岸本斉史『NARUTO―ナルト― 12』（集英社、2002年）は中忍選抜試験の第三の試験の本選である。表紙は、うずまきナルトと奈良シカマル。
うずまきナルトと日向ネジの対決から始まる。日向の分家と本家の因縁が明かされる。ネジの恨みは必ずしも正しいものではなかった。しかし、分家が可哀想な存在であることは変わらない。父の死の真相を知ったネジは気持ちを新たにしたが、それでいいのかと思ってしまう。
これは、ずっと後のイタチの真実を知ったサスケの反応とは真逆である。この時のサスケの反応だけを読むと、サスケがひねくれ者に見えてしまう。しかし、自己犠牲を当然視して、他の者がのうのうと生活している里の実態に対してサスケの反応は理解できる。
逆に今回のネジの反応の方が優等生過ぎてつまらない。サスケは優等生的な里の論理で止めることはできない。ナルトのような虐げられた者がぶつからないと止められないだろう。ナルトとサスケの激突は必然だろう。
次は奈良シカマルとテマリの対決である。頭脳戦が展開される。週刊少年ジャンプで頭脳戦と言えば『DEATH NOTE』が有名であるが、王道バトル漫画の『NARUTO』にも、その要素があった。
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