デビュー作TISTAはあまりにも暗すぎて一般受けせず、現在人気のスパイファミリーは一般受けに全振りして遠藤先生らしさがスポイルされてる。
本作、月華美刃はその中間に位置してるように思える。少年誌のような主人公の成長や仲間との絆が描かれながらも遠藤作品らしい闇を感じる作風に仕上がっている。
遠藤作品の素晴らしさの一つは、静と動、愛と憎しみ、停滞と躍進が背中合わせの存在であることが強く伝わってくる画力にある。スパイファミリーのように明るい部分が多すぎる作品だと、このような遠藤先生の強みを感じることは難しいが、月華美刃にはそれが詰まっている(前作のTISTAにも)。
唯一残念なのは、最後は打ち切りであろう終わり方により、きちんとこの作品が終わる姿を見届けることができない点である。辻褄は合うように整えられているが、かなり足早に話が収束してしまう。こればかりは仕方ないないこと。
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月華美刃 1 (ジャンプコミックス) コミック – 2010/9/3
遠藤 達哉
(著)
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月の統治者・銀后の娘として育てられた竹之内カグヤ。厳しい稽古事を抜け出し、我が侭し放題のカグヤだが、皇太子に元服する日が迫っていた! そんな中、銀后であり母のフジヤが突然の病で倒れて!?
- 本の長さ186ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2010/9/3
- ISBN-104088701305
- ISBN-13978-4088701301
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2010/9/3)
- 発売日 : 2010/9/3
- 言語 : 日本語
- コミック : 186ページ
- ISBN-10 : 4088701305
- ISBN-13 : 978-4088701301
- Amazon 売れ筋ランキング: - 239,001位コミック
- カスタマーレビュー:
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2020年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
SPY×FAMILYが良くて買ってみたが、話が難しいく、まとまっていない感じの印象だった。
巻数が少なくてまとめ買いは進めない。
中古で一冊読んで良かったら全巻買えばいいと思う。
巻数が少なくてまとめ買いは進めない。
中古で一冊読んで良かったら全巻買えばいいと思う。
2010年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
TISTAからのファンです。
個人的には、続きに期待できる漫画のひとつじゃないかと思っています。
ネタは割りとよくある感じだと思いますし、展開もまぁ、ありがち。
TISTAとはまた違う方向性の作品ですが、
スタートダッシュが微妙だったとしても、作者独自の解釈、味付けにセンスを感じます。
次の巻も買います。続き読みたいですヽ('ー`)ノ
個人的には、続きに期待できる漫画のひとつじゃないかと思っています。
ネタは割りとよくある感じだと思いますし、展開もまぁ、ありがち。
TISTAとはまた違う方向性の作品ですが、
スタートダッシュが微妙だったとしても、作者独自の解釈、味付けにセンスを感じます。
次の巻も買います。続き読みたいですヽ('ー`)ノ
2011年2月12日に日本でレビュー済み
実は創刊から毎号「SQ」を買っているのですが、
この作者の前作「TISTA」は全く読んでいませんでした。
何かこうぱっと見で生理的に見たいと思わなかったからなのですが、
(一生懸命描いてるであろう作者さんには失礼かと思いますが・・・)
正直、後から同じ作者と知ってあれ〜っと思いました(苦笑)
この「月華美刃」は面白いです。
話の内容は「かぐや姫」を「現代的なSF物語」として解釈し直した感じになってます。
ちょっとした行き違いから母親の愛情を信じられなくなり、
皇族である事を疎ましくすら感じてた多感な年頃の女の子が、
母親の本当の気持ちを知って責任感に目覚めた所でクーデターが勃発、
たった独りで月から地球に逐われてしまいます。
その後、カグヤが月、というか母親を取り戻す為に奮闘する日々が話の軸になって行きます。
物語全編通して、主人公であるカグヤの周辺に居る人物がとても生き生きとしてて、
魅力的なのもこの物語のセールスポイントかもしれません。
(・・・中には個性的過ぎて変態の領域に踏み込んでるのも多々居ますけどネ(汗))
個人的に好ポイントなのはココで、
この手の漫画には「付き物」の美形の男キャラがほとんど出て来ない点。
一部の例外を除いてカグヤの周辺に居るのは男も女も「普通の人」ばっかりです。
(話が進めば普通じゃない?美形も出て来ますがw)
欲を言えばもうちょっとテンポが良ければもっと良い感じになると思うんですけどね。
カグヤの母である銀后や父親役?のシシマロのその後とか気になってしょうがなかったです。
この作者の前作「TISTA」は全く読んでいませんでした。
何かこうぱっと見で生理的に見たいと思わなかったからなのですが、
(一生懸命描いてるであろう作者さんには失礼かと思いますが・・・)
正直、後から同じ作者と知ってあれ〜っと思いました(苦笑)
この「月華美刃」は面白いです。
話の内容は「かぐや姫」を「現代的なSF物語」として解釈し直した感じになってます。
ちょっとした行き違いから母親の愛情を信じられなくなり、
皇族である事を疎ましくすら感じてた多感な年頃の女の子が、
母親の本当の気持ちを知って責任感に目覚めた所でクーデターが勃発、
たった独りで月から地球に逐われてしまいます。
その後、カグヤが月、というか母親を取り戻す為に奮闘する日々が話の軸になって行きます。
物語全編通して、主人公であるカグヤの周辺に居る人物がとても生き生きとしてて、
魅力的なのもこの物語のセールスポイントかもしれません。
(・・・中には個性的過ぎて変態の領域に踏み込んでるのも多々居ますけどネ(汗))
個人的に好ポイントなのはココで、
この手の漫画には「付き物」の美形の男キャラがほとんど出て来ない点。
一部の例外を除いてカグヤの周辺に居るのは男も女も「普通の人」ばっかりです。
(話が進めば普通じゃない?美形も出て来ますがw)
欲を言えばもうちょっとテンポが良ければもっと良い感じになると思うんですけどね。
カグヤの母である銀后や父親役?のシシマロのその後とか気になってしょうがなかったです。
2011年1月4日に日本でレビュー済み
TISTAで注目していた遠藤さんですが、おお! こういう方向でいくのか! と驚きました。
まぁ原型は四方遊戯に既にあったわけですが、ここまで描きこなすとは。すげー。
TISTAは私も大好きなんですが、今思えば暗すぎたんですね。お話が暗い方向に引っ張られすぎちゃった。いえ、暗い側面も遠藤先生の味だと思いますし、そこが魅力的でもあったんですが、スクエア創刊時に他の連載を圧倒して面白かったのは暗いとこもなにもかもひっくるめて「単純に漫画として面白かった」という事実でした。
そして今作。お話は実は緊迫していて暗い部分もあるのですが、意図的に明るく、軽さも出しております。
そして一番びっくりしたのが、たしかに少年漫画なのですが、これは今はほぼ亡きジュブナイルファンタジーではないか!ということ。今となってはライトノベルの中で細々と息をしている、少年(年少という意味です)がファンタジー世界において重い運命を負わされながら果敢に生きていく、という正統派なジュブナイルなのです。
そのための月世界や穢星という設定、銀皇と皇室内での権力闘争、多少強いけどどこまでも未熟な主人公カグヤとその成長、母娘の思い、生き生きした家臣たち、へたれな相棒、穢星での身分の差など、実にまっとうなジュブナイルファンタジーであり、これを単純に少年漫画と呼んでしまうのはちょっともったいないです。もちろん少年漫画なのですが。
遠藤さんは物語の人だとは思ってたけど、万全を期して描くとここまで物語的であるのか、と。驚嘆です。
もちろん、相変わらずデザインや絵柄のセンス、漫画のセンスは図抜けてますし、たいへんなストーリーテラーですから1話ですでに私泣かされてしまいました。
あるようでなかった少年漫画。当然お勧めです!
まぁ原型は四方遊戯に既にあったわけですが、ここまで描きこなすとは。すげー。
TISTAは私も大好きなんですが、今思えば暗すぎたんですね。お話が暗い方向に引っ張られすぎちゃった。いえ、暗い側面も遠藤先生の味だと思いますし、そこが魅力的でもあったんですが、スクエア創刊時に他の連載を圧倒して面白かったのは暗いとこもなにもかもひっくるめて「単純に漫画として面白かった」という事実でした。
そして今作。お話は実は緊迫していて暗い部分もあるのですが、意図的に明るく、軽さも出しております。
そして一番びっくりしたのが、たしかに少年漫画なのですが、これは今はほぼ亡きジュブナイルファンタジーではないか!ということ。今となってはライトノベルの中で細々と息をしている、少年(年少という意味です)がファンタジー世界において重い運命を負わされながら果敢に生きていく、という正統派なジュブナイルなのです。
そのための月世界や穢星という設定、銀皇と皇室内での権力闘争、多少強いけどどこまでも未熟な主人公カグヤとその成長、母娘の思い、生き生きした家臣たち、へたれな相棒、穢星での身分の差など、実にまっとうなジュブナイルファンタジーであり、これを単純に少年漫画と呼んでしまうのはちょっともったいないです。もちろん少年漫画なのですが。
遠藤さんは物語の人だとは思ってたけど、万全を期して描くとここまで物語的であるのか、と。驚嘆です。
もちろん、相変わらずデザインや絵柄のセンス、漫画のセンスは図抜けてますし、たいへんなストーリーテラーですから1話ですでに私泣かされてしまいました。
あるようでなかった少年漫画。当然お勧めです!
2010年12月30日に日本でレビュー済み
前作『TISTA』も大好きでしたが、この『月華美刃』もジャンプスクエアの中で一番好きです。
スタイリッシュな絵柄、読者の視点を誘導するようなコマ割りや構図、センスの利いたセリフ、表情豊かなキャラクター、クオリティの高いアクションシーン、世界観の構築、どれも素晴らしい。
特に、母と娘の絆、親子の情愛というものがさりげなく描かれていて、少女が主人公でありながら、ジャンプらしいワクワクするような『ファンタジー王道少年漫画』じゃないかと思う。
物語は、平安時代?と近未来都市?を融合したような'月の都'の統治者である銀后の娘・継承者の立場にある「竹之内カグヤ」を主人公に描かれていて、病弱な母・銀后フジヤ、その地位を狙う分家、真っ直ぐでお転婆で無鉄砲だけど少女らしい一面も持つカグヤ、カグヤの戴冠式に起きるテロ、そのクーデターで「穢星」へと逃亡していく序盤から怒涛の展開で、第一話からグイグイ引き込まれました。面白い!
退廃した国を建て直し、民に慕われる母フジヤと、かっこいい母様ようになりたかったカグヤ。姫という立場に生まれたが故の過酷な運命に翻弄されながらも、必死で戦い成長していくだろうカグヤの物語の波乱の幕開けで、第弐集(一巻、二巻ではなく、第壱集なんですね)も非常に楽しみです。
ともかく、話の設定もキャラクターも絵もとても魅力的で面白い一冊でした。
スタイリッシュな絵柄、読者の視点を誘導するようなコマ割りや構図、センスの利いたセリフ、表情豊かなキャラクター、クオリティの高いアクションシーン、世界観の構築、どれも素晴らしい。
特に、母と娘の絆、親子の情愛というものがさりげなく描かれていて、少女が主人公でありながら、ジャンプらしいワクワクするような『ファンタジー王道少年漫画』じゃないかと思う。
物語は、平安時代?と近未来都市?を融合したような'月の都'の統治者である銀后の娘・継承者の立場にある「竹之内カグヤ」を主人公に描かれていて、病弱な母・銀后フジヤ、その地位を狙う分家、真っ直ぐでお転婆で無鉄砲だけど少女らしい一面も持つカグヤ、カグヤの戴冠式に起きるテロ、そのクーデターで「穢星」へと逃亡していく序盤から怒涛の展開で、第一話からグイグイ引き込まれました。面白い!
退廃した国を建て直し、民に慕われる母フジヤと、かっこいい母様ようになりたかったカグヤ。姫という立場に生まれたが故の過酷な運命に翻弄されながらも、必死で戦い成長していくだろうカグヤの物語の波乱の幕開けで、第弐集(一巻、二巻ではなく、第壱集なんですね)も非常に楽しみです。
ともかく、話の設定もキャラクターも絵もとても魅力的で面白い一冊でした。
2010年12月17日に日本でレビュー済み
前作のTISTAとは方向性を変えた、ギャグ色強めのアクション漫画だ。
TISTAがよかったので期待していたが、面白いとは思わなかった。
方向性を変えたのが気に入らなかったとか、ギャグ・アクションが個人的に嫌いだ、というわけではない。
まず絵が前作と比べて白く薄味になってしまったのが残念。見せ場のシーンは印象に残らないし、作品の和の雰囲気がでてきていない。
ストーリーはテンポが悪いので、もっと洗練してほしい。
それとキャラクターに魅力がない。みな似たような性格で、内面の掘り下げが少し適当なような気がした。
前作のTISTAとは方向性が違うので比べるのはお門違いかもしれないが、この方向性ならではの魅力というものがあまり見られなかった。
TISTAがよかったので期待していたが、面白いとは思わなかった。
方向性を変えたのが気に入らなかったとか、ギャグ・アクションが個人的に嫌いだ、というわけではない。
まず絵が前作と比べて白く薄味になってしまったのが残念。見せ場のシーンは印象に残らないし、作品の和の雰囲気がでてきていない。
ストーリーはテンポが悪いので、もっと洗練してほしい。
それとキャラクターに魅力がない。みな似たような性格で、内面の掘り下げが少し適当なような気がした。
前作のTISTAとは方向性が違うので比べるのはお門違いかもしれないが、この方向性ならではの魅力というものがあまり見られなかった。
2010年9月4日に日本でレビュー済み
2000年にジャンプ本誌に掲載された同名タイトルの読切
作品を連載作品として再構成し、イチから描き直したもの。
読切版が収録されている 『四方遊戯』 では、作者が〈わりと続きを描いてみたい
作品〉とコメントをしており、今回の連載は満を持して――なのかと思われます。
さて、内容のほうは、『竹取物語』をモチーフにした和風ファンタジーで、
前作 『TISTA』 のヘビーでシリアスな筆致とは違った、王道少年漫画の
筆法にもとづいて描かれており、ヒロイン像も“強くたくましい女の子”に
原点回帰――初期作のリメイクなので当たり前ですが――しています。
とはいえ、一見勝気で直情径行な“強い女の子”である本作のヒロイン・
カグヤも、その内面には歳相応の“弱さ”を抱えており、時折それを垣間
見せることで落差を際立たせ、読者を惹きつける演出がじつに秀逸です。
そして、次々と押し寄せる試練に否応なく己の無力さを実感
させられながらも、気高く前を向くカグヤの姿が胸を打ちます。
本作は、少女を主人公に、真っ向から王道少年漫画
を描こうとする意欲作、といえるのではないでしょうか。
▼付記
ちょっとあり得ない(笑)“竹取の翁”だとか、求婚者ならぬ
“求魂者”――子安ガイ(原典のかぐや姫が要求した宝の
一つ)など――のキャラ造形といったあたりは、ベタながら
作者独特のセンスが感じられ、面白かったです。
作品を連載作品として再構成し、イチから描き直したもの。
読切版が収録されている 『四方遊戯』 では、作者が〈わりと続きを描いてみたい
作品〉とコメントをしており、今回の連載は満を持して――なのかと思われます。
さて、内容のほうは、『竹取物語』をモチーフにした和風ファンタジーで、
前作 『TISTA』 のヘビーでシリアスな筆致とは違った、王道少年漫画の
筆法にもとづいて描かれており、ヒロイン像も“強くたくましい女の子”に
原点回帰――初期作のリメイクなので当たり前ですが――しています。
とはいえ、一見勝気で直情径行な“強い女の子”である本作のヒロイン・
カグヤも、その内面には歳相応の“弱さ”を抱えており、時折それを垣間
見せることで落差を際立たせ、読者を惹きつける演出がじつに秀逸です。
そして、次々と押し寄せる試練に否応なく己の無力さを実感
させられながらも、気高く前を向くカグヤの姿が胸を打ちます。
本作は、少女を主人公に、真っ向から王道少年漫画
を描こうとする意欲作、といえるのではないでしょうか。
▼付記
ちょっとあり得ない(笑)“竹取の翁”だとか、求婚者ならぬ
“求魂者”――子安ガイ(原典のかぐや姫が要求した宝の
一つ)など――のキャラ造形といったあたりは、ベタながら
作者独特のセンスが感じられ、面白かったです。