『山猫天使』シリーズ第二弾。モレ伯爵家の末裔でルイ14世の庶孫ガブリエル、ラファエル姉弟と、（伯爵家とは血縁のない）モレ侯爵ジャンルイのお話。この本ではモレ侯爵とガブリエルが結婚し、息子も生まれ前作での「モレ伯爵家とモレ侯爵家の血統を統合し領地と財宝を守る」プランが軌道に乗っています。
それに伴い姉ガブリエルは完全に出番が減り弟ラファエルの土壇場。フランス王の裏近衛兵『黒百合の騎士』などおもしろい新エピソードもありつつ、作中で何年経過してるんだ？！と混乱。
三作目の『ヴェルサイユのシンデレラ』へつながる重要人物ポーランド元王の娘マリーも登場、摂政オルレアン公唯一の嫡子シャルトル公も、ルイ15世の婚約者スペイン王女の付き添いルピオ伯爵もみんなマリーに恋するが、モレ侯爵は（ちとダサい）とマリーには興味なし。ギャップにわらいました。ただのモテモテでないところがひねくれていいなと。
山猫天使のパパ、失脚したメーヌ公のおいたの始末に奔走するラファエルの『父親でなかったら見捨てる』あたり、ラファエルがこの話で一番わりをくっている気がします。ルピオ伯爵もだし、ここから登場するラスボス的存在のブラボン公とブリ候妃ですが、二人とも不細工だし（設定上仕方ないけど）、コンデ公女でメーヌ公妃様ももう少しかき込んであるとうれしいです。ちょい展開早い！
名香作品らしくポリアモリーぽい面もあり、姉ガブリエルと結婚しラブラブのモレ侯爵がまだラファエルにヘラヘラしてるのが時代背景とマッチしてます。実は切れ者の功労者で普段は昼行灯のポンコツモレ侯爵、彼ももう少し細かくかかれてたらなぁ。
ただ内容は抜群におもしろいので、読めてよかったです！
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