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ゾラ・一撃・さようなら 単行本 – 2007/8/24
孤独で気儘な探偵・頸城悦夫のもとに、元都知事の大物タレントの館にある芸術品「天使の演習」を取り戻して欲しいという依頼が舞い込む。軽妙洒脱な会話と推理が冴え渡る!
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2007/8/24
- ISBN-104087753840
- ISBN-13978-4087753844
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2007/8/24)
- 発売日 : 2007/8/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4087753840
- ISBN-13 : 978-4087753844
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,572,281位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 403,307位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1957年愛知県生まれ。工学博士。
某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズや瀬在丸紅子たちのVシリーズ、『φ(ファイ)は壊れたね』から始まるGシリーズ、『イナイ×イナイ』からのXシリーズがある。
ほかに『女王の百年密室』(幻冬舎文庫・新潮文庫)、映画化されて話題になった『スカイ・クロラ』(中公文庫)、『トーマの心臓 Lost heart for Thoma』(メディアファクトリー)などの小説のほか、『森博嗣のミステリィ工作室』(講談社文庫)、『森博嗣の半熟セミナ博士、質問があります!』(講談社)などのエッセィ、ささきすばる氏との絵本『悪戯王子と猫の物語』(講談社文庫)、庭園鉄道敷設レポート『ミニチュア庭園鉄道』1~3(中公新書ラクレ)、『自由をつくる 自在に生きる』(集英社新書)など新書の著作も多数ある。
ホームページ「森博嗣の浮遊工作室」(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/)
●これから出る本→予定表(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/timetable.html)
●作者による作品の紹介(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/myst_index.html)
●出版された本の一覧→出版年表(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/nenpyo.html)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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一番の注目ポイントは、「天使の演習」というアイテムと「簑沢素生」という人物。この物語が講談社ノベルスで続くシリーズと同一世界の物語であると気が付く人もいるのではないでしょうか。特に「簑沢素生」からは、時間軸を推測できるので、そのあたりから想像を膨らませてみるのも面白いかもしれません。
主人公は、頸城悦夫。私立探偵。
変則なしで今回はストレートに私立探偵が主人公です。
その彼が、志木真智子という女性から依頼を受けるところから物語は始まります。彼女の依頼とは、彼女の母である貴子が昔に法輪精治郎元都知事に渡したある品を取り返して欲しいというもの。芸能界から政治の世界に入り知事になった法輪氏、彼に若き日の母が預けたのは「天使の演習 エンジェル・マヌーバ」という美術品だというのです。もちろん、元とはいえ都知事で政治の世界にも各界にも顔がきく人物で、接触からして難しい人物なのですが、依頼を受けた頸城は彼の甥との付き合いがあるということを突破口に法輪氏に近づきます。
一方、この法輪氏に対しては、ゾラという殺し屋が命を彼の命を狙っているという噂も出始めています。ゾラはヨーロッパでは有名な殺し屋で、予告して殺人をすること、特殊な銃で必ず相手を殺す事で知られています。そのゾラが彼と吉田護元総理の命を狙っているというのです。
そういう状況下のもとで、主人公の頸城は法輪精治郎に近づいていきます。果たして彼は天使の演習を無事に取り戻すことができるのか、果たしてゾラは本当に現れ法輪氏は狂弾に倒れるのか。また、頸城と志木真智子のロマンスはどうなるのか。
そのあたりが読みどころになっていますが、一読、ネタはあっさりと割れてしまいます。どうしてそこまで割れてしまうのかが不思議なくらいなんですが、森博嗣氏の叙述トリックのパターンが浸透しつくしてしまったのか、筆力そのものは落ちていないと感じられるものの、トリック、ミステリの読みどころの一つである謎ときの部分はあまりにも弱すぎるという感じがします。このあたりは森博嗣ファンでも「封印再度」や「すべてがFになる」や「女王の百年密室」などと比べれば頷かざるを得ないところだと思います。
またハードボイルドというと思い浮かべる「フィリップ・マーロウ」や「サム・スペイド」、「マット・スカダー」などと比べるとちょっと主人公が精神的に弱い感じがします。たぶん、これは言葉の定義の問題になるのかも知れませんが、ハードボイルドでは主人公が自分の心情を吐露しない、行動によって心情を語るものだという基本スタンスから外れているからくる感覚かも知れません。
ただ、そのあたりの違和感を感じつつも、作品としては僕はこの作品が好きです。
適度におしゃれで適度にハードボイルドで、適度にトリックの要素があって、また昔からの森ファンのためのお遊び要素も盛り込んで(例えば、キーワードとしてのヒロインの名前をシキにしていたり、エンジェル・マヌーバがでてきたり)いて、大作ではないけれど佳作としては十分に楽しめる作品になっているからです。ハードボイルドとして読むとちょっと軽すぎると感じるだろうし、ミステリとして読むと雰囲気重視のトリックの薄さにあっけなく感じるだろうし、ロマンスとして読むなら一本調子で変化のない道筋に盛り上がらないでしょう。リアリズムにかける、台本的なところでつまっている書き込みの足りなさという欠点があります。けれど、全体としてどうかと見れば、いい感じの佳作にしあがっていると思います。ある意味、職人芸的な仕上がりになっているかと思います。
個人的には、もっとどれかに徹底的に比重を置いた作品を読んでみたいのですが、単独作品としてはまずまずの佳作であるとしてよいと思います。
・・・と書きますが、たぶん反論、異論どんどんあるでしょうねぇ。どしどし書き込みOKです。
推理小説の定義として、論理性があることが必要条件であると思います。この方法以外に、犯行を再現することは物理的に不可能だ、この犯人以外に、被害者を殺せるやつはいない、そういった状態であることが必要なのです。
本書では、そういった論理性は皆無で、行き当たりばったり、という感じです。誰でも可能な犯行を、たぶんこの人がやったのだろう、と探偵役の人が考えて、あ、やっぱり合ってたんだ、解決!と酷く極端に歪んで捉えると、そんなふうな内容です。
なので、私と同じように、論理を重視しで「誰が犯人なのだろう……」と考えたい人にはオススメしません。
ハードボイルドの文体に忠実で、森博嗣らしいワイズクラックもあり、なかなか興味深い作品だ。
おそらく、森博嗣のファンからすると、ちょっと受け入れがたいのかもしれないけど、20年前にチャンドラーなどのハードボイルドにどっぷりハマった自分には、合っている。
こういう作品も書けるんだなぁ。ミステリとしては設定にちょっと無理があるかもしれないけど、ハードボイルドのお約束はちゃんと守られているし、読ませる話になっている。
同じ主人公で、シリーズものにしたらいいのに。
個々人の思考がある部分では美しく、そして同時に醜い。それを思った。人はその人格の中に決して一つだけを有しているのではない。愛しいと思うと同時に、醜さを感じる生き物なのだと、読了後再確認した。
個人的には、ハードボイルド小説の主人公にしては恋愛を正面から楽しんでいたりするところが引っ掛かった。まぁ、好みの問題でしかないが。
まあまあ楽しめるが、森博嗣の真髄からはちょっと程遠い感じがします。
相変わらず登場人物の会話はとてもオシャレで楽しませてくれましたが、
知的な会話は無いし、キャラクターの面白みにも既刊の佳作に比べると欠けます。
ハードカバーで売り出すところに不満も残りました。
まあ、普通です。