「きもの熱」の著者清野恵里子さんのきものの新刊、しかも「取り合わせの本」とあって、さっそく購入しました。
この方の書かれるものは、文章もとても好きなのですが、とにかくきもののコーディネイトのセンスが抜群で、
いつかコーディネイト集のようなものが出たらいいなと思っていたのです。
畳んだきものに帯を載せ、帯揚げと帯締めをあわせるーーちょうど表紙の写真のような見せ方で、
100通りのコーディネイトが紹介されています。
特筆すべきは、帯がすべて古布ということ。
「きもの熱」にも、藍の暖簾や布団がわを仕立てた帯が登場して、
作家ものの帯にも引けをとらない存在感をみせていましたが、
今回は日本の布だけでなく、インドや東南アジアの異国情緒あふれる布も数多く使われています。
色褪せてなお味わいを増した布（キーワードは「すがれ」）はいずれも魅力的で、
清野さんの審美眼の確かさにまず感服。
写真からは想像もつかない布の前身に幾度も驚きつつ（トルコのシーツなんていうものも）、
布が作られた時代の人々の暮らしに思いを馳せるのは、とても楽しい時間でした。
それにしても、帯としては大胆に思えるものもあるのに、渋い無地や格子の紬と見事に調和して、
どのページを開いてもため息がでるほど素敵。
本書の醍醐味は、やはり「取り合わせの美しさ」だと思います。
現代的な色や柄の組み合わせはお手本になりますし、
１枚のきものに複数の帯、１本の帯にもきものを変えたバリエーションなど、着回しの参考になります。
とりわけ私は、帯揚げと帯締めの使い方がとても勉強になりました。
清野さんが何に着目して選んでいるのかは添えられた文章でうかがい知ることができますし、
１本の帯に２枚のきものを合わせて並べたページでは、帯揚げや帯締めのもたらす効果がよくわかります。
見るたびに発見があるので、繰り返し開いて、飽きることがありません。
きものの愉しみを、間違いなく広げてくれる一冊です。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
