前の本にあたる『徹底反復 漢字プリント 小学校全学年』の初版が出てからしばらく経っても残りの常用漢字版が一向に出版されないのを見て、この種の本の出版予定はないものと思っていた。しかし要望が絶えなかったのか、今年に入って出版していることに気付いた。私もそれを望んでいた一人である。
しかし私が考えている利用方法はちょっと違う。いまこうして入力している感想文もそうだが、キーボードからの入力にかな漢字変換はほとんど使用していない。「漢字直接入力」という入力方法で一字一字打ち込んでいるからである。この入力方法は誤変換から解放される反面、常用漢字1945字分の漢字全てを打ちたければ1945通りのキーコンビネーションを覚えなければならない。正しく覚えられたどうか、そのチェック用の文章として本書を活用しているのである。自分で問題文を考えようとしてもはなかなか思いつかないので。
数日かけて問題文をすべて打ち終えてみて、前書との違いを主にいくつか気になった点を挙げておく。なお、私が「前書」といっているのは改訂前（2003年7月1日初版15刷発行）を指す。
１ 「当選」は新聞協会が定めた代用表記で国語審議会が定めたわけではない。その証拠に宝くじでの表記は「当せん」となっている。「当選」という表記があたかも一般的な表記であるかのように使用するのは問題がある。
２ 前書では使われていた同の字点「々」を否定している。そういう主義を持つ人がいることは知っているし理解できるのだが、私が小学生だった頃はちゃんと教わっている。最近の初等教育では使わないように指示しているのか。
３ 「こども」の表記について。前書の問題文では「子供」となっていたが今回は一貫して「子ども」で統一されている。編集方針を上や現場の人間の都合でコロコロ変えないでほしい。だいいち、そこまで気にするのならいっそのこと全てかな表記にすればいいだろう。もともと和語なんだから。イデオロギーを教育の現場に持ち込むな。
本書は漢字を覚えることが主目的なので、文章の内容に多少無理が生じてもそれはしかたのないことと考える。
しかしそれを差し引いても、教育関係の本を出版してきている会社から出しているのであれば、用字のチェックぐらいはしっかりすべきだろう。本当に教育書に携わる人たちによる編集なのかと目を疑う。
それと書き順のページはいらない。これをなくして千円ぽっきりで売ればいいのに。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
