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夢熊野 単行本 – 2002/10/18
紀和 鏡
(著)
平家と源氏の栄枯盛衰の時代を、熊野別当の妻であり、義経の叔母でもあった丹鶴姫の謎の生涯を通して描く。熊野の闇の奥深さ、戦乱の時代が浮かびあがる、ドラマチックで壮大な歴史長編。
- 本の長さ632ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2002/10/18
- ISBN-104087753174
- ISBN-13978-4087753172
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
いくつもの宿命の糸に操られ、多彩な生涯を生きた女「鶴」。源氏一族と義経らを陰で支えながら、熊野の闇の支配者・鶴は、何を画策したのか? 戦乱の時代、熊野を中心に新しい視点で描く。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2002/10/18)
- 発売日 : 2002/10/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 632ページ
- ISBN-10 : 4087753174
- ISBN-13 : 978-4087753172
- Amazon 売れ筋ランキング: - 942,741位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 251,969位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年8月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中上健次のパートナー紀和鏡が描いた平安時代の熊野地方の姿は色彩豊かで次々と歴史的有名人が登場し、かなりの長編ではあるが飽きさせない。文庫化されないのだろうか?
2004年6月3日に日本でレビュー済み
2年前の10月に、優れた伝奇作家・紀和鏡が復活した。この、息の長い、マージナルな作家の愛読者であった自分は嬉しかった。
驚くべきことに、作風は一変していた。作者に大きな出来事が生じたのは明らかであった。
表紙から受けた印象は間違いなかった。この著者に絶えてなかった、明るさが、華が直感されたのだ。今は人気がないかも知れないが、かって英国にライダー・ハガードという最高の伝奇作者が存在した。自分は、紀和鏡に期待した。夫君の中上が達成したように、この国のみならず、世界文学の水準に達する伝奇作品が生まれるかも知れないと。
予想は見事に裏切られた。夢熊野は、日本大衆文学の伝統を全面的に引き受けた、堂々たる歴史物語であった。表紙にうかがわれた華は、当然この間の事情を告げていたのである。これは、自分の余計な期待を黙殺した、日本伝統文学の傑作である。少女が、男の勝手な願望を裏切りつづけて成熟していく様には、一種痛快な理想が顕現している。紀和鏡は、達成したのである。なかなか理解はされないであろうが、それは丁度この作品の隠れたテーマでもある、熊野修験の、優に千年を越える営為が理解されないのと通底した現象なのでもあるが、読む人は感じざるを得ないだろう。
かって中上健次は土方作家と勘違いされた。ついで、誤って大家と思われた。しかし、彼の本領は、すべてに洞察の行き届いた、言わば教養のある姉さんのような、そしてこの国に偏在しているかのような、気の良いおばさんのような、どこまでも繊細な知性の結晶にあったのである。そういう意味で、彼の自伝は『鳳仙花』なのである。そして、この紀和鏡の夢熊野は、どのように齢を重ねようとも、頑として成熟を拒む、少女の叡智の顕現としての自叙伝なのである。これは女流の『鳳仙花』である。
驚くべきことに、作風は一変していた。作者に大きな出来事が生じたのは明らかであった。
表紙から受けた印象は間違いなかった。この著者に絶えてなかった、明るさが、華が直感されたのだ。今は人気がないかも知れないが、かって英国にライダー・ハガードという最高の伝奇作者が存在した。自分は、紀和鏡に期待した。夫君の中上が達成したように、この国のみならず、世界文学の水準に達する伝奇作品が生まれるかも知れないと。
予想は見事に裏切られた。夢熊野は、日本大衆文学の伝統を全面的に引き受けた、堂々たる歴史物語であった。表紙にうかがわれた華は、当然この間の事情を告げていたのである。これは、自分の余計な期待を黙殺した、日本伝統文学の傑作である。少女が、男の勝手な願望を裏切りつづけて成熟していく様には、一種痛快な理想が顕現している。紀和鏡は、達成したのである。なかなか理解はされないであろうが、それは丁度この作品の隠れたテーマでもある、熊野修験の、優に千年を越える営為が理解されないのと通底した現象なのでもあるが、読む人は感じざるを得ないだろう。
かって中上健次は土方作家と勘違いされた。ついで、誤って大家と思われた。しかし、彼の本領は、すべてに洞察の行き届いた、言わば教養のある姉さんのような、そしてこの国に偏在しているかのような、気の良いおばさんのような、どこまでも繊細な知性の結晶にあったのである。そういう意味で、彼の自伝は『鳳仙花』なのである。そして、この紀和鏡の夢熊野は、どのように齢を重ねようとも、頑として成熟を拒む、少女の叡智の顕現としての自叙伝なのである。これは女流の『鳳仙花』である。