネイバーズ・ホーム・サービス」で働く橋本サト・２８歳、が主人公。秋田の田舎町から家政婦をするために東京に出てきたのは２５歳をすぎた頃。サトは家事が好きでこの仕事を理想だと思っている。人様の家の掃除や食事の支度、付き添いの外出。様々な顧客のニーズに合わせて、働く。が、そこには当然、働きやすいお宅もあれば、クレームがついてやっかいなお宅もある。仕事と割り切っていても、手をさしのべて、もう一歩踏み込んでしまいそうになる程、気になる顧客もいる。その顧客とのやりとりや、関わり方が興味深い。都会の世知辛さが身にしみ、それでも“信頼関係”を築くために顧客に誠心誠意つくすサトたちが、愛おしいです。結婚への憧れもいつのまにかなくしていたけれど、所長の広志とつつましやかな愛を育んでいくことになる。そのゆっくりしたペースがすごくよかった。読んでてほっとする作品でした。私もがんばろう！と思いました。蛇足ながら、ネイバーズ・ホーム・サービスの社長で広志の姉の、橘あかねがめちゃめちゃかっこいい！

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ネイバーズ・ホーム・サービス 単行本 – 2002/6/1

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前川 麻子

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