この作者の秀逸な点は必ず「組織」をきちんと説明する点にあると思う。日本の「麻薬取締事務所」と「警察」、アメリカの「CIA」と「DEA」、中国の行政当局と警察、そして敵となる各国の「犯罪組織」などを必ず綿密に取材するようなので圧倒的にリアリティーが増す。そのうえで、正義感にあふれるがために組織から疎外されながらも戦う魅力的な主人公を作り上げる。その姿は「新宿鮫」とも重なるが、本作はさらに日本−中国−アメリカの3国の捜査官が友情にも似た連携して徹底的に戦う壮大なスケール感があるのでみるみる引き込まれてしまう。それぞれの潜入捜査官が身元がばれないようにさまざまな工作をする焦燥感は香港映画のようだし、アメリカでの組織との対決はハリウッドのマフィア映画のような出来栄え。
北朝鮮ルートの存在を書いた以上、韓国当局からも捜査官の参加があるべきでは、という疑問や悪玉のキャラクターを立てすぎたゆえにちょっと違和感を感じる部分もあるが、ぜひ映画化にてもらいたい作品。
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欧亜純白 1 ユーラシアホワイト 単行本 – 2009/12/15
大沢 在昌
(著)
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白い“悪の連鎖"を断て! 幻の超大作。
ヨーロッパ、アジアのドラッグルートに異変が相次ぎ、世界の犯罪組織の激しい抗争が展開! その鍵を握る謎の黒幕が「ホワイト・タイガー」だった。日米潜入捜査官の苛烈な追跡が始まる迫真巨編。
ヨーロッパ、アジアのドラッグルートに異変が相次ぎ、世界の犯罪組織の激しい抗争が展開! その鍵を握る謎の黒幕が「ホワイト・タイガー」だった。日米潜入捜査官の苛烈な追跡が始まる迫真巨編。
- 本の長さ568ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2009/12/15
- ISBN-104087804771
- ISBN-13978-4087804775
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商品の説明
著者について
1956年名古屋市生まれ。79年「感傷の街角」で第1回小説推理新人賞を受賞しデビュー。86年「深夜曲馬団」で第4回日本冒険小説協会最優秀短編賞、91年『新宿鮫』で第12回吉川英治文学新人賞、第44回日本推理作家協会賞、94年『新宿鮫 無間人形』で第110回直木賞、2004年『パンドラ・アイランド』で第17回柴田錬三郎賞を受賞。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2009/12/15)
- 発売日 : 2009/12/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 568ページ
- ISBN-10 : 4087804771
- ISBN-13 : 978-4087804775
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,220,997位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 281,753位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1956年名古屋市出身。慶應義塾大学中退。79年第1回小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞し、デビュー。
86年「深夜曲馬団」で日本冒険小説大賞最優秀短編賞、91年「新宿鮫」で第12回吉川英治文学新人賞、第44回日本推理作家協会賞長編部門、94年「無間人形 新宿鮫4」で第110回直木賞、20001年「心では重すぎる」、02年「闇先案内人」で日本冒険小説大賞を連続受賞。04年「パンドラ・アイランド」で第17回柴田錬三郎賞を受賞。2006年「狼花 新宿鮫9」で日本冒険小説大賞。2010年第14回日本ミステリー文学大賞受賞。2012年「絆回廊 新宿鮫10」で日本冒険小説大賞。2014年「海と月の迷路」で第48回吉川英治文学賞受賞。2022年秋 紫綬褒章受章。
05年~09年社団法人日本推理作家協会理事長を務める。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年2月20日に日本でレビュー済み
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2010年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
舞台は日本・アメリカ・ロシアとめまぐるしく変わるので、
読んでいて、なかなか途中で止められない内容になっています
ただ、本の分量的に、時間がある時でないとなかなか難しいのもまた事実
いつもの大沢ワールドが繰り広げられているので、
著者のファンならぜひ読んでほしい一冊です!
読んでいて、なかなか途中で止められない内容になっています
ただ、本の分量的に、時間がある時でないとなかなか難しいのもまた事実
いつもの大沢ワールドが繰り広げられているので、
著者のファンならぜひ読んでほしい一冊です!
2010年1月8日に日本でレビュー済み
恐ろしいほどよく練られていてかなり読み応えある作品。扱っているテーマは麻薬犯罪についてではあるけれど、今現在の世界的な視野で見た政治や経済の潮流をしっかりと反映させてあり、現実感のあるスリリングな内容になっているあたりはさすが。
表面的な出来事の裏に何が起こっているのか、といったことに多少なりと興味のある人には、智力・体力・集中力を賭けて読む価値ある作品だと思います。
長いけれど、個人的には下巻少しいったあたりからグイグイ引っ張られ、疲れを忘れて一気に読了に向かいました。
表面的な出来事の裏に何が起こっているのか、といったことに多少なりと興味のある人には、智力・体力・集中力を賭けて読む価値ある作品だと思います。
長いけれど、個人的には下巻少しいったあたりからグイグイ引っ張られ、疲れを忘れて一気に読了に向かいました。
2010年10月11日に日本でレビュー済み
麻薬取締官(略称:麻取)という知られざる職業を主人公にあてて点は異色。
彼らは厚生省管轄の公務員でありながら、拳銃所持と逮捕権が認められている特異な存在。
本作はエンターテイメント小説ではあるが、
犯罪組織間の微妙な力関係に、日本、中国、合衆国などの麻取組織が絡み合う、
極めて複雑な展開を呈するため、全編に渡ってかなりの部分に説明的な描写がある。
これは複雑な背景を読み手に伝える意味で必要なわけだが、
過多になると興醒めするため、加減が難しい。
一方、大沢作品の魅力の一つに、スリリングなバイオレンス描写があるわけだが、
本作の上巻を読む限りでは、その方面はやや少ないように思われる。
説明的部分が多く、作品本来の筋書きの配分がやや少ない。
ちょっと話が大きくなり過ぎた感があり、この後の展開に一抹の不安はあるものの、
ホワイトタイガーの正体と三崎の運命の結末を見届けるため、
下巻へと惹きつけるだけの読み応えはある。
彼らは厚生省管轄の公務員でありながら、拳銃所持と逮捕権が認められている特異な存在。
本作はエンターテイメント小説ではあるが、
犯罪組織間の微妙な力関係に、日本、中国、合衆国などの麻取組織が絡み合う、
極めて複雑な展開を呈するため、全編に渡ってかなりの部分に説明的な描写がある。
これは複雑な背景を読み手に伝える意味で必要なわけだが、
過多になると興醒めするため、加減が難しい。
一方、大沢作品の魅力の一つに、スリリングなバイオレンス描写があるわけだが、
本作の上巻を読む限りでは、その方面はやや少ないように思われる。
説明的部分が多く、作品本来の筋書きの配分がやや少ない。
ちょっと話が大きくなり過ぎた感があり、この後の展開に一抹の不安はあるものの、
ホワイトタイガーの正体と三崎の運命の結末を見届けるため、
下巻へと惹きつけるだけの読み応えはある。
2011年1月3日に日本でレビュー済み
舞台は、広大だが
中身はこじつけ感満載。
ハードボイルドを気取ってはいるが、
登場人物がしゃべりすぎる(説明しすぎ)
ちょっと無理があるなぁと思いながら、上下巻読了。
決して面白くないわけでもないけど、このボリューム感は不要
中身はこじつけ感満載。
ハードボイルドを気取ってはいるが、
登場人物がしゃべりすぎる(説明しすぎ)
ちょっと無理があるなぁと思いながら、上下巻読了。
決して面白くないわけでもないけど、このボリューム感は不要
2010年5月6日に日本でレビュー済み
評価の高いレビューが多いので読んでみましたが、とても付き合いきれないほど、嘘っぽく、薄っぺらく、苦痛な読書でした。これ本当に面白いですか?