日本人でここまでオバマについて語れる学者がいただろうか?
渡辺将人氏の地道で独創的なフィールドワーク&研究に敬意を表したい。
この本を読めば読むほどタイトルにある「越境」の意味がジワジワ伝わり、その表現の緻密性・秀逸性を感じる事ができる。
渡辺氏によるオバマやアメリカ政治、日米外交等についてのさらなる著作を大いに期待したい。
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評伝 バラク・オバマ 「越境」する大統領 単行本 – 2009/11/5
渡辺 将人
(著)
人間オバマの実像を知る80人が、彼の半生を証言!
ハワイ、インドネシア、カリフォルニア、NY、シカゴを若手研究者が旅して、オバマ氏を直接知る関係者80人にインタビュー。誰も知らない「オバマの前半生」、魅力のルーツ、アジアとの絆を描く大作。
ハワイ、インドネシア、カリフォルニア、NY、シカゴを若手研究者が旅して、オバマ氏を直接知る関係者80人にインタビュー。誰も知らない「オバマの前半生」、魅力のルーツ、アジアとの絆を描く大作。
- ISBN-104087814327
- ISBN-13978-4087814323
- 出版社集英社
- 発売日2009/11/5
- 言語日本語
- 本の長さ336ページ
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商品の説明
著者について
1975年生まれ。シカゴ大学大学院国際関係論課程修了。ジャニス・シャコウスキー下院議員事務所、ヒラリー・クリントン上院選本部を経て、2001年テレビ東京入社。報道局にて経済部「ワールドビジネスサテライト」、政治部記者として総理官邸、外務省、国会担当等を歴任後退社。2008年コロンビア大学ウェザーヘッド研究所を経て、ジョージワシントン大学シグールセンター客員研究員。専門は米政治・外交。2009年第五回中曽根康弘賞優秀賞受賞。主著に『現代アメリカ選挙の集票過程』(日本評論社)、『見えないアメリカ』(講談社現代新書)、『オバマのアメリカ』(幻冬舎新書)、訳書に『戦争とテレビ』 (みすず書房)、『ミシェル・オバマ』(監訳:日本文芸社) 等。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2009/11/5)
- 発売日 : 2009/11/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 336ページ
- ISBN-10 : 4087814327
- ISBN-13 : 978-4087814323
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,232,807位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 164,122位ノンフィクション (本)
- - 312,128位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2010年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年1月16日に日本でレビュー済み
現職のアメリカ大統領の、それも本国で積極的には報じられないような個人のルーツに対して、日本人の研究者がここまで肉迫した事実にまず驚いた。
その影響力を考慮してか、安易に意味付けを避けたと思われる側面も多々垣間見られるが、「一個人としてのオバマとは?」という問の答えは、大統領の執政をリアルタイムで体験している我々読者に委ねたと理解できる。
著者がいわゆる政治学一辺倒の研究者ではなく、国際関係論とメディアコミュニケーションの専門家であり、題材としてアメリカ政治を扱う立場であることが、本書のルポ性の高さの所以であり、著者ならではの持ち味でもあると感じた。本書は読者に、オバマという世界でもっとも有名な政治の体現者を通じて「政治と個人のあり方」を考えることを迫る。自身の主張を正当化するために政治現象の断片を繋ぎ合わせて都合よく展開される情報発信が氾濫する中、本書は、政治ジャーナリズムのあるべき姿を示唆しているのではないか。
丹念な取材と主観を排除したジャーナリスティックな姿勢は、取材を受けた多くのオバマ関係者にも潔しと受け止められたことだろう。日本の政治ジャーナリズムを牽引する一人として、今後も著者に注目したい。
その影響力を考慮してか、安易に意味付けを避けたと思われる側面も多々垣間見られるが、「一個人としてのオバマとは?」という問の答えは、大統領の執政をリアルタイムで体験している我々読者に委ねたと理解できる。
著者がいわゆる政治学一辺倒の研究者ではなく、国際関係論とメディアコミュニケーションの専門家であり、題材としてアメリカ政治を扱う立場であることが、本書のルポ性の高さの所以であり、著者ならではの持ち味でもあると感じた。本書は読者に、オバマという世界でもっとも有名な政治の体現者を通じて「政治と個人のあり方」を考えることを迫る。自身の主張を正当化するために政治現象の断片を繋ぎ合わせて都合よく展開される情報発信が氾濫する中、本書は、政治ジャーナリズムのあるべき姿を示唆しているのではないか。
丹念な取材と主観を排除したジャーナリスティックな姿勢は、取材を受けた多くのオバマ関係者にも潔しと受け止められたことだろう。日本の政治ジャーナリズムを牽引する一人として、今後も著者に注目したい。
2012年9月9日に日本でレビュー済み
日本で外国の情勢や政治家について分析した本は数多くあるが、その生まれた場所から住んだ場所、出身校まで筆者が訪問し、実際に数十人にわたるその政治家の関係者にインタビューして書かれた本は滅多にないものである(そこまでコストをかけても採算が取れるだけの読者を獲得できないせいだろうが。。。)。本書は政治学者にして民主党のスタッフの経験もある日本人の筆者が、オバマ大統領についてそのように書いた珍しい本。アメリカやアメリカ大統領が日本人にとって非常に重要な存在であり、しかもアメリカ社会に食い込んでいる著書のような人がいたからこそ出来た本である。
ハワイ時代から大統領選まで非常に多くの情報が盛り込まれている。インタビュー対象者に日系人が多く、オバマと日本、アジアとのかかわりといった知られざる面に光が当てられていたり、日本人に馴染みの薄いアメリカ社会や政治の仕組みが加えられている点など、翻訳本とは違う面白さがある。
ただ、外的な情報量が多いことの裏返しとして、なぜ、ハワイのマルチレイシャルなオバマが本土に渡り、黒人になり、政治家になったのか、どのような価値を信奉しているのか、何が決定的な転換点だったか、というような、人間性、性格、動機の分析は比較的浅い。ハワイ、オキシデンタル大学、ニューヨークといったオバマの人生の変遷が1章、1章が独立したコラムのような仕上がりになっており、その分、「越境する人=どんな環境にも適応できるカメレオンのような人」という以上にオバマについて知ることができない。
同じ時期の体験を主観的に描いたオバマの自伝 Dreams from My Father: A Story of Race and Inheritance をメインに読み、本書をガイドブックとして補完すると、よりオバマやアメリカについての理解が深まる。
ハワイ時代から大統領選まで非常に多くの情報が盛り込まれている。インタビュー対象者に日系人が多く、オバマと日本、アジアとのかかわりといった知られざる面に光が当てられていたり、日本人に馴染みの薄いアメリカ社会や政治の仕組みが加えられている点など、翻訳本とは違う面白さがある。
ただ、外的な情報量が多いことの裏返しとして、なぜ、ハワイのマルチレイシャルなオバマが本土に渡り、黒人になり、政治家になったのか、どのような価値を信奉しているのか、何が決定的な転換点だったか、というような、人間性、性格、動機の分析は比較的浅い。ハワイ、オキシデンタル大学、ニューヨークといったオバマの人生の変遷が1章、1章が独立したコラムのような仕上がりになっており、その分、「越境する人=どんな環境にも適応できるカメレオンのような人」という以上にオバマについて知ることができない。
同じ時期の体験を主観的に描いたオバマの自伝 Dreams from My Father: A Story of Race and Inheritance をメインに読み、本書をガイドブックとして補完すると、よりオバマやアメリカについての理解が深まる。
2010年4月4日に日本でレビュー済み
これまでスピーチ集を中心にオバマ氏に関する著作を拝読してきた。
ここには今までメディアが報じなかった人間オバマがいる。
著者の渡辺氏は、アメリカ政治の現場経験があり、シカゴ大学の学生でもあった。
オバマの身体感覚を知る日本人が、オバマの出自を巡って太平洋を取材した。
オバマの青年期の貴重な写真も収蔵されている。
この著作では、オバマが才気溢れる作家志望の学生であったことが明かされる。
私たち日本人が愛読してきたオバマのスピーチは、スピーチライターの手によるものではなく、作家から「越境」してきた政治家によるものであった。
この本を強く推薦したい。
ここには今までメディアが報じなかった人間オバマがいる。
著者の渡辺氏は、アメリカ政治の現場経験があり、シカゴ大学の学生でもあった。
オバマの身体感覚を知る日本人が、オバマの出自を巡って太平洋を取材した。
オバマの青年期の貴重な写真も収蔵されている。
この著作では、オバマが才気溢れる作家志望の学生であったことが明かされる。
私たち日本人が愛読してきたオバマのスピーチは、スピーチライターの手によるものではなく、作家から「越境」してきた政治家によるものであった。
この本を強く推薦したい。