表題作のバイアンドバイは、いくえみ作品の中では、異色とも言える作品。
「バラ色の明日」とか「潔く柔く」のような、せつなくなる読後感とは違って、
ひたすらポップで、疾走感のある軽快な読後感です。
絵柄も最近の若年層向けの漫画に良く見られるような、可愛い感じの絵柄に少し(おそらく意図的に)変わっていて、
実験的というか、作者はいつもとちょっと趣の違う作品を描いてみたかったのかも、と思います。
ストーリーは、ある女子高生がひょんなことからなぜか様々なアクシデントに巻き込まれる一日を追ったものですが、
伏線が非常にうまく張られていて、技巧的に巧い作品でもあると思います。
「おとなりのさちこちゃん」は、
家族関係に悩む中学生とその向かいに住む浪人生の交流を描いた作品。
「家庭の中で居心地の悪い思いをしている子供」が、他者との交流を通して、
救いを見いだしていく過程をリリカルかつコミカルに描いていて、いくえみ綾の真骨頂と言えるでしょう。
最後の読み切り作品は、ちょっと後味悪いですが、印象に残る作品です。
ストーリー展開が面白い作品が収まった短編集です。
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バイ・アンド・バイ コミック – 2006/10/25
いくえみ 綾
(著)
ごく普通の女子高生が、ひょんなことから巻き込まれた事件。あれよあれよという間に、予想もできない展開になって…。表題作ほか、いくえみ綾の珠玉の読みきり、計3編収録!
【収録作品】バイ・アンド・バイ/おむかいのさちこちゃん/友達の子供
【収録作品】バイ・アンド・バイ/おむかいのさちこちゃん/友達の子供
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2006/10/25
- ISBN-104088461088
- ISBN-13978-4088461083
登録情報
- 出版社 : 集英社; 初版 (2006/10/25)
- 発売日 : 2006/10/25
- 言語 : 日本語
- コミック : 208ページ
- ISBN-10 : 4088461088
- ISBN-13 : 978-4088461083
- Amazon 売れ筋ランキング: - 494,790位コミック
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2010年9月16日に日本でレビュー済み
ベテランなのに意外と若い漫画家・いくえみ綾による短編集。この人の持ち味は短編でこそ発揮されると思う。
表題作『バイ・アンド・バイ』(「別冊マーガレット」2006年01月〜02月号掲載)の他に、『おむかいのさちこちゃん』(「別冊マーガレット」2004年07月号掲載)、『友達の子供』(「コーラス」2004年12月号掲載)が収められている。
表題作以外の2作品が良かった。『おむかいのさちこちゃん』は、予備校に通う18歳の青年を主人公に、その向かいの家に住む中学1年生の女のコとの交流を描いた読み切り漫画。中学生くらいの不安定な女のコと、彼女をそのまま受け容れる年上の男性の話は、いくえみ綾の描く漫画では定番の舞台設定だと思う(『ベイビーブルー』(1991年 集英社)然り、『バラ色の明日』第9話「who」(『バラ色の明日』第4巻〜第5巻(1998〜1999年 集英社)所収)然り。マトモな男だったら、フラフラしている中学生の女のコに対して説教して家に帰すだけだろう。悪い男だったら、食い物にするだけ。説教するわけでもなく食い物にするわけでもないのは、「不思議な男」。当然、話も「不思議な話」にならざるを得ない。『おむかいのさちこちゃん』は不思議な話ではないけれど、ストーリー的にはこれと言って何も起きないまま。しかし、そこには確実に2人の間の心の交流が描かれている。
『友達の子供』はまさに「不思議な話」。『あなたにききたい』(「別冊マーガレット」2003年04月掲載 『プレゼント』(2003年 集英社)所収)程ではないが、少し後味の悪い不気味な作品。ときどきこういうのを描いちゃうのも、いくえみ綾の魅力の1つだと思う。
表題作『バイ・アンド・バイ』(「別冊マーガレット」2006年01月〜02月号掲載)の他に、『おむかいのさちこちゃん』(「別冊マーガレット」2004年07月号掲載)、『友達の子供』(「コーラス」2004年12月号掲載)が収められている。
表題作以外の2作品が良かった。『おむかいのさちこちゃん』は、予備校に通う18歳の青年を主人公に、その向かいの家に住む中学1年生の女のコとの交流を描いた読み切り漫画。中学生くらいの不安定な女のコと、彼女をそのまま受け容れる年上の男性の話は、いくえみ綾の描く漫画では定番の舞台設定だと思う(『ベイビーブルー』(1991年 集英社)然り、『バラ色の明日』第9話「who」(『バラ色の明日』第4巻〜第5巻(1998〜1999年 集英社)所収)然り。マトモな男だったら、フラフラしている中学生の女のコに対して説教して家に帰すだけだろう。悪い男だったら、食い物にするだけ。説教するわけでもなく食い物にするわけでもないのは、「不思議な男」。当然、話も「不思議な話」にならざるを得ない。『おむかいのさちこちゃん』は不思議な話ではないけれど、ストーリー的にはこれと言って何も起きないまま。しかし、そこには確実に2人の間の心の交流が描かれている。
『友達の子供』はまさに「不思議な話」。『あなたにききたい』(「別冊マーガレット」2003年04月掲載 『プレゼント』(2003年 集英社)所収)程ではないが、少し後味の悪い不気味な作品。ときどきこういうのを描いちゃうのも、いくえみ綾の魅力の1つだと思う。
2006年11月29日に日本でレビュー済み
イマイチ…?かも↓
面白いことは面白いですが。
バイアンドバイ…いくえみらしくもあり、いくえみらしくなくもある。私的にはイマイチかな〜さちこちゃん、みっつ目は結構良かった☆
いくえみ初心者はこれじゃないほうがいいと思います。
面白いことは面白いですが。
バイアンドバイ…いくえみらしくもあり、いくえみらしくなくもある。私的にはイマイチかな〜さちこちゃん、みっつ目は結構良かった☆
いくえみ初心者はこれじゃないほうがいいと思います。
2007年4月6日に日本でレビュー済み
主人公のある1日を描いた作品なせいかあっさりとしています。
でもしっかりいくえみ綾さんらしさが所々折り込まれていて、女子高生の小さな悩みがリアルだなぁと感じます。
色んな事件や衝撃的なストーリー展開にちょっと疲れた人にはおすすめかもしれないです。…平凡な日々…からちょっぴり現実離れした軽快なストーリーです。
深い人間模様を得意とされるいくえみ綾さんの作品にしては軽いけど、それはそれでやっぱ楽しくてあっというまってのがまたいいんです。
買って損はないと思いますよ。
でもしっかりいくえみ綾さんらしさが所々折り込まれていて、女子高生の小さな悩みがリアルだなぁと感じます。
色んな事件や衝撃的なストーリー展開にちょっと疲れた人にはおすすめかもしれないです。…平凡な日々…からちょっぴり現実離れした軽快なストーリーです。
深い人間模様を得意とされるいくえみ綾さんの作品にしては軽いけど、それはそれでやっぱ楽しくてあっというまってのがまたいいんです。
買って損はないと思いますよ。