作者ご本人が巻末にて『愛が全面的に出すぎていてもいいではないか』という、信念を持って描かれた漫画です。
ただ、その信念とも言うべき『愛』という想いそのものを描こうという情熱や、あるいは作者自身の魂とも言うべきメッセージ性は、少年マンガという技法においては『１冊だけ』では、必ずしも分かるものではないという致命的な弱点があることは否めません。
そこで、まずは、騙されたと思って『６巻』まで全部ご購入されることをお勧めしたいと思います。
というのは、５巻にて主人公の片方である零が、愛する黒姫のために、黄泉の国の血の大河に呑みこまれてしまうという衝撃的なラストで『第一部』が完結しており、６巻はその第一部を前提とした、いよいよ真の意味での作者が追及する『愛』を全面に出した物語が展開されていくからです。
ちなみに、６巻まで読まれますと、確実に７巻が読みたくなり、７巻を読まれますと８巻を読まずにはいられなくなり、そして、８巻を読破しますと、今度は９巻が出るのはいつなのかを指折り数えて待つ羽目になり、待ちきれなくなりますと連載中の月刊少年ジャンプへ手を出すという確実な罠が待っていますので、ご注意を…。
それでも、現在は８巻までありますので、飢えた時には、１巻から繰り返し読むことで９巻を待つことはできるでしょう。
本当に『愛』と『命』を真摯に、それも正面から、そうでありながら、一見すると、エロティック風味な絵やギャグでエンターテイメントの砂糖味でコーティングすることで、その真摯さを隠してしまおうとさえしているように見える不思議な魅力溢れる作品です。
一人でも多くの方が、黒姫と零の幸せと、この連載の応援してくださることを祈って星五つ！
完結を見るまでは、絶対に連載が中断にならないように…祈らずにはいられません。心から。
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