原作のこの時点では、志摩子の悩みの本質は伏せられている。つまり、この時点では、何を考えているかつかみどころのない人という扱いである。しかしこちらでは、原作ではさりげない一言でしかなかった、お姉さま・佐藤聖に受け入れられたことに自分の存在価値を見い出す、という視点が色濃く出ている。つまり、「片手だけつないで」を一部先取りする形だ。
また、セリフのない日常場面の描写(後半「ロサ・カニーナ」第3回最終ページ)が読者に、この人たちは今どんな想いでこの時を過ごしているのだろうという想像力をかきたてる。
一方で前半「長き夜の」はコメディだが、墨を塗られる姉弟狸の画が秀逸。こういうところできちんと笑いをとることも忘れていない。
ややもすれば事務的に終わってしまいそうなこのエピソードだが、冗長な点をばっさり削って、ここまで味付けを施したのは秀作と言っていいだろう。
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マリア様がみてる 4 (マーガレットコミックス) コミック – 2005/6/24
リリアン女学園は冬休み中。自宅でお正月を迎えた祐巳のもとに、白薔薇さまからの電話が。白薔薇さまに連れられて、「ある合宿」に行くことになった祐巳。そして、辿り着いた場所は…!?
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2005/6/24
- ISBN-104088478622
- ISBN-13978-4088478623
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2005/6/24)
- 発売日 : 2005/6/24
- 言語 : 日本語
- コミック : 224ページ
- ISBN-10 : 4088478622
- ISBN-13 : 978-4088478623
- Amazon 売れ筋ランキング: - 554,747位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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1965年6月2日、東京生まれ。『夢の宮 竜のみた夢』で1993年上期コバルト・ノベル大賞、コバルト読者大賞受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『お釈迦様もみてる S-キンシップ』(ISBN-10:4086014513)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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2006年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2005年6月25日に日本でレビュー済み
「マリてる」は幅広いファンを獲得している人気漫画です。
心の動きも外せない魅力の一つだし、何よりキリスト教の美しい神話が散りばめられているのがおさなごころにあこがれるところがあるのでしょう。
私としてはヒトミよりもユコに惹かれるのですが、彼女の受難はまだまだ続きそうです。
腰をすえてじっくりと読みたいと思います。
心の動きも外せない魅力の一つだし、何よりキリスト教の美しい神話が散りばめられているのがおさなごころにあこがれるところがあるのでしょう。
私としてはヒトミよりもユコに惹かれるのですが、彼女の受難はまだまだ続きそうです。
腰をすえてじっくりと読みたいと思います。
2007年2月3日に日本でレビュー済み
3巻では、晩秋の、親友以上になってしまった表現する言葉が難しい複雑な二人の乙女の関係の内面に迫る重たい話になってしまったが、「長き夜の」では、一転して、コメディ調で、「祐巳ー祥子」の絡み合いもあり、正月を山百合会のメンバーで楽しむ様子がほほえましい。
「ロサ・カニーナ」では、蟹名静という、「ピンクの薔薇」に引っ掛けた「山百合会」以外の別のメンバーをスパイスとして加えることで、思わぬ展開が。。
特に志摩子は「生徒会役員になるためではなく、聖様が好きで、スールになった」と言い張るも、「ロサ・カニーナ」の動きで、志摩子の内面が非常に揺れ動く。
しかし却ってその結果、それまで、漠然としていた白薔薇ファミリーの佐藤聖に、「妹として」受け入れられたそのいきさつも含めて、志摩子自身の存在価値を彼女が再確認するところは、見所。
「ロサ・カニーナ」では、蟹名静という、「ピンクの薔薇」に引っ掛けた「山百合会」以外の別のメンバーをスパイスとして加えることで、思わぬ展開が。。
特に志摩子は「生徒会役員になるためではなく、聖様が好きで、スールになった」と言い張るも、「ロサ・カニーナ」の動きで、志摩子の内面が非常に揺れ動く。
しかし却ってその結果、それまで、漠然としていた白薔薇ファミリーの佐藤聖に、「妹として」受け入れられたそのいきさつも含めて、志摩子自身の存在価値を彼女が再確認するところは、見所。
2005年7月4日に日本でレビュー済み
原作を一通り読んでいると、志摩子や静の随所随所の心情は理解出来るのだが、初見でそれが
この作品にどこまで描かれていたかは、既に私には判断出来ない。『片手でだけつないで』
『チェリーブロッサム』などを読んでいれば、志摩子が生徒会役員の立候補をためらった理由も
瞭然なのだが、いささか冗長が過ぎた気がするのは私だけだろうか。本来は祐巳と祥子との関係性
を対比させるのが主軸の作品造りだと私は解しているので、そう言う意味では物足りなかった気は
している。
この作品にどこまで描かれていたかは、既に私には判断出来ない。『片手でだけつないで』
『チェリーブロッサム』などを読んでいれば、志摩子が生徒会役員の立候補をためらった理由も
瞭然なのだが、いささか冗長が過ぎた気がするのは私だけだろうか。本来は祐巳と祥子との関係性
を対比させるのが主軸の作品造りだと私は解しているので、そう言う意味では物足りなかった気は
している。
2005年7月9日に日本でレビュー済み
特にロサカニーナの方ですが、ちょっと駆け足気味な印象を受けました。
できたら先に小説を読んでから読むといいかも知れません。
ところで長き夜の~で男性二名の絵が3巻までと全然違う
気がするのは私だけでしょうか…
できたら先に小説を読んでから読むといいかも知れません。
ところで長き夜の~で男性二名の絵が3巻までと全然違う
気がするのは私だけでしょうか…
2005年7月17日に日本でレビュー済み
基本的にはタイトルどおりで、よくまとまっていて面白かったです。ただ、車や建物の絵が下手なのが残念でした。特に祥子家の風呂の狭さ、佐藤さんの車や小笠原家のリムジンのおもちゃっぽさは作品そのものを安っぽく感じさせるものでした。余白スペースの動物コスプレも、単に動物の体にキャラの顔をつけただけにとどまるもので、前巻に見られたほどの意外性や上手さは感じられませんでした。